無償化連絡会・大阪

〜 子どもたちの笑顔と希望のために 〜

月別: 2018年3月

受け継がれる「4.24」の精神

4月24日。
300回目を目前に控えた「火曜日行動」がもう一つの特別な日を迎えます。
「4.24阪神教育闘争」70周年。
70年前、二度に渡る「強制学校閉鎖令」に抗い、命を賭してウリハッキョを守ろうと繰り広げられた闘いと、今日、大阪民族教育の権利闘争を象徴する活動として願わずも定着した「火曜日行動」。この二つに共通するのは「上からのヘイト」に立ち向かう厳しく困難な闘いだということ。そして、いつの時代も「権利は与えられるものではなく、自ら勝ち取るもの」だという真理です。
先日、大阪高裁で下された「大阪府・市補助金裁判控訴審」の不当判決。
教育助成を「贈与」と言い切り、首長の裁量を無限に認め、朝鮮学校に学ぶ子どもたちを一顧だにせず行政の差別に加担した司法。
いくら待っていても「判決の不当性」を誰も世に知らしめてはくれません。私たちのあげる声のみが、民族教育差別の事実を暴き、子どもたちの学ぶ権利を求める主張の正当性を社会に届けてくれるはずです。
だから皆さん、集まりましょう!
4.24の精神を受け継ぎ、民族教育を守り抜くため、一緒に声をあげましょう!

またも不当判決

「主文。本件控訴をいずれも棄却する。」裁判長がたった一言、吐き捨てるように言いました。逃げ去るように退廷する裁判官らの背中に怒号が浴びせられました。「ふざけるな!」「忖度の判決だ!」判決の内容はおろか、請求の趣旨さえも話しませんでした。一体何を棄却するというのでしょうか。まるで、朝鮮学校の存在自体が退けられた様でした。

2018年3月20日。風雨に見舞われた裁判所に250名以上の学園関係者と朝高生26名、中級部や初級部の児童までも傍聴抽選に並びました。同胞や保護者、日本人支援者たちも大勢集まり、抽選券は243枚配布されました。金属探知機による物々しい所持品検査を受けた当選者78名が裁判所に入りました。

法廷の最前列を各メディアの記者たちが陣取っています。開廷後に2分間ニュース用映像の撮影が行われました。そして、裁判が始まると裁判長が冒頭の判決を言い渡したのです。時間にして数秒。瞬く間の出来事でした。5年以上の歳月を費やし、あらん限りの力を尽くして訴え続けた主張がいとも簡単に否定されました。
裁判所本館の正面玄関前には、抽選にもれた同胞、保護者、支援者たちが残り、裁判の結果を待っていました。駆けつけた任真赫、金京美弁護士たちが両手に広げた「不当判決!」、「行政の差別に司法が加担!」の手旗に、悲鳴にも似た嘆息、呻吟が広がりました。悔し涙を流しながら裁判所を睨みつける朝高生徒たち。肩を抱き合う日本人支援者らと同胞たち。これまでの闘いを互いに労いながらも、公正な判断を下さなかった司法を指弾する姿があちらこちらに見られました。

後に出された判決文には13の控訴趣旨と事案の概要が書かれてあり、それに続いて本件で争われた憲法や国際人権法、教育基本法などに関する控訴人・被控訴人双方の主張、そして最後に裁判所の判断が記されていました。
その内容は、補助金支給が「贈与」であり受給権はない、支給の判断は行政の裁量範囲であるとした地裁判決をそのまま維持したものであり、より具体的に学園側の主張を退ける最悪なものでした。

閉廷後、記者会見が行われました。
丹羽雅雄弁護団長、「無償化連絡会・大阪」長崎由美子事務局長、玄英昭大阪朝鮮学園理事長、そして東大阪中級学校の保護者が臨みました。
玄理事長は、声明文を読み上げ、「我々は民族教育の正当性を訴え続け、補助金を教育に対する政治干渉、圧力として利用し、児童生徒の人権、学習権を踏みにじる大阪府、大阪市の不当性を裁判所に、また社会に訴えてきました。今回の不当判決に対して激しい怒りをもって、強く抗議します。ただちに上告し、最高裁で最後まで、そして、勝利する日まで闘い続けます。朝鮮学校で学ぶ子どもたちの笑顔、明るい未来のために闘い抜きます。」と宣言しました。

夜、東成区民センター大ホールにて「判決報告集会」が行われました。500名を超す参加者たちは皆、子どもたちの学ぶ権利を無視した不当判決に対する憤りと、最後まで闘い抜く決意に満ち溢れていました。
集会の冒頭、司会の長崎由美子事務局長が挨拶の中で、去る3月12日にお亡くなりになった「城北ハッキョを支える会」大村淳(すなお)代表に哀悼の意を表し、長きにわたる朝鮮学校支援の活動と尊い功績を紹介しました。
大村さんがライフワークとして地道に続けてこられた「火曜日行動」で歌われている「勝利のその日まで」の歌唱指導を受け、集会が始まりました。
最初に、弁護団から原啓一郎弁護士が、今回の判決について解説しました。原弁護士は、地裁判決を踏襲し、大阪府と市の主張を相変わらず追認した高裁の判断を「ひどい判決」だと一言で厳しく批判しながら、その不当性を詳しく説明しました。そしてその後、弁護団メンバーも登壇し、一言ずつ感想を述べました。
続いて玄英昭理事長が大阪朝鮮学園の声明文を読み上げ、アピールへと続きました。最初に登壇したのは、大阪府内10校の朝鮮学校オモニ会代表たちです。オモニたちは各学校の素晴らしさ、民族教育の素晴らしさをアピールしながら、子どもたちのために最後まで諦めず闘い抜くと決意表明しました。続いて、大阪朝高在校生代表として2年生の男子生徒がアピールしました。生徒は、この度の判決が単に「お金」の問題ではなく民族教育の権利を侵害する暴挙だとしながら、アイデンティティーを継承する自分たちの存在が否定されたと悔しさを語りました。それでも差別に屈せず勉学に励み立派な朝鮮人として生きてゆく決意を表明しました。次いで卒業生が登壇しました。大阪朝高を卒業後、日本の大学に通いながら「留学同」活動に勤しむ自身も、母校である朝鮮学校の民族教育権を守るために闘い続けると固い決意を表しました。その後、東大阪朝鮮中級学校で教鞭を執る教員がアピールを行い、韓国から駆けつけ「火曜日行動」の後、傍聴にも参加した「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」孫美姫(ソン・ミフィ)代表が連帯の挨拶をしました。孫代表は、5年以上に及ぶ法廷闘争を続けてきた関係者と弁護団、すべての支援者たちに敬意を表するとともに、日本政府主導の差別政策の中、地方自治や司法すらも公正を見失ってしまった日本社会の現状を強く批判しました。そして、子どもたちの学ぶ権利を勝ち取るまで共に闘い続けると力強いエールを送ってくださいました。アピールの最後に「無償化連絡会・大阪」の藤永壯共同代表が登壇しました。藤永共同代表は、今年70周年を迎える「4.24阪神教育闘争」について語り、歴史を直視せず民族教育を抹殺しようとする忌まわしい差別が繰り返されていると指摘しました。そして、亡くなられた大村淳さんの遺志を継ぎ、朝鮮学校の民族教育権を守る闘いを、日本人の問題として捉え最後まで闘い抜くと宣言されました。
アピールの後、宇野田尚哉共同代表が「無償化連絡会・大阪」の声明文を読み上げました。
集会の最後に弁護団の丹羽雅雄団長が閉会の辞を述べられました。
丹羽弁護士は、今回の不当判決に屈することなく最高裁に向けて全力を注ぐ決意を披瀝しながら、マイノリティーの権利問題を個別に訴えるのではなく、一つの大きなうねりを形成し社会全般に広くアピールしてゆくことが大事だと語りました。そのためにも、まずは朝鮮学校の民族教育権に関する問題をより広範な同胞、市民たちに訴え、力を結集して行こうと力強く呼びかけました。
集会は、参加者全員の合唱と最終勝利に向けた大きなシュプレヒコールで幕を下ろしました。
学校法人 大阪朝鮮学園は直ちに上告し、最高裁で最後まで闘い抜くと表明しました。

週明けに判決下る

来週火曜日、補助金裁判控訴審の判決が下されます

当サイトでも、度々お知らせしましたが、ついに来週火曜日(3/20)、大阪府と大阪市の補助金支給再開を求める裁判の控訴審判決言い渡しを迎えます。
全国的に「高校無償化」裁判が大事な局面を迎えつつある今、行政による民族教育差別の構造や主張の不当性において軌を一にするこの裁判が、朝鮮学校の民族教育権を守る闘いにとって大事なのは言うまでもありません。
内外の関心も高く、当日は韓国から支援団体代表も参加し、開廷に先立ってメディアを迎えての入廷行進も行われます。
「子どもたちの学ぶ権利」を求め、闘い続ける力を今こそひとつに結集し、私たちの訴え、願いの正当性を法廷に見せつけましょう !!

皆さん! 3月20日(火)午後1時15分、裁判所で会いましょう!!


「無償化連絡会・大阪」の藤永壯共同代表が、上記補助金裁判控訴審判決を前に、韓国のインターネット新聞『プレシアン』に寄稿しました。
裁判の経緯や主旨、内容を深く理解して判決言い渡しに臨むためにも、是非お読みください。

「ヘイトクライムを誘発する日本国家の排外主義的主張:大阪朝鮮学園の補助金
裁判控訴審、そして「高校無償化」裁判」

韓国でも「オモニ会」を賞賛

「ハン・ギョンヒ賞」に朝鮮学校オモニ会が選定

3月12日のインターネット「HANKYOREH(ハンギョレ)」は、韓国で日本の朝鮮学校オモニ会が「ハン・ギョンヒ統一平和賞」を受賞したと報じました。
この賞は、1982年に発表されたスパイ操作事件である「宋氏一家スパイ団」の女ボスという濡れ衣を着せられた故ハン・ギョンヒ氏を称えるために息子のソン・ギス氏ら遺族が基金を拠出して設けられたそうです。
賞の運営を担っている聖公会大学は、受賞理由として「民族教育の重要性、正当性のための活動」が評価され、「これまで経験した差別・苦痛を慰労し努力を激励」するためだと明かしました。
オモニたちの地道で絶え間ない努力と、ハッキョを守り、発展させようとする情熱が海を越えて賞賛されたことは、朝鮮学校の教育権を勝ち取るために闘う我々皆の大きな喜びです。
これからも「子どもたちの学ぶ権利」と、より良い民族教育環境づくりのために、オモニたちの活動は続きます。

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/30006.html

国際社会に広がる声

カナダはバンクーバーで2007年に設立された「Peace Philosophy Centre(ピース・フィロソフィー・センター)が、朝鮮学校のみを「高校無償化」制度から除外している日本政府の態度は明らかな差別だとして、「朝鮮学校を『高校無償化』の適用外としていることに反対するカナダ市民・住民の声明」を出し、制度適用を求める署名をネット上で始めました。
声明文は英語版、フランス語版、日本語版があり、同センターのWebサイトに紹介されています。
また、ネット上からこの声明への「賛同」を表明できる様になっており、メールの「雛形」も掲載されています。
「すべての子どもたちに等しく学ぶ権利を!」
普遍的な教育の権利を求める私たちの願いを世界中に広めましょう!
でも、締め切り日が3月22日です。あまり猶予がありません。
ぜひ皆さん、アクセスして下さい!!

http://peacephilosophy.blogspot.jp/

朝鮮学校を「高校無償化」の適用外としていることに反対するカナダ市民・住民の声明

2018年3月25日

内閣総理大臣 安倍晋三殿

文部科学大臣 林芳正殿

2010年に施行された「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律(以下「高校無償化法」と言う)」により、私立高校はもとより、各種学校の認可を受けた外国人学校の高校生も就学支援金を支給されるようになった。それは、その法の第一条に、“高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等などに寄与することを目的とする”と書かれているからである。しかるに、外国人学校の中の朝鮮学校のみが、この制度の適用から外されたまま今日に至っている。この処分を違法として、朝鮮学校の卒業生や経営母体の学校法人が日本国を相手取って、全国5か所で裁判を起こしているが、今までのところ、大阪地裁が全面的に原告の訴えを認めて、日本国の処分を違法とし、処分取り消しを言い渡した一方で、広島地裁と東京地裁では、同処分が文科相の裁量の範囲内として、適法としている。

朝鮮学校のみを「高校無償化」から外しているこの問題について、私たち、日本に多大の関心を抱くカナダ市民・住民(日系カナダ市民であったり、日本を研究対象とする研究者であったり、その他さまざまな理由による)は、憂慮し続けてきた。そして、カナダ市民・住民であるからこそ言える、この問題に関する意見があるのではないかと気付き、声明を出すことにした。

カナダは世界各地からの移民、難民を受け入れてきて、多民族、多文化、多言語などの多様性を国の豊かさと認めている国である。しかし、この国の歴史を見れば、始めからそうだった訳ではない。例えば、日系カナダ人は第二次世界大戦時に「敵性外国人」として強制収容され、終戦後まで収容所生活を余儀なくされた。カナダ先住民は1870年代から100年以上に亘って、子どもを家族から離して、寄宿学校に送られ、先住民の文化から切り離し、キリスト教系カナダの文化、言語を学ぶことを強制された。このような、ある人種、民族グループに対する 国家による組織的差別がいかに被害者の尊厳を根底から傷つけ、その人生を後々にいたるまで、崩壊させ、家族やコミュニティーに修復不可能なほどの被害をもたらすかは、カナダの場合、公的な資料館が膨大な資料、証言を保存し、公開しているので、私たちはつぶさに知ることができる。

また、このような差別が存在することで、その社会全体の道義が著しく歪められることも資料から読み取ることができる。学校でも、まだ不十分ではあるが、これらの負の歴史は教えられている。そして、遅すぎたとは言え、日系カナダ人の強制収容については、1988年に、カナダ先住民の寄宿学校については、2008年に、それぞれ当時の首相が、それぞれのコミュニティーの代表を前にして、正式な謝罪をし、象徴的なものとはいえ、個人とコミュニティーの両方に対する賠償も行った。カナダ先住民の場合、被害を受けた期間があまりに長かったために、その深く、大きな傷はまだ到底、癒えるところまでは行っていないし、社会の歪みが完全に消えたわけでもない。しかし、カナダ人が先住民を見る目は、確実に変わりつつある。先住民出身の大臣、国会議員、州議会議員もいるし、先住民について学べる機会も増えている。日系カナダ人については、実際に収容所生活を経験した一世、二世世代には、その影響は今も残っているが、若い世代に、負の歴史の傷痕を見つけるのは難しい。人間の社会は、どこでも、克服すべき差別問題を抱えていると思う。 しかし、政府が間違いを認め、謝罪することで、社会全体が少しずつでも公正な方向に行くことを、私たちは見てきたと言える。

カナダ市民・住民である私たちからは、朝鮮学校のみを無償化適用から外している今の日本は、政府自らが、民族差別を公然と行っているとしか見えない。2012年末に、発足直後の第二次安倍内閣の下村博文文部科学相(当時)が、「拉致問題に進展がないことや、朝鮮総連との密接な関係があり、現時点で、無償化を適用することは国民の理解を得られない」と朝鮮学校を制度から除外する理由を記者会見で説明していることから、この処分が政治問題と関連付けて決定されたことは明らかである。大阪地裁判決は“教育の機会均等とは無関係な、外交的、政治的意見に基づき、朝鮮高級学校を無償化法の対象から外すために、、、、”と、政治的判断であることを認めた上で、処分を違法、無効としている。私たちは、この大阪地裁判決を全面的に支持する。

また、この一連の朝鮮学校無償化適用外しの問題の報道の中で、私たちが、一つ奇異に感じることは、在日朝鮮、韓国人の歴史的背景、朝鮮学校の成り立ちなどに関して、あまり触れられていないことだ。大阪地裁は、この点でも優れていて、歴史的なことと、朝鮮学校で言語教育、民族教育をする必要性について言及しているが、広島、東京地裁の判決は、その点について、全く触れていない。1910年の韓国併合条約の強要で、朝鮮半島を植民地支配した日本は、朝鮮人から土地を奪い、同化政策で言語を奪い、創氏改名で、名前まで奪った。この政策は1945年の日本の敗戦まで続いた。この為、自国での生活手段を失ったりした人たちが、大量に日本に入った。1939年からは、朝鮮人の強制徴用が始まった。アジアへの侵略戦争に全面的にのり出した日本が、戦争に因る労働力不足を徴用で補うために連行したのだ。

敗戦までに徴用された人は100万人を超えるが、過酷な労働と待遇で、命を落とした人も多い。このようにして、敗戦時に、日本に暮らしていた朝鮮の人は230万人以上いた。日本の敗戦で、解放された祖国に怒涛のように帰国する人が続いたが、約50万人は日本に残った。その人たちとその子孫が、現在の在日韓国、朝鮮人である。その人たちが、失った言語や民族の尊厳や歴史を子どもたちに教えるために、寺子屋のような学校を各地で作ったのが、朝鮮学校の始まりである。この歴史を考えれば、外国人学校にも就学支援金支給が決まった段階で、真っ先に適用対象とすべきだったのは、各地の朝鮮学校だったはずだ。また、政府は朝鮮半島植民地支配の歴史資料全てを誰でもが読める場所に公開すべきである。それを知った上で、朝鮮学校のみ適用外を支持するほど、日本の人びとが愚かだとは思えない。

国連の社会権規約委員会、人種差別撤廃委員会等がこの朝鮮学校無償化適用外問題や、これに誘発されて始まった、地方自治体の朝鮮学校への助成金の停止などついて、繰り返し、是正勧告を発したり、日本政府の行為を懸念する所見を出している。これが世界の常識である。政府が数ある外国人学校の中から、朝鮮学校の生徒のみに就学支援金を支給しない、自治体が朝鮮学校のみ、教育助成金を停止する、一部のメディアが朝鮮学校に関する、虚偽に満ちたネガティブキャンペーンを堂々としている、街中で、朝鮮学校や朝鮮人に対するヘイトデモが行われる、小学生の通う朝鮮学校への襲撃事件さえ起きる。これらは、世界の人権感覚からすれば、公権力による人種差別と、それによって道義を歪められた社会の姿以外の何ものでもない。日本の人は、この問題を他人事と思って傍観していてはいけない。自分達の社会の在り方自体を問われている問題なのだ。

朝鮮学校の生徒たちは、既に四世の世代で、朝鮮籍、韓国籍、日本籍と様々だそうだ。籍がどこにあっても、この子たちは、紛う方ない日本社会の子どもである。この人たちが安心して暮らし、自分の望む教育を受けられるようにするのは、日本政府の義務であるが、この当然のことが当然として通る社会を作るのは、そこに住む全ての大人の責任である。公正で、世界に通用する人権感覚の社会に育つことができるかどうかは、日本に住む、全ての子どもに関わる問題であるのだから。

朝鮮高級学校にも、「高校無償化」制度を直ちに適用することを強く訴え、その為に日本で闘っている全ての人に連帯する。

高裁判決

2012年9月20日に始まった「大阪府・大阪市補助金裁判」。
昨年1月26日に下された屈辱の大阪地裁判決から早1年が過ぎました。
行政による「教育助成」は「贈与」でしょうか?
「出す」「出さない」の判断を首長ひとりが下していいのでしょうか?
朝鮮学校に学ぶ子どもたちや保護者たちだけの学習環境が悪化し、経済的負担が増大するのは、やむを得ないことなのでしょうか?
裁判闘争の舞台は高裁へと移り、いよいよ判決が下されます。
繰り返し訴え続けた子どもたちの「等しく学ぶ権利」と共に、私たちは今一度、胸に刻まなければなりません。
この法廷で裁かれるのは「子どもたちの振る舞い」ではなく「社会の在り方」だということを。


「大阪府・大阪市補助金」裁判控訴審判決言い渡し

*集  合→午後1時15分:別館横の東門
*入廷行進→午後1時30分〜 :裁判所東南角から正門を入って本館玄関前まで
*傍聴抽選→午後2時〜2時10分  ※傍聴券の配布は10分間のみで締め切り
(時間厳守でお集まりください。)
*入  館→金属探知機で所持品検査が行われます。
*裁  判→午後3時開廷
*報告集会→午後6時開場、6時30分開始:東成区民センター大ホール

卒業式

全国10の朝鮮高級学校、三月四日一斉に卒業式

春の陽気に恵まれた3月4日、日曜日。
全国に10校ある朝鮮高級学校(初中高級、中高級学校含む)が卒業式を迎えました。各校では最長で12年間の民族教育課程を終えた卒業生たちが、それぞれの胸に希望を抱き母校を巣立って行きました。
大阪朝鮮高級学校でも第64期卒業式が厳粛かつ感動的に執り行われ、卒業生はもちろん、先生方や保護者も涙で生徒らの前途を祝福しました。
卒業生たちの9割以上が朝鮮大学校を始めとする進学の道を選び、その半数以上が日本の大学に入学します。大学で多くの知識と技術を身につけ、同胞社会と日本の地域社会に貢献しうる有能な人材として一歩を踏み出します。しかし、ついに「高校無償化」制度の適用を受けられずに卒業を迎えた彼らの胸の内は複雑です。6割を超す生徒たちが高校授業料を支払うための奨学金制度を既に利用しているため、大学進学には更なる経済的負担が重くのしかかるからです。クラブ活動の合間を縫って幾度となく自ら街頭に立ち制度除外の差別性を訴えましたが、努力は未だ報われていません。「金銭的なこと以上に、自分たちの存在が認められなかったという悔しさが大きい」、「後輩たちに済まない」。遺恨の残る門出です。それでも卒業生たちの表情は希望に満ち溢れていました。民族教育を通じて育んだアイデンティティーを胸に刻み、前を向いて進んでゆこうとする気概が感じられます。
送り出す先生方や保護者たちにも忸怩たる思いがあります。と、同時に必ずや民族教育の意義を国や行政、社会に認めさせ、すべての「学ぶ権利」を勝ち取ってみせる。そして、朝鮮学校を卒業する子どもたちが、日本学校の生徒らと真に「肩を並べて」進んで行ける社会を築いてゆく。堂々と胸を張る卒業生たちの姿を見送りながら決意を新たにします。
この感動が64年の間繰り返されてきました。そしてまた、民族教育のバトンが繋がれて行きます。

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