来る10月30日の東京「高校無償化」裁判控訴審判決を目前に控えた10月13日、東京の連合会館で「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク 2018総会」が開催され、約60名が参加しました。
結成6年を迎えた「全国ネット」は、「高校無償化」裁判を闘っている五つの地域を中心として、全国で繰り広げられている朝鮮学校の処遇改善、差別是正の幅広い活動の成果を共有し、情報を交換する重要な場です。
毎年東京で行われるこの総会に、今年は無償化連絡会・大阪を代表して長崎由美子事務局長と大村和子さんが参加しました。
以下に大村和子さんのレポートを掲載します。

今年で結成6年を迎える「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク・2018総会」が10月13日、東京・連合会館で開催された。
日本各地の支援団体、朝鮮学校教職員、関係者約60名が参加した。
初めに、9月27日の大阪高裁で「不当判決」が出された「大阪無償化裁判」控訴審当日の様子を収めた映像が上映された。子どもたちの学ぶ権利、「教育の機会均等」をないがしろにした司法の差別判決に、参加者は改めて憤りとともに今後の裁判闘争勝利に向け更なる支援の思いを強めた。
開会では、全国ネットの藤本泰成事務局長が「国連人種差別撤廃委員会から朝鮮学校差別、在日朝鮮人差別に対して、日本政府に強力な勧告が繰り返されたが、日本社会の歴史への無知、無理解を背景に権力が公然と差別を行なっている。政府による差別と日本社会での深刻化する差別を根絶するべく理解と認識を広めていこう。」と挨拶された。
続いて、9つの都府県、1つの団体から、朝鮮学校支援運動に関する報告があった。
⚪︎千葉<千葉朝鮮学校を支える県民ネットワーク(千葉ハッキョの会)>
「千葉市外国人学校地域交流事業補助金交付要綱」が2013年制定され、千葉朝鮮学校への補助金事業が行われていたが、「美術展」での「慰安婦」をテーマとした絵とコメント及び「芸術発表会」での曲を問題として不交付決定。
不交付に対する抗議集会、情宣活動、募金活動の取り組みの報告。
⚪︎埼玉<外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク・埼玉>
埼玉朝鮮学校への補助金不支給が、2011年度から続く中、「埼玉朝鮮学校への補助金支給を求める有志の会」を結成し、要請活動、街宣活動等の取り組みの報告。
⚪︎東京<「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会>
裁判闘争、文部科学省前「金曜行動」、又、都内各朝鮮学校毎の支援組織(「ウリの会」「チマチョゴリ友の会」「オッケトンムの会」「ハムケ共に」「サランの会」等)の多様な活動、取り組みの報告。
⚪︎神奈川<神奈川朝鮮学園を支援する会>
2013年の朝鮮学園への補助金の予算不計上に抗議し、集会、署名活動、シンポジウム等に取り組み、2014年、児童・生徒への授業料補助制度として支給決定したが、2016年、拉致問題に関わる教科書の記載の書き換えができないことを理由に、補助金支給が留保される。「学費補助」を求め、街宣活動、署名活動等の取り組みの報告。
⚪︎大阪<朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪>
・弁護団、朝鮮学校関係者、日本人支援者による「三者学習会」
・「高校無償化」裁判、「大阪府・大阪市補助金」裁判支援
(傍聴、裁判費用捻出、周知活動、街頭宣伝、署名活動)
・「火曜日行動」
・「大阪朝鮮学園支援府民基金」(ホンギルトン基金)
・大阪府・市議会への働きかけ、要請行動
・台風災害への支援等
の取り組みの報告。
⚪︎京都<朝鮮学校と民族教育の発展を目指す会・京滋>
京都朝鮮学校の保健室設置に向けた取り組み(保健室ボランティア)
ヘイトクライム事件後の心理ケアの面でのスクールカウンセラー派遣の取り組みの報告。
⚪︎広島<民族教育の未来を考える・ネットワーク広島>
日本人教職員による在日朝鮮人児童・生徒への様々な差別問題に取り組み、又、朝鮮学校との交流を通し、補助金再開、無償化裁判支援に取り組む。2016年「広島無償化裁判を支援する会」結成により、一般市民、労働組合が加わり、裁判傍聴、報告会、街宣活動等の取り組みの報告。
⚪︎山口<朝鮮学校を支援する山口県ネットワーク>
補助金復活を要求し、県庁前座り込み抗議行動、要請活動等の取り組みの報告。
⚪︎福岡<福岡県朝鮮学校を支援する会>
裁判への傍聴、財政支援、署名活動、市民、県民への協力の呼びかけ、世論喚起の取り組みの報告。
⚪︎朝鮮女性と連帯する日本婦人連絡会  /  I 女性会議
各県における朝鮮学校「無償化」裁判、補助金問題の取り組み。朝鮮学校との交流。

各地で朝鮮学校支援の過程で支援の輪が広がってきていることや、国や自治体に対する要請行動の必要性、更なる支援層の拡大の必要性が報告された。
情報共有や活発な意見交流が行われた後、全国で足並みを合わせ支援を展開し、朝鮮学校への差別是正、日本社会の世論喚起のために、来年2月には全国行動に取り組むことが確認された。

昨年以降、「高校無償化」裁判での判決が相次いで出されました。歴史的勝訴となった大阪の1審判決を除いては、ことごとく不当な判決が下されています。
朝鮮学校支援の輪が確実に広がりを見せている反面、民族教育に対する国や行政の差別政策が横行し、不寛容で排外的な空気が社会に蔓延している現実を踏まえ、より広範な日本市民たちに民族教育の正当性を知らせること、権利擁護のための要請行動などを絶え間なく続けてゆくことの必要性が再確認された貴重な集いとなりました。
参加者たちは皆、朝鮮学校支援のネットワークをさらに広げてゆく決意を新たにしました。