民族教育のためにつないできたバトン

統廃合のため、県に唯一の朝鮮学校がすでに門を閉ざした鳥取県で、民族教育を支援する取り組みが今もなお続いている。
朝鮮新報に取り上げられた記事の一部を以下に紹介する。

民族教育のためにつないできたバトン / 30回目を迎えた鳥取県チャリティーゴルフコンペ
〜 一人が十人分を 〜

 山陰地方で唯一の朝鮮学校である「山陰朝鮮初中級学校」が1999年、倉敷朝鮮初中級学校(当時、現「岡山朝鮮初中級学校」)に統合された。その後も山陰地方の同胞たちは民族教育のために愛のこもった惜しみない援助を変わりなく続けてきた。「第30回民族教育を支援する鳥取県チャリティーゴルフコンペ」が去る10月3日、同県西伯郡のゴルフ場で行われた。…ここに同胞たちと日本市民124名が参加した。収益金は岡山と広島の朝鮮学校と、山陰地方の青年商工会が主催する「土曜児童教室(在日コリアンをルーツに持つ子どもたちの中で日本の学校に通う児童たちを対象に、毎週土曜日、民族の言葉や文化を学ぶ自主運営の教室)」の運営費に充てられる。
 元来、山陰朝鮮学園を支援する目的で始まったチャリティーゴルフは約10年の間、学校所在地である島根県と隣接した鳥取県で隔年で行われてきた後、二つの県でそれぞれ単独開催されるようになった。各団体で実行委員会を立ち上げた鳥取県では98年から県の商工会が主導で組織運営してきた。
 地域の同胞数が約1千人(現在)である鳥取で毎年チャリティーゴルフを開催するのは容易ではない。同胞数が多い地方に比べると「鳥取県では一人が十人分の仕事をしなければならない。」と、ある同胞が言う。ときには「何年かに一回の開催にしてはどうか。」という声も聞こえる。
 「それでも結局は『活動として毎年続けなければいけない』という意見が大勢を占めるてきた。もし、1年でも空白が生じたらどうなっていたことか…。」県商工会のシン・ヒョンド理事長は熱心な同胞たちが一心団結して苦難を乗り越えてきた道のりを振り返る。
 この地の同胞たちは地域に朝鮮学校がないとしても自分と子どもたちをまっとうな朝鮮人として育ててくれた民族教育に対する感謝の気持ちを常に抱いてきた。毎年、チャリティーゴルフの参加者たちのために食事を準備する女性同盟メンバーの中には他の地方出身女性も少なくないが、彼女らは口々に言う。「『ウリハッキョ』のためなら惜しいものはない。」
 県商工会のヨ・ジョンス理事によれば毎年チャリティーゴルフを組織するにあたり、地域に根ざした対外事業が不可欠だと言う。「いくら情勢が厳しくても日本の人たちと常にふれあい、信頼関係を築いてきた。」また、ゴルフ当日には広島朝鮮歌舞団の公演などを通じて朝・日友好親善を促している。そういった過程で日本の人たちの間に朝鮮学校に対する関心が深まり支持の輪が拡大されている。
 元鳥取県教職員組合委員長の加藤和徳氏(日朝学術教育交流協会)はチャリティーゴルフに10回以上参加してきた。彼がイベントを積極的に支持する背景には「日本人たち自身が植民地支配の責任を取らなくてはならない。」との使命感もあるが、それよりもなお彼の心を揺さぶるのは「同胞の子どもたちのために奮い立つ大人たちの熱い姿」だった。
 商工会会員たちと交流が深い井上敦文氏は「国と国の関係を飛び越えた民間交流が大切だ。困っている友だちを助けてやるのが本当の『親友』だ」と言う。
 毎年、チャリティーゴルフ参加者のうち70%を日本人が占める。過去最大規模は2004年。参加数は180名にのぼった。

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日本の各地で、同胞たちと日本の方々の「交流の輪」、「連帯の輪」がウリハッキョを、子どもたちを支え続けている。