無償化連絡会・大阪

〜 子どもたちの笑顔と希望のために 〜

月別: 2018年11月

花園へ!

4年ぶり、10回目の全国大会!
去る11月18日、東大阪市花園ラグビー場にて「第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会」大阪府第2地区予選・決勝が行われ、大阪朝鮮高級学校が同志社香里高校を38対12で退け、4年ぶり10回目となる全国大会出場を決めました。
晴天に恵まれた決勝当日、いつも通り大阪朝高の選手たちが組んだ円陣から雄叫びのような勇ましい掛け声がグラウンドとスタンドに響き渡りました。
定刻通りに鳴ったキックオフのホイッスルを合図に大阪朝高の果敢なアタックが同志社香里ゴールを再三にわたり脅かします。
開始2分、敵陣でのモールを押してそのまま決めたトライが象徴するように、ゲームは終始、統制のとれた大阪朝高の組織プレーが、縦横無尽に展開する同志社香里の機動力を抑え主導権を握り続けました。
終了間際にも大阪朝高がモールからのトライを決め、磐石の試合運びで4年ぶりの優勝を決めました。同時にそれは、10回目となる全国大会への出場権を意味します。故に、選手たちとスタンドを埋めた応援団の喜びもひとしおでした。
強豪ひしめく全国の舞台に、大阪府代表として臨む選手たちのモチベーションは俄然上がっています。

 

選手たちは2010年度から始まった「高校無償化」制度の適用を受けられず除外され続けている大阪朝鮮高級学校に進み、ラグビーに打ち込むことを選んだ生徒たちです。厳しい練習の合間を縫って街頭に立ち、民族教育への理解と差別政策の是正を訴える活動にも幾度となく参加してきました。
「無償化」からの除外ばかりでなく、大阪府・市からの補助金支給停止など、官製ヘイトと、世間にあふれる排外主義にまみれた口汚いバッシング。彼らの敵は、むしろグラウンドの外にいました。
「好きなスポーツでNo1になりたい!」
逆風に抗い、結束を武器に一歩ずつ前進を続け、ついに「花園」への切符を掴み取った朝高選手たちの胸に去来する思いはこれほどシンプルでも素朴でもありません。苦しい状況の中でも朝鮮学校に送ってくれた親たちの思い、殺伐とした社会の中で頑張る選手たちの姿から民族の誇りを取り戻した同胞たちの思い、大阪府代表の座に一歩及ばず涙を飲んだ先輩たちの思い…。これらすべての思いを背負い、「重圧」ではなく「力」に変えて勝ち進んできた選手たちは、全国の舞台でも力強くスクラムを前へと進めてくれることでしょう。
彼らの背中を押すのは私たちが送るエールです。
ぜひ一緒にスタンドから選手たちに勇気を届けましょう!選手たちはきっと我々に希望を与えてくれるはずです。
12月27日。
朝高ラガーマンたちの熱い戦いが始まります。

大村淳さんを偲ぶ

2018年11月23日、上本町のホテルアウィーナ大阪で「大村淳さんを偲ぶ会」が開かれました。
「城北ハッキョを支える会」の代表として、ひたすらに差別を許さず、子どもたちを愛し続けた大村さんの様々な活動と慈愛に満ちた人柄をふり返り、その功績を讃えるため、6名の実行委員たちが準備した会には多くの人が参加しました。
会では先ず、大村淳さんの遺影が飾られた献花台に参加者全員が一輪ずつ花を手向けました。深く一礼し、写真に写った笑顔の淳さんを見つめ涙する人、何かを語りかける人、皆それぞれ淳さんとの思い出をたどるように献花をしました。
そして、「火曜日行動」を通じて親交の深かった許玉汝さんが自作の追悼詩を朗読されました。語りかけるように詠まれた詩には、淳さんへの深い敬愛と早すぎる死を悼む心情が込められていました。
その後、実行委員会からの挨拶やスピーチがありました。生前の淳さんと深く関わった方々のスピーチからは、淳さんの温かい人柄が偲ばれ、差別と闘い続けた淳さんの思いが改めて深く感じられました。
ある人は、枚方市内の公立中学校で淳さんが社会科教員として教壇に立たれた頃の心温まるエピソードを語りました。何よりも生徒たちを大切にした淳さんの教育にかける思いが、後の朝鮮学校支援活動に引き継がれたのだということがよくわかる逸話の数々でした。また、ある人は、退職後に様々な市民運動、社会活動に取り組まれた淳さんの行動力と熱い心をふり返りました。権力者の傲慢、無知から来る心ない偏見や差別を決して許さない毅然とした淳さんの強さ、誰にでも笑顔で接し、優しい言葉をかけてくれた淳さんの温かさが全ての参加者たちに染み渡るようでした。
淳さんとのかけがえのない思い出が語られた後、城北朝鮮初級学校の児童たちが歌を歌いました。同校・高暢佑校長と許玉汝さんが作詞、金文淑さんが作曲した淳さんの歌です。曲目は「大村すなお先生」。淳さんの優しさに触れた子どもたちの素朴な心情で「城北のハラボジ(おじいさん)すなお先生コマプスムニダ(ありがとうございます)」と歌いました。
その後、城北朝鮮初級学校の先生方が歌を披露し、参加者全員が歌い、踊りながら明るく賑やかに淳さんを送りました。
朝鮮学校の子どもたちをはじめとするすべての子どもたちが等しく学べる社会を築くための活動を通じて結ばれた私たちの心は、大村淳さんにより更に深く、更に強く結ばれました。
この日、私たちが新たな決意を淳さんに誓ったように、これからも淳さんの遺志は多くの人に受け継がれてゆくでしょう。

東京控訴審判決

🔶 10月30日、東京高等裁判所にて、「高校無償化」裁判の控訴審判決が言い渡されました。これに先立ち9月に不当判決が言い渡された大阪からは、朝鮮学園関係者と大阪朝鮮高級学校・尹誠進校長、同校オモニ会代表2名と共に「無償化連絡会・大阪」から藤永壮共同代表と藤井幸之助さんが傍聴に参加しました。

午後3時、東京高等裁判所は889名の傍聴希望者であふれかえりました。午後4時の判決言い渡しを前に、弁護団と朝鮮学園関係者、支援者たちを先頭に東京朝鮮高校生徒たちと同胞、支援者たちが隊列を組み「入廷行進」を行いました。皆一様に硬い表情で傍聴抽選の結果を待つ参加者らの中には、韓国から駆けつけた「ウリハッ キョと子どもたちを守る市民の会」ソン・ミフィ代表や、「モンダンヨンピル」の キム・ミョンジュン監督と朝鮮学校支援者たちの姿もありました。

抽選で選ばれた80数名が法廷に入り、裁判所を取り囲んだ参加者たちが固唾を飲んで見守る中、定刻通り裁判は始まりました。
程なく二人の弁護士が正面玄関から判決を伝える手旗を手に駆け出してきました。
肩を落とし、うつむきながら出てきた弁護士たち。朝鮮大学校卒業生である女性弁護士は肩を震わせています。
落胆と憤怒。諦念や軽蔑。様々な「負の感情」が渦巻く中、どこからともなく湧き上がる司法糾弾の怒声。それはやがてシュプレヒコールを巻き起こし、「声よ集まれ歌となれ」の大合唱へと変わりました。

判決は矛盾に満ちた極めて不当な内容でした。「無償化」法の趣旨に照らし、適法か違法かが争われるべき裁判で、その判断を全く回避した判決に何の意味があると言うのでしょう。不指定処分の二つの理由が「両立し得ない」と認め、「国の説明には一貫性を欠く点が」あると指摘しておきながら、結局は国の言い分を追認しただけの「忖度判決」。司法の独立性をかなぐり捨てて官製ヘイトの片棒を担いだ法廷に、参加者たちの激しい憤りが爆発しました。

🔶 夜、北区の「北とぴあ」大ホールで報告集会が行われました。
「東京朝鮮高校生の裁判を支援する会」をはじめ、人権団体や朝鮮学校が共催した集会では、まず大阪での集会同様、韓国の「ドキュ創作所」が製作した朝鮮学校ドキュメンタリー映像「私たちの声が届いたならば」が流されました。
開会宣言の後、弁護団からの報告がありました。登壇した李春煕弁護士は、満場の参加者たちを見渡し、まずはじめに不当判決を受け残念な心境と、法廷闘争を勝利へと導けなかった忸怩たる思いを率直に語り、詫びました。
李弁護士は、1審で浮き彫りになった国側の矛盾を、高裁では裁判官が指摘したことに一定の評価を示し、有利な兆候と捉えて闘ってきたと言い、逆転判決を期待して今日を迎えたと語りました。しかし、結局は地裁判決同様、無償化除外の真の理由が「規定ハの削除」であることの判断を回避した「最後の最後で逃げた判決」だと断じました。李弁護士は、即時上告することを報告し、最高裁に向けて再び闘い抜くためには弁護団だけの力では勝てないと団結・共闘を強く呼びかけました。
判決報告に次ぎ、朝高生たちの歌と発言がありました。民族教育を受けて育った生徒たちのまっすぐな心が込められた歌声と言葉に参加者たちは胸を打たれました。
その後、東京のオモニ連絡会から始まり、大阪、広島、愛知、九州からのアピールがありました。子どもたちに民族教育を受けさせている当事者として闘い続けるオモニたちの力強い発言と、各地からのエールに会場から大きな連帯の拍手が送られました。
そして、韓国から駆けつけた支援者たちからの発言がありました。
「ウリハッ キョと子どもたちを守る市民の会」ソン・ミフィ代表は、「北の国宝第1号は『平壌城』、南の国宝第1号は『崇礼門』だったが、統一祖国の国宝第1号は在日同胞たちと朝鮮学校だ」と言い、この宝物を守り抜くため力を合わせて闘おうと呼びかけました。
「モンダンヨンピル」の キム・ミョンジュン監督は「この裁判闘争は勝ち負けを争うだけの闘いではない。尊厳を守る闘いだ」と力を込めて訴えかけました。
最後に、「高校無償化からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」の長谷川和男代表が行動提起をしました。長谷川代表は、全国へと広がる朝鮮学校支援の輪をさらに広げ、力を合わせて闘い抜こうと呼びかけるとともに、来年2月に「全国一斉行動」を起こそうと提起しました。会場からは賛同の拍手が送られました。
終わりに参加者全員で「越えよ集まれ、歌となれ」を合唱し、集会を終えました。
子どもたちの学ぶ権利を守るため一堂に会した参加者たちは、不当判決に屈することなく最後まで闘いを力強く継続する決意を共有しました。

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