🔶 10月30日、東京高等裁判所にて、「高校無償化」裁判の控訴審判決が言い渡されました。これに先立ち9月に不当判決が言い渡された大阪からは、朝鮮学園関係者と大阪朝鮮高級学校・尹誠進校長、同校オモニ会代表2名と共に「無償化連絡会・大阪」から藤永壮共同代表と藤井幸之助さんが傍聴に参加しました。

午後3時、東京高等裁判所は889名の傍聴希望者であふれかえりました。午後4時の判決言い渡しを前に、弁護団と朝鮮学園関係者、支援者たちを先頭に東京朝鮮高校生徒たちと同胞、支援者たちが隊列を組み「入廷行進」を行いました。皆一様に硬い表情で傍聴抽選の結果を待つ参加者らの中には、韓国から駆けつけた「ウリハッ キョと子どもたちを守る市民の会」ソン・ミフィ代表や、「モンダンヨンピル」の キム・ミョンジュン監督と朝鮮学校支援者たちの姿もありました。

抽選で選ばれた80数名が法廷に入り、裁判所を取り囲んだ参加者たちが固唾を飲んで見守る中、定刻通り裁判は始まりました。
程なく二人の弁護士が正面玄関から判決を伝える手旗を手に駆け出してきました。
肩を落とし、うつむきながら出てきた弁護士たち。朝鮮大学校卒業生である女性弁護士は肩を震わせています。
落胆と憤怒。諦念や軽蔑。様々な「負の感情」が渦巻く中、どこからともなく湧き上がる司法糾弾の怒声。それはやがてシュプレヒコールを巻き起こし、「声よ集まれ歌となれ」の大合唱へと変わりました。

判決は矛盾に満ちた極めて不当な内容でした。「無償化」法の趣旨に照らし、適法か違法かが争われるべき裁判で、その判断を全く回避した判決に何の意味があると言うのでしょう。不指定処分の二つの理由が「両立し得ない」と認め、「国の説明には一貫性を欠く点が」あると指摘しておきながら、結局は国の言い分を追認しただけの「忖度判決」。司法の独立性をかなぐり捨てて官製ヘイトの片棒を担いだ法廷に、参加者たちの激しい憤りが爆発しました。

🔶 夜、北区の「北とぴあ」大ホールで報告集会が行われました。
「東京朝鮮高校生の裁判を支援する会」をはじめ、人権団体や朝鮮学校が共催した集会では、まず大阪での集会同様、韓国の「ドキュ創作所」が製作した朝鮮学校ドキュメンタリー映像「私たちの声が届いたならば」が流されました。
開会宣言の後、弁護団からの報告がありました。登壇した李春煕弁護士は、満場の参加者たちを見渡し、まずはじめに不当判決を受け残念な心境と、法廷闘争を勝利へと導けなかった忸怩たる思いを率直に語り、詫びました。
李弁護士は、1審で浮き彫りになった国側の矛盾を、高裁では裁判官が指摘したことに一定の評価を示し、有利な兆候と捉えて闘ってきたと言い、逆転判決を期待して今日を迎えたと語りました。しかし、結局は地裁判決同様、無償化除外の真の理由が「規定ハの削除」であることの判断を回避した「最後の最後で逃げた判決」だと断じました。李弁護士は、即時上告することを報告し、最高裁に向けて再び闘い抜くためには弁護団だけの力では勝てないと団結・共闘を強く呼びかけました。
判決報告に次ぎ、朝高生たちの歌と発言がありました。民族教育を受けて育った生徒たちのまっすぐな心が込められた歌声と言葉に参加者たちは胸を打たれました。
その後、東京のオモニ連絡会から始まり、大阪、広島、愛知、九州からのアピールがありました。子どもたちに民族教育を受けさせている当事者として闘い続けるオモニたちの力強い発言と、各地からのエールに会場から大きな連帯の拍手が送られました。
そして、韓国から駆けつけた支援者たちからの発言がありました。
「ウリハッ キョと子どもたちを守る市民の会」ソン・ミフィ代表は、「北の国宝第1号は『平壌城』、南の国宝第1号は『崇礼門』だったが、統一祖国の国宝第1号は在日同胞たちと朝鮮学校だ」と言い、この宝物を守り抜くため力を合わせて闘おうと呼びかけました。
「モンダンヨンピル」の キム・ミョンジュン監督は「この裁判闘争は勝ち負けを争うだけの闘いではない。尊厳を守る闘いだ」と力を込めて訴えかけました。
最後に、「高校無償化からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」の長谷川和男代表が行動提起をしました。長谷川代表は、全国へと広がる朝鮮学校支援の輪をさらに広げ、力を合わせて闘い抜こうと呼びかけるとともに、来年2月に「全国一斉行動」を起こそうと提起しました。会場からは賛同の拍手が送られました。
終わりに参加者全員で「越えよ集まれ、歌となれ」を合唱し、集会を終えました。
子どもたちの学ぶ権利を守るため一堂に会した参加者たちは、不当判決に屈することなく最後まで闘いを力強く継続する決意を共有しました。