無償化連絡会・大阪

〜 子どもたちの笑顔と希望のために 〜

作者別: renrakukai-osaka (Page 1 of 8)

「無償化」高裁判決

9月27日、ついに「高校無償化」裁判控訴審の判決が言い渡されます。
2010年4月の同法施行から8年が経過し、国を相手に訴訟を起こして5年が過ぎました。
在日本朝鮮人人権協会の試算によると、この間、5,000名以上の朝鮮高級学校生徒たちが「無償化」制度から除外されました。
そして、その被害の累積額は17億8200万円にものぼるそうです。(2010〜2017年度、目安世帯年収350〜550万円で概算)
自らの存在を社会から否定され、暗澹たる気持ちで高校生活を送った生徒もいるでしょう。学費負担を解決するめどが立たず、朝鮮高級学校で学ぶことを断念した生徒もいるでしょう。それでもウリハッキョの生徒たちは前を向き、民族の言葉と歴史、文化を懸命に学び、学校生活を謳歌しました。クラブ活動に打ち込み、同胞社会と日本社会の中で活躍できる日を夢見て歩み続けてきました。
そんな彼らに、司法はどんな言葉を投げかけるのでしょう。
いかなる判決が下されるのか今はわかりません。
それでもはっきりしていることは、傍聴席の子どもたちから目を背けることは許されないということです。
政府の邪な制度差別に対し、平等に学ぶ権利を求めて真正面から立ち向かったこの闘いを審理した裁判官たちには、司法の正義と良識に従い子どもたちの目をまっすぐに見据えて判決を下す責任があります。
そして私たちは、判決がすべての子どもたちに等しく学ぶ権利を認める公正なものであることを信じて最後まで見届けましょう。

◇入廷行進 → 裁判所別館横(東門)午後1時15分集合。隊列を組んで午後1時30分頃、正門まで行進。
◇傍聴抽選 → 裁判所本館・正面玄関前で午後2時から10分間のみ抽選券を配布。
◇判決言い渡し → 午後3時開廷。
◇報告集会 → クレオ大阪中央。午後6時開場、6時30分開始。

控訴審判決を前に

「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」の共同代表 / 藤永壯先生が韓国のインターネット新聞『PRESSian』(2018.9.10掲載)に寄稿された 変化する国際情勢の中で判決を迎える朝鮮学校 ~「高校無償化」裁判、大阪・東京控訴審判決を前に~ を以下にご紹介させていただきます。

来たる9月27日の「高校無償化」裁判控訴審判決を前に、子どもたちの「等しく学ぶ権利」と、「寛容」、「共生」を日本社会に取り戻すために闘ってきた私たちが、皆で共有しなければならない文です。
1審で敗れた日本政府が、控訴理由書で唾棄すべき矛盾した論理にしがみつき、自らのおぞましい差別主義、排外主義を糊塗するため躍起になっている姿が見えます。また、朝鮮学校に学ぶ子どもたちの笑顔と希望を願い、いつも支えてくれる人々の温かい心が伝わります。
そして、再び勝利するための信念を呼び覚ましてくれます。

変化する国際情勢の中で判決を迎える朝鮮学校
~「高校無償化」裁判、大阪・東京控訴審判決を前に~

藤永 壮2018年9月10日月曜日
今夏の日本は地震、豪雨、台風、酷暑など尋常ではない自然災害に見舞われ、在日同胞の子どもたちが通う朝鮮学校も少なくない打撃を被った。とくに7月6日に和歌山朝鮮初中級学校が台風7号の襲来で教室が水浸しになるなどの被害を受けたのに続いて、9月4日には台風21号の暴風雨で大阪・兵庫・京都など関西各地の朝鮮学校が甚大な被害を受けた。さらにその直後の9月6日未明に北海道で強い地震が発生したが、幸い北海道朝鮮初中高級学校に大きな被害はなかったという。
自然災害が起こるたびに、SNS上では各地の朝鮮学校の安否を心配するメッセージが飛び交う。それは在日同胞が朝鮮学校に格別の愛情をもっているからだが、一方で多くの朝鮮学校が財政難により施設の補修もままならない状態であることを、みなよく知っているからでもある。
このような困難な財政状況は、日本国家が朝鮮学校を敵視し、今日に至るまで経済的支援を一貫して拒んできたという事情によるところが大きい。教育の機会均等を目的として日本政府が2010年度に始めた「高校無償化」制度から、朝鮮高級学校だけが最終的に排除されたのは2013年2月。この露骨な差別政策に抗議し、朝鮮高級学校の生徒・卒業生たちや運営主体の学校法人は、5年以上にわたって制度の適用を求め、裁判闘争を展開してきた。この間の事情はこれまで『プレシアン』に何度も寄稿してきたが、この9月から10月にかけて大阪と東京で控訴審判決が宣告されるのを前に、ここで改めて論点を紹介しておきたい。
大阪地裁判決の衝撃
現在、日本に10校ある朝鮮高級学校の中で、日本国家を相手取って提訴したのは大阪・愛知・広島・九州・東京の5校である。このうち福岡地方裁判所小倉支部で審理中の九州朝鮮中高級学校(福岡県北九州市)を除く4校には、すでに地方裁判所で第一審判決が言い渡された。その結果は、大阪(2017年7月)では原告全面勝訴の画期的な判決が下されたものの、広島(2017年7月)・東京(2017年9月)・愛知(2018年4月)では原告敗訴の不当判決となった。4校はいずれも高等裁判所で控訴審を係争中であり、来たる9月27日に大阪高裁で、10月30日には東京高裁で判決が言い渡される予定である。なお九州(福岡)の裁判は9月20日に結審する予定であり、今年末または来年初めには地裁判決が出るものと予想される。

大阪地裁による原告(大阪朝鮮学園)全面勝訴の判決は、大阪朝鮮高級学校に対する「高校無償化」制度の不指定処分について、当時の下村博文文部科学大臣が裁量権を逸脱、濫用したもので違法、無効であり、同校は法令に基づき適正に運営されていると認めるものであった。しかし一方で、広島・東京・愛知各地裁は、朝鮮高級学校の教育内容は朝鮮総聯の「不当な支配」を受けている疑いがあるとする日本国家側の主張を支持し、不指定処分については文科大臣の広範な裁量権を認める不当判決を宣告した。
大阪地裁での全面敗訴に危機感を抱いた日本国家側は、控訴理由書で朝鮮総聯の「反社会的組織」としての性格をいっそう強調し、総聯の「不当な支配」のもとにある朝鮮高級学校の教育内容は、教育基本法の理念に反する疑いがあるという牽強付会の主張を執拗に展開した。本来、教育の機会均等を目的とするはずの「高校無償化」制度の適用において、植民地宗主国の意識に満ちた公安警察的な観点をもって、朝鮮学校に対する差別を正当化しようとしたのである。
2018年9月4日の台風21号でなぎ倒された生野朝鮮初級学校の木を、翌日駆けつけた保護者たちが片づけている。©長崎由美子
破綻する日本国家の論理
このような論理展開は審理が進むにつれ、大阪以外の地域の裁判においても日本国家側の強調するところとなっている。しかし教育基本法などの法令に基づく適正な学校運営に疑いがあるとして、朝鮮高級学校を不指定処分にしたというのは、実のところ後付けの理屈に過ぎない。そもそもの不指定理由は、朝鮮高級学校を制度から排除するため、指定の根拠となる法令の規定自体を削除したところにあった。
文部科学省は2010年11月、各朝鮮高級学校から「高校無償化」制度適用のための申請を受け付けはじめた。しかし延坪島砲撃事件の勃発などを理由に、当時の民主党政権は2年以上も審査の結論を出さず、決定を先延ばしにした。そして自民党への政権交代によって2012年12月に成立した第2次安倍晋三政権は、いわゆる拉致問題などの政治・外交上の理由から、当初より朝鮮高級学校に「高校無償化」制度を適用しない方針を固めており、2013年2月20日付で指定の根拠となる規定を削除すると同時に、不指定の通知を送付した。これは明らかに朝鮮高級学校だけを標的とした制度改悪であった。制度を適用するといったん門戸を開いておきながら、申請後になって適用のルール自体を変更するという卑劣きわまりない措置が取られたのである。
この点について、大阪地裁判決では、「教育の機会均等の確保とは無関係な外交的、政治的判断に基づいて」規定が削除されたのであるから、これは文科大臣への「委任の趣旨を逸脱するものとして違法、無効である」と明確に日本国家側の主張を否定する判断を下した。ところが根拠規定削除が違法である点に、とくに焦点を絞り込んでいた東京朝高弁護団の主張に対しては、東京地裁は正面から応答せず、日本国家側の「不当な支配」論に与し、文科大臣による裁量権の逸脱、濫用は認められないとの判決を言い渡したのである。
東京高裁での控訴審において朝高側弁護団が、第一審が規定削除の違法性について検討しなかったことを批判すると、裁判官は日本国家に対して不指定処分の二つの理由――根拠規定削除と、法令に基づく適正な学校運営への疑念――の論理的整合性について説明を求めた。実は「法令に基づく適正な学校運営」は、朝鮮高級学校指定に適用される根拠規定の下位法令に定められた条件なので、その根拠規定が削除されれば、当然「法令に基づく適正な学校運営」という条件は存立の基礎を失うはずなのだ。裁判官の指摘に対して、日本国家側もこの二つの不指定理由は論理的に両立しないと認めざるを得なかった。日本国家側の主張の論理的破綻は、東京高裁での審理の過程でいっそう明確にされたのである。
2018年7月26日に実施された大阪7カ所一斉街頭宣伝行動。約400名の朝鮮学校生徒・卒業生・保護者・教員ら学校関係者、日本人を含む支援者が朝鮮学校が被っている不当な差別について訴えた。©朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪
変化する東北アジア情勢の中での判決
今年に入って朝鮮半島をめぐる国際情勢は劇的に変化した。すでに2回の南北首脳会談が開催され、9月18~20日には文在寅大統領の平壌訪問と3回目の首脳会談が予定されている。6月12日には歴史的な初の朝米首脳会談が実現した。
一方で7月16日には、韓国の43人権・市民団体が、日本政府の朝鮮学校差別是正を求める連帯報告書を国連人種差別撤廃委員会に提出した。そして8月30日には、同委員会が2014年に続き、日本政府に対して朝鮮学校に「高校無償化」制度を適用するよう勧告を行ったのである。東北アジアの国際環境が平和と和解へ向かって大きく舵を切る一方で、日本政府の差別政策を批判する国際世論はますます高まっている。
にもかかわらず、6月28日には関西国際空港で、朝鮮民主主義人民共和国への修学旅行から帰ってきた神戸朝鮮高級学校生徒の土産品が押収される事件が起こった。このような嫌がらせとしか思えない事件に対して、韓国の市民団体がいち早く抗議活動に立ち上がってくれたことは大変心強かった。日本政府は時代の趨勢となった東北アジアの平和構築に貢献し、また過去の植民地支配への責任を全うするために、まずは「高校無償化」制度からの排除をはじめとする朝鮮学校への差別政策を即刻中断しなければならない。
国際情勢が大きく変化する中で、大阪と東京の高等裁判所が改めてどのような判断を下すかが注目される。8月25日に大阪朝高オモニ会は「高校無償化」制度の設計にあたった前川喜平前文科次官を講師に迎え講演会を開催したが、その場で前川前次官はこの裁判で日本国家側が敗訴すると考えていたと明確に語った。常識的に考えれば朝鮮学校側が敗れるはずのない裁判なのである。大阪では原判決が支持され、東京では今度こそ朝鮮学校側の主張が認められることによって、日本の司法の独立性が証明され、その信頼を二度と傷つけることのないよう強く求めたい。
2018年8月25日に大阪朝鮮高級学校オモニ会の主催で前川喜平前文科次官の講演会が開催された。講演終了後、オモニ会代表のリードで参加者が大阪「高校無償化」裁判控訴審の勝訴を願ってシュプレヒコールを唱和している。©朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪

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国連が日本政府に勧告

◇去る8月16〜17日にかけてスイス・ジュネーブで開かれた国連人種差別撤廃委員会において4年ぶり行われた対日審査を経て、8月30日、朝鮮学校に「高校無償化」制度適用を求める勧告が国連・人種差別撤廃委員会より再度出されました。
◇審査では、委員たちからの質問やコメントを受けて、日本政府代表団が日本の取り組みや立場を説明するなど2日間の対話が行われました。そして、今会期の最終日である8月30日に日本政府への勧告などを含む総括所見(最終見解)を採択しました。
◇委員会が出した今回の総括所見では、「ヘイトスピーチとヘイトクライム」の問題、「アイヌ」や「琉球・沖縄の状況」、「慰安婦」や「難民」問題、「外国人技能実習制度」のあり方など多岐にわたる人権問題に加え、「在日コリアンの状況」に関する内容の中で「
朝鮮学校(Korean schools)』が高校就学支援金制度の支援から除外され続けているという報告をさらに懸念する」と言及しました。
そして、「委員会は、コリアンの生徒たちが差別なく平等な教育機会を持つことを確保するために、高校就学支援金制度の支援金支給において「朝鮮学校」が差別されないことを締約国が確保するという前回の勧告(CERD/C/JPN/CO/7-9, para. 19)を再度表明する」と勧告しました。

◇今回も、ジュネーブには日本から在日コリアンの子どもたちの「学ぶ権利」を強く訴えようと、在日本朝鮮人人権協会からの代表や朝鮮大学校在学生、朝鮮学校教員、在阪の同胞らが傍聴に参加しました。
◇そして、この度の審査内容と総括所見を一人でも多くの人に広めようと、9月5日に東京、9月8日に大阪で、日本の人種差別問題に取り組んでいる「人種差別撤廃NGOネットワーク」主催の報告会が行われました。会には、70〜80名が参加し、審査でのやり取りや総括所見などについて詳しく報告されました。

◇メディアが報じた記事を以下に紹介します。

火曜日行動、中止!

【拡散希望!!】

明日、9月4日(火)の「火曜日行動」は、非常に大型の「台風21号」が近畿地方に接近するため、参加者皆様の安全を考慮し、中止といたします。

お知り合いの方々へご連絡をお願いいたします。

前川氏、大いに語る!

8月25日。
土曜日とはいえ、朝10時からの企画に果たして人が集まるだろうか?
9月27日の「高校無償化」裁判控訴審判決言い渡しを目前に控え、当事者である朝高オモニたちが主催した「前川喜平氏講演会」。この間、ビッグイベントの企画・準備に奔走したオモニたちの不安は開演直前までぬぐえませんでした。
しかしその心配は杞憂に終わりました。「高校無償化」法の制度設計に、当時現場のチーフとして一番間近で携わった前川氏の「生の発言」を聞こうと多くの同胞、保護者、卒業生たちや日本人支援者たちが会場の「クレオ大阪・南」大ホールに詰めかけました。404の席は埋まり、立ち見が出るほどの盛況ぶりです。
皆、昨夏の歴史的勝訴判決を再び高裁でも勝ちとろうという同じ気持ちで集まりました。
冒頭、主催者を代表して大阪朝鮮高級学校オモニ会長が舞台で挨拶をしました。オモニ会長は、今講演会の意義に加え、講師を引き受けてくれた前川氏に謝辞を述べました。次に、司会者が講師のプロフィールを紹介し、前川氏を舞台へと招きました。満場の拍手に迎えられた前川氏は演壇まで進むと深々と一礼しました。
「アンニョンハシムニカ。」第一声は朝鮮語での挨拶。次いで「アリラン」をひと節歌いました。途端に会場の雰囲気が和らぎ、聴衆らが演壇にひきつけられました。
講演は終始、穏やかな語り口で進められました。それでも、前川氏の表情や真摯な言葉からは、理不尽な政治的意図により制度差別を行った政府への怒りと、教育行政に身を置きながらもそれを水際で防ぐことができなかった忸怩たる思いが伝わって来ました。
とりわけ、制度を朝鮮高級学校に適用させるかどうかを客観的に確かめるため自ら立ち上げた「審査会」が、極めて外交的な理由で審査を凍結させられ、「棚上げ」のまま恣意的に放置された事実を怒りに満ちた口調で語りました。また教育機関に対する「不当な支配」の意味がすり替えられ、総聯組織と学校の関係性が咎められた状況をおかしいと一言で喝破しました。氏は、他の外国人学校を例に挙げ、「民族的アイデンティティーを正しく涵養するために民族団体と連携を取るのは至極当然のことで、むしろ必要不可欠なことだ」と論じました。

また、審査の期間中、今後「高校無償化」制度に含まれることとなる朝鮮高級学校について知っておく必要があると思い、近畿3校の朝高を訪問した経験を振り返りながら、朝鮮学校の教育レベルが非常に高かったと感想を述べられました。生徒らが「現代口語体」で短歌や俳句を作る授業を参観し、高い知識と感性を目の当たりにしたとしながらも、民族の言葉を主体として行われている教育の大きな意義について深い感銘を受けたと語りました。
行政の立場から見ても、朝鮮学校のあり方から見ても、制度除外の正当性は何一つ見出せないと、前川氏は力を込めて言いました。そして、「民族教育権」を勝ち取るための法廷闘争を自分も応援していると語るや、場内は割れんばかりの拍手に包まれました。
その後も話は多岐にわたり、現在の日本の司法が置かれた危うさ、三権分立の崩壊を思わせる嘆かわしい現状、止まる所を知らない日本社会の右傾化や、危険な民族純化思想などについて語られました。特に日本社会の少子化について、未来の日本社会を憂う思いを語りました。そして、その最も望ましい解決の道は「共生」にこそあると確信に満ちた口調で語りました。しかし、事あるごとに国際化を謳う政府の姿勢は真のグローバルからは程遠い。北欧の国々が示している「エスニックマイノリティ教育」への寛容とは天と地の差があると断じました。
そして、この状況を打開するため、共に声を上げ続けようと投げかけて講演を締めくくりました。その後、質疑応答が行われ、主催した大阪朝鮮高級学校オモニ会の役員代表らが舞台に並びました。オモニたちはマイクを手に、1ヶ月後の高裁判決に向けて、一層運動を盛り上げて行こうと力強く呼びかけました。そして最後に会場と一つになりシュプレヒコールをあげて講演会の全ての予定を終了しました。
「高校無償化」制度に直接携わり、朝鮮高級学校除外の経緯をもっとも間近で見て来た前川氏の話を聞いて、参加者たちは皆、確信しました。やはり子どもたちの「等しく学ぶ権利」を求めるこの闘いにおいて正義は我々にあると。そして、その正義を揺るぎない勝利へとつなぐため、来たる9月27日の控訴審判決言い渡しを万端の準備で迎える決意を新たにしました。

 

前川喜平氏、来たる!

「朝鮮学校の子どもは日本社会の一員として社会を支えていくために学んでいる。」
「制度の門を開き申請を受け付け、審査もしていたのに、政治判断でいきなり門を閉じた。」、「極めて理不尽」(神奈川新聞2017.9.13)
これらはいずれも「高校無償化」制度から朝鮮高級学校のみが除外された問題を受けて、メディアの取材に答えた前文部科学省事務次官・前川喜平氏の発言です。
2010年に施行された「高校無償化」法、その制度設計に最前線で携わった人物の発言は極めて重いものです。
そんな教育行政きってのキーパーソンが、当時の真相と経緯を大阪で語ります!
大阪朝鮮高級学校オモニ会が、法廷闘争開始から6年目となり、9月に高裁判決が下される大阪「高校無償化」裁判控訴審を内外の大きな関心のもとで迎えようと企画した特別講演会です。現在は退官し、「自主夜間中学」のスタッフとして昼夜を問わず奔走している多忙な日々にも関わらず、オモニたちの熱い呼びかけに快く応じてくれました。
「モリカケ問題」の折には「行政が歪められた」と、舌鋒鋭く安倍政権を喝破した前川氏。すべての子どもたちの「等しく学ぶ権利」を訴えて争った裁判は、教育行政の立場から朝鮮学校を見つめた人物にどう映ったのか…。8月25日、必聴です。
いよいよ山場を迎える法廷闘争をさらに力強く一歩前へ進めるためにも、みなさん是非ご来場ください!

「…五つの裁判のうち、これまでに原告の主張を認めたのは大阪地裁判決だけだが、私もその判断、朝鮮学校の生徒に無償化を認めるべきだという結論が正しいと思っている。」(朝日新聞2018.4.25)

朝鮮学園支援全国ネットの声明

朝鮮学校の民族教育に賛同し支援する人々がいます。
全国5カ所の「高校無償化」裁判を闘う地域をはじめ、北海道から九州まで朝鮮学校が所在する都道府県で、様々な支援活動が朝鮮学校とそこに学ぶ子どもたちを今日も支えています。
「高校無償化」からの朝鮮学校除外や、補助金の支給停止など、民族教育に対する狙い撃ちのヘイトが蔓延する日本社会の中で、朝鮮学校支援の輪をつなぎ広めるため、2012年5月に「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」が結成されました。
私たち「朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」もこの輪に加わり、不定期開催の「全国一斉行動」や各地の裁判傍聴と集会参加、年1回の総会などで情報を共有し連携を深めています。
この「全国ネット」が先ごろ、片山さつき議員の朝鮮学校差別の正当化に抗議する声明を出しました。
怒りをもって賛同し以下にご紹介します。

[声明]片山さつき参議院議員は朝鮮学校差別の正当化について即刻謝罪せよ

7月29日の夕刊フジに掲載されたインタビュー記事において、片山さつき参議院議員は朝鮮学校への差別を正当化するのみならず、国連人種差別撤廃委員会に対しても圧力を加えるべきだとの主張を行った。わたしたちはこの記事に対し大きな怒りを覚え、ここに抗議する。
片山議員は韓国の市民運動団体が国連人種差別撤廃委員会に報告書を提出し、日本政府による朝鮮学校差別に対して抗議したことを受け、「『朝鮮学校だからダメだ』というわけではない。補助金などを得ようとするなら、北朝鮮との不当な関係を払拭した証拠が必要だ」と主張した。しかし、朝鮮学校の「高校無償化制度」からの適用除外を巡る裁判の4つの地裁判決においても、この「不当な関係」を明確に証明したものはなく全く根拠に乏しい主張であるといえる。そもそも第2次安倍政権が誕生し、内閣発足2日後にあたる2012年12月28日に下村博文文科相(当時)は「拉致問題に進展がないこと」「朝鮮総連と密接な関係にあること」などを理由に「高校無償化」制度から朝鮮学校を除外することを表明している。そして翌2013年2月20日に省令が改正され、朝鮮学校は「高校無償化」制度から排除されてしまった。つまり安倍政権が外交的・政治的判断に基づいて「高校無償化」制度から朝鮮学校のみを除外したことは明らかであり、これこそ国家の不当な介入である。このことは2017年7月28日の大阪地裁判決も認めているのであり、あらゆる国連人権委員会も差別であると明言し日本政府に対して是正勧告を繰り返し出してきたのである。片山議員の主張はむしろ安倍政権の不当性を改めて示しているだけである。

また片山議員は、日本政府による対北朝鮮制裁措置を口実に神戸朝鮮高級学校の学生たちが関西国際空港で修学旅行のお土産を没収されたことについても「日本は粛々と法を執行しているだけで、格別の意図は入っていない。これは明らかに差別ではない」と断言している。しかし、そもそもすべての朝鮮学校の学生がお土産を没収されるわけではなく、今回の事件は関西国際空港の職員が極めて悪意を持って対処したといわざるを得ないものだ。また南北首脳会談・米朝首脳会談が実現し東北アジアにおける平和実現の基盤が作られつつあるいま、「制裁」を掲げて子どもたちの大切な思い出まで奪い去ってしまうという行為は、平和の流れに逆行するものであり到底許すことはできない。
最後にこの記事は「国連は決して中立的な場ではない。日本は国連の分担金の見直しも考慮に入れつつ、発言力を増強するためにさらにコミットしていくべきだ」という片山議員の発言で締めくくられている。分担金を盾に人権問題について駆け引きをしようとする片山議員の主張は、国際協調主義にもとるだけでなくあまりにも稚拙であるといわざるを得ない。

片山議員のこのインタビュー記事は朝鮮学校に対する差別を正当化するだけでなく、日本社会におけるヘイトスピーチを助長し、朝鮮学校に通う学生たちの学ぶ権利を脅かすものであり、到底容認することはできない。そうした趣旨から、わたしたちは片山議員と夕刊フジに対して謝罪することと謝罪文の紙面への掲載を求めるものである。

2018年8月2日
朝鮮学園を支援する全国ネットワーク

PEACE!

7月27日。朝鮮戦争の「休戦協定」が結ばれた日から今年で65年の節目を迎えました。去る4月27日の歴史的な南北首脳会談で発表された「板門店宣言」には「休戦協定」を「平和協定」へと転換することが謳われています。
この日を記念し、東アジアの恒久的な平和を求めて様々な立場の人たちが本町にある靱(うつぼ)公園に集いました。
「朝鮮戦争休戦65周年  東アジアに平和を! 7.27キャンドル行動」と銘打って企画されたこの日のイベントは、休戦協定を平和協定へと転換しようとする朝鮮半島の融和にエールを送り、立ち遅れた日朝の対話を促進させようという試み。集会に集まった参加者たちがキャンドル型のライトを手に「PEACE」の文字をかたどった大きな「人文字」を作りました。

集会は「無償化連絡会・大阪」の事務局長でもある長崎由美子さんの司会で始まりました。朝鮮半島の雪解けから始まった平和のうねりを東アジア全体に広めるこの意義ある集会の呼びかけ人として、同じく「無償化連絡会・大阪」の共同代表・藤永壯教授も名を連ねています。22名の呼びかけに応じ、政党関係者や労働組合、人権団体や市民運動団体、そして宗教人たちや一般市民らと共に在日コリアンと朝鮮学校保護者たちからなるオモニ連絡会の代表らも参加しました。集会では、「人文字」パフォーマンスとパレードに先駆け、各代表らがそれぞれの立場からスピーチをしました。
オモニ連絡会・大阪からは、大阪朝鮮高級学校オモニ会を代表して副会長が登壇しました。長崎さんに紹介され、宣伝カーの上に登ったオモニ会代表は、平和へと向かう祖国・朝鮮半島の歴史的な動きを同じ民族として大変喜んでいると歓喜に沸く心境に加え、「板門店宣言」にも謳われた東アジアの平和構築に当事者として寄与したいと語りました。しかし他方で、頑なに平和を拒み続ける日本政府が、日朝問題の「人質」として何の罪もない子どもたちをターゲットに露骨な差別政策を繰り返していると厳しく指摘しました。
すでに係争中である「高校無償化」からの除外や「補助金」の支給停止は言うに及ばず、果ては大阪市が国に先駆けて実施している「幼児教育の無償化」からも幼い子どもたちを排除している現状を大きな怒りで告発しました。また、先ごろ神戸朝鮮高級学校の生徒が、修学旅行先の朝鮮民主主義人民共和国から持ち帰ったお土産を空港の税関に没収された一件に触れ、進展の兆しが全く見えない日朝関係の腹いせに、子どもたちを見境なく差別している政府の態度を強く非難しました。そして、声をあげ闘い続けることで子どもたちの「学ぶ権利」を守ってゆくと力強く決意を表明しました。参加者たちからは大きな拍手と声援が送られました。
その後、様々な政党代表や韓国からの参加者たちがスピーチした後、参加者全員がライトを夕空にかざす「人文字」パフォーマンスが行われました。「PEACE」の5文字をかたどった色とりどりの光を遥か上空のドローンから撮影しました。そして、平和を求める参加者全員の願いを込めたシュプレヒコールに続き、朝鮮半島分断の象徴でもある歌「アリラン」を合唱しました。

その後、ゴールの「なんば」を目指し「御堂筋ピースパレード」が行われました。 第3グループでスタートした在日同胞らと朝鮮学校支援者、オモニ連絡会代表らは、「朝鮮戦争休戦を平和協定へ 東アジアに平和を」と書かれた横断幕を先頭に、御堂筋を練り歩きました。「朝鮮戦争を終わらせよう〜♬」、「東アジアの平和を作ろう〜 ♪」先導する「サウンドカー」から流れる軽快な音楽に乗せてラップのリズムでシュプレヒコールを繰り返し、ステップを踏むように軽やかな歩を進めるパレードは夜の繁華街で道ゆく人たちの注目を集めました。
続けてアピールが行われました。呼びかけ人の一人、藤永壯教授がマイクを手に取りました。藤永教授は、南北と在日の垣根を超えた民族共通の願いである朝鮮半島融和の意義を確認し、苦難に満ちた分断の中で誕生した民族教育の歴史的経緯に照らしても日本が負うべき責任がいかに重いかを説きました。そして、真摯なる過去の清算から朝鮮半島和合へのコミットをスタートさせ、日本国内における在日コリアンの処遇改善を進めてゆくことが大事であり、とりわけ未来ある子どもたちの民族教育権を認めて保護することが急務だと訴えました。さらに、その運動を率先して担うべきは我々日本人だと強く語りかけ、理解と協力を訴えかけました。
続いて、大阪朝鮮高級学校のオモニ会長がアピールしました。現在、高校生である我が子をはじめ朝鮮高級学校の生徒らに「高校無償化」の恩恵が及ばないのは明らかに国の差別政策が原因だと指摘し、世に溢れるヘイトクライムを誘発しているのは他ならぬ政府だと断じました。そして、朝鮮学校に学ぶ子どもたちも日本社会の未来を担う構成員であるとし、日本学校の生徒たちと何ら変わるところはないとしつつ、同じ子を持つ親として、我が子の「学ぶ権利」を主張する自分たち朝鮮学校保護者の声に耳を傾けてほしいと訴えました。オモニ会長の後も役員のオモニたちが代わる代わるマイクを握り、我が子に民族的アイデンティティーを植え付けようと朝鮮学校への就学を選択した心情、ヘイトクライムや差別が横行する日本社会への怒り、共生社会を共に築きたいという願いが込められた熱いアピールが続きました。約1時間、夜の繁華街を進んだパレードはゴールの「なんば」に到着しました。ゴール地点の公園で、主催者たちがねぎらいの言葉をかけながら参加者を迎えます。
この日、朝鮮半島の融和を祝福し、その流れが東アジア全域に広がることを心から願う1500人が集会とパレードに参加し、平和の素晴らしさを声高らかに訴えました。
ゴールしたオモニ連絡会のメンバーたちは、来たる9月の「無償化」裁判高裁判決に向けて運動を一層盛り上げてゆく決意を新たにしました。

納涼大会日程の延期

ご注意ください!

台風の接近により、今週末に予定されていた朝鮮学校の納涼大会が延期されます。
新しい日程をご確認ください。(7月28日)

※今後も、台風の進路や雨の状況など天候により地域ごとに変更があり得ます。
詳しくは各学校までお問い合わせください。

7箇所一斉街宣

酷暑の続く大阪府内7箇所で7月26日、「大阪7箇所一斉街宣」が行われました。
JRの「大阪」、「京橋」、「森ノ宮」、「鶴橋」、「天王寺」と、近鉄「布施」、南海「堺東」の駅周辺には午後6時の開始に合わせておよそ400名の同胞・保護者、朝鮮学校卒業生らと学校関係者、そして日本人支援者たちが集まりました。
民族教育の処遇問題を「ひとりでも多くの人に知ってもらい、ひとりでも多くの人に考えて」もらおうと駆けつけた参加者たちは、差別に反対し、共生社会を望むスローガンが書かれた色とりどりのプレートを胸に、準備された多くのチラシを道ゆく人々に配りました。
チラシには「大阪地裁判決の正義を全国に広めよう!」、「子どもたちを差別する不当判決はNO!」と大きく書かれ、先の「高校無償化」裁判で勝ち取った歴史勝訴判決の意義を広く知らしめると共に、今年3月20日の大阪高裁判決においても行政差別に加担する全面敗訴判決が下された「大阪府・市補助金」裁判の不当性を訴える内容が記されています。また、9月27日に迎える「高校無償化」裁判控訴審判決言い渡しの日時も記載され、より多くの関心と傍聴を呼びかけています。
改札を抜け、家路を急ぐ人たち一人一人に参加者たちは、子どもたちの「学ぶ権利」を守り抜こうという強い気持ちとともにチラシを手渡そうと奮闘しました。
心無い悪罵にさらされることがない訳ではありません。目の前で配ったチラシを捨てられた人もいました。それでも一人一人の関心を呼び起こし、丁寧に説明することで理解と共感を得られると信じ、活動は続けられました。
SNSでこの日の「街宣」活動を知り、初めて訪れた日本人参加者は「この無償化の問題は日本の法制度の問題やから、これの解決はむしろ日本人側の責務やろ。いつまでも、オモニ、アボジ、そして子どもたちにその重圧を負わせていること自体が差別を延命させていることになる」と、朝鮮学校のみが「高校無償化」制度から除外されている現状を自分の問題として捉え活動に参加しました。チラシを配っていると一人の女性が話しかけてきたそうです。開口一番「拉致問題」を持ち出したその女性と話し合う過程で少しずつではありますが誤解や偏見が解かれ、普遍的な教育権に関わる問題の本質を共有できたと言います。最後には「日本人にもどこの国にもええもんもおれば悪いもんもおる。そやけど、ひとつ言えるのは差別はアカンちゅうこっちゃ」という言葉をかけられたそうです。
1時間という短い時間ではありますが、ウリハッキョを擁するそれぞれの地域で、多くの人々に朝鮮学校の存在と現在置かれている状況を知ってもらう契機とすることが出来たに違いありません。
来たる9月27日、大阪高裁で言い渡される「高校無償化」裁判控訴審判決を前に、世論を喚起し、子どもたちへの差別を許さない断固たる「声」をより多く集めることが重要です。
法廷闘争が大詰めを迎える中、民族教育の権利を守る闘いをこれからさらに盛り上げてゆきましょう!

再び勝訴判決に向かって

7月26日(木)、大阪府内7箇所で「一斉街宣」行動が行われます!
来たる9月27日の「高校無償化」裁判控訴審・判決言い渡しで、揺るぎない完全勝訴を再び勝ち取るための重要なジャンピングボード!
一人でも多くの人に訴え、一人でも多くの声を集めるため奮ってご参加ください!!

大阪市役所前アクション

うだるような暑さが夕暮れ時となっても一向におさまらない酷暑の7月18日、大阪市役所前にオモニたちを中心とした朝鮮学校保護者と同胞、卒業生、日本人支援者たち100余名が集まりました。
2016年、国に先駆けて「幼児教育の無償化」を実施するとした大阪市の広報を目にし、役所に問い合わせた一人の保護者の行動から今回の運動は始まりました。
幼子までも理不尽な理由で差別する行政の態度に強く抗議するため、各校の保護者代表らが直接庁舎へと出向き申し入れも行いました。そして、より多くの市民に差別行政の現実を知らしめ、子どもたちに対する不当な差別の是正を求めて共に声をあげてもらうため、市役所前での街頭宣伝を今回企画しました。

いつものようにスタートコールを務めた長崎由美子事務局長に促され、差別を受けた当事者である朝鮮幼稚園の保護者たちが順にマイクを握りました。それと同時に、駆けつけた多くの同胞、支援者たちが行政の差別を告発するチラシを配り、揃いのプラカードを掲げ、道ゆく人たちに力強く示威しました。

オモニたちのアピールが始まりました。
一人目のオモニは、我が子をあからさまに差別した行政への収まらぬ怒りに声を震わせながら「『すべての子どもたち』にうちの子は含まれないのですか?いったい何が違うというのでしょうか?未来のある子どもたちに大人たちが、公に民族差別をして何も感じないのでしょうか?」と発言しました。また、「『高校無償化』のみならず『幼児教育の無償化』においても公的助成の枠組みから外されている現実に深い悲しみと怒りを隠しきれません。」と差別行政への深い落胆を表しました。そして、「地震や豪雨、災害が相次ぐ状況の中で、このような民族差別をしている場合ではないはずです。お互いを認め合い、助け合いながら共生してゆく時ではないでしょうか?」と共生社会実現の必要性を強く訴え、「もう、見て見ぬ振りはやめませんか? 百聞は一見に如かず。朝鮮学校や附属幼稚班に通う子どもたちの姿を一度でも見てください。子どもたちの目を見てください。手を握ってください。そこにすべての答えがあります。」と民族教育への理解を重ねて求めました。

続いてアピールしたオモニは子連れでした。「今、隣にいるのが初級部2年生の息子です。学校まで片道1時間半のバスに乗って通学しています。学校にはクーラーもプールもありません。それでも民族のアイデンティティーを育んであげるためには朝鮮学校に送るのが一番だと思い通わせています。おかげでこの子は朝鮮学校に通っているとどこに出ても胸を張って言うことができます。」と、民族性の涵養に朝鮮学校が不可欠であると主張しました。そして、「この子を見てください。日本学校に通う子どもたちとどこか違うでしょうか?何一つ変わらない子どもです。地域の国際交流イベントにも参加し、日本の学校とも親睦を深めています。学校では納涼大会や一般公授業なども盛んに行われています。子どもたちが学んでいる姿を是非一度ご覧になってください。」と強く訴えました。

次にマイクを握ったのは、この抗議活動の発端となったオモニでした。「アンニョンハシムニカ。私は朝鮮学校の保護者です。この春1年生になった長男が朝鮮の幼稚班に通ってた2016年、私は市役所で『幼児教育の無償化』を実施するというポスターを目にしました。大阪市は『幼児教育無償化』を実施する理由を、次のように書いていました。『幼児期は、生涯にわたり自己実現をめざし、社会の一員として生きていくための道徳心・社会性、知性や体力の基礎を培う重要な時期であり、この時期にこそすべてのこどもたちが家庭の経済状況に関わらず、質の高い幼児教育を受けることが必要である。』この大阪市の施策は、未来を見据えた、未来を育む本当に素晴らしい施策だと思います。でも、この施策から除外されたまま私の長男は一年生になりました。制度が公示された後、何度も大阪市に問い合わせました。ですが対応した職員は皆、担当する課が違うと、散々「たらい回し」にした挙句、『もうじき始まる国の制度では各種学校が対象外なのでそれに準じている。』という逃げ口実に終始するばかりでした…。」我が子を除外する、差別すると面と向かって言い放たれた時の衝撃を思い起こしながら、オモニは怒りを噛み締め発言を続けます。「朝鮮学校は教育基本法に定められた『各種学校』です。民族のルーツを持つ子どもたちが民族の言葉で教育を受け、アイデンティティーを育んでいます。日本の公教育と違うからといって、行政がそこへ通う子どもたちの人権を軽んじるのは親として納得できないし許せません。みなさん、おかしいと思いませんか!?  ひどいと感じませんか!?  お願いです!自分に今、直接関係がないからといってスルーしないで下さい!朝鮮学校に通うということだけで、理不尽な行政のいじめを放置しないで下さい!」無関心こそが差別を助長する大きな罪だと指摘し、オモニは最後にこう語りました。「朝鮮学校に通う学生・児童たちも、朝鮮学校の幼稚園で楽しく過ごす園児たちも、同じ大阪に住む大阪の子どもたちです。この子どもたちにも平等に、当たり前の人権を保障して下さい。大阪では2025年に万博を招致しようと今、奮闘していますよね。大阪府と大阪市は17項目ある万博の開催目的の中で、『質の高い教育をみんなに』、『人や国の不平等をなくそう』、『平和と公正をすべての人に』というのを掲げています。とても素晴らしいと思います。そのまま実現させて欲しいです。朝鮮学校に対する今の行政のやり方ではこの開催目的に反します。どうか、今ここから改めて人や国の不平等をなくし、平和と公正をすべての人に実現できる大阪を、大阪市がリーダーシップをとって作って下さい。期待しています!どうぞ皆さん、関心を持って実現させて下さい!」と希望を込めて力強くアピールを締めくくりました。

その後も、我が子を安心して育てられるよう「幼児教育の無償化」の平等な交付を求めるオモニたちの切実な訴えが続きました。そして、立場を超え、行政差別の不条理をただすべく駆けつけてくれた日本人支援者もマイクを握りました。
「大阪教育合同労働組合」執行委員長の大椿裕子さんは、LGBTのカップルに対して、公的認証である「同性パートナーシップ」証明制度を導入した大阪市が、多様な生き方に寛容さを示したその傍らで、多くの在日コリアン児童たちが在籍することも顧みず市内すべての公立小中学校で拉致問題啓発チラシを配布した事実に触れ、「あまりにもバランスが悪すぎる!」と喝破しました。そして、3組のカップルを迎えて執り行われた「交付式」の場で吉村市長が「差別はあってはならない。誰もが当たり前に生きられるように…」という趣旨の発言をしたと語りました。「だったらば、バックグラウンドがどんな人たちであれ、差別なく市政にあたって欲しい!」「人権というものに一本筋を通して欲しい!」行政の矛盾を厳しく非難する鋭いアピールに、参加者たちから大きな拍手と声援が飛び交いました。
続いて赤ちゃんを抱きながら街宣に参加したオモニや、幼い娘の手を引いてマイクをとったオモニたちのアピールに続き、「平和と民主主義をともにつくる会・大阪」の山川よしやす代表が発言しました。山川代表は、「差別は『された側』から声をあげ訴えるのが難しい。」、「差別は、今日ここで暑い中チラシを配っているアボジ、オモニの問題ではありません。朝鮮学校で学ぶ子どもたちの問題でもありません。私たち日本人の問題、日本社会の問題です。」と指摘し、理不尽な差別をはねのけ、共生社会を築くためにも共に手を取り運動を一歩前へ進めてゆこうと力強く訴えました。その後も、保護者や同胞、無償化連絡会の大村和子さんなど、子どもたちの笑顔と希望のために日頃から活動している人たちのアピールが続きました。

街宣活動は1時間行われました。
広い歩道を行き交う退勤時刻の人々は、アピールの内容に関心を示し聞き入る人や、通行の邪魔だと言わんばかりに舌打ちをして通り過ぎる人、たまたま手に取ったチラシに見入りじっくりと読み込む人、と様々でした。それでも、朝鮮学校に子どもを通わせる保護者、行政による差別を受けている当事者たちの声は届いたはずです。一歩ずつではありますが、政治を理由に子どもをターゲットにして差別する行政の在り方に疑問を抱く人がきっと増えたはずです。朝鮮学校に学ぶ子どもたちも皆、等しく学べる社会が当たり前だと感じる人がきっと増えたはずです。
この日配られた1,000枚のチラシと共に、参加者たちの心のアピールがもっと広がり、より多くの人たちの胸に届くよう活動を盛り上げてゆかなければなりません。
参加者たちは皆、育ち行く子どもたちに平等な権利がもたらされるまで、一歩ずつ歩みを進めてゆく決意を新たにしました。

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