無償化連絡会・大阪

〜 子どもたちの笑顔と希望のために 〜

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ジュネーブ報告集会

2019年2月15日。東成区民センター大ホールにて、「国連『子どもの権利委員会』ジュネーブ報告集会」が行われました。
「大阪府オモニ連絡会」と「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」の共催で行われたこの日の集会には、子どもたちの学ぶ権利を勝ち取るための運動において常に最前線で声を上げ続けるオモニたちが国際社会に向けて朝鮮学校の置かれた状況、日本社会における差別の現状を直接訴えかけた貴重な活動の報告を聞こうと、朝鮮学校保護者たちや同胞、日本人支援者らが多数参加しました。
集会は、「ウリハッキョを守る歌」、「大阪勝訴」、「金福童ハルモニを偲んで」と、三つの内容で編まれた映像から始まり、去る1月28日に永眠された金福童ハルモニの功績を讃え、冥福を祈る参加者全員の気持ちを込めて黙祷を捧げました。その後、司会の裵香淑さんが開会を宣言し、主催者を代表して金亜紀さんが挨拶をしました。挨拶では「高校無償化」適用を求め始められた裁判闘争が9年目を迎える中、子どもたちの「学ぶ権利」を勝ち取るための闘いが新たなステージへと移ったとしながら、「火曜日行動」や要請、抗議行動、イベントや集会などこれまで行われてきた活動の意義を振り返りながら集会内容が紹介されました。そして、日本に暮らす全ての子どもたちの尊厳が平等に守られることを願いながら、今日の集会から大きな「学び」を得て「連帯」を確かめあえる場にし、更なる運動の拡大をもって朝鮮学校の教育権を求める大きな世論を巻き起こそうと呼びかけました。

続いて、全国オモニ連絡会代表として1月14日からスイスのジュネーブに赴き、精力的なロビー活動を行なってきた大阪朝鮮高級学校オモニ会代表が報告をしました。現地での映像を交えたプレゼンを通して代表は、朝鮮学校に子どもを通わせている当事者の自分たちが国連の場で直接声を上げ訴えかけることの意義を語りました。特に、朝鮮学校の置かれた現状に大きく関心を持ってくれた委員に、具体的な資料を持って訴えた際、自分の言葉にひとつ一つ大きくうなずきながら、当たり前のこととして子どもたちの「学ぶ権利」を求めるオモニたちの心情に痛切な共感を示してくれたこと、そしてその委員が、朝鮮学校問題を差別事象として一向に認めようとしない日本政府代表らを詰問した事実を報告し、正義ある我々の声は必ず国際社会に届くと確信に満ちた声で語りました。そして最後に、権利闘争は長くて辛いものだが、子を持つオモニたちがもう少し頑張ってこの闘争を終わらせよう、幼い子どもたちに引き継がせることがないよう闘って勝とうと力強く訴えました。
次に、オモニたちのロビーイングに同行した在日本朝鮮人人権協会の宋恵淑さんが登壇しました。2001年から「人権条約」に関する国連審査に携わってきた宋さんは、その18年のキャリアの中でも全く経験のなかったこととして、今回、自分たちが準備した資料の受け取りを議長に断られた事実を報告しました。その原因として、日本の抱える人権諸問題について訴える活動を露骨に邪魔立てする集団が国連にも押しかけ、時には委員を取り囲み日本政府に対する厳しい質問を取り下げるよう恫喝するといった事案が、委員会をナーバスにさせていると分析しました。事実、今回の「子どもの権利委員会」にもその様な一団が大挙して詰めかけ、オモニたちの活動も制限され悪影響を受ける事態になったと宋さんは報告しました。それでも、全国のオモニたちを代表し、長旅の疲れにも耐えながら果敢なロビー活動を展開したオモニたちの活躍を克明に紹介した宋さんは、特に2010年3月の「人種差別撤廃委員会」に端を発し5度目となる「勧告」が今回出された意義を振り返りました。何よりも今回の「勧告」がより具体的な内容をもって日本政府の差別政策を指摘し、改善を促したと文言を分析しながら解説しました。
「朝鮮学校への『高校授業料無償化』適用を促進するために基準を見直す措置をとることを勧告する。」
「朝鮮学校のみを除外するのは差別であるから是正せよ」としたこれまでの勧告から大きく一歩踏み込み、日本政府が差別を認めず「審査基準に適合するに至らなかった」と詭弁を繰り返すなら、その「基準」自体を見直せと強く求めた形です。宋さんは、こうした大きな成果がもたらされた要因はオモニたちをはじめとする当事者たちの地道な活動の賜物であると指摘し、この度の地道な活動もこれまで同様、国連の委員たちにしっかり届いていると語りました。そして、長きにわたって続けられてきた闘いの中で獲得してきたものを携え、これからも共に闘おうと強く訴えかけました。

  • 集会に先立ち、金福童ハルモニに黙祷が捧げられた。

次に、本サイトでもご紹介した「文部科学省要請行動」の報告がありました。
先に金亜紀さんがパソコンをスクリーンに映し出しながら要請行動の概要を報告しました。今回の要請行動では、文科省への直接的な働きかけのみならず、各会派を回りながら国会議員への陳情やロビー活動、そして文科省前での「金曜行動」参加と、寸暇を惜しんで意欲的な活動がなされたこと、そして、それらを通して朝鮮学校の実情を広く知らしめることができたことを報告しました。次いで、「無償化連絡会・大阪」を代表して東京に行った大村和子さんが報告しました。大村さんは、対応に出てきた文科省担当者の無機質な対応に憤りを露わにしながら朝鮮学校の窮状や子どもたちの純粋な姿を声を詰まらせながら訴えたと語りました。そして、自分たちに向けられた日本社会の差別に胸を痛めながらも希望を持って朝鮮学校で学んでいる初級部児童の作文を怒りを込めて読み上げたと報告しました。大村さんは、日本人として自分もこの児童の思いに報いるため引き続き頑張って活動すると最後に誓いました。続いて、大阪朝鮮高級学校オモニ会副会長が登壇し、先代から受け継いだ民族教育が危機に瀕している。ウリハッキョをこのままの状態で子どもたちに引き継がせてはならないと訴えました。それこそが子どもを朝鮮学校に通わせている親の世代の責務だと、力を込めて訴えました。そして、先代から受け取ったバトンを子どもたちにしっかりと渡すために最後まで共に闘い、権利を勝ち取ろうと呼びかけました。
続いて、弁護団から李承現弁護士が登壇し、最高裁へと上告し、大詰めを迎えている「高校無償化」裁判について解説しました。李弁護士は、子どもの学ぶ権利を一顧だにしなかった先の高裁判決の不当性を糾弾し、さらに今回提出した「上告理由書」に込めた訴えについて説明しました。そして、正義は我々にあるとして、団結と闘争の継続をもって法廷闘争を最高裁へと導き、必ず勝利しようと呼びかけました。
続いて「無償化連絡会・大阪」の共同代表、藤永壯先生が発言しました。
藤永先生は、「高校無償化」裁判が最高裁の判断を待っている状況である中、今秋から実施される「幼児教育の無償化」に関しても朝鮮学校幼稚班には適用しないと閣議決定されるなど民族教育に対する差別政策は拡大している残念な様相だと指摘しました。この様な不当な裁判結果、差別政策を決して許さないと繰り返し訴え続けなければならない、改めて今、我々にできる活動は何なのか問い続けなければならないと指摘しました。そして、3月24日予定している「MOREフェスタ(祝祭)2019」への積極的な参加を呼びかけました。その上で今日の集会を通して、民族教育の権利擁護を訴える我々の声が国際社会に届き共感を持って広がりを見せている状況が希望を与えてくれると語りました。とりわけ、韓国からの温かい支援が数多く寄せられ、メディアの力により広く拡散している現状は大変重要な変化であり、その要因は他ならぬ我々自身が行ってきた地道な活動の結実であると指摘しました。「私たちの蒔いた種がようやく芽を出そうとしている。」この大切な「連帯の輪」を益々広げてゆこうと呼びかけました。これら朝鮮学校支援の運動を、融和と共存の兆しが著しい朝鮮半島の平和統一につなげ、ひいては東アジアの平和と安定に寄与できる大きな流れ、大きな営みの一環となる様、共に手を取り合って頑張ろうと力強く呼びかけました。

集会の最後に「集会アピール」が読み上げられました。朝鮮学校に対する差別の是正を強く促す「勧告」が出された今回の成果を、これからも続く朝鮮学校と子どもたちの「学ぶ権利」を守る闘いに活かし、真の共生社会を目指して力を合わせて頑張ろうと呼びかけたアピール文は参加者たちの大きな拍手で採択されました。
子どもたちへの差別を諌める国際社会の厳しい目に恥じることもなく、自らの排外的な政策の本性を糊塗し続ける日本政府をこれからも厳しく追求し、子どもたちの「等しく学ぶ権利」と民族教育権を勝ち取るための闘いはこれからも続きます。私たちの声は必ず世界に届き、さらに広がり続けると信じ、活動を一層盛り上げてゆく意志を参加者全員が共有して集会を終えました。

国連勧告

1月16〜17日にかけてスイス・ジュネーブで開かれた「子どもの権利委員会」は対日本審査を経て、今月7日、記者会見で審査結果を公表するとともに勧告を出しました。

🔷以下に内容を報じた「NHK NEWS WEB」の記事を引用します。

また、現地に自ら出向き委員へのロビーイングや通訳など、オモニ代表団と共に精力的に活動された大阪弁護団の具良鈺(ク・リャンオク)先生がいち早く翻訳(仮訳)してくださったのでご紹介します。

今回、総括所見の中で出された「勧告」にも「高校無償化」制度から朝鮮学校のみを除外した日本政府に対し、明確に「見直し」を促しております。

度重なる国連からの勧告に日本政府は今度こそ真摯に従うべきです。

朝鮮学校を授業料無償化の対象に 子どもの権利委員会が勧告
2019年2月8日 5時40分
朝鮮学校が高校授業料の実質無償化の対象外になっていることについて、国連で採択された条約に基づく「子どもの権利委員会」は、「ほかの外国人学校と同じように扱われるべきだ」として日本政府に見直しを勧告しました。
「子どもの権利委員会」は国連総会で採択された「子どもの権利条約」の下、各国の子どもの人権状況を審査していて、7日、スイスのジュネーブで記者会見して日本についての審査結果を公表しました。

この中で委員の1人は、朝鮮学校が高校の授業料の実質的な無償化の対象外になっていることについて、「ほかの外国人学校と同じように扱われるべきだ」と述べ、委員会として日本政府に見直しを進めるよう勧告しました。

これについて日本政府は先月行われた審査で、「朝鮮学校は当時の法令にのっとって定められた審査基準に適合すると認められず、無償化の対象にならなかった。生徒の国籍を理由とした差別には当たらない」と説明しています。

勧告に法的な拘束力はありませんが、委員会では次の審査までに日本政府に対応を報告するよう求めています。

🔷以下に弁護団、具良鈺先生による総括所見概要の訳文(仮訳)をご紹介します。


(English Follows)
子どもの権利条約委員会 総括所見でました。
朝鮮高級学校に対しても、高校無償化対象として含めること、大学受験資格を平等に認めることについて勧告がでました!(パラ39(c))


また、差別禁止との関係では、包括的差別禁止法が存在しないこと(パラ17(a))、周縁化されたグループに属する子どもらに対する社会的差別が存在すること(パラ17(c))に対する懸念を表明しました。
特に、アイヌ、被差別部落、コリアンをはじめとするマイノリティに属する子どもたち、移住民労働者の子ども、LGBTI の子ども、婚外子、障がいを抱えた子どもらに対する差別を防止するための人権啓発活動、人権教育等をより活発に行うことを促しました(パラ18(c))。
詳細については、おってアップする予定のラザック(在日コリアン弁護士協会)声明をご参照ください。


이간에 일본내외에서 함께 하신 분들 수고 많으셨어요.
몇시간전에 유엔 아동의 권리위원회 일본정부에 대한 권고가 발표되었습니다.
조선학교도 고교무상화 대상으로 포함할것, 대학수험자격을 평등하게 보장할것 (para 49(c))을 일본정부에 권고하였습니다.


또한 차별금지 관련해서 일본에 아직도 포괄적인 차별금지법이 존재하지 않은 것, 소수자 비롯한 사회적으로 소외된 그룹에 대한 사회적차별이 존재하는 상황을 우려하며 (para17 (a)(c)), 특히 아이누,부라쿠,코리안을 비롯한 마이노리티 그룹에 속하는 아동, 이민노동자의 아이들, LGBTI 아동, 장애를 지닌 아동에 대한 차별을 방지하기 위한 인권계몽활동, 인권교육활동을 보다 활발히 진행할것을 촉구 하였습니다(para18 (c)).


상세내용에 관해서는 이제 곧 올리게 될 LAZAK성명을 참조하여주시기 바랍니다.

🔷韓国で「ろうそく革命の成果を受け継いだ新たな政治勢力」として2017年に出帆した革新政党「民衆党」のスポークスマンが先の国連「子どもの権利委員会」勧告を受け、論評を出しました。
以下に(仮訳)をご紹介します。

韓国 民衆党 スポークスマン   イ・ウネ 論評


「日本は国連『子どもの権利委員会』勧告に従い、朝鮮学校生徒たちの権利を保障せよ! 2019.2.8


  国連「子どもの権利委員会」が朝鮮学校を「高校無償化」の対象とし、大学受験資格を平等に保障することを勧告した。
 粘り強く闘って来られた朝鮮学校生徒たちと保護者、韓国の連帯団体と日本の良心的市民の皆様にお祝いと感謝のご挨拶を申し上げる。
 日本は国連の適切で常識的な勧告事項を即時履行せねばならない。
 これまでのようにとぼけてばかりいては国際社会から「子どもの人権抹殺政府」、「人権後進国」のそしりを免れないであろう。
 朝鮮学校が日本に設立されるようになった歴史を鑑みても勧告事項を履行することが当然である。
 在日同胞たちは日本帝国主義の強制移住と文化抹殺政策から民族の文化と魂を固く守ってきた。安倍政権の朝鮮人差別と朝鮮学校抹殺政策は戦犯国家の歴史修正に他ならない。
 日本は侵略の歴史を懺悔し、朝鮮学校生徒たちの権利を保障せよ。

2019年2月8日
民衆党 スポークスマン イ・ウネ

文科省要請

ジュネーブに出向いた代表団のオモニたちと足並みを揃えて、今こそ子どもたちの「学ぶ権利」のために攻勢をかけよう!
大阪10校のウリハッキョ・オモニ会を中心とする「大阪府オモニ連絡会」と「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」の代表が国連「子どもの権利委員会・対日本審査」が行われた16〜17日の翌日となる18日、参議院議員会館で文部科学省担当者らと面談し、要請行動を行いました。一行は日本政府に対して、国連の各種人権委員会から出された勧告を真摯に受け止め、高校無償化・就学支援金支給制度の適用など朝鮮学校に通う子どもたちの学ぶ権利を保障することを求めました。
これに先立ち、大阪府オモニ連絡会は昨年12月26日、「大阪府・市補助金裁判」における最高裁の不当判決に対する抗議声明を記者会見の場で発表し、二日後の28日付で、朝鮮学校と子どもたちに対する差別的処遇を改善するよう求める質問状を文科省に提出。この日、その回答を受け取る手はずとなっていました。
書面による回答を避け、口頭によりオモニたちの質問に答えた担当者は、1.日本政府は国連の人権規約や条約を遵守している、2.現在まで様々な取り組みを通して数多くの成果を挙げてきた、3.「高校無償化(就学支援金支給)」制度から朝鮮高級学校を除外した問題は、審査基準に適合すると認めるに至らなかったためであり、差別には当たらない、と従来の見解を繰り返すのみでした。
このような文科省の無機質な「紋切り型」回答に対し、オモニたちの代表らは憤りをぶつけました。
「他の外国人学校に対しては全く適用されない厳しい審査基準が朝鮮学校にだけ設けられた理由は何か?」、「国連から度重なる『勧告』を受けているにも関わらず、なぜ『就学支援金支給制度』からの除外を『差別ではない』と言い張るのか」、「世の中にヘイトスピーチが溢れているのは、国や行政の『上からのヘイト=官製ヘイト』が原因だとの認識はあるのか」、「文科省は朝鮮学校の歴史をどれだけ知っているのか」…
無償化連絡会・大阪を代表して参加した大村和子さんは以下のように感想を述べられました。

 「国際人権規約をはじめとする各種人権条約を批准し、遵守する立場ということは認識し、勧告を受け必要だと考えている。学習指導要領に於いても外国人児童生徒への配慮をし、総合的学習等、個別対応をしっかり行っている。朝鮮学校に対して差別はしていない。しかし、審査基準があるので不指定処分が行われた。」と文科省職員は答弁した。朝鮮学校の現場も、子ども達の様子も間近に見たこともない人達の言葉。日本政府はこれまで朝鮮学校を援助したり、支援したことは一度も無かった。一銭たりとも出したことは無かった。むしろ弾圧してきた。そして今、高校無償化から朝鮮学校のみを除外している。
子ども達は朝鮮学校でアイデンティティーを育み、安心して学校生活を送っている。けれど、政府や自治体が朝鮮学校を差別していることを、子ども達は知っている。「…(略)…朝鮮学校に対しては、差別があると思う。ぼくは、差別をなくしたいと思うけれど、高校授業料無償化制度で、朝鮮高級学校の生徒の授業料は無償にならない。国籍関係なしに外国人学校の生徒も対象の制度なのに。………(略)……… ぼくは、日本の人々が、ぼくたちを差別せずに暮らすことを信じる。また、日本の人とぼくたちが、平和に暮らせるようにしたいと心の中から信じる。だから、ぼくたちは、朝鮮人と日本人がもっと仲良くなるその日まで、いのりながら朝鮮学校で勉強する。」城北朝鮮初級学校の6年生児童の新聞への投書を私は「差別はない」と明言する職員に向け読み上げた。
彼の心を踏みにじって恥じない国、政府に対して憤りを覚えるとともに、私自身も日本人として、これから、彼の思いに応えられるよう日々努力したいと思う。
大村和子


最後に、大阪朝鮮高級学校オモニ会の代表が柴山昌彦文部科学大臣宛の要望書を読み上げ、対応に当たった代理の担当者に手渡しました。代表は、「教育の振興および人材育成を司る文科省が国連の勧告を真摯に受け止め、教育現場に政治や外交問題を持ち込むことなく、日本に暮らすすべての子どもたちの尊厳を平等に守り、朝鮮学校の民族教育権、子どもたちの学ぶ権利を保障するようあらためて求めました。

文科省への要請を行った後、一行は各党の国会議員と面談し、夕方からは朝鮮大学校の学生らが中心となって続けられている文科省前での「金曜行動」に参加しました。この日の「金曜行動」には、朝鮮大学校学生のほか同胞、日本の支援者たち、アメリカから来日したデポー大学の学生ら約80人が参加し、朝鮮高級学校への「無償化」適用を求めるシュプレヒコールをあげました。
「金曜行動」初参加となる大阪オモニ連絡会の一員は「やはり文科省に直接訴えているだけあって、参加者たちの口調は強かった」と刺激を受けながら、「裁判で勝とうが負けようが、私たちが主張する権利は変わらない。それは国連でも認められている、当たり前の権利だ。これからもこんな風に連帯を深めながら、諦めず、訴えつづけていくことが大事」だと力強く語りました。
一行は、文科省要請に次ぎ「金曜行動」を終えた後、東京オモニ連絡会との懇親会を精力的にこなし、慌ただしくも意義深い全日程を終え、帰路に着きました。
大阪朝鮮高級学校オモニ会を代表して参加した高己蓮さんは以下のように感想を述べられました。

2017年以来2度目の文科省要請、議員へのロビーイング、金曜行動に大阪府オモニ連絡会を代表して行って参りました。

2年前と全く同じ行程でしたが、文科省の役人からの回答、国会議員は国会が閉会中ということで不在、朝大生の力強いアピール、歌声、スローガン…2年前と変わらぬ光景でした。私たちの質問に対しての彼らの回答は、マニュアルがあるのかと思うぐらい、17日にスイスジュネーブで行われていた「子どもの権利委員会」対日本審査での文科省の代表と類似していました。

彼らはこう答えました。

「朝鮮学校は、当時の法令にのっとって定められた審査基準に適合すると認められず、無償化の対象にならなかった。

生徒の国籍を理由とした差別には当たらず、今後、法令で定める要件を満たせば対象となる」

今回、私たちの質問には担当者1人が代表で答えられましたが、こういったオモニ達との面談は4度目になるそうです。裁判闘争が始まって、6年の月日が流れました。何度踏みにじられても悔し涙を流しても、いつかはこの人たちも、人である以上、良心があるのならば必ず私たちの思いは届くだろうと信じ、この文科省要請が次につながると信じ、今できることは全てする勢いで東京に乗り込んできました。

しかし、顔色一つ変えず淡々と私たちの質問に答える彼に、私は今の日本に漂う閉塞感、押しつぶされそうな空気感を感じました。

その後、国会議員へのロビーイングを済ませ、「金曜行動」に参加するため、朝大生が待つ文科省前にたどり着くと、先ほど感じた閉塞感、空気感は一気に吹き飛びました。

心が折れ、気が腐りそうになる度に、正気を取り戻し、勇気を与えてくれるのが、文科省前での誰も侵すことのできない朝大生たちの真っ直ぐな眼差しでした。

朝大生たちと一緒に歌を歌いました。感情がこみ上げて目頭が熱くなりました。

私は2年前、2度とこの子達にこんな所で歌は歌わせてはなるものかと誓い大阪に帰りました。

あれから2年経ちましたが、もう一度誓いました。

こんな所で2度と子供たちに歌は歌わせない!

必ず私たちの代で幕引きを図ってみせる!

必ずや勝利を手にするまではオモニ達は絶対に負けへんでと

  • 文部科学省で要請文を読み上げる

328回を数えてなお続く大阪の「火曜日行動」はもちろんのこと、朝鮮大学校の学生たちを中心とした「金曜行動」、そして機会ある毎に国や行政への働きかけを積極的に行うオモニたちの姿は、我々に多くのことを教えてくれます。
たとえ司法が不当な判断を下そうとも、子どもたちの「等しく学ぶ権利」を求める自らの正義を信じ、あくまでも差別に抗う姿からは、日本社会において民族教育と子どもたちが差別に晒され続けている現実を決して風化させてはならない、差別は今も「現在進行形」だとの叫びが聞こえてくるようです。
そして我々に強く問いかけます。
権力による「上からのヘイト」に屈し、無力感に苛まれてはいないか?
「諦念」を「潔さ」にすり替え、人知れず隊列から外れ後ずさりしてはいないか?
はびこるヘイトに慣らされてはいないか?
その憎悪にまみれた侮蔑に毒され、闘いを持続させる根気が蝕まれてはいないか?
子どもたちの姿から、仲間との連帯から、希望を見出そうとする心を手放してはならない。
「繋いだ手を離さない限り、決して負けない。」
誰かが言った言葉が示してくれた通り、共に手を取り闘い続けることの大切さを、オモニたち、学生たちが教えてくれます。

朝鮮学校と子どもたちのための祈祷

🔷3回にわたってお届けする「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」ソン・ミフィ共同代表の「ウリハッキョを守る海外連帯」ドイツ紀行の最終回です。
海を渡り、国を越え、同胞たちをはじめとする多くの人々に広がる「朝鮮学校支援の輪」。ソン・ミフィさんは、ごく当然のことのようにその大切さと意義を唱え、伝え続けてくれます。
《함께하다(ハムケハダ)》=「共にする」
ソンさんたちがいつも掲げるスローガンが広い世界で少しずつ、ウリハッキョを支える「合い言葉」になろうとしています。

〜「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」第3回懇談会 〜

「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」の3度目で最後となる懇談会がフランクフルト・ラインマイン教会で開かれた。「未だ民族差別を受けている在日本「朝鮮学校」に対する懇談会」というタイトルで。

「知ってこそ力となり、その力を集めてこそ解決されます」というサブタイトルがつけられた案内文が教会入り口に貼られていた。

清潔で温かい教会の中には、パンと餅の中間のようないわゆる「同胞餅」と呼ばれる美味しい餅と温かい茶、果物をイ・ナンハ先生が真心を込めて準備してくださった。

ラインマイン教会カン・ミニョン牧師と信徒たち、「僑胞新聞」、雑誌「風景」のイ・ウニ代表と「韓民族ヨーロッパ連帯」会員たち、キム・ソンス先生夫妻、外換銀行の職員、キャンドル在ドイツ韓人会、などこじんまりではるが、共にしなければならない方々がいらっしゃった。

この行事をじっくりと準備してこられたイ・ナンハ先生の司会により、ラインマイン教会カン・ミニョン牧師の祈祷で懇談会は始まった。それは祈祷がどういったものか体験する時間でもあった。 こういったことを「ありがたい、恵まれる」というのだろうか。教会で牧師の祈祷により朝鮮学校と子どもたちのために、ジュネーブまで行ったオモニたちと共に立ち上がった私たちのための祈祷を聞くとこみあげてくるものが…、祈祷の途中でさえなければメモを取ってオモニたちにきちんと伝えてあげたかった。 懇談会の途中、毎回見ている映像ではあるが教会の大画面で見ると、より大きく子どもたちが近づいて来るようだ。 以前の懇談会と同じく、朝鮮学校の歴史と状況、差別、闘争、共にすべきことについてのアピールが続き、多様な質問が続いた。「朝鮮学校に対する韓国政府の立場はどうか? 朝鮮学校の子どもたちはどんな勉強をしているのか? 日本政府が朝鮮学校だけを差別するいちばんの核心は何なのか?」 もちろん、ある人は説明の途中に質問をしてきたり、答えに満足できなかったのか、質問し続けたりもした。 一つ一つ答えられないので、そのままやり過ごそうとしたら、他の方達が雰囲気を察してあちらこちらから違う質問が続いた。 ここでも金曜日ごとに会おうという呼びかけをし、応援の「認証ショット」を締めくくりとして、この間の全ての懇談会を終えた。帰り道で何人かが「毎週金曜日、一緒にする」、「毎週金曜日、朝鮮学校と子どもたち、同胞たちのために祈る」とあいさつを交わしたのは、また新しい経験となった。 誰かが、子どもたちのために忘れず祈りを捧げること、これがどれほど力となり、慰めとなろうか。本当にこれまでの全ての疲労とけだるさが残らず洗い流されていくようだった。 私たちは、誰かの祈りで、応援で、約束で、共につないだ手で、また一歩ずつ、力強く前に進む。

新しい歴史を作る道

🔷「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」ソン・ミフィ共同代表の「ウリハッキョを守る海外連帯」ドイツ紀行の第2弾です。

〜「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」第2回懇談会 〜

「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」2度目の懇談会が、ドイツはルール地方のボーフムにある韓国人のお宅で開かれた。

ルール地方は鉱山があり、70年代ドイツに渡った同胞鉱夫労働者たちが集中的に居を構えた集住地区だ。

ドイツ派遣鉱夫と看護師たちが生計を立てるために訪れた、我が現代史の生き証人たちが今も集住するところだ。

遠い異国で「他郷暮らし」の寂しさを、肩を寄せ合い、歌い踊っては慰め合い、食べ物を分け合いながら過ごした時間の分だけ、濃密な情で溢れたところだ。

以前、何度か訪問した経験からみて地域ごとに少しずつ特徴があるのだが、この地方はとても気持ちの安らぐところだ。

おばあさん、おじいさん、おばさん、おじさんたちと会うようなところだ。

故郷から来た人々からどんな言葉を聞いても、全て受け入れ感動する準備が十分にできているところだ。

「韓国民衆文化会」が主催し、「セウォル号惨事を記憶する在独NRW会」、「韓民族欧州連帯ルール地域」が後援するこの日の集まりには「6.15ヨーロッパ委員会」、「ボーフム韓人会」、「汎民連」、「留学生」、「韓人教会牧師」、「ドイツ忠清郷友会」、「ボーフム韓人教会」などから40名あまりが参加した。

「韓国民衆文化会」チェ・テホ会長のあいさつに続き、「祖国はひとつだ」「我らの願いは統一」の歌を歌いながら、ここかしこですすり泣く声が聞こえる。

普通は行事の最後に歌を歌うのだが、最初から感情が高ぶった状態で懇談会は始まった。

ベルリン同様、動画映像と朝鮮学校に関する説明と闘争、オモニたちがなぜジュネーブに行ったのか? 我々はどう連帯すればいいのか? 4.27時代、我が民族に与えられた最後のチャンスになるかも知れないこの機会を絶対に逃さず分断を終えようと、それが、遠い異国の我が同胞たちの悲しみをも終わらせることになると訴えた。

続いて、朝鮮学校に通う時の状況と心境、現在の闘争を朝鮮学校出身のドイツ留学生シム・ヒャンボクさんが説明し、朝鮮学校を訪問して感じた心情を写真の説明をしながらリンダ・モ先生がつないだ。

「ウリハッキョ市民の会」イ・ウニョン運営委員は、社会福祉士として現在の韓国での子どもたちの教育問題と朝鮮学校教育についての感想を述べた。

共に泣き、うなずきながら共感し、日本政府の悪行には激憤し、2時間余りをひとつになって過ごしたので、締めくくりの質疑応答をすっかり忘れてしまった。

そのまま「認証ショット」で締めくくり、食事。オモニたちが前もって準備してくださっていたチャプチェ、プルコギ、キムチ、ナムル、魚料理などを皆でいただきながら、この時になって質疑応答と討論が続いた。


鉱夫出身の方々のあの頃の話と、故郷の民主化統一運動の過程にこちらでどのように共に取り組んだのか、当時のことを話しながら、石炭を掘った時にかかった炭の粉が刺青のように刻まれた手首をあちらこちらで見せてくれた。

歴史の生き証人たちだ。祖国の分断による苦痛をよく知っておられる方々だ。
遠い異国で今日も民主化と統一を誰よりも願い、先頭に立っておられる方々だ。

歴史の中で歴史を生き、新しい歴史を作り出す人たちが、この新しい歴史を作る道で先頭に立とうと誓っておられる。

私たちはここで再び金曜日に会おうと約束する。

 

~~~~~ (第3回へと続く) ~~~~~

分断祖国を引き継がせたことが申し訳なくて

🔷海を渡って韓国からいつも心温まる力強いエールを私たちに届けてくれる「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」のソン・ミフィ共同代表が、去る1月16、17日の国連「子どもの権利委員会」ロビーイングを終え、1月24日からドイツへと渡り、日本の朝鮮学校と子どもたちを支援する海外同胞の輪を広げる旅、「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」懇談会を始めました。
Facebookに投稿され、「民プラス」というネット新聞にも掲載された記事を、ご本人の許可を頂き3回に渡ってご紹介したいと思います。

🔷日増しに「排外」の度合いが増す閉塞感に満ちた日本社会の中で、ややもすると孤立しているという思いに囚われがちですが、ウリハッキョの正当性と子どもたちの本当の姿を知り、応援してくださる方々はたくさんいらっしゃいます。
朝鮮学校支援活動や裁判闘争への応援など、日頃から歩みを共にしてくださるソン・ミフィさんの活動を通じて、世界へと広がる「民族教育支援の輪」を感じ取ってください!

〜「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」第1回懇談会 〜

「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」初の懇談会がベルリンの「コリア協議会」で開かれた。「韓民族ヨーロッパ連帯」、「在ドイツ同胞協力会」、「コリア協議会」が主催し、「在独平和女性会」が後援した。

この行事を知らせる過程でメディアへの寄稿文に対し応援もあったが、数多くの悪質な書き込みがあふれる事態が起こり、主催する方々は大いに心配した。しかし、思いのほか多くの方々にご一緒いただき、その雰囲気は熱かった。

「独・日平和フォーラム」、「クルトゥア テューア(Kultur Tür、文化の門)」、「ドイツ・ベトナム協会」、「日本軍『慰安婦』問題協議会」、「韓人教会」、「ベルリン看護要員会」、「ベルリン日本女性会」、「6.15ヨーロッパ地域と世界韓民族女性ネットワーク・ドイツ地域」など多様な方々にご一緒いただいた。

朝鮮学校の歴史と私たちの同胞たちの闘い、子どもたちの現況、学校訪問などを収めた動画を観た後、胸を熱くして始めた話は我々皆をひとつにした。

話す私も、聞いている方々もあまりに熱心に没頭するあまり、涙を拭く方々を見て私も泣き、そんな私を見てまた他の方たちがまた涙し…、途中、ティッシュを互いにやり取りしながら…、まったくイレギュラーな進行となった。

私たち全員を涙させたのは、この子どもたちに「分断祖国」を引き継がせたことが申し訳なく、この子どもたちがありがたく立派で、我が民族の誇りを守り続けている同胞たちがありがたく、この闘いと連帯に加わることができないでいることが申し訳なく…、私たち皆がまことに複雑な気持ちで一つになった。

続いて、朝鮮学校を卒業し、ドイツで勉強しているシム・ヒャンボクさんが、朝鮮学校と自分の人生についての経験談と、日本社会で続いている差別について話した時、みなの没頭はいっそう深かまるばかりだった。

アメリカから来られた「日本のウリハッキョを守る在日同胞の会」リンダ・モ先生は、朝鮮学校訪問時の写真と共に連帯活動について訴え、イ・ウニョン「ウリハッキョ市民の会」運営委員は幾たびか訪問した時の感想と連帯活動の必要性を話した。

その後、多くの質問が続き、ドイツで連帯活動をいかにするべきか討論し、課題を残しつつも一つになった心で「認証ショット」で応援した。

金曜日ごとに我々は会おうと約束し、プラカードを分けあい、できなかった話は食事の場まで熱く続いた。我々同胞だけではなく、ドイツ人、日本人まで共に、3時間近く休みなしで同時通訳してくださったハン・ジョンファさんのおかげで、なんとか食事をしながら話し続けることができた。

本当に情熱的な人たちだ。熱い人たちだ。我らの“熱さ”は勝利を抱いている。

~~~~~ (第2回へと続く) ~~~~~

世界に訴える

2019年1月14日、5人のオモニたちと朝鮮大学校の学生、現職の朝鮮学校教員を合わせた7名の代表たちが「国連朝鮮学校学生・オモニ代表団」としてスイスはジュネーブへと飛び発ちました。
「子どもの権利委員会」対日本審査(1月16~17日)が開かれる国連の場で各国の審査委員たちに、日本での朝鮮学校に対する差別の実態を知らしめ、再び日本政府への勧告が出されるよう働きかけるためです。
全国の朝鮮学校保護者たちを代表して集ったオモニたちにとって、今回のロビー活動は単なるアピール行動ではありませんでした。2010年から依然として続く「高校無償化」法の適用除外、全国に広がる補助金支給停止や減額などの行政差別、挙句ウリハッキョの幼稚班に通う幼子たちまでも除外されたまま10月から始まる「幼児教育無償化」など、国や行政が主導して行われている差別政策が民族教育の運営状況に深刻な悪影響を及ぼしている現状について情報提供を行って明確に示し、国連委員たち自らが日本政府に対して強く示した通り、これらの事象が子どもたちの「等しく学ぶ権利」を著しく侵害している差別であると再度訴え、再び日本政府への「勧告」を引き出すための重要な役割でした。同委員会による対日審査は、1998年、2004年、2010年に次ぎ今回が4回目です。前回から数えて約9年ぶりの開催となりました。
二日間に及ぶ「対日審査」を通じて、あでやかなチマチョゴリに身を包み、審査会場である国連高等弁務官事務所で委員たちに資料提供を積極的に行うなどオモニたちの能動的な働きかけが、国連委員たちの認識に大きな影響を与える成果を収めた反面、日本政府の代表として質問に答えた文部科学省、厚生労働省、法務省の役人たちの態度は依然として無責任極まるものでした。
17日、南アフリカのスケルトン委員からなされた「2013年に社会権規約委員会が『高校無償化』制度を朝鮮学校に通う子どもたちにも拡大することによって教育に関する差別に対処するよう求めているが、他の人権条約委員会からの勧告に対処するため、どのような策が施されたのか」という質問に対し、文科省の代表は「「無償化制度は対象となる生徒を日本国籍に限定していない。日本国内に在住している朝鮮籍を含めた外国籍の生徒も含まれている。支援の内容も日本国籍の生徒と全く同じ内容であり、外国人学校に生徒が通う場合であっても法令に定める要件を満たしていれば支給対象となる。朝鮮学校については当時の法令によって定められた審査基準に適合すると認めるに至らなかったため無償化支給対象の指定にならなかった。あくまで法令に沿って判断したものであって、朝鮮学校に通う生徒たちの国籍によって差別したものではない。今後、朝鮮学校が法令で定める要件を満たせば、支給対象となる」などと、木で鼻をくくったような回答を繰り返すのみでした。
あくまでも事実を無視し、頑なに「差別ではない」と強弁する日本政府の代表団の回答に国連委員たちは懸念を表しました。日本国内メディアの反応も、政府が国連から度重なる「勧告」を受けているにも関わらず低調なものに終わりました。以下に、NHKによる数少ない記事の一つを引用します。

NHK  News Web

授業料無償化の朝鮮学校対象外 日本政府「差別には当たらず」

スイスで行われた子どもの権利委員会で、日本にある朝鮮学校が高校の授業料を実質的に無償化する制度の対象外とされていることについて、委員から質問があり、日本政府は、法令にのっとって判断したものであり、差別には当たらないと説明しました。

国連総会で採択された「子どもの権利条約」に基づいて設置されている権利委員会は、条約を批准している国の人権状況を調べる委員会をジュネーブで開き、16日から2日間にわたって日本について審査しました。

この中で委員の1人が、日本にある朝鮮学校が高校の授業料を実質的に無償化する制度の対象外とされていることについて「問題解決を求める声は国連の委員会でも上がっているが、何らかの対策をとっているのか」と質問しました。

これに対し、文部科学省の担当者は「朝鮮学校は、当時の法令にのっとって定められた審査基準に適合すると認められず、無償化の対象にならなかった。生徒の国籍を理由とした差別には当たらず、今後、法令で定める要件を満たせば対象となる」と説明していました。

文部科学省によりますと、制度が始まってからこれまでに、外国人学校42校を実質無償化の対象として認めた一方、朝鮮学校10校は対象外としていて、元生徒たちが国を訴える裁判も起きています。

会場には、子どもが朝鮮学校に通う保護者なども傍聴に訪れ、熱心に聴いていました。委員会では今回の審査を踏まえて、来月上旬に日本への勧告を行うことになっています。

それでも、世界が注目する国際会議の場で、日本政府の差別的政策の実態や国連勧告に対する不誠実な態度を暴き出したことの意味は決して小さくないでしょう。日本政府に対する「子どもの権利委員会」の総括所見は、現在進行中の会期終了後、2月7日頃発表されることとなります。
大阪では、来たる2月15日、「東成区民センター」大ホールにて、代表団による国連活動の報告会が開催される予定です。
ぜひとも会場に足を運び、民族教育が晒されている差別の現実と、日本へと注がれている国際社会の厳しい目を学び、感じてください。

勝利への信念を全国で共有

来る10月30日の東京「高校無償化」裁判控訴審判決を目前に控えた10月13日、東京の連合会館で「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク 2018総会」が開催され、約60名が参加しました。
結成6年を迎えた「全国ネット」は、「高校無償化」裁判を闘っている五つの地域を中心として、全国で繰り広げられている朝鮮学校の処遇改善、差別是正の幅広い活動の成果を共有し、情報を交換する重要な場です。
毎年東京で行われるこの総会に、今年は無償化連絡会・大阪を代表して長崎由美子事務局長と大村和子さんが参加しました。
以下に大村和子さんのレポートを掲載します。

今年で結成6年を迎える「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク・2018総会」が10月13日、東京・連合会館で開催された。
日本各地の支援団体、朝鮮学校教職員、関係者約60名が参加した。
初めに、9月27日の大阪高裁で「不当判決」が出された「大阪無償化裁判」控訴審当日の様子を収めた映像が上映された。子どもたちの学ぶ権利、「教育の機会均等」をないがしろにした司法の差別判決に、参加者は改めて憤りとともに今後の裁判闘争勝利に向け更なる支援の思いを強めた。
開会では、全国ネットの藤本泰成事務局長が「国連人種差別撤廃委員会から朝鮮学校差別、在日朝鮮人差別に対して、日本政府に強力な勧告が繰り返されたが、日本社会の歴史への無知、無理解を背景に権力が公然と差別を行なっている。政府による差別と日本社会での深刻化する差別を根絶するべく理解と認識を広めていこう。」と挨拶された。
続いて、9つの都府県、1つの団体から、朝鮮学校支援運動に関する報告があった。
⚪︎千葉<千葉朝鮮学校を支える県民ネットワーク(千葉ハッキョの会)>
「千葉市外国人学校地域交流事業補助金交付要綱」が2013年制定され、千葉朝鮮学校への補助金事業が行われていたが、「美術展」での「慰安婦」をテーマとした絵とコメント及び「芸術発表会」での曲を問題として不交付決定。
不交付に対する抗議集会、情宣活動、募金活動の取り組みの報告。
⚪︎埼玉<外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク・埼玉>
埼玉朝鮮学校への補助金不支給が、2011年度から続く中、「埼玉朝鮮学校への補助金支給を求める有志の会」を結成し、要請活動、街宣活動等の取り組みの報告。
⚪︎東京<「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会>
裁判闘争、文部科学省前「金曜行動」、又、都内各朝鮮学校毎の支援組織(「ウリの会」「チマチョゴリ友の会」「オッケトンムの会」「ハムケ共に」「サランの会」等)の多様な活動、取り組みの報告。
⚪︎神奈川<神奈川朝鮮学園を支援する会>
2013年の朝鮮学園への補助金の予算不計上に抗議し、集会、署名活動、シンポジウム等に取り組み、2014年、児童・生徒への授業料補助制度として支給決定したが、2016年、拉致問題に関わる教科書の記載の書き換えができないことを理由に、補助金支給が留保される。「学費補助」を求め、街宣活動、署名活動等の取り組みの報告。
⚪︎大阪<朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪>
・弁護団、朝鮮学校関係者、日本人支援者による「三者学習会」
・「高校無償化」裁判、「大阪府・大阪市補助金」裁判支援
(傍聴、裁判費用捻出、周知活動、街頭宣伝、署名活動)
・「火曜日行動」
・「大阪朝鮮学園支援府民基金」(ホンギルトン基金)
・大阪府・市議会への働きかけ、要請行動
・台風災害への支援等
の取り組みの報告。
⚪︎京都<朝鮮学校と民族教育の発展を目指す会・京滋>
京都朝鮮学校の保健室設置に向けた取り組み(保健室ボランティア)
ヘイトクライム事件後の心理ケアの面でのスクールカウンセラー派遣の取り組みの報告。
⚪︎広島<民族教育の未来を考える・ネットワーク広島>
日本人教職員による在日朝鮮人児童・生徒への様々な差別問題に取り組み、又、朝鮮学校との交流を通し、補助金再開、無償化裁判支援に取り組む。2016年「広島無償化裁判を支援する会」結成により、一般市民、労働組合が加わり、裁判傍聴、報告会、街宣活動等の取り組みの報告。
⚪︎山口<朝鮮学校を支援する山口県ネットワーク>
補助金復活を要求し、県庁前座り込み抗議行動、要請活動等の取り組みの報告。
⚪︎福岡<福岡県朝鮮学校を支援する会>
裁判への傍聴、財政支援、署名活動、市民、県民への協力の呼びかけ、世論喚起の取り組みの報告。
⚪︎朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会  /  I 女性会議
各県における朝鮮学校「無償化」裁判、補助金問題の取り組み。朝鮮学校との交流。

各地で朝鮮学校支援の過程で支援の輪が広がってきていることや、国や自治体に対する要請行動の必要性、更なる支援層の拡大の必要性が報告された。
情報共有や活発な意見交流が行われた後、全国で足並みを合わせ支援を展開し、朝鮮学校への差別是正、日本社会の世論喚起のために、来年2月には全国行動に取り組むことが確認された。

昨年以降、「高校無償化」裁判での判決が相次いで出されました。歴史的勝訴となった大阪の1審判決を除いては、ことごとく不当な判決が下されています。
朝鮮学校支援の輪が確実に広がりを見せている反面、民族教育に対する国や行政の差別政策が横行し、不寛容で排外的な空気が社会に蔓延している現実を踏まえ、より広範な日本市民たちに民族教育の正当性を知らせること、権利擁護のための要請行動などを絶え間なく続けてゆくことの必要性が再確認された貴重な集いとなりました。
参加者たちは皆、朝鮮学校支援のネットワークをさらに広げてゆく決意を新たにしました。

控訴審判決を前に

「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」の共同代表 / 藤永壯先生が韓国のインターネット新聞『PRESSian』(2018.9.10掲載)に寄稿された 変化する国際情勢の中で判決を迎える朝鮮学校 ~「高校無償化」裁判、大阪・東京控訴審判決を前に~ を以下にご紹介させていただきます。

来たる9月27日の「高校無償化」裁判控訴審判決を前に、子どもたちの「等しく学ぶ権利」と、「寛容」、「共生」を日本社会に取り戻すために闘ってきた私たちが、皆で共有しなければならない文です。
1審で敗れた日本政府が、控訴理由書で唾棄すべき矛盾した論理にしがみつき、自らのおぞましい差別主義、排外主義を糊塗するため躍起になっている姿が見えます。また、朝鮮学校に学ぶ子どもたちの笑顔と希望を願い、いつも支えてくれる人々の温かい心が伝わります。
そして、再び勝利するための信念を呼び覚ましてくれます。

変化する国際情勢の中で判決を迎える朝鮮学校
~「高校無償化」裁判、大阪・東京控訴審判決を前に~

藤永 壮2018年9月10日月曜日
今夏の日本は地震、豪雨、台風、酷暑など尋常ではない自然災害に見舞われ、在日同胞の子どもたちが通う朝鮮学校も少なくない打撃を被った。とくに7月6日に和歌山朝鮮初中級学校が台風7号の襲来で教室が水浸しになるなどの被害を受けたのに続いて、9月4日には台風21号の暴風雨で大阪・兵庫・京都など関西各地の朝鮮学校が甚大な被害を受けた。さらにその直後の9月6日未明に北海道で強い地震が発生したが、幸い北海道朝鮮初中高級学校に大きな被害はなかったという。
自然災害が起こるたびに、SNS上では各地の朝鮮学校の安否を心配するメッセージが飛び交う。それは在日同胞が朝鮮学校に格別の愛情をもっているからだが、一方で多くの朝鮮学校が財政難により施設の補修もままならない状態であることを、みなよく知っているからでもある。
このような困難な財政状況は、日本国家が朝鮮学校を敵視し、今日に至るまで経済的支援を一貫して拒んできたという事情によるところが大きい。教育の機会均等を目的として日本政府が2010年度に始めた「高校無償化」制度から、朝鮮高級学校だけが最終的に排除されたのは2013年2月。この露骨な差別政策に抗議し、朝鮮高級学校の生徒・卒業生たちや運営主体の学校法人は、5年以上にわたって制度の適用を求め、裁判闘争を展開してきた。この間の事情はこれまで『プレシアン』に何度も寄稿してきたが、この9月から10月にかけて大阪と東京で控訴審判決が宣告されるのを前に、ここで改めて論点を紹介しておきたい。
大阪地裁判決の衝撃
現在、日本に10校ある朝鮮高級学校の中で、日本国家を相手取って提訴したのは大阪・愛知・広島・九州・東京の5校である。このうち福岡地方裁判所小倉支部で審理中の九州朝鮮中高級学校(福岡県北九州市)を除く4校には、すでに地方裁判所で第一審判決が言い渡された。その結果は、大阪(2017年7月)では原告全面勝訴の画期的な判決が下されたものの、広島(2017年7月)・東京(2017年9月)・愛知(2018年4月)では原告敗訴の不当判決となった。4校はいずれも高等裁判所で控訴審を係争中であり、来たる9月27日に大阪高裁で、10月30日には東京高裁で判決が言い渡される予定である。なお九州(福岡)の裁判は9月20日に結審する予定であり、今年末または来年初めには地裁判決が出るものと予想される。

大阪地裁による原告(大阪朝鮮学園)全面勝訴の判決は、大阪朝鮮高級学校に対する「高校無償化」制度の不指定処分について、当時の下村博文文部科学大臣が裁量権を逸脱、濫用したもので違法、無効であり、同校は法令に基づき適正に運営されていると認めるものであった。しかし一方で、広島・東京・愛知各地裁は、朝鮮高級学校の教育内容は朝鮮総聯の「不当な支配」を受けている疑いがあるとする日本国家側の主張を支持し、不指定処分については文科大臣の広範な裁量権を認める不当判決を宣告した。
大阪地裁での全面敗訴に危機感を抱いた日本国家側は、控訴理由書で朝鮮総聯の「反社会的組織」としての性格をいっそう強調し、総聯の「不当な支配」のもとにある朝鮮高級学校の教育内容は、教育基本法の理念に反する疑いがあるという牽強付会の主張を執拗に展開した。本来、教育の機会均等を目的とするはずの「高校無償化」制度の適用において、植民地宗主国の意識に満ちた公安警察的な観点をもって、朝鮮学校に対する差別を正当化しようとしたのである。
2018年9月4日の台風21号でなぎ倒された生野朝鮮初級学校の木を、翌日駆けつけた保護者たちが片づけている。©長崎由美子
破綻する日本国家の論理
このような論理展開は審理が進むにつれ、大阪以外の地域の裁判においても日本国家側の強調するところとなっている。しかし教育基本法などの法令に基づく適正な学校運営に疑いがあるとして、朝鮮高級学校を不指定処分にしたというのは、実のところ後付けの理屈に過ぎない。そもそもの不指定理由は、朝鮮高級学校を制度から排除するため、指定の根拠となる法令の規定自体を削除したところにあった。
文部科学省は2010年11月、各朝鮮高級学校から「高校無償化」制度適用のための申請を受け付けはじめた。しかし延坪島砲撃事件の勃発などを理由に、当時の民主党政権は2年以上も審査の結論を出さず、決定を先延ばしにした。そして自民党への政権交代によって2012年12月に成立した第2次安倍晋三政権は、いわゆる拉致問題などの政治・外交上の理由から、当初より朝鮮高級学校に「高校無償化」制度を適用しない方針を固めており、2013年2月20日付で指定の根拠となる規定を削除すると同時に、不指定の通知を送付した。これは明らかに朝鮮高級学校だけを標的とした制度改悪であった。制度を適用するといったん門戸を開いておきながら、申請後になって適用のルール自体を変更するという卑劣きわまりない措置が取られたのである。
この点について、大阪地裁判決では、「教育の機会均等の確保とは無関係な外交的、政治的判断に基づいて」規定が削除されたのであるから、これは文科大臣への「委任の趣旨を逸脱するものとして違法、無効である」と明確に日本国家側の主張を否定する判断を下した。ところが根拠規定削除が違法である点に、とくに焦点を絞り込んでいた東京朝高弁護団の主張に対しては、東京地裁は正面から応答せず、日本国家側の「不当な支配」論に与し、文科大臣による裁量権の逸脱、濫用は認められないとの判決を言い渡したのである。
東京高裁での控訴審において朝高側弁護団が、第一審が規定削除の違法性について検討しなかったことを批判すると、裁判官は日本国家に対して不指定処分の二つの理由――根拠規定削除と、法令に基づく適正な学校運営への疑念――の論理的整合性について説明を求めた。実は「法令に基づく適正な学校運営」は、朝鮮高級学校指定に適用される根拠規定の下位法令に定められた条件なので、その根拠規定が削除されれば、当然「法令に基づく適正な学校運営」という条件は存立の基礎を失うはずなのだ。裁判官の指摘に対して、日本国家側もこの二つの不指定理由は論理的に両立しないと認めざるを得なかった。日本国家側の主張の論理的破綻は、東京高裁での審理の過程でいっそう明確にされたのである。
2018年7月26日に実施された大阪7カ所一斉街頭宣伝行動。約400名の朝鮮学校生徒・卒業生・保護者・教員ら学校関係者、日本人を含む支援者が朝鮮学校が被っている不当な差別について訴えた。©朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪
変化する東北アジア情勢の中での判決
今年に入って朝鮮半島をめぐる国際情勢は劇的に変化した。すでに2回の南北首脳会談が開催され、9月18~20日には文在寅大統領の平壌訪問と3回目の首脳会談が予定されている。6月12日には歴史的な初の朝米首脳会談が実現した。
一方で7月16日には、韓国の43人権・市民団体が、日本政府の朝鮮学校差別是正を求める連帯報告書を国連人種差別撤廃委員会に提出した。そして8月30日には、同委員会が2014年に続き、日本政府に対して朝鮮学校に「高校無償化」制度を適用するよう勧告を行ったのである。東北アジアの国際環境が平和と和解へ向かって大きく舵を切る一方で、日本政府の差別政策を批判する国際世論はますます高まっている。
にもかかわらず、6月28日には関西国際空港で、朝鮮民主主義人民共和国への修学旅行から帰ってきた神戸朝鮮高級学校生徒の土産品が押収される事件が起こった。このような嫌がらせとしか思えない事件に対して、韓国の市民団体がいち早く抗議活動に立ち上がってくれたことは大変心強かった。日本政府は時代の趨勢となった東北アジアの平和構築に貢献し、また過去の植民地支配への責任を全うするために、まずは「高校無償化」制度からの排除をはじめとする朝鮮学校への差別政策を即刻中断しなければならない。
国際情勢が大きく変化する中で、大阪と東京の高等裁判所が改めてどのような判断を下すかが注目される。8月25日に大阪朝高オモニ会は「高校無償化」制度の設計にあたった前川喜平前文科次官を講師に迎え講演会を開催したが、その場で前川前次官はこの裁判で日本国家側が敗訴すると考えていたと明確に語った。常識的に考えれば朝鮮学校側が敗れるはずのない裁判なのである。大阪では原判決が支持され、東京では今度こそ朝鮮学校側の主張が認められることによって、日本の司法の独立性が証明され、その信頼を二度と傷つけることのないよう強く求めたい。
2018年8月25日に大阪朝鮮高級学校オモニ会の主催で前川喜平前文科次官の講演会が開催された。講演終了後、オモニ会代表のリードで参加者が大阪「高校無償化」裁判控訴審の勝訴を願ってシュプレヒコールを唱和している。©朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪

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火曜日行動、中止!

【拡散希望!!】

明日、9月4日(火)の「火曜日行動」は、非常に大型の「台風21号」が近畿地方に接近するため、参加者皆様の安全を考慮し、中止といたします。

お知り合いの方々へご連絡をお願いいたします。

前川氏、大いに語る!

8月25日。
土曜日とはいえ、朝10時からの企画に果たして人が集まるだろうか?
9月27日の「高校無償化」裁判控訴審判決言い渡しを目前に控え、当事者である朝高オモニたちが主催した「前川喜平氏講演会」。この間、ビッグイベントの企画・準備に奔走したオモニたちの不安は開演直前までぬぐえませんでした。
しかしその心配は杞憂に終わりました。「高校無償化」法の制度設計に、当時現場のチーフとして一番間近で携わった前川氏の「生の発言」を聞こうと多くの同胞、保護者、卒業生たちや日本人支援者たちが会場の「クレオ大阪・南」大ホールに詰めかけました。404の席は埋まり、立ち見が出るほどの盛況ぶりです。
皆、昨夏の歴史的勝訴判決を再び高裁でも勝ちとろうという同じ気持ちで集まりました。
冒頭、主催者を代表して大阪朝鮮高級学校オモニ会長が舞台で挨拶をしました。オモニ会長は、今講演会の意義に加え、講師を引き受けてくれた前川氏に謝辞を述べました。次に、司会者が講師のプロフィールを紹介し、前川氏を舞台へと招きました。満場の拍手に迎えられた前川氏は演壇まで進むと深々と一礼しました。
「アンニョンハシムニカ。」第一声は朝鮮語での挨拶。次いで「アリラン」をひと節歌いました。途端に会場の雰囲気が和らぎ、聴衆らが演壇にひきつけられました。
講演は終始、穏やかな語り口で進められました。それでも、前川氏の表情や真摯な言葉からは、理不尽な政治的意図により制度差別を行った政府への怒りと、教育行政に身を置きながらもそれを水際で防ぐことができなかった忸怩たる思いが伝わって来ました。
とりわけ、制度を朝鮮高級学校に適用させるかどうかを客観的に確かめるため自ら立ち上げた「審査会」が、極めて外交的な理由で審査を凍結させられ、「棚上げ」のまま恣意的に放置された事実を怒りに満ちた口調で語りました。また教育機関に対する「不当な支配」の意味がすり替えられ、総聯組織と学校の関係性が咎められた状況をおかしいと一言で喝破しました。氏は、他の外国人学校を例に挙げ、「民族的アイデンティティーを正しく涵養するために民族団体と連携を取るのは至極当然のことで、むしろ必要不可欠なことだ」と論じました。

また、審査の期間中、今後「高校無償化」制度に含まれることとなる朝鮮高級学校について知っておく必要があると思い、近畿3校の朝高を訪問した経験を振り返りながら、朝鮮学校の教育レベルが非常に高かったと感想を述べられました。生徒らが「現代口語体」で短歌や俳句を作る授業を参観し、高い知識と感性を目の当たりにしたとしながらも、民族の言葉を主体として行われている教育の大きな意義について深い感銘を受けたと語りました。
行政の立場から見ても、朝鮮学校のあり方から見ても、制度除外の正当性は何一つ見出せないと、前川氏は力を込めて言いました。そして、「民族教育権」を勝ち取るための法廷闘争を自分も応援していると語るや、場内は割れんばかりの拍手に包まれました。
その後も話は多岐にわたり、現在の日本の司法が置かれた危うさ、三権分立の崩壊を思わせる嘆かわしい現状、止まる所を知らない日本社会の右傾化や、危険な民族純化思想などについて語られました。特に日本社会の少子化について、未来の日本社会を憂う思いを語りました。そして、その最も望ましい解決の道は「共生」にこそあると確信に満ちた口調で語りました。しかし、事あるごとに国際化を謳う政府の姿勢は真のグローバルからは程遠い。北欧の国々が示している「エスニックマイノリティ教育」への寛容とは天と地の差があると断じました。
そして、この状況を打開するため、共に声を上げ続けようと投げかけて講演を締めくくりました。その後、質疑応答が行われ、主催した大阪朝鮮高級学校オモニ会の役員代表らが舞台に並びました。オモニたちはマイクを手に、1ヶ月後の高裁判決に向けて、一層運動を盛り上げて行こうと力強く呼びかけました。そして最後に会場と一つになりシュプレヒコールをあげて講演会の全ての予定を終了しました。
「高校無償化」制度に直接携わり、朝鮮高級学校除外の経緯をもっとも間近で見て来た前川氏の話を聞いて、参加者たちは皆、確信しました。やはり子どもたちの「等しく学ぶ権利」を求めるこの闘いにおいて正義は我々にあると。そして、その正義を揺るぎない勝利へとつなぐため、来たる9月27日の控訴審判決言い渡しを万端の準備で迎える決意を新たにしました。

 

PEACE!

7月27日。朝鮮戦争の「休戦協定」が結ばれた日から今年で65年の節目を迎えました。去る4月27日の歴史的な南北首脳会談で発表された「板門店宣言」には「休戦協定」を「平和協定」へと転換することが謳われています。
この日を記念し、東アジアの恒久的な平和を求めて様々な立場の人たちが本町にある靱(うつぼ)公園に集いました。
「朝鮮戦争休戦65周年  東アジアに平和を! 7.27キャンドル行動」と銘打って企画されたこの日のイベントは、休戦協定を平和協定へと転換しようとする朝鮮半島の融和にエールを送り、立ち遅れた日朝の対話を促進させようという試み。集会に集まった参加者たちがキャンドル型のライトを手に「PEACE」の文字をかたどった大きな「人文字」を作りました。

集会は「無償化連絡会・大阪」の事務局長でもある長崎由美子さんの司会で始まりました。朝鮮半島の雪解けから始まった平和のうねりを東アジア全体に広めるこの意義ある集会の呼びかけ人として、同じく「無償化連絡会・大阪」の共同代表・藤永壯教授も名を連ねています。22名の呼びかけに応じ、政党関係者や労働組合、人権団体や市民運動団体、そして宗教人たちや一般市民らと共に在日コリアンと朝鮮学校保護者たちからなるオモニ連絡会の代表らも参加しました。集会では、「人文字」パフォーマンスとパレードに先駆け、各代表らがそれぞれの立場からスピーチをしました。
オモニ連絡会・大阪からは、大阪朝鮮高級学校オモニ会を代表して副会長が登壇しました。長崎さんに紹介され、宣伝カーの上に登ったオモニ会代表は、平和へと向かう祖国・朝鮮半島の歴史的な動きを同じ民族として大変喜んでいると歓喜に沸く心境に加え、「板門店宣言」にも謳われた東アジアの平和構築に当事者として寄与したいと語りました。しかし他方で、頑なに平和を拒み続ける日本政府が、日朝問題の「人質」として何の罪もない子どもたちをターゲットに露骨な差別政策を繰り返していると厳しく指摘しました。
すでに係争中である「高校無償化」からの除外や「補助金」の支給停止は言うに及ばず、果ては大阪市が国に先駆けて実施している「幼児教育の無償化」からも幼い子どもたちを排除している現状を大きな怒りで告発しました。また、先ごろ神戸朝鮮高級学校の生徒が、修学旅行先の朝鮮民主主義人民共和国から持ち帰ったお土産を空港の税関に没収された一件に触れ、進展の兆しが全く見えない日朝関係の腹いせに、子どもたちを見境なく差別している政府の態度を強く非難しました。そして、声をあげ闘い続けることで子どもたちの「学ぶ権利」を守ってゆくと力強く決意を表明しました。参加者たちからは大きな拍手と声援が送られました。
その後、様々な政党代表や韓国からの参加者たちがスピーチした後、参加者全員がライトを夕空にかざす「人文字」パフォーマンスが行われました。「PEACE」の5文字をかたどった色とりどりの光を遥か上空のドローンから撮影しました。そして、平和を求める参加者全員の願いを込めたシュプレヒコールに続き、朝鮮半島分断の象徴でもある歌「アリラン」を合唱しました。

その後、ゴールの「なんば」を目指し「御堂筋ピースパレード」が行われました。 第3グループでスタートした在日同胞らと朝鮮学校支援者、オモニ連絡会代表らは、「朝鮮戦争休戦を平和協定へ 東アジアに平和を」と書かれた横断幕を先頭に、御堂筋を練り歩きました。「朝鮮戦争を終わらせよう〜♬」、「東アジアの平和を作ろう〜 ♪」先導する「サウンドカー」から流れる軽快な音楽に乗せてラップのリズムでシュプレヒコールを繰り返し、ステップを踏むように軽やかな歩を進めるパレードは夜の繁華街で道ゆく人たちの注目を集めました。
続けてアピールが行われました。呼びかけ人の一人、藤永壯教授がマイクを手に取りました。藤永教授は、南北と在日の垣根を超えた民族共通の願いである朝鮮半島融和の意義を確認し、苦難に満ちた分断の中で誕生した民族教育の歴史的経緯に照らしても日本が負うべき責任がいかに重いかを説きました。そして、真摯なる過去の清算から朝鮮半島和合へのコミットをスタートさせ、日本国内における在日コリアンの処遇改善を進めてゆくことが大事であり、とりわけ未来ある子どもたちの民族教育権を認めて保護することが急務だと訴えました。さらに、その運動を率先して担うべきは我々日本人だと強く語りかけ、理解と協力を訴えかけました。
続いて、大阪朝鮮高級学校のオモニ会長がアピールしました。現在、高校生である我が子をはじめ朝鮮高級学校の生徒らに「高校無償化」の恩恵が及ばないのは明らかに国の差別政策が原因だと指摘し、世に溢れるヘイトクライムを誘発しているのは他ならぬ政府だと断じました。そして、朝鮮学校に学ぶ子どもたちも日本社会の未来を担う構成員であるとし、日本学校の生徒たちと何ら変わるところはないとしつつ、同じ子を持つ親として、我が子の「学ぶ権利」を主張する自分たち朝鮮学校保護者の声に耳を傾けてほしいと訴えました。オモニ会長の後も役員のオモニたちが代わる代わるマイクを握り、我が子に民族的アイデンティティーを植え付けようと朝鮮学校への就学を選択した心情、ヘイトクライムや差別が横行する日本社会への怒り、共生社会を共に築きたいという願いが込められた熱いアピールが続きました。約1時間、夜の繁華街を進んだパレードはゴールの「なんば」に到着しました。ゴール地点の公園で、主催者たちがねぎらいの言葉をかけながら参加者を迎えます。
この日、朝鮮半島の融和を祝福し、その流れが東アジア全域に広がることを心から願う1500人が集会とパレードに参加し、平和の素晴らしさを声高らかに訴えました。
ゴールしたオモニ連絡会のメンバーたちは、来たる9月の「無償化」裁判高裁判決に向けて運動を一層盛り上げてゆく決意を新たにしました。

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