二つの記事

別々の新聞に掲載された二つの記事をご紹介します。それぞれの立場から語ってくれたふたりの共通の思いが多くのことを教えてくれます。

〈声よ集まれ~裁判闘争の現場で 2〉いつも心で闘う/大阪・金愛美さん

250回目の「火曜日行動」にて(2017.6.27)

大阪地裁判決の勝利で、人生で初めてうれし泣きをした。でも、また頑張らないと―。
 火曜日行動には2012年4月から参加している。ちょうど子どもが初級部1年生のときからだ。そんな子も3年後には高級部生―無償化適用の「対象年齢」になる。日本の人々の働きから始まった火曜日行動だが、これは支援でも「在日朝鮮人がかわいそう」という同情でもない。それぞれが自分の問題として捉えているから、団結できるんだ。
どこか、差別されることに慣れてしまっていないだろうか?「もうええやん、補助金あてにせんと自分たちでやっていけば」と。違うと思う。お金ではなく権利を勝ち取るための闘いだから絶対に引いてはいけない。1世、2世と世代を越えて続けてきた権利闘争は、ウリハッキョをなくそうとしている日本政府との闘い。未だに続く植民地主義との闘い。安倍政権は反対派の意見だけを取り上げていかにもそれを民意かのように仕立て上げている。何も分からなかったらすぐに騙されてしまう。
一方で、「頭じゃない、気持ちで、心で闘ってきた」という一世の顧問たちのことばをいつも噛み締めている。自分の子どもが政府にいじめられているんだから、迷わず「アンタなにしてんの!」って言いに行くでしょう、オンマ(母)なんだから。

「高校無償化 勝ち取るために」/兵庫・◯◯◯

私が通う朝鮮学校の大半の生徒は電車で通学します。片道2時間をかけて通学する友達もいて定期代もバカになりません。今こそ朝鮮学校も学割が適用

神戸新聞 2017年11月10日

されましたが、ひと昔前は朝鮮学校の生徒は大人料金で定期券を買わざるを得なかったといいます。
朝鮮学校の保護者たちのさまざまな活動や日本の市民団体や政治家のご協力もあり運動を始めて7年目でやっと通学定期券割引差別が26年ぶりに是正されたのです。今私が朝鮮学校に通いながらも学割を使えるのは、ごく普通のことではなく先代たちの汗と涙の結晶なのだなと思いました。
今、私たちの前には高校無償化から朝鮮学校だけが除外されている現実があります。まだ見ぬ未来の朝鮮学校生が先代たちによって勝ち取った高校無償化を享受できるよう、私が今なすべきことはなんなのかと常日ごろから自問自答するようになりました。多くの方に関心を持っていただき、ぜひご協力ください。

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