無償化連絡会・大阪

〜 子どもたちの笑顔と希望のために 〜

作者別: renrakukai-osaka Page 1 of 9

福岡判決

既報の通り、去る3月14日、福岡地方裁判所小倉支部203号法廷で全国5つの「高校無償化」裁判のうち最後となる地裁判決が下されました。
2013年12月から始まったこの裁判は、大阪での「無償化」裁判、高裁判決の直前2018年9月20日までの5年3ヶ月、20回にも及ぶ口頭弁論を重ね闘われてきました。
不当判決。
68名の原告をはじめとする九州朝鮮高級学校に学ぶ生徒たち、保護者たちはもちろん、民族教育を守りたい一心で支援活動に勤しんできた同胞たちや日本人支援者たちの願いと希望をあまりにも無残に打ち砕く判決でした。
何人にも等しく認められるべき「学習権」についての審理が何ら真摯に行われた痕跡すら認められない判決文には、兼ねてから指摘されてきた「ハ条項削除」と「規程13条適合性」の矛盾に対する事実認定はおろか言及すらありませんでした。
320名にものぼる傍聴希望者たちで溢れかえった裁判所前は、開廷後ほんの数分で出てきた若手弁護士らの広げる「不当判決」の紙をしばし呆然と見つめるしかありませんでした。

  • 弁護団、学園関係者、オモニ会、支援団体の代表らを先頭に入廷行動

そして、あちらこちらから沸き起こる怒号。
「朝鮮学校を差別するな!」、「学ぶ権利を奪うな!」
生徒たちも溢れる涙を拭おうともせず叫び続けます。
「この子たちは日本と韓国・朝鮮を結ぶ希望の架け橋です。未来を担う子どもたちを差別することは許されません!!」オモニたちも叫びます。
止まない怒号の中にひときわ悲痛な響きがありました。高齢の同胞が一人、裁判所を正面に見据え絞り出すような声で叫びます。「お前ら筑豊を知らんのか!俺の兄貴たちの骨は未だに炭鉱の土の中に埋まっている。日本は謝罪も賠償もしない。俺たちも散々差別されてきた。ついには孫たちまで差別する。ええ加減にせえ!」そして、「裁かれたの俺たちじゃない、俺がお前らに判決を言い渡す!有罪じゃ!!」、「恥を知れ!そして覚悟せえよ!何があっても絶対に許さん!!」となりでは全国から集ったオモニ会の代表たちが、子どもらの平等な学習権を求める内容の横断幕を握りしめながら「アリラン」を歌いました。涙声の歌は徐々に重なり、やがて大合唱となりました。幼い生徒たちが、先生たちが、同胞たちが、そして日本人支援者たちが一緒に歌いました。合唱の合間に沈痛な、でも力強いシュプレヒコールが響きました。

午後の記者会見に続き、夕方からは「北九州私立商工貿易会館」に場所を移し、「九州朝鮮高級学校生『無償化』裁判判決報告集会」が行われました。
集会に先立ち、九州朝鮮高級学校の教務部長から緊急報告がありました。
判決言い渡し日を直前に控えた3月11日、九州朝高最寄の「折尾」駅前で在特会から派生した「日本第一党」なる右翼政党が通学時間帯に合わせてヘイトスピーチを行なったということでした。彼らはハッキョへと向かう生徒たちを指差しながら 「日本がこんなんだから朝鮮人に舐められている。みてください朝鮮人の子供たちはチマチョゴリ着てないでしょ 。朝鮮人はさっさと国に帰れ、朝鮮人は追い出さなければならない 」などと暴言を吐きました。
拡声器から吐き出される聞くに耐えない罵詈雑言におののきながら生徒たちは学校へと向かったそうです。教務部長は怒りに震える声で、生徒たちへの直接的なヘイトを決して許すことはできないと指弾しました。

  • 開会に先立ち、緊急報告をする九州朝高・教務部長

集会は、弁護団メンバーでもある清田弁護士の司会で始まりました。
司会者の開会宣言の後、まずは弁護団から金敏寛弁護士が登壇し、この度の裁判・判決報告をしました。金弁護士は、生徒たちの訴えの正当性と共に司法の判断の過ちを指摘し、何があろうと不当判決に屈することなく高裁へと立ち向かってゆこうと呼びかけました。
次いで朴憲浩弁護士が、判決文の分析報告を行いました。朴弁護士は、判決を一言で「不誠実で空虚」だと断じました。そして、高裁でも正しいことを地道に諦めず訴え続けると語りました。
続いて九州朝鮮高級学校・全晋成校長が福岡朝鮮学園の声明文を読み上げました。全校長は声明の中で「不当判決にひるむことなく、生徒たちを励ましながら、今後とも民族教育の普遍的価値を実証し、民族教育を受ける権利は法的保護に値する正当な権利であるということを訴え続け」ると誓いました。(声明文はこちら)
集会は連帯のあいさつへと移りました。
同じ「高校無償化」裁判を闘う東京・愛知・大阪・広島からそれぞれ学園関係者やオモニ会代表、支援者たちが一緒に登壇し、不当判決にめげず、共に力をあわせて最後まで闘おうと熱いエールを送りました。
連帯あいさつの次に、九州朝鮮高級学校・生徒たちが公演アピールを行いました。生徒たちは、無関心やむき出しの悪意に晒されながらも街頭に立ち「学ぶ権利」を訴え続けた運動の意義を問う小演劇の後、日本の高校生たちと肩を並べて学ぶ日が来ることを願う強い思いを込めた歌を歌いました。生徒たちの思いの丈は参加者たちに届き胸を打ちました。
その後、九州朝鮮中高級学校オモニ会の面々が登壇し、代表して梁会長がアピールを行いました。福岡県下にあるすべての朝鮮学校のオモニたちが祈りを込めて製作した「折り紙チマチョゴリ」が紹介され、必ず「等しく学ぶ権利」を勝ち取るまで諦めずに闘い続けると決意を披瀝しました。
続いて留学同に所属する大学生たちが登壇し、後輩たちのためにも民族教育の権利を守る活動を続けてゆくと決意表明しました。

  • 九州朝鮮中高級学校オモニ会のアピール

この日の集会には韓国から傍聴に駆けつけた支援者たちも多数参加しました。彼らは一様に今般の裁判を通じて露わになったのは朝鮮学校の不当性ではなく、むしろ日本社会のいびつさだと指摘し、それを確定させたのが今日の不当判決だと語りました。また、韓国で繰り広げられている様々な朝鮮学校支援活動にも触れ、「民族教育を守り続ける皆さんの活動が地道に理解と賛同を広めている」と指摘しました。アピールの最後に「モンダンヨンピル」の事務局長を務める金明俊監督が、裁判費用として寄付金を手渡しました。
その後、全国オモニ連絡会から各地の代表らが登壇し、京都朝鮮中高級学校オモニ会の朴会長がアピールを行いました。
その後、「朝鮮学校無償化実現・福岡連絡協議会」の中村元氣代表が声明文を共有しました。中村代表は、この日の「不当判決を決して認めるわけにはゆかない」と厳しく語り、民族教育権を勝ち取る勝利の日まで不断の努力を続けてゆくと誓いました。
集会の最後に、弁護団の服部弘昭弁護団長が今回の裁判闘争とこの日の判決を改めて振り返り、高裁での新たな法廷闘争に向けた決意を表明しました。
会の締めは参加者前での大合唱でした。毎週金曜日、文部科学省前で行われている「金曜行動」の歌「声よ集まれ、歌となれ」。この日、裁判傍聴と報告集会に詰めかけた参加者全員、これからも続く民族教育権利を守る闘いへの決意を込めて歌いました。

最後の地裁判決に向けて

九州の朝鮮高級学校在校生と卒業生ら67名が原告となり、「高校無償化」制度から朝鮮学校のみを除外したのは違法だとして国を訴えた国家賠償請求訴訟、「九州・高校無償化裁判」がついに3月14日、福岡地方裁判所小倉支部で判決を迎えます。
子どもたちの平等なる教育権を求めて争われた5年3ヶ月にわたる法廷闘争の地裁判決は、全国5カ所で最後となります。
本件の争いにおいて唯一の歴史的勝訴判決が覆された大阪高裁や東京、愛知、広島の不当判決を司法はどう判断するのでしょうか。
とりわけ注目しなければならない問題は、今回の判決が、去る2月7日に公表された国連「子どもの権利委員会」総括初見での日本政府に対する「勧告」後、初となる判決であるという点です。
度重なる国際社会からの厳しい非難に司法はどう答えるのでしょうか。
無償化連絡会・大阪の藤永壯共同代表が「九州・高校無償化裁判」の地裁判決に強い期待と願いを託して、韓国のインターネット新聞『PRESSian』2019年3月11日付に寄稿しました。
下記に日本語オリジナル原稿ページのLINKを貼り、ご紹介します。

3.24告知

来たる3月24日、ウリハッキョと子どもたちの「学ぶ権利」を守る闘いの新たなステージが幕をあける!!

「MOREフェスタ(祝祭)2019」出演者、決定!!
豪華キャストらによる夢の共演!!

国や行政、そしてついに司法までもが、子どもたちの「等しく学ぶ権利」を踏みにじった。
「大阪府・市補助金裁判」 において最高裁は、11月28日付で私たちの上告を棄却した。
それでも私たちは決してあきらめない。闘って勝ち取るしかない。
共に進む仲間たちがいる。だから、集まろう! 考えよう! 歌おう!
今日、新たなステージで子どもたちの学ぶ権利を求め響かせるその歌声は、全国の仲間たちにきっと届く!

中村いるそん
 講演:朝鮮学校裁判に見る「官製ヘイト」の正体
〜気鋭のルポライター中村いるそん氏が不当判決に潜む朝鮮学校差別の実態と官製ヘイトの正体を暴く!

川口真由美
 戦争と差別に抗い、平和を願う心の叫び
〜圧巻のステージ!反戦・平和、そして共生への祈りとメッセージを込めた魂の歌声をすべての人々に!

和歌山朝鮮初中級学校オモニ会
 チャンダン
〜愛校心の結晶で奏でる民族のビート!ウリハッキョと子ども達を愛する心を軽快なリズムに乗せて。

大阪朝鮮高級学校オモニ会
 歌とアピール
〜子どもたちの笑顔と希望のため、オモニたちのパワフルな歌とアピールで熱いメッセージを届ける!

大阪朝鮮高級学校/声楽部
 重唱
〜伝統と融合した新しい世代の感性が透き通るボーカルで民族を歌い上げる。響き渡れ!青春の歌声

「大阪朝高声楽部を応援する」男声重唱団
 重唱
〜重厚なハーモニーで民族の心を伝える。新進の男性ボーカルグループが胸に染みる歌声を響かせる!

大阪朝鮮高級学校/舞踊部
 重舞
〜時代を超えて受け継がれる民族の伝統、朝鮮の美を大阪朝高舞踊部の生徒たちが心をこめて舞う。

3月24日(日) 13:30開場 開演14:00〜16:30
クレオ大阪南(大ホール)

*資料代:500円(学生無料)

Osakaメトロ 谷町線「喜連瓜破」駅1号出口、北西へ徒歩5分

ジュネーブ報告集会

2019年2月15日。東成区民センター大ホールにて、「国連『子どもの権利委員会』ジュネーブ報告集会」が行われました。
「大阪府オモニ連絡会」と「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」の共催で行われたこの日の集会には、子どもたちの学ぶ権利を勝ち取るための運動において常に最前線で声を上げ続けるオモニたちが国際社会に向けて朝鮮学校の置かれた状況、日本社会における差別の現状を直接訴えかけた貴重な活動の報告を聞こうと、朝鮮学校保護者たちや同胞、日本人支援者らが多数参加しました。
集会は、「ウリハッキョを守る歌」、「大阪勝訴」、「金福童ハルモニを偲んで」と、三つの内容で編まれた映像から始まり、去る1月28日に永眠された金福童ハルモニの功績を讃え、冥福を祈る参加者全員の気持ちを込めて黙祷を捧げました。その後、司会の裵香淑さんが開会を宣言し、主催者を代表して金亜紀さんが挨拶をしました。挨拶では「高校無償化」適用を求め始められた裁判闘争が9年目を迎える中、子どもたちの「学ぶ権利」を勝ち取るための闘いが新たなステージへと移ったとしながら、「火曜日行動」や要請、抗議行動、イベントや集会などこれまで行われてきた活動の意義を振り返りながら集会内容が紹介されました。そして、日本に暮らす全ての子どもたちの尊厳が平等に守られることを願いながら、今日の集会から大きな「学び」を得て「連帯」を確かめあえる場にし、更なる運動の拡大をもって朝鮮学校の教育権を求める大きな世論を巻き起こそうと呼びかけました。

続いて、全国オモニ連絡会代表として1月14日からスイスのジュネーブに赴き、精力的なロビー活動を行なってきた大阪朝鮮高級学校オモニ会代表が報告をしました。現地での映像を交えたプレゼンを通して代表は、朝鮮学校に子どもを通わせている当事者の自分たちが国連の場で直接声を上げ訴えかけることの意義を語りました。特に、朝鮮学校の置かれた現状に大きく関心を持ってくれた委員に、具体的な資料を持って訴えた際、自分の言葉にひとつ一つ大きくうなずきながら、当たり前のこととして子どもたちの「学ぶ権利」を求めるオモニたちの心情に痛切な共感を示してくれたこと、そしてその委員が、朝鮮学校問題を差別事象として一向に認めようとしない日本政府代表らを詰問した事実を報告し、正義ある我々の声は必ず国際社会に届くと確信に満ちた声で語りました。そして最後に、権利闘争は長くて辛いものだが、子を持つオモニたちがもう少し頑張ってこの闘争を終わらせよう、幼い子どもたちに引き継がせることがないよう闘って勝とうと力強く訴えました。
次に、オモニたちのロビーイングに同行した在日本朝鮮人人権協会の宋恵淑さんが登壇しました。2001年から「人権条約」に関する国連審査に携わってきた宋さんは、その18年のキャリアの中でも全く経験のなかったこととして、今回、自分たちが準備した資料の受け取りを議長に断られた事実を報告しました。その原因として、日本の抱える人権諸問題について訴える活動を露骨に邪魔立てする集団が国連にも押しかけ、時には委員を取り囲み日本政府に対する厳しい質問を取り下げるよう恫喝するといった事案が、委員会をナーバスにさせていると分析しました。事実、今回の「子どもの権利委員会」にもその様な一団が大挙して詰めかけ、オモニたちの活動も制限され悪影響を受ける事態になったと宋さんは報告しました。それでも、全国のオモニたちを代表し、長旅の疲れにも耐えながら果敢なロビー活動を展開したオモニたちの活躍を克明に紹介した宋さんは、特に2010年3月の「人種差別撤廃委員会」に端を発し5度目となる「勧告」が今回出された意義を振り返りました。何よりも今回の「勧告」がより具体的な内容をもって日本政府の差別政策を指摘し、改善を促したと文言を分析しながら解説しました。
「朝鮮学校への『高校授業料無償化』適用を促進するために基準を見直す措置をとることを勧告する。」
「朝鮮学校のみを除外するのは差別であるから是正せよ」としたこれまでの勧告から大きく一歩踏み込み、日本政府が差別を認めず「審査基準に適合するに至らなかった」と詭弁を繰り返すなら、その「基準」自体を見直せと強く求めた形です。宋さんは、こうした大きな成果がもたらされた要因はオモニたちをはじめとする当事者たちの地道な活動の賜物であると指摘し、この度の地道な活動もこれまで同様、国連の委員たちにしっかり届いていると語りました。そして、長きにわたって続けられてきた闘いの中で獲得してきたものを携え、これからも共に闘おうと強く訴えかけました。

  • 集会に先立ち、金福童ハルモニに黙祷が捧げられた。

次に、本サイトでもご紹介した「文部科学省要請行動」の報告がありました。
先に金亜紀さんがパソコンをスクリーンに映し出しながら要請行動の概要を報告しました。今回の要請行動では、文科省への直接的な働きかけのみならず、各会派を回りながら国会議員への陳情やロビー活動、そして文科省前での「金曜行動」参加と、寸暇を惜しんで意欲的な活動がなされたこと、そして、それらを通して朝鮮学校の実情を広く知らしめることができたことを報告しました。次いで、「無償化連絡会・大阪」を代表して東京に行った大村和子さんが報告しました。大村さんは、対応に出てきた文科省担当者の無機質な対応に憤りを露わにしながら朝鮮学校の窮状や子どもたちの純粋な姿を声を詰まらせながら訴えたと語りました。そして、自分たちに向けられた日本社会の差別に胸を痛めながらも希望を持って朝鮮学校で学んでいる初級部児童の作文を怒りを込めて読み上げたと報告しました。大村さんは、日本人として自分もこの児童の思いに報いるため引き続き頑張って活動すると最後に誓いました。続いて、大阪朝鮮高級学校オモニ会副会長が登壇し、先代から受け継いだ民族教育が危機に瀕している。ウリハッキョをこのままの状態で子どもたちに引き継がせてはならないと訴えました。それこそが子どもを朝鮮学校に通わせている親の世代の責務だと、力を込めて訴えました。そして、先代から受け取ったバトンを子どもたちにしっかりと渡すために最後まで共に闘い、権利を勝ち取ろうと呼びかけました。
続いて、弁護団から李承現弁護士が登壇し、最高裁へと上告し、大詰めを迎えている「高校無償化」裁判について解説しました。李弁護士は、子どもの学ぶ権利を一顧だにしなかった先の高裁判決の不当性を糾弾し、さらに今回提出した「上告理由書」に込めた訴えについて説明しました。そして、正義は我々にあるとして、団結と闘争の継続をもって法廷闘争を最高裁へと導き、必ず勝利しようと呼びかけました。
続いて「無償化連絡会・大阪」の共同代表、藤永壯先生が発言しました。
藤永先生は、「高校無償化」裁判が最高裁の判断を待っている状況である中、今秋から実施される「幼児教育の無償化」に関しても朝鮮学校幼稚班には適用しないと閣議決定されるなど民族教育に対する差別政策は拡大している残念な様相だと指摘しました。この様な不当な裁判結果、差別政策を決して許さないと繰り返し訴え続けなければならない、改めて今、我々にできる活動は何なのか問い続けなければならないと指摘しました。そして、3月24日予定している「MOREフェスタ(祝祭)2019」への積極的な参加を呼びかけました。その上で今日の集会を通して、民族教育の権利擁護を訴える我々の声が国際社会に届き共感を持って広がりを見せている状況が希望を与えてくれると語りました。とりわけ、韓国からの温かい支援が数多く寄せられ、メディアの力により広く拡散している現状は大変重要な変化であり、その要因は他ならぬ我々自身が行ってきた地道な活動の結実であると指摘しました。「私たちの蒔いた種がようやく芽を出そうとしている。」この大切な「連帯の輪」を益々広げてゆこうと呼びかけました。これら朝鮮学校支援の運動を、融和と共存の兆しが著しい朝鮮半島の平和統一につなげ、ひいては東アジアの平和と安定に寄与できる大きな流れ、大きな営みの一環となる様、共に手を取り合って頑張ろうと力強く呼びかけました。

集会の最後に「集会アピール」が読み上げられました。朝鮮学校に対する差別の是正を強く促す「勧告」が出された今回の成果を、これからも続く朝鮮学校と子どもたちの「学ぶ権利」を守る闘いに活かし、真の共生社会を目指して力を合わせて頑張ろうと呼びかけたアピール文は参加者たちの大きな拍手で採択されました。
子どもたちへの差別を諌める国際社会の厳しい目に恥じることもなく、自らの排外的な政策の本性を糊塗し続ける日本政府をこれからも厳しく追求し、子どもたちの「等しく学ぶ権利」と民族教育権を勝ち取るための闘いはこれからも続きます。私たちの声は必ず世界に届き、さらに広がり続けると信じ、活動を一層盛り上げてゆく意志を参加者全員が共有して集会を終えました。

国連勧告

1月16〜17日にかけてスイス・ジュネーブで開かれた「子どもの権利委員会」は対日本審査を経て、今月7日、記者会見で審査結果を公表するとともに勧告を出しました。

🔷以下に内容を報じた「NHK NEWS WEB」の記事を引用します。

また、現地に自ら出向き委員へのロビーイングや通訳など、オモニ代表団と共に精力的に活動された大阪弁護団の具良鈺(ク・リャンオク)先生がいち早く翻訳(仮訳)してくださったのでご紹介します。

今回、総括所見の中で出された「勧告」にも「高校無償化」制度から朝鮮学校のみを除外した日本政府に対し、明確に「見直し」を促しております。

度重なる国連からの勧告に日本政府は今度こそ真摯に従うべきです。

朝鮮学校を授業料無償化の対象に 子どもの権利委員会が勧告
2019年2月8日 5時40分
朝鮮学校が高校授業料の実質無償化の対象外になっていることについて、国連で採択された条約に基づく「子どもの権利委員会」は、「ほかの外国人学校と同じように扱われるべきだ」として日本政府に見直しを勧告しました。
「子どもの権利委員会」は国連総会で採択された「子どもの権利条約」の下、各国の子どもの人権状況を審査していて、7日、スイスのジュネーブで記者会見して日本についての審査結果を公表しました。

この中で委員の1人は、朝鮮学校が高校の授業料の実質的な無償化の対象外になっていることについて、「ほかの外国人学校と同じように扱われるべきだ」と述べ、委員会として日本政府に見直しを進めるよう勧告しました。

これについて日本政府は先月行われた審査で、「朝鮮学校は当時の法令にのっとって定められた審査基準に適合すると認められず、無償化の対象にならなかった。生徒の国籍を理由とした差別には当たらない」と説明しています。

勧告に法的な拘束力はありませんが、委員会では次の審査までに日本政府に対応を報告するよう求めています。

🔷以下に弁護団、具良鈺先生による総括所見概要の訳文(仮訳)をご紹介します。


(English Follows)
子どもの権利条約委員会 総括所見でました。
朝鮮高級学校に対しても、高校無償化対象として含めること、大学受験資格を平等に認めることについて勧告がでました!(パラ39(c))


また、差別禁止との関係では、包括的差別禁止法が存在しないこと(パラ17(a))、周縁化されたグループに属する子どもらに対する社会的差別が存在すること(パラ17(c))に対する懸念を表明しました。
特に、アイヌ、被差別部落、コリアンをはじめとするマイノリティに属する子どもたち、移住民労働者の子ども、LGBTI の子ども、婚外子、障がいを抱えた子どもらに対する差別を防止するための人権啓発活動、人権教育等をより活発に行うことを促しました(パラ18(c))。
詳細については、おってアップする予定のラザック(在日コリアン弁護士協会)声明をご参照ください。


이간에 일본내외에서 함께 하신 분들 수고 많으셨어요.
몇시간전에 유엔 아동의 권리위원회 일본정부에 대한 권고가 발표되었습니다.
조선학교도 고교무상화 대상으로 포함할것, 대학수험자격을 평등하게 보장할것 (para 49(c))을 일본정부에 권고하였습니다.


또한 차별금지 관련해서 일본에 아직도 포괄적인 차별금지법이 존재하지 않은 것, 소수자 비롯한 사회적으로 소외된 그룹에 대한 사회적차별이 존재하는 상황을 우려하며 (para17 (a)(c)), 특히 아이누,부라쿠,코리안을 비롯한 마이노리티 그룹에 속하는 아동, 이민노동자의 아이들, LGBTI 아동, 장애를 지닌 아동에 대한 차별을 방지하기 위한 인권계몽활동, 인권교육활동을 보다 활발히 진행할것을 촉구 하였습니다(para18 (c)).


상세내용에 관해서는 이제 곧 올리게 될 LAZAK성명을 참조하여주시기 바랍니다.

🔷韓国で「ろうそく革命の成果を受け継いだ新たな政治勢力」として2017年に出帆した革新政党「民衆党」のスポークスマンが先の国連「子どもの権利委員会」勧告を受け、論評を出しました。
以下に(仮訳)をご紹介します。

韓国 民衆党 スポークスマン   イ・ウネ 論評


「日本は国連『子どもの権利委員会』勧告に従い、朝鮮学校生徒たちの権利を保障せよ! 2019.2.8


  国連「子どもの権利委員会」が朝鮮学校を「高校無償化」の対象とし、大学受験資格を平等に保障することを勧告した。
 粘り強く闘って来られた朝鮮学校生徒たちと保護者、韓国の連帯団体と日本の良心的市民の皆様にお祝いと感謝のご挨拶を申し上げる。
 日本は国連の適切で常識的な勧告事項を即時履行せねばならない。
 これまでのようにとぼけてばかりいては国際社会から「子どもの人権抹殺政府」、「人権後進国」のそしりを免れないであろう。
 朝鮮学校が日本に設立されるようになった歴史を鑑みても勧告事項を履行することが当然である。
 在日同胞たちは日本帝国主義の強制移住と文化抹殺政策から民族の文化と魂を固く守ってきた。安倍政権の朝鮮人差別と朝鮮学校抹殺政策は戦犯国家の歴史修正に他ならない。
 日本は侵略の歴史を懺悔し、朝鮮学校生徒たちの権利を保障せよ。

2019年2月8日
民衆党 スポークスマン イ・ウネ

文科省要請

ジュネーブに出向いた代表団のオモニたちと足並みを揃えて、今こそ子どもたちの「学ぶ権利」のために攻勢をかけよう!
大阪10校のウリハッキョ・オモニ会を中心とする「大阪府オモニ連絡会」と「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」の代表が国連「子どもの権利委員会・対日本審査」が行われた16〜17日の翌日となる18日、参議院議員会館で文部科学省担当者らと面談し、要請行動を行いました。一行は日本政府に対して、国連の各種人権委員会から出された勧告を真摯に受け止め、高校無償化・就学支援金支給制度の適用など朝鮮学校に通う子どもたちの学ぶ権利を保障することを求めました。
これに先立ち、大阪府オモニ連絡会は昨年12月26日、「大阪府・市補助金裁判」における最高裁の不当判決に対する抗議声明を記者会見の場で発表し、二日後の28日付で、朝鮮学校と子どもたちに対する差別的処遇を改善するよう求める質問状を文科省に提出。この日、その回答を受け取る手はずとなっていました。
書面による回答を避け、口頭によりオモニたちの質問に答えた担当者は、1.日本政府は国連の人権規約や条約を遵守している、2.現在まで様々な取り組みを通して数多くの成果を挙げてきた、3.「高校無償化(就学支援金支給)」制度から朝鮮高級学校を除外した問題は、審査基準に適合すると認めるに至らなかったためであり、差別には当たらない、と従来の見解を繰り返すのみでした。
このような文科省の無機質な「紋切り型」回答に対し、オモニたちの代表らは憤りをぶつけました。
「他の外国人学校に対しては全く適用されない厳しい審査基準が朝鮮学校にだけ設けられた理由は何か?」、「国連から度重なる『勧告』を受けているにも関わらず、なぜ『就学支援金支給制度』からの除外を『差別ではない』と言い張るのか」、「世の中にヘイトスピーチが溢れているのは、国や行政の『上からのヘイト=官製ヘイト』が原因だとの認識はあるのか」、「文科省は朝鮮学校の歴史をどれだけ知っているのか」…
無償化連絡会・大阪を代表して参加した大村和子さんは以下のように感想を述べられました。

 「国際人権規約をはじめとする各種人権条約を批准し、遵守する立場ということは認識し、勧告を受け必要だと考えている。学習指導要領に於いても外国人児童生徒への配慮をし、総合的学習等、個別対応をしっかり行っている。朝鮮学校に対して差別はしていない。しかし、審査基準があるので不指定処分が行われた。」と文科省職員は答弁した。朝鮮学校の現場も、子ども達の様子も間近に見たこともない人達の言葉。日本政府はこれまで朝鮮学校を援助したり、支援したことは一度も無かった。一銭たりとも出したことは無かった。むしろ弾圧してきた。そして今、高校無償化から朝鮮学校のみを除外している。
子ども達は朝鮮学校でアイデンティティーを育み、安心して学校生活を送っている。けれど、政府や自治体が朝鮮学校を差別していることを、子ども達は知っている。「…(略)…朝鮮学校に対しては、差別があると思う。ぼくは、差別をなくしたいと思うけれど、高校授業料無償化制度で、朝鮮高級学校の生徒の授業料は無償にならない。国籍関係なしに外国人学校の生徒も対象の制度なのに。………(略)……… ぼくは、日本の人々が、ぼくたちを差別せずに暮らすことを信じる。また、日本の人とぼくたちが、平和に暮らせるようにしたいと心の中から信じる。だから、ぼくたちは、朝鮮人と日本人がもっと仲良くなるその日まで、いのりながら朝鮮学校で勉強する。」城北朝鮮初級学校の6年生児童の新聞への投書を私は「差別はない」と明言する職員に向け読み上げた。
彼の心を踏みにじって恥じない国、政府に対して憤りを覚えるとともに、私自身も日本人として、これから、彼の思いに応えられるよう日々努力したいと思う。
大村和子


最後に、大阪朝鮮高級学校オモニ会の代表が柴山昌彦文部科学大臣宛の要望書を読み上げ、対応に当たった代理の担当者に手渡しました。代表は、「教育の振興および人材育成を司る文科省が国連の勧告を真摯に受け止め、教育現場に政治や外交問題を持ち込むことなく、日本に暮らすすべての子どもたちの尊厳を平等に守り、朝鮮学校の民族教育権、子どもたちの学ぶ権利を保障するようあらためて求めました。

文科省への要請を行った後、一行は各党の国会議員と面談し、夕方からは朝鮮大学校の学生らが中心となって続けられている文科省前での「金曜行動」に参加しました。この日の「金曜行動」には、朝鮮大学校学生のほか同胞、日本の支援者たち、アメリカから来日したデポー大学の学生ら約80人が参加し、朝鮮高級学校への「無償化」適用を求めるシュプレヒコールをあげました。
「金曜行動」初参加となる大阪オモニ連絡会の一員は「やはり文科省に直接訴えているだけあって、参加者たちの口調は強かった」と刺激を受けながら、「裁判で勝とうが負けようが、私たちが主張する権利は変わらない。それは国連でも認められている、当たり前の権利だ。これからもこんな風に連帯を深めながら、諦めず、訴えつづけていくことが大事」だと力強く語りました。
一行は、文科省要請に次ぎ「金曜行動」を終えた後、東京オモニ連絡会との懇親会を精力的にこなし、慌ただしくも意義深い全日程を終え、帰路に着きました。
大阪朝鮮高級学校オモニ会を代表して参加した高己蓮さんは以下のように感想を述べられました。

2017年以来2度目の文科省要請、議員へのロビーイング、金曜行動に大阪府オモニ連絡会を代表して行って参りました。

2年前と全く同じ行程でしたが、文科省の役人からの回答、国会議員は国会が閉会中ということで不在、朝大生の力強いアピール、歌声、スローガン…2年前と変わらぬ光景でした。私たちの質問に対しての彼らの回答は、マニュアルがあるのかと思うぐらい、17日にスイスジュネーブで行われていた「子どもの権利委員会」対日本審査での文科省の代表と類似していました。

彼らはこう答えました。

「朝鮮学校は、当時の法令にのっとって定められた審査基準に適合すると認められず、無償化の対象にならなかった。

生徒の国籍を理由とした差別には当たらず、今後、法令で定める要件を満たせば対象となる」

今回、私たちの質問には担当者1人が代表で答えられましたが、こういったオモニ達との面談は4度目になるそうです。裁判闘争が始まって、6年の月日が流れました。何度踏みにじられても悔し涙を流しても、いつかはこの人たちも、人である以上、良心があるのならば必ず私たちの思いは届くだろうと信じ、この文科省要請が次につながると信じ、今できることは全てする勢いで東京に乗り込んできました。

しかし、顔色一つ変えず淡々と私たちの質問に答える彼に、私は今の日本に漂う閉塞感、押しつぶされそうな空気感を感じました。

その後、国会議員へのロビーイングを済ませ、「金曜行動」に参加するため、朝大生が待つ文科省前にたどり着くと、先ほど感じた閉塞感、空気感は一気に吹き飛びました。

心が折れ、気が腐りそうになる度に、正気を取り戻し、勇気を与えてくれるのが、文科省前での誰も侵すことのできない朝大生たちの真っ直ぐな眼差しでした。

朝大生たちと一緒に歌を歌いました。感情がこみ上げて目頭が熱くなりました。

私は2年前、2度とこの子達にこんな所で歌は歌わせてはなるものかと誓い大阪に帰りました。

あれから2年経ちましたが、もう一度誓いました。

こんな所で2度と子供たちに歌は歌わせない!

必ず私たちの代で幕引きを図ってみせる!

必ずや勝利を手にするまではオモニ達は絶対に負けへんでと

  • 文部科学省で要請文を読み上げる

328回を数えてなお続く大阪の「火曜日行動」はもちろんのこと、朝鮮大学校の学生たちを中心とした「金曜行動」、そして機会ある毎に国や行政への働きかけを積極的に行うオモニたちの姿は、我々に多くのことを教えてくれます。
たとえ司法が不当な判断を下そうとも、子どもたちの「等しく学ぶ権利」を求める自らの正義を信じ、あくまでも差別に抗う姿からは、日本社会において民族教育と子どもたちが差別に晒され続けている現実を決して風化させてはならない、差別は今も「現在進行形」だとの叫びが聞こえてくるようです。
そして我々に強く問いかけます。
権力による「上からのヘイト」に屈し、無力感に苛まれてはいないか?
「諦念」を「潔さ」にすり替え、人知れず隊列から外れ後ずさりしてはいないか?
はびこるヘイトに慣らされてはいないか?
その憎悪にまみれた侮蔑に毒され、闘いを持続させる根気が蝕まれてはいないか?
子どもたちの姿から、仲間との連帯から、希望を見出そうとする心を手放してはならない。
「繋いだ手を離さない限り、決して負けない。」
誰かが言った言葉が示してくれた通り、共に手を取り闘い続けることの大切さを、オモニたち、学生たちが教えてくれます。

朝鮮学校と子どもたちのための祈祷

🔷3回にわたってお届けする「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」ソン・ミフィ共同代表の「ウリハッキョを守る海外連帯」ドイツ紀行の最終回です。
海を渡り、国を越え、同胞たちをはじめとする多くの人々に広がる「朝鮮学校支援の輪」。ソン・ミフィさんは、ごく当然のことのようにその大切さと意義を唱え、伝え続けてくれます。
《함께하다(ハムケハダ)》=「共にする」
ソンさんたちがいつも掲げるスローガンが広い世界で少しずつ、ウリハッキョを支える「合い言葉」になろうとしています。

〜「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」第3回懇談会 〜

「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」の3度目で最後となる懇談会がフランクフルト・ラインマイン教会で開かれた。「未だ民族差別を受けている在日本「朝鮮学校」に対する懇談会」というタイトルで。

「知ってこそ力となり、その力を集めてこそ解決されます」というサブタイトルがつけられた案内文が教会入り口に貼られていた。

清潔で温かい教会の中には、パンと餅の中間のようないわゆる「同胞餅」と呼ばれる美味しい餅と温かい茶、果物をイ・ナンハ先生が真心を込めて準備してくださった。

ラインマイン教会カン・ミニョン牧師と信徒たち、「僑胞新聞」、雑誌「風景」のイ・ウニ代表と「韓民族ヨーロッパ連帯」会員たち、キム・ソンス先生夫妻、外換銀行の職員、キャンドル在ドイツ韓人会、などこじんまりではるが、共にしなければならない方々がいらっしゃった。

この行事をじっくりと準備してこられたイ・ナンハ先生の司会により、ラインマイン教会カン・ミニョン牧師の祈祷で懇談会は始まった。それは祈祷がどういったものか体験する時間でもあった。 こういったことを「ありがたい、恵まれる」というのだろうか。教会で牧師の祈祷により朝鮮学校と子どもたちのために、ジュネーブまで行ったオモニたちと共に立ち上がった私たちのための祈祷を聞くとこみあげてくるものが…、祈祷の途中でさえなければメモを取ってオモニたちにきちんと伝えてあげたかった。 懇談会の途中、毎回見ている映像ではあるが教会の大画面で見ると、より大きく子どもたちが近づいて来るようだ。 以前の懇談会と同じく、朝鮮学校の歴史と状況、差別、闘争、共にすべきことについてのアピールが続き、多様な質問が続いた。「朝鮮学校に対する韓国政府の立場はどうか? 朝鮮学校の子どもたちはどんな勉強をしているのか? 日本政府が朝鮮学校だけを差別するいちばんの核心は何なのか?」 もちろん、ある人は説明の途中に質問をしてきたり、答えに満足できなかったのか、質問し続けたりもした。 一つ一つ答えられないので、そのままやり過ごそうとしたら、他の方達が雰囲気を察してあちらこちらから違う質問が続いた。 ここでも金曜日ごとに会おうという呼びかけをし、応援の「認証ショット」を締めくくりとして、この間の全ての懇談会を終えた。帰り道で何人かが「毎週金曜日、一緒にする」、「毎週金曜日、朝鮮学校と子どもたち、同胞たちのために祈る」とあいさつを交わしたのは、また新しい経験となった。 誰かが、子どもたちのために忘れず祈りを捧げること、これがどれほど力となり、慰めとなろうか。本当にこれまでの全ての疲労とけだるさが残らず洗い流されていくようだった。 私たちは、誰かの祈りで、応援で、約束で、共につないだ手で、また一歩ずつ、力強く前に進む。

新しい歴史を作る道

🔷「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」ソン・ミフィ共同代表の「ウリハッキョを守る海外連帯」ドイツ紀行の第2弾です。

〜「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」第2回懇談会 〜

「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」2度目の懇談会が、ドイツはルール地方のボーフムにある韓国人のお宅で開かれた。

ルール地方は鉱山があり、70年代ドイツに渡った同胞鉱夫労働者たちが集中的に居を構えた集住地区だ。

ドイツ派遣鉱夫と看護師たちが生計を立てるために訪れた、我が現代史の生き証人たちが今も集住するところだ。

遠い異国で「他郷暮らし」の寂しさを、肩を寄せ合い、歌い踊っては慰め合い、食べ物を分け合いながら過ごした時間の分だけ、濃密な情で溢れたところだ。

以前、何度か訪問した経験からみて地域ごとに少しずつ特徴があるのだが、この地方はとても気持ちの安らぐところだ。

おばあさん、おじいさん、おばさん、おじさんたちと会うようなところだ。

故郷から来た人々からどんな言葉を聞いても、全て受け入れ感動する準備が十分にできているところだ。

「韓国民衆文化会」が主催し、「セウォル号惨事を記憶する在独NRW会」、「韓民族欧州連帯ルール地域」が後援するこの日の集まりには「6.15ヨーロッパ委員会」、「ボーフム韓人会」、「汎民連」、「留学生」、「韓人教会牧師」、「ドイツ忠清郷友会」、「ボーフム韓人教会」などから40名あまりが参加した。

「韓国民衆文化会」チェ・テホ会長のあいさつに続き、「祖国はひとつだ」「我らの願いは統一」の歌を歌いながら、ここかしこですすり泣く声が聞こえる。

普通は行事の最後に歌を歌うのだが、最初から感情が高ぶった状態で懇談会は始まった。

ベルリン同様、動画映像と朝鮮学校に関する説明と闘争、オモニたちがなぜジュネーブに行ったのか? 我々はどう連帯すればいいのか? 4.27時代、我が民族に与えられた最後のチャンスになるかも知れないこの機会を絶対に逃さず分断を終えようと、それが、遠い異国の我が同胞たちの悲しみをも終わらせることになると訴えた。

続いて、朝鮮学校に通う時の状況と心境、現在の闘争を朝鮮学校出身のドイツ留学生シム・ヒャンボクさんが説明し、朝鮮学校を訪問して感じた心情を写真の説明をしながらリンダ・モ先生がつないだ。

「ウリハッキョ市民の会」イ・ウニョン運営委員は、社会福祉士として現在の韓国での子どもたちの教育問題と朝鮮学校教育についての感想を述べた。

共に泣き、うなずきながら共感し、日本政府の悪行には激憤し、2時間余りをひとつになって過ごしたので、締めくくりの質疑応答をすっかり忘れてしまった。

そのまま「認証ショット」で締めくくり、食事。オモニたちが前もって準備してくださっていたチャプチェ、プルコギ、キムチ、ナムル、魚料理などを皆でいただきながら、この時になって質疑応答と討論が続いた。


鉱夫出身の方々のあの頃の話と、故郷の民主化統一運動の過程にこちらでどのように共に取り組んだのか、当時のことを話しながら、石炭を掘った時にかかった炭の粉が刺青のように刻まれた手首をあちらこちらで見せてくれた。

歴史の生き証人たちだ。祖国の分断による苦痛をよく知っておられる方々だ。
遠い異国で今日も民主化と統一を誰よりも願い、先頭に立っておられる方々だ。

歴史の中で歴史を生き、新しい歴史を作り出す人たちが、この新しい歴史を作る道で先頭に立とうと誓っておられる。

私たちはここで再び金曜日に会おうと約束する。

 

~~~~~ (第3回へと続く) ~~~~~

分断祖国を引き継がせたことが申し訳なくて

🔷海を渡って韓国からいつも心温まる力強いエールを私たちに届けてくれる「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」のソン・ミフィ共同代表が、去る1月16、17日の国連「子どもの権利委員会」ロビーイングを終え、1月24日からドイツへと渡り、日本の朝鮮学校と子どもたちを支援する海外同胞の輪を広げる旅、「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」懇談会を始めました。
Facebookに投稿され、「民プラス」というネット新聞にも掲載された記事を、ご本人の許可を頂き3回に渡ってご紹介したいと思います。

🔷日増しに「排外」の度合いが増す閉塞感に満ちた日本社会の中で、ややもすると孤立しているという思いに囚われがちですが、ウリハッキョの正当性と子どもたちの本当の姿を知り、応援してくださる方々はたくさんいらっしゃいます。
朝鮮学校支援活動や裁判闘争への応援など、日頃から歩みを共にしてくださるソン・ミフィさんの活動を通じて、世界へと広がる「民族教育支援の輪」を感じ取ってください!

〜「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」第1回懇談会 〜

「在日・朝鮮学校を守るための海外連帯」初の懇談会がベルリンの「コリア協議会」で開かれた。「韓民族ヨーロッパ連帯」、「在ドイツ同胞協力会」、「コリア協議会」が主催し、「在独平和女性会」が後援した。

この行事を知らせる過程でメディアへの寄稿文に対し応援もあったが、数多くの悪質な書き込みがあふれる事態が起こり、主催する方々は大いに心配した。しかし、思いのほか多くの方々にご一緒いただき、その雰囲気は熱かった。

「独・日平和フォーラム」、「クルトゥア テューア(Kultur Tür、文化の門)」、「ドイツ・ベトナム協会」、「日本軍『慰安婦』問題協議会」、「韓人教会」、「ベルリン看護要員会」、「ベルリン日本女性会」、「6.15ヨーロッパ地域と世界韓民族女性ネットワーク・ドイツ地域」など多様な方々にご一緒いただいた。

朝鮮学校の歴史と私たちの同胞たちの闘い、子どもたちの現況、学校訪問などを収めた動画を観た後、胸を熱くして始めた話は我々皆をひとつにした。

話す私も、聞いている方々もあまりに熱心に没頭するあまり、涙を拭く方々を見て私も泣き、そんな私を見てまた他の方たちがまた涙し…、途中、ティッシュを互いにやり取りしながら…、まったくイレギュラーな進行となった。

私たち全員を涙させたのは、この子どもたちに「分断祖国」を引き継がせたことが申し訳なく、この子どもたちがありがたく立派で、我が民族の誇りを守り続けている同胞たちがありがたく、この闘いと連帯に加わることができないでいることが申し訳なく…、私たち皆がまことに複雑な気持ちで一つになった。

続いて、朝鮮学校を卒業し、ドイツで勉強しているシム・ヒャンボクさんが、朝鮮学校と自分の人生についての経験談と、日本社会で続いている差別について話した時、みなの没頭はいっそう深かまるばかりだった。

アメリカから来られた「日本のウリハッキョを守る在日同胞の会」リンダ・モ先生は、朝鮮学校訪問時の写真と共に連帯活動について訴え、イ・ウニョン「ウリハッキョ市民の会」運営委員は幾たびか訪問した時の感想と連帯活動の必要性を話した。

その後、多くの質問が続き、ドイツで連帯活動をいかにするべきか討論し、課題を残しつつも一つになった心で「認証ショット」で応援した。

金曜日ごとに我々は会おうと約束し、プラカードを分けあい、できなかった話は食事の場まで熱く続いた。我々同胞だけではなく、ドイツ人、日本人まで共に、3時間近く休みなしで同時通訳してくださったハン・ジョンファさんのおかげで、なんとか食事をしながら話し続けることができた。

本当に情熱的な人たちだ。熱い人たちだ。我らの“熱さ”は勝利を抱いている。

~~~~~ (第2回へと続く) ~~~~~

不当、不倒

🔷2018年9月27日、大阪での「高校無償化」裁判控訴審・判決報告集会のオープニングで上映した動画の制作者であるチェ・アラム監督の作品「終わらない植民の歴史、そして日本の朝鮮学校の話―不当、不倒」が、去る1月25日KBS(韓国放送公社)の「열린채널(開かれたチャンネル)」で放映されました。

🔷YouTubeで公開された動画についてチェ監督からリンクの許可をいただきましたので、ここにご紹介させていただきます。(「열린채널」の番組サイトにもアップされていますが、日本からは著作権の関係で表示できないようです。)

🔷以下、YouTubeにある制作者のコメントの翻訳です。
——————————
「歴史が人をつくり、人が歴史をつくり出す。」
解放後、日本に残ることになった在日朝鮮人がつくった「朝鮮学校」。
1948年、日本政府の朝鮮学校閉鎖令に抗い、命をかけて学校を守った在日朝鮮人
は、70年が過ぎた今も朝鮮学校差別に向き合い闘っている。
私たちは今、どのような時代を生きているのか。
——————————
取材は大阪が中心で、大阪の関係者が多数出てきます。ぜひご覧ください。

哀悼

日本軍「慰安婦」被害者の金福童ハルモニが2019年1月28日、永眠されました。
生前、金福童ハルモニは旧日本軍の「従軍慰安婦」問題に対する国際社会の関心を高め、戦時の性暴力が再び凄惨な被害をもたらすことのないよう、ご自身の痛ましい実体験を語り継ぐ事で国際世論を導いてこられました。
そして、その傍ら在日同胞たちの民族教育に多大な支援を惜しみなく送ってくださり、いつも慈愛に満ちた温かい眼差しでウリハッキョの子どもたちを見守ってくださいました。

金福童ハルモニと大阪ウリハッキョの子どもたちの出会いは2012年まで遡ります。当時の橋下徹大阪市長が旧日本軍の「従軍慰安婦」問題に関して「暴行、脅迫による強制連行はなかった」などと暴言を発した事に抗議し、発言の撤回と被害者への謝罪を求めて大阪での集会に参加し、生野朝鮮初級学校を訪問したのが始まりです。その際、児童たちに「日本の社会で差別があっても、萎縮することはない。堂々と生きなさい」と励ましてくださいました。そして全校児童にノートと鉛筆をプレゼントして下さいました。後日、児童たちから送られて来た手紙をハルモニは目を細めながら読まれたそうです。

それ以来、全国のウリハッキョを訪ねられ、子どもたちを励まし、支援を続けてこられたハルモニは、昨年9月27日には「高校無償化」裁判・高裁判決の言い渡しに合わせて再び大阪を訪れ、判決報告集会に参加した翌日、大阪朝鮮高級学校と台風被害のひときわ大きかった城北朝鮮初級学校を訪問されました。同じく旧日本軍「慰安婦」被害者である吉元玉ハルモニと共に城北ハッキョを訪問された金福童ハルモニは、幼稚班から初級部の児童まで子どもたち一人一人の手を温かく握り、優しく言葉をかけてくださいました。そして、真心のこもった義援金を校長先生に手渡されました。そればかりか、災害にも負けず健気に学ぶ子どもたちのことを気にかけ、11月にも市民団体である「金福童の希望」を通じて二度目の義援金を届けてくださいました。

昨年9月27日、「高校無償化」裁判。大阪高裁での不当判決を受け、憤懣に満ちた報告集会の壇上、金福童ハルモニは力強くこうおっしゃいました。
「私たちは10数年闘っているが、日本政府は全く身動きしていない。それでも私たちはいつか勝利する。だから学生さんたちもくじけないでください。どんなことがあってもあきらめてはいけない。朝鮮学校は生き残る。これから統一する。必ず勝利する日はやってくる!」
そして「ファイティン!」とこぶしを高く掲げました。
呼応する満場の参加者たちは、一緒になってこぶしを高く振り上げ、ハルモニたちの堂々とした姿に希望の光を見ました。そして、それぞれの胸に決意を新たにしました。

14歳から遠く異国の地で、たった一人の身寄りもなく、筆舌に尽くし難い苦痛に耐え生き抜いて来られたハルモニにとって、学校で学ぶことは「普通」のことではなく「叶わぬ願い」であり「夢」だったのでしょう。
だからこそ、戦時性暴力を撲滅し、二度と繰り返させないための運動に命がけでとりくむ傍ら、「学ぶ権利」を脅かされながらもウリハッキョで元気に学び民族の心を育んでいる子どもたちを心から愛おしんで支援してくださったに違いありません。病床でも最後の最後までウリハッキョの子どもたちを心配してくださったハルモニ。(Web版の『ハンギョレ新聞』に詳細記事)
「一生懸命勉強しなさい。」
ウリハッキョの子どもたちにいつもかけてくださった温かい言葉が、今も胸に深く響きます。
金福童ハルモニの気高い心、強い遺志は受け継がれてゆきます。
ハルモニの願った未来、ウリハッキョの子どもたちも差別なく平等に思い切り学べる社会が築かれるまで、私たちの闘いは続きます。

私たちのハルモニ、金福童ハルモニ、どうか安らかにお眠りください。

🔷インターネット新聞「민프러스」の関連記事

 

世界に訴える

2019年1月14日、5人のオモニたちと朝鮮大学校の学生、現職の朝鮮学校教員を合わせた7名の代表たちが「国連朝鮮学校学生・オモニ代表団」としてスイスはジュネーブへと飛び発ちました。
「子どもの権利委員会」対日本審査(1月16~17日)が開かれる国連の場で各国の審査委員たちに、日本での朝鮮学校に対する差別の実態を知らしめ、再び日本政府への勧告が出されるよう働きかけるためです。
全国の朝鮮学校保護者たちを代表して集ったオモニたちにとって、今回のロビー活動は単なるアピール行動ではありませんでした。2010年から依然として続く「高校無償化」法の適用除外、全国に広がる補助金支給停止や減額などの行政差別、挙句ウリハッキョの幼稚班に通う幼子たちまでも除外されたまま10月から始まる「幼児教育無償化」など、国や行政が主導して行われている差別政策が民族教育の運営状況に深刻な悪影響を及ぼしている現状について情報提供を行って明確に示し、国連委員たち自らが日本政府に対して強く示した通り、これらの事象が子どもたちの「等しく学ぶ権利」を著しく侵害している差別であると再度訴え、再び日本政府への「勧告」を引き出すための重要な役割でした。同委員会による対日審査は、1998年、2004年、2010年に次ぎ今回が4回目です。前回から数えて約9年ぶりの開催となりました。
二日間に及ぶ「対日審査」を通じて、あでやかなチマチョゴリに身を包み、審査会場である国連高等弁務官事務所で委員たちに資料提供を積極的に行うなどオモニたちの能動的な働きかけが、国連委員たちの認識に大きな影響を与える成果を収めた反面、日本政府の代表として質問に答えた文部科学省、厚生労働省、法務省の役人たちの態度は依然として無責任極まるものでした。
17日、南アフリカのスケルトン委員からなされた「2013年に社会権規約委員会が『高校無償化』制度を朝鮮学校に通う子どもたちにも拡大することによって教育に関する差別に対処するよう求めているが、他の人権条約委員会からの勧告に対処するため、どのような策が施されたのか」という質問に対し、文科省の代表は「「無償化制度は対象となる生徒を日本国籍に限定していない。日本国内に在住している朝鮮籍を含めた外国籍の生徒も含まれている。支援の内容も日本国籍の生徒と全く同じ内容であり、外国人学校に生徒が通う場合であっても法令に定める要件を満たしていれば支給対象となる。朝鮮学校については当時の法令によって定められた審査基準に適合すると認めるに至らなかったため無償化支給対象の指定にならなかった。あくまで法令に沿って判断したものであって、朝鮮学校に通う生徒たちの国籍によって差別したものではない。今後、朝鮮学校が法令で定める要件を満たせば、支給対象となる」などと、木で鼻をくくったような回答を繰り返すのみでした。
あくまでも事実を無視し、頑なに「差別ではない」と強弁する日本政府の代表団の回答に国連委員たちは懸念を表しました。日本国内メディアの反応も、政府が国連から度重なる「勧告」を受けているにも関わらず低調なものに終わりました。以下に、NHKによる数少ない記事の一つを引用します。

NHK  News Web

授業料無償化の朝鮮学校対象外 日本政府「差別には当たらず」

スイスで行われた子どもの権利委員会で、日本にある朝鮮学校が高校の授業料を実質的に無償化する制度の対象外とされていることについて、委員から質問があり、日本政府は、法令にのっとって判断したものであり、差別には当たらないと説明しました。

国連総会で採択された「子どもの権利条約」に基づいて設置されている権利委員会は、条約を批准している国の人権状況を調べる委員会をジュネーブで開き、16日から2日間にわたって日本について審査しました。

この中で委員の1人が、日本にある朝鮮学校が高校の授業料を実質的に無償化する制度の対象外とされていることについて「問題解決を求める声は国連の委員会でも上がっているが、何らかの対策をとっているのか」と質問しました。

これに対し、文部科学省の担当者は「朝鮮学校は、当時の法令にのっとって定められた審査基準に適合すると認められず、無償化の対象にならなかった。生徒の国籍を理由とした差別には当たらず、今後、法令で定める要件を満たせば対象となる」と説明していました。

文部科学省によりますと、制度が始まってからこれまでに、外国人学校42校を実質無償化の対象として認めた一方、朝鮮学校10校は対象外としていて、元生徒たちが国を訴える裁判も起きています。

会場には、子どもが朝鮮学校に通う保護者なども傍聴に訪れ、熱心に聴いていました。委員会では今回の審査を踏まえて、来月上旬に日本への勧告を行うことになっています。

それでも、世界が注目する国際会議の場で、日本政府の差別的政策の実態や国連勧告に対する不誠実な態度を暴き出したことの意味は決して小さくないでしょう。日本政府に対する「子どもの権利委員会」の総括所見は、現在進行中の会期終了後、2月7日頃発表されることとなります。
大阪では、来たる2月15日、「東成区民センター」大ホールにて、代表団による国連活動の報告会が開催される予定です。
ぜひとも会場に足を運び、民族教育が晒されている差別の現実と、日本へと注がれている国際社会の厳しい目を学び、感じてください。

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