全国10の朝鮮高級学校、三月四日一斉に卒業式

春の陽気に恵まれた3月4日、日曜日。
全国に10校ある朝鮮高級学校(初中高級、中高級学校含む)が卒業式を迎えました。各校では最長で12年間の民族教育課程を終えた卒業生たちが、それぞれの胸に希望を抱き母校を巣立って行きました。
大阪朝鮮高級学校でも第64期卒業式が厳粛かつ感動的に執り行われ、卒業生はもちろん、先生方や保護者も涙で生徒らの前途を祝福しました。
卒業生たちの9割以上が朝鮮大学校を始めとする進学の道を選び、その半数以上が日本の大学に入学します。大学で多くの知識と技術を身につけ、同胞社会と日本の地域社会に貢献しうる有能な人材として一歩を踏み出します。しかし、ついに「高校無償化」制度の適用を受けられずに卒業を迎えた彼らの胸の内は複雑です。6割を超す生徒たちが高校授業料を支払うための奨学金制度を既に利用しているため、大学進学には更なる経済的負担が重くのしかかるからです。クラブ活動の合間を縫って幾度となく自ら街頭に立ち制度除外の差別性を訴えましたが、努力は未だ報われていません。「金銭的なこと以上に、自分たちの存在が認められなかったという悔しさが大きい」、「後輩たちに済まない」。遺恨の残る門出です。それでも卒業生たちの表情は希望に満ち溢れていました。民族教育を通じて育んだアイデンティティーを胸に刻み、前を向いて進んでゆこうとする気概が感じられます。
送り出す先生方や保護者たちにも忸怩たる思いがあります。と、同時に必ずや民族教育の意義を国や行政、社会に認めさせ、すべての「学ぶ権利」を勝ち取ってみせる。そして、朝鮮学校を卒業する子どもたちが、日本学校の生徒らと真に「肩を並べて」進んで行ける社会を築いてゆく。堂々と胸を張る卒業生たちの姿を見送りながら決意を新たにします。
この感動が64年の間繰り返されてきました。そしてまた、民族教育のバトンが繋がれて行きます。