無償化連絡会・大阪

〜 子どもたちの笑顔と希望のために 〜

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東京控訴審判決

🔶 10月30日、東京高等裁判所にて、「高校無償化」裁判の控訴審判決が言い渡されました。これに先立ち9月に不当判決が言い渡された大阪からは、朝鮮学園関係者と大阪朝鮮高級学校・尹誠進校長、同校オモニ会代表2名と共に「無償化連絡会・大阪」から藤永壮共同代表と藤井幸之助さんが傍聴に参加しました。

午後3時、東京高等裁判所は889名の傍聴希望者であふれかえりました。午後4時の判決言い渡しを前に、弁護団と朝鮮学園関係者、支援者たちを先頭に東京朝鮮高校生徒たちと同胞、支援者たちが隊列を組み「入廷行進」を行いました。皆一様に硬い表情で傍聴抽選の結果を待つ参加者らの中には、韓国から駆けつけた「ウリハッ キョと子どもたちを守る市民の会」ソン・ミフィ代表や、「モンダンヨンピル」の キム・ミョンジュン監督と朝鮮学校支援者たちの姿もありました。

抽選で選ばれた80数名が法廷に入り、裁判所を取り囲んだ参加者たちが固唾を飲んで見守る中、定刻通り裁判は始まりました。
程なく二人の弁護士が正面玄関から判決を伝える手旗を手に駆け出してきました。
肩を落とし、うつむきながら出てきた弁護士たち。朝鮮大学校卒業生である女性弁護士は肩を震わせています。
落胆と憤怒。諦念や軽蔑。様々な「負の感情」が渦巻く中、どこからともなく湧き上がる司法糾弾の怒声。それはやがてシュプレヒコールを巻き起こし、「声よ集まれ歌となれ」の大合唱へと変わりました。

判決は矛盾に満ちた極めて不当な内容でした。「無償化」法の趣旨に照らし、適法か違法かが争われるべき裁判で、その判断を全く回避した判決に何の意味があると言うのでしょう。不指定処分の二つの理由が「両立し得ない」と認め、「国の説明には一貫性を欠く点が」あると指摘しておきながら、結局は国の言い分を追認しただけの「忖度判決」。司法の独立性をかなぐり捨てて官製ヘイトの片棒を担いだ法廷に、参加者たちの激しい憤りが爆発しました。

🔶 夜、北区の「北とぴあ」大ホールで報告集会が行われました。
「東京朝鮮高校生の裁判を支援する会」をはじめ、人権団体や朝鮮学校が共催した集会では、まず大阪での集会同様、韓国の「ドキュ創作所」が製作した朝鮮学校ドキュメンタリー映像「私たちの声が届いたならば」が流されました。
開会宣言の後、弁護団からの報告がありました。登壇した李春煕弁護士は、満場の参加者たちを見渡し、まずはじめに不当判決を受け残念な心境と、法廷闘争を勝利へと導けなかった忸怩たる思いを率直に語り、詫びました。
李弁護士は、1審で浮き彫りになった国側の矛盾を、高裁では裁判官が指摘したことに一定の評価を示し、有利な兆候と捉えて闘ってきたと言い、逆転判決を期待して今日を迎えたと語りました。しかし、結局は地裁判決同様、無償化除外の真の理由が「規定ハの削除」であることの判断を回避した「最後の最後で逃げた判決」だと断じました。李弁護士は、即時上告することを報告し、最高裁に向けて再び闘い抜くためには弁護団だけの力では勝てないと団結・共闘を強く呼びかけました。
判決報告に次ぎ、朝高生たちの歌と発言がありました。民族教育を受けて育った生徒たちのまっすぐな心が込められた歌声と言葉に参加者たちは胸を打たれました。
その後、東京のオモニ連絡会から始まり、大阪、広島、愛知、九州からのアピールがありました。子どもたちに民族教育を受けさせている当事者として闘い続けるオモニたちの力強い発言と、各地からのエールに会場から大きな連帯の拍手が送られました。
そして、韓国から駆けつけた支援者たちからの発言がありました。
「ウリハッ キョと子どもたちを守る市民の会」ソン・ミフィ代表は、「北の国宝第1号は『平壌城』、南の国宝第1号は『崇礼門』だったが、統一祖国の国宝第1号は在日同胞たちと朝鮮学校だ」と言い、この宝物を守り抜くため力を合わせて闘おうと呼びかけました。
「モンダンヨンピル」の キム・ミョンジュン監督は「この裁判闘争は勝ち負けを争うだけの闘いではない。尊厳を守る闘いだ」と力を込めて訴えかけました。
最後に、「高校無償化からの朝鮮学校排除に反対する連絡会」の長谷川和男代表が行動提起をしました。長谷川代表は、全国へと広がる朝鮮学校支援の輪をさらに広げ、力を合わせて闘い抜こうと呼びかけるとともに、来年2月に「全国一斉行動」を起こそうと提起しました。会場からは賛同の拍手が送られました。
終わりに参加者全員で「越えよ集まれ、歌となれ」を合唱し、集会を終えました。
子どもたちの学ぶ権利を守るため一堂に会した参加者たちは、不当判決に屈することなく最後まで闘いを力強く継続する決意を共有しました。

反響

教育政策として自ら提唱した「教育の機会均等」を蔑ろにし、朝鮮学校のみを狙い撃ちにした露骨な行政差別を行っている政府を庇護するため、司法が持つべき良識を捨て去った大阪高裁の不当判決に多くの怒りが寄せられています。
「高校無償化」裁判控訴審判決言い渡しからおよそ1週間。
ほんのひと月前に再び出された国連人種差別撤廃委員会の勧告をも徹底的に無視し、権力にすり寄って「忖度判決」を下した大阪高裁に内外の厳しい目が向けられています。
上智大学・松浦寛先生が、この度の控訴審判決についてネットでご発言されました。以下にご紹介します。

*「高校無償化、朝鮮学園側逆転敗訴 大阪、全国で高裁初判決」

… 朝鮮学校の生徒たちの希望を打ち砕いた冷酷な判決。

教育基本法や学校教育法は、「民族や社会的出自による教育機会に差別があってはならないと定めている。

それでは、われわれが行政サービスを受けられる根拠は何か?それは当人が — 未成年の場合は両親 — 納税しているからだ。

在日朝鮮人に納税だけさせて、教育に関して行政サービスから排除されるのが差別でなくて何が〈差別〉なのだ?

昨今年金の給付年齢が70歳に引き上げられるという議論が取り沙汰され、少なからぬ男性が物故者である年齢であることから、「資金だけ支払わせ、年金を払わないつもりか?」と憤慨する声がきかれる。

朝鮮学校も同じことなのに、窮状にある子供たちのために声を挙げる日本人はまれだ。

◆ 安倍政権には植民地精算の義務

在日朝鮮人の強制連行を立案したのは、安倍首相の祖父である岸信介商工相であり、鉱山で最大の被害者を出したのは麻生炭鉱だ。

また、戦時中は「おまえたちは日本人なんだからいっしょに戦え」と言い、戦後は「日本人じゃないから年金はやらん」と軍人恩給から排除されて来た。

在日朝鮮人たちは、まさに犬猫のようなむごい扱いを受け来たのだ。

それなのに、朝鮮学校の生徒たちは、修学旅行のささやかな思い出の品まで取り上げられ、納税の義務だけあり、教育上のサービスから排除されている。

レイシストたちは「在日特権」などというが、李とか朴という姓を持っているだけで、関東大震災では殺害され、今も就職や結婚の際も大きな不利益を被ることがある。

これが差別でないなら、一体何が〈差別〉なのか?

マイノリティーの権利が著しく侵害されている今の日本社会において、「他者への想像力」をもって人に寄り添う心と、勇気をもって理不尽に抗う声が求められています。それが集まり、大きなうねりとなって築かれるものこそが真の「共生社会」でしょう。
以下に「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」の声明を引用します。

大阪高裁による不当判決に抗議する声明
大阪朝鮮学園が高校無償化制度の対象から排除されたことは違法であるとして国に処分の取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決において、大阪高裁は1審・大阪地裁判決を取り消し、学校側の訴えを退けた。わたしたちはこの不当判決に断固抗議する。
高裁判決は、朝鮮学校が朝鮮総連から指導や財政支援を受けていること、そして朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)の指導者を礼賛する教科書を使っていることなどを理由に、教育の自主性をゆがめるような「不当な支配」が行われている合理的な疑いがあると判断し、文部科学大臣が下した処分は適法であるとした。そこには、子どもの学ぶ権利に係る裁判であるとの視点がまったく見られない。
こうした論理が破綻していることは明白である。大阪地裁判決は、学校の「適正な運営」に関しては財務状態など客観的な認定にとどめるべきだとし、さらに「在日朝鮮人の民族教育を行う朝鮮高級学校に在日朝鮮人の団体である朝鮮総連などが一定の援助をすること自体は不自然ではない」と国側の主張を一蹴していたのである。高裁判決は、すべての子どもに教育の機会均等を保障しようという無償化法の趣旨に反した省令「ハの削除」を違法・無効とした1審の朝鮮学園勝訴の地裁判決を、根底からひっくり返し、国の差別を是認した広島、東京、名古屋の地裁判決に逆戻りしたのである。そして、1審・地裁判決が違法・無効とした「ハ削除」については、大阪高裁は判断していない。
第2次安倍政権の内閣発足から2日後の2012年12月28日、下村博文文科相(当時)は「拉致問題に進展がないこと」「朝鮮総連と密接な関係にあること」などを理由に高校無償化制度から朝鮮学校を除外するべく「ハの削除」を表明したのである。そして翌2013年2月20日に省令が改正され、朝鮮学校は完全に制度から締め出されてしまった。このように朝鮮学校排除が外交・政治上の判断から高校無償化制度から排除されたことは明らかであり、それこそ「不当な支配」である。こうした権力の横暴について適切な審査を加えることなく差別を是認した大阪高裁は、もはや司法の体をなしていない。
今年8月に行われた国連・人種差別撤廃委員会の対日審査においても、前回の勧告に続いて高校無償化制度を朝鮮学校にも適用するよう勧告が出された。国連からの再三にわたるこうした勧告を、無視し続ける日本政府の姿勢は、国際的な批判にさらさるだけでなく、在日コリアンに対する日本国内のヘイトスピーチを助長するという点でも、決して許されるものではない。
また、3回にわたって行われた南北首脳会談、そして史上初の米朝首脳会談を通じて、東アジアは70年以上続いてきた戦争状態から恒久的な平和へと向かいつつある。そうした中、ただ日本だけが対朝鮮敵視政策に固執している。今後も、朝鮮学校を高校無償化制度から締め出し、自治体からの補助金支給の中止を続けるのならば、日本は東アジアにおける孤立をより深めるだけである。
わたしたち「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」は、まるで「制裁」とばかりに続けられる朝鮮学校差別に反対し、朝鮮学校に「高校無償化」制度が適用されるその日まで、全ての関係者とともにこれからも闘い続ける。
2018年10月1日
朝鮮学園を支援する全国ネットワーク
メディアが取り上げた記事や談話などを以下に紹介します。

【朝日新聞 社説】 2018.10.3

【毎日新聞】 2018.9.27

【北海道新聞】 どうしん電子版2018.9.29

【神戸新聞NEXT 社説】 2018.9.29

【日教組・書記長談話】2018.10.3

【しんぶん赤旗】2018.10.16

 

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不当判決

2018年9月27日。全国5つの法廷闘争で先行してきた大阪の「高校無償化」裁判控訴審判決が言い渡されました。
多くの人が悲しみの報告、怒りの告発をした通り、結果は子どもたちの学習権を一顧だにしない権力に対する盲目的な迎合のみの「不当判決」でした。
国による朝鮮学校差別を是正し、真の「教育の機会均等」を勝ち取ろうと裁判所に集まった300を超える卒業生や保護者、同胞たちと日本人支援者たちが法廷で目の当たりにしたのは、傍聴席真正面に座ったチマチョゴリ姿の高級学校生徒たちが真剣な眼差しで見守る顔を直視することもできずに、判決文をそそくさと読み上げ、逃げるように退廷する裁判官たちの姿でした。
あまりのあっけなさに一瞬、茫然自失となった保護者の一人が叫びました。「恥を知れ!」それを機に爆発した傍聴席の怒りは号泣と怒号となり裁判官の背中に浴びせられました。
すぐさま弁護士の二人が判決を知らせる幕を手に裁判所の外へと走り出ました。彼らが広げる幕に書かれた「不当判決」、「子どもたちを司法は見捨てた!」の文言に、正面玄関前で待っていた人々はしばし絶句し、大きなため息をつきました。
やがて「司法は恥を知れ!」、「子どもたちを差別するな!!」と、怒りに満ちたシュプレヒコールが沸き起こり、歌が始まりました。その歌は、文科省前で行われている「金曜行動」で歌い継がれている「声よ集まれ歌となれ」でした。シュプレヒコールと歌は長い時間続きました。

2013年1月24日から始まった大阪の「高校無償化」裁判は、愛知とともに全国に先駆け行われた法廷闘争の中でも唯一卒業生や在校生ではなく、運営母体である大阪朝鮮学園が原告となり、国を相手取って闘われた裁判でした。
直接的な当事者たちの切なる訴えを法廷で裁判官にぶつけてこそ、広く世論に訴えかける効力も大きいことは十分にわかりつつも、出廷により矢面に立たされる生徒たちの心の傷、身の安全といったリスクを考慮して諦めざるを得ませんでした。
それでも、「就学支援金」の受給対象は子どもたちであることに何ら変わりはなく、「学園」など学校設置者の立場は「代理受領」に過ぎません。これは他ならぬ文部科学省自身の取り決めです。にも関わらず、国は「拉致問題に進展が見られない」などの政治的理由を覆い隠すため、「規程13条の適合性」という「こじつけ」を持ち出しました。曰く「朝鮮学校を『不当に支配』している総聯組織が受給した就学支援金を不当に巻き上げ、授業料以外の使途で流用する」と。ですが、事実がそうでない以上、法廷に出せるような証拠があるはずもなく、「就学支援金の管理が適正に行われるという確証が得られなかった」という、立証責任の所在をも無視した口実を出すのが精一杯でした。しかし、そんな稚拙な主張のほころびをも度外視し、高裁は政府に媚びる破廉恥な「忖度判決」を下したのでした。

閉廷後の記者会見で、大阪朝鮮高級学校の卒業生である申泰革(シン・テヒョク)さんは、「この問題は、ただ単に一つの高校に『無償化』制度を適用するか否かという問題ではなく、日本社会が在日朝鮮人を受け入れようとするのか、それともなかったものにしようとするのか、という問題だと思っている。」「日本国、そして主権者たる日本国民の問題でもあると思っている。差別に対してどう向き合ってゆくのか、どのような政策を行ってゆくのか、この判決を機にぜひ一度考えていただきたい。」と語気を強めて話しました。
また、弁護団長の丹羽雅雄弁護士は「1審判決は子どもの学ぶ権利を考えてくれたが、高裁は朝鮮総連との関係のみで判断した。著しく不当な判決だ」と話しました。そして、原告・大阪朝鮮学園の玄英昭(ヒョン・ヨンソ)理事長が不当判決を糾弾する声明文を怒りに震える声で読みあげました。


夜、「クレオ大阪中央」で判決報告集会が開かれました。およそ600人の参加者たちは、憤まんやる方無い思いでホールに集いました。
集会では、まず韓国のドキュメンタリー創作「牛」のチェ・アラム監督が、モンダンヨンピルの協力を受けて製作した映像が上映されました。「私たちの声が届いたならば」というタイトル通り、朝鮮学校誕生から草創期、今日までの歴史と、民族教育を守り抜いた同胞たちの闘い、そして「学ぶ権利」を求める学生たちの声を無視し、差別政策を打ち出した現政権との闘いの様子が描かれていました。
長崎由美子事務局長の司会で集会が始まりました。
まず、金英哲弁護士が判決についての報告をしました。金弁護士は、去る地裁判決がもたらした意義を、広島、東京、愛知の地裁判決と比較して説明しました。特に「規定ハ削除の違法性」、「規程13条適合性」、「指定の義務付け」問題で学園側の訴えが認められたことの意義が極めて大きかったとした上で、逆にこの度の判決では何ら説得力のある理由もなく、ただ単に国を勝たせるという結論に沿ってこれらの重要な問題をひたすら否定した高裁の重大な問題点について鋭く指摘しました。そして、「落胆している暇はない。即座に上告を表明した学園の意向に従って上告理由書と上告受理申立理由書の作成に取り組む」と最高裁に向けた新たな法廷闘争の始まりを告げました。
続いて、大阪朝鮮学園・玄英昭理事長が声明文を読み上げ、当事者と支援者たちのアピールに続きました。
まず初めに、大阪朝鮮高級学校の3年生が登壇しました。制服のチマチョゴリに身を包んだ生徒は、「ウリハッキョに12年間通い、民族教育で学んできたことと、在日朝鮮人としての存在自体が否定されたような気がして悔しくて悔しくてたまりません」と嗚咽をこらえながら語りました。それでも「たくさんの人に支えられ、闘いを続けてこられた」といい、「必ず訪れる勝利を信じて共に闘い抜きましょう!」と力強く呼びかけました。
次に、大阪朝鮮高級学校オモニ会の洪貞淑会長が役員たちと共に舞台に上がり、保護者の立場から民族教育を守る運動の重要性を語りました。続いて、日本人支援者を代表して「大阪朝鮮高級学校無償化を求める連絡会・大阪」の大村和子さんがアピールをし、東京、愛知、広島、福岡からの応援アピールへと繋げました。その後、韓国からの連帯アピールがありました。「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」からソン・ミフィ共同代表、日本軍「慰安婦」被害者のキム・ポットンさんとキル・ウォノクさん、モンダンヨンピルのキムミョンジュン監督がそれぞれ登壇し、声明文を読み上げ、「災害支援金」を無償化連絡会と朝鮮学園に手渡しました。玄理事長の手を固く握り、集会参加者たちに向け「諦めてはいけない。必ず勝利する日はやってくる!がんばりましょう!ファイティン!!」と力強く訴えたキム・ポットンさんに会場から万雷の拍手が送られました。
「無償化連絡会・大阪」の声明文を共同代表の宇野田尚哉教授が読み上げ、集会の最後に、弁護団の丹羽雅雄弁護団長が閉会の言葉で集会を締めくくりました。丹羽弁護団長は、「本来、植民地支配の責任から日本政府には朝鮮学校を国家として全面的にバックアップする義務があったはずだ。」「ところが、やっと『高校無償化』法ができたのに、真逆の歴史の反動として朝鮮学校の子どもたちだけ排除する、これほど歴史を侮辱した行政、政府の行為はない!断じて許されない!」と激しい口調で断じました。さらに「このような不当判決を加害の責任を負う日本人として絶対に許せない!絶対に勝ち抜く!最後の最後まで勝ち抜く!!」と力強く語りました。
最後に丹羽弁護団長は「最後まで!最高裁をひっくり返す覚悟を持って闘い抜く!」と高らかに宣言しました。
会場を揺るがす大きな拍手が沸き起こりました。すべての参加者が弁護団への感謝と信頼を込めた拍手が長くホールを包みました。
その後、司会を務めた長崎由美子事務局長のリードで参加者全員、力一杯勝利に向けたシュプレヒコールを叫び、歌を歌って集会を終えました。

この日の不当判決によって、全国で唯一、大阪で勝ち取った「正しい司法判断」、「意義ある勝訴判決」は消失しました。
朝鮮学校の子どもたちは笑顔を失い、希望を失いました。また、日本社会は「寛容」と「共生」を、そして司法は「三権分立」の命脈である「独立性」を自ら放棄してしまいました。
ですが、失ったものばかりでは決してありません。
裁判所のいたるところで肩をだきあい怒りと悔しさを共有し、共に涙を流した私たちは、この日さらに強固な信念を得ることができました。次の闘いへと繋がる確かな気持ちと結束を得ることができました。
私たちは民族教育を守り抜くため、また立ち上がらなければなりません。
法廷において最も重要な「公正」とともに正義までもかなぐり捨てて権力におもねった「政権救済判決」を私たちは決して許すことができません。なぜなら、この裁判で問われたのは普遍的な教育権に関わる問題だからです。「すべての意志ある高校生たちの学びをサポートする」と謳って始まった「高校無償化」制度から朝鮮学校のみを除外した国の差別政策を許すことは日本社会の民主主義を否定することにもつながります。
すべての子どもたちが等しく学べる豊かな社会を目指して、また一緒に声をあげ、一歩ずつ歩を進めてゆきましょう!

「無償化」高裁判決

9月27日、ついに「高校無償化」裁判控訴審の判決が言い渡されます。
2010年4月の同法施行から8年が経過し、国を相手に訴訟を起こして5年が過ぎました。
在日本朝鮮人人権協会の試算によると、この間、5,000名以上の朝鮮高級学校生徒たちが「無償化」制度から除外されました。その被害の累積額は17億8200万円にものぼるそうです。(2010〜2017年度、目安世帯年収350〜550万円で概算)
ですが、子どもたちが奪われたものは決してお金にかえることなどできません。自らの存在を社会から否定され、暗澹たる気持ちで高校生活を送った生徒もいるでしょう。学費負担を解決するめどが立たず、朝鮮高級学校で学ぶことを断念した生徒もいるでしょう。それでもウリハッキョの生徒たちは前を向き、民族の言葉と歴史、文化を懸命に学び、学校生活を謳歌しました。クラブ活動に打ち込み、同胞社会と日本社会の中で活躍できる日を夢見て歩み続けてきました。
そんな彼らに、司法はどんな言葉を投げかけるのでしょう。
いかなる判決が下されるのか今はわかりません。
それでもはっきりしていることは、傍聴席の子どもたちから目を背けることは許されないということです。
政府の邪な制度差別に対し、平等に学ぶ権利を求めて真正面から立ち向かったこの闘いを審理した裁判官たちには、司法の正義と良識に従い子どもたちの目をまっすぐに見据えて判決を下す責任があります。
そして私たちは、判決がすべての子どもたちに等しく学ぶ権利を認める公正なものであることを信じて最後まで見届けましょう。

◇入廷行進 → 裁判所別館横(東門)午後1時15分集合。隊列を組んで午後1時30分頃、正門まで行進。
◇傍聴抽選 → 裁判所本館・正面玄関前で午後2時から10分間のみ抽選券を配布。
◇判決言い渡し → 午後3時開廷。
◇報告集会 → クレオ大阪中央。午後6時開場、6時30分開始。

不都合な証人

◼️去る5月10日、福岡地方裁判所小倉支部は、九州朝鮮中高級学校卒業生ら68名が原告となり国を相手に起こしている「高校無償化」裁判において、原告の証人尋問申請を却下しました。
その証人とは、文部科学省前事務次官の前川喜平氏。当時の民主党が政権与党になった2009年、大臣官房審議官として高校無償化の制度設計に携わった責任者です。
申請に対し国側は「事務方個人の意見に過ぎず、必要はない」と反論し、鈴木博裁判長は証人を認めない理由として「必要ない」とだけ語っています。
果たして前川氏の証人尋問が本当に必要ないのでしょうか。
福岡地裁小倉支部はさらに、当時の下村博文元文科相の証人採用申請も「必要性がない」として同様に却下しました。
政治的・外交的理由で朝鮮高級学校を同法不指定とした文科相の判断が、裁量権を逸脱していたかが主な争点であるこの裁判において、また、行政手続法などに照らし制度除外の違法性を問うこの裁判で、これ以上の当事者が他にいるでしょうか?
とりわけ、前川氏は様々なメディアの取材に対し、当時の経緯を克明にたどりながら「(『高校無償化』の)対象に含める前提で、朝鮮学校から申請を受け付け、審査もしていた」と説明しています。また、「支援金が授業料に充てられないと言うなら、その挙証責任は国にある」と述べた上で、「支給すれば授業料に充てたかどうかは直ちに分かることだ」と指摘しています。
文科大臣に就任するやいなや露骨な政治外交的発言で朝鮮学校のみの適用除外を示唆した下村氏の真意も、適用対象であった当初の予定を覆された審査の経緯を担当責任者として間近で見ていた前川氏の意見も、当人たちの口から聞く以外に知りうる手立てはありません。翻すと、この二人が証言台に立てば、最も重要な争点に関する問題が詳らかになるということです。
下村氏と前川氏の証人尋問は「不必要」なのではなく、「不都合」だったのではないでしょうか?
もし証人尋問の申請が叶えば、本人の口から語られていたであろう内容が掲載された過去の新聞記事をご紹介します。


「高校無償化」裁判は全国で五つ闘われています。
法廷闘争はまだ続きます。

愛知裁判敗訴の本質

大阪で「高校無償化」裁判控訴審が結審した4月27日、愛知では同じ「高校無償化」裁判の判決が下されました。結果は既報の通り明らかな「不当判決」でした。
大阪で裁判傍聴の後、愛知の報告会に駆けつけた「無償化連絡会・大阪」共同代表・藤永壯教授が、韓国のNetメディア『プレシアン』(PRESSIANに寄稿されましたので下記にご紹介します。

リベラルを装った愛知・朝鮮学校への不当判決
~民族教育の矜持のために、高校無償化裁判闘争は続く~

2018年4月27日、愛知朝鮮中高級学校の高級部生徒・卒業生が「高校無償化」制度不適用に抗議し、国に対して国家賠償を請求した裁判において、名古屋地方裁判所は原告の請求をすべて棄却する不当判決を言い渡した。南北首脳会談の成功によって、朝鮮半島が、世界が、大きく和解と平和の進路へと歩み出した歴史的な日に宣告された、日本政府の差別政策を正当化する判決内容であった。まさしく、日本という国家の固陋頑迷さを際立たせるタイミングでの判決となった。

あっけなく言い渡された不当判決

日本に存在する高等学校に相当する教育施設の中で、全国に10校ある朝鮮高級学校の生徒だけが「高校無償化」制度から排除されてから、はや5年余りが経過した。この露骨な差別政策に対して、大阪、愛知、広島、九州(福岡)、東京の5つの朝鮮高級学校の生徒あるいは学校法人が国を相手に訴訟を起こし、長く苦しい裁判闘争を繰り広げている。
このうち2017年7月28日に宣告された大阪地裁判決では、原告が全面勝訴する画期的な成果を収めたものの、同年7月19日の広島地裁と9月13日の東京地裁では原告敗訴という正反対の結果となった。4校目の判断となった今回の名古屋地裁判決には、地元愛知だけでなく、日本全国から朝鮮学校関係者や支援者が駆けつけ、韓国から来た支援者も含めて約500名が裁判の傍聴を求めて列をなした。
しかし提訴から5年以上の歳月を費やした判決の言い渡しはあっけなく終わった。裁判官は「原告らの請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする」と主文だけ読み上げると、直ちに立ち去ったのである。閉廷後の法廷内では怒号が飛び交い、傍聴席に入れず地裁前で判決を待っていた人々は、抗議のシュプレヒコールを繰り返した。

名古屋判決の特徴

名古屋地裁の判決要旨を読むと、広島や東京の不当判決とは、また別の問題点を抱えた、ある意味では一層悪質な判決だと感じる。
広島、東京の判決は、朝鮮学校が朝鮮総聯の「不当な支配」を受けている疑いがあり、朝鮮高級学校に「高校無償化」制度を適用すれば、学校に代理交付される就学支援金が流用される疑いがあるので不指定にした、という国の主張を支持するものだった。名古屋の判決内容は、広島、東京よりさらに踏み込んで、「不当な支配」の疑いを認定するものとなっている。その根拠には、国側が大阪裁判での敗訴を受けて新たに証拠として追加した朝鮮高級学校教科書の記述なども含まれている。
名古屋判決の特徴として、まず生徒・保護者が「民族教育が受けられる点を重視して朝鮮高校を進学先に選択していること」を認めながらも、「民族教育の価値を尊重すべきことと、「不当な支配」が疑われることは別個の問題」と断じている点を指摘できる。「民族教育の価値」は認めても、その「民族教育」は「不当な支配」を受けながら実施されていると、朝鮮学校の教育内容はおとしめられている。
もう一点、判決では、朝鮮高級学校への不指定処分が「拉致問題などの政治外交上の理由に基づくもの」という原告の主張を受け入れ、「拉致問題が不指定の理由にならないことは、原告らの主張のとおりである」と、政治的・外交的理由による不指定処分の不当さを認めるような態度を示している。にもかかわらず、朝鮮学校には朝鮮総聯の「不当な支配」が疑われるのだから「いずれにしても文部科学大臣としては不指定処分をせざるを得なかった」と、結局はその違法性を認定しなかった。
すなわち、原告側の主張をほとんど無視した広島・東京判決と比較して、名古屋判決は一見、主張を受け入れるポーズを示しながら、最終的には論点を「不当な支配」に落とし込んで、朝鮮学校側の主張を退けるという筋立てになっているのだ。

リベラルを装った傲慢な判決

しかし「不当な支配」については、判決においてでさえ「合理的疑念が存在した」程度にしか認められていない。「疑いがある」というだけで朝鮮高級学校を不指定処分にしたことが、「教育の機会均等に寄与すること」を目的とする高校無償化法の理念に反するのではないかという本質的な問いに、名古屋判決は答えていない。
そもそも「不当な支配」云々が、後付けの理屈に過ぎないことは、動かしようのない明白な事実である。安倍晋三政権は政治的・外交的理由をもって、朝鮮学校を「高校無償化」制度から排除するため、その根拠となる規定を削除するという横紙破りの手段を使ったのであり、このことの違法性がまず問われなければならない。「不当な支配」論は、国側が規定削除の違法性を十分に認識していたからこそ持ち出してきた虚構の根拠である。
判決は、民族教育について「自己の民族的アイデンティティを確立することが、その人格形成に当たって極めて重要なものであることも十分首肯し得る」として、その価値を認めている。ところが一方で、「無償化」制度不適用は「愛知朝鮮高校において民族教育を行う自由」や「原告らが愛知朝鮮高校にて学ぶ自由」を法的に規制するわけではないという。「無償化」制度からの排除は、植民地主義に根差す差別であるという朝鮮学校側の異議申し立てに対して、名古屋地裁は、国が民族教育を妨害しているわけではないという形式論をたてに、応じようとはしなかったのだ。
つまり名古屋地裁は、民族教育の価値を認める「多様性」への理解や、朝鮮学校の主張を受け入れる「理性」を示し、いかにもリベラルな立場を装いつつも、実のところ朝鮮学校では朝鮮総聯による「洗脳教育」が行われているという固定観念のもとに、「無償化」制度からの排除を是認したのである。昨今「慰安婦」問題などをめぐって、日本のリベラル論壇では、韓国の民族主義をやり玉に挙げる一方で、植民地主義批判の甘さが目につくが、これに通じるような傲慢な思考回路がこの判決からも感じられる。

決意を新たにした報告集会

判決日の夕方に開かれた報告集会では、まず弁護団から判決の内容とその問題点について解説があり、続いて朝鮮学園、原告、支援団体などから抗議声明が読み上げられた。また東京、大阪、広島、福岡、京都、静岡など日本の各地域の代表や、韓国の「〈ウリハッキョ〉と子どもたちを守る市民の会」の孫美姫代表が連帯のアピールを述べた。そして集会に参加していた愛知朝鮮中高級学校の生徒たちがステージに上がり、代表の生徒が最後まで闘い続ける決意を表明したうえで、みなが「金曜行動」の歌「声よ集まれ、歌となれ」を歌った。毎週金曜日、東京の文部科学省前では朝鮮大学校の学生を中心に抗議行動が続けられており、韓国でも日本大使館前で連帯の行動が実施されている。
今回の敗訴が、「高校無償化」制度適用に向けての展望をより厳しくしたことは間違いない。しかし一方で、理路整然に見える名古屋判決の内容の空虚さには、粘り強く続く民族教育の矜持を守る営み、ひいては在日朝鮮人による植民地主義克服のための営みの本質に思いを及ぼすことのできない「哀れさ」を感じる。東アジアの平和構築が現実味を帯びるなか、長期的に見ていずれが勝利するのか。板門店での南北首脳会談の成果に感じ入りながら、歴史の審判が正当に下されることを信じたいと思う。
なお同じ日に第1審で勝訴した大阪では「無償化」裁判控訴審の第3回弁論が開かれ、大阪朝鮮学園理事長の代表意見陳述を最後に結審した。大阪高裁での判決言い渡しは、9月27日15時からと決まった。

結審


◼️4月27日。3回目となる「高校無償化」裁判控訴審口頭弁論が大阪高裁で開かれました。数日前、民族教育を守り抜いた先達の思いを引き継いで行われた「4.24阪神教育闘争70周年記念・火曜日行動」の熱気そのままに、この日も135名もの人が傍聴に駆けつけました。参加者たちの多くが午前中に行われた歴史的な南北首脳会談を感激と大きな賞賛で見守り裁判所に集いました。そして今回も大阪朝鮮高級学校の3年生代表20名が傍聴に訪れました。
抽選券が配布され結果を待つ間、同じ日の午後2時から名古屋地方裁判所で行われる「愛知高校無償化」裁判判決言い渡しを傍聴しに行った無償化連絡会・大阪の長崎由美子事務局長から判決の連絡が届きました。結果は広島、東京に次ぐ不当判決。知らされた大阪の参加者たちから落胆と怒りのため息がもれました。
抽選後、記者席9席を除く当選者82名が所持品検査を経て裁判所へと入りました。
◼️午後3時、裁判が開始されました。
冒頭、裁判長が双方から提出された主張書面と証拠を確認しました。
続いて、被控訴人側の代理人、および代表意見陳述が行われました。
まず、弁護団から金英哲弁護士が、今回提出した準備書面の要旨陳述を行いました。
金弁護士が行なった陳述の要旨は、本件規定13条に「適合すると認めるに至らない」とした文部科学大臣の判断と不指定処分が違法であることを改めて整理したものでした。
金弁護士は本件規定13条適合性に関する文科大臣の裁量権について述べました。「行政裁量」そのもの自体が法律に基づかなければならない「法律上の根拠がなければ」認められないものだという大前提をまず明らかにした後、金弁護士は「高校無償化法」の規定が「高等学校」や「専修学校」及び「各種学校」を全て支給の対象に含んでおり、文科大臣に支給対象校を選別する裁量がないと指摘しました。
すなわち、法律を実行する立場にある大臣が、その法律の規定により許される範疇を逸脱して自ら裁量を生み出すことはできないと断じました。
また、国側が前回期日で自らの主張を無理やり通すため唐突に持ち出した「教育基本法16条1項」による「不当な支配」について述べました。
金弁護士は、そもそも「教育基本法」が国家による強い支配のもとで教育が形式的、画一的に流れ、時に軍国主義的、国家主義的傾向を帯びてしまった戦前に対する反省に基づき制定された事実を紹介し、同法16条1項が教育に対する行政権力による介入を警戒し抑制するために定められたと指摘しました。言わば、この裁判で度々持ち出された「不当な支配」云々は、国と文部科学大臣にこそ向けられるべき問題であることを再び明確に示しました。そして仮に百歩譲って極めて限定的に裁量権があったとしても文科大臣の不指定処分が事実誤認であり、信義則、平等原則に違反し、判断過程の過誤、手続違背だとして裁量権の逸脱であると確言しました。
金弁護士は最後に、速やかに控訴が棄却され、大阪朝鮮高級学校生徒に就学支援金が支給されることによってのみ、この法の趣旨である「教育の機会均等」が実現されると述べました。
◼️続いて玄英昭理事長が被控訴人を代表して意見陳述を行いました。玄理事長は、4年6ヶ月、16回の口頭弁論に及ぶ法廷闘争を経て歴史的な勝訴判決を得た経緯を辿りながら、改めて「高校無償化」制度から朝鮮高級学校のみが除外された差別的な現実が、いかに子どもたちの心に癒えることのない深い傷を残したかを語りました。そして昨年7月28日、歴史的な勝訴判決を受けて開かれた報告集会で登壇した生徒の発言を引用しました。「この数年間私は、大阪から出て行け、嫌なら日本学校に行けばいい、日本人として生きればいいと言われている気持ちでした。私たちはただ、ウリハッキョで自分の国の言葉や歴史を学んで朝鮮人として堂々と生きていきたいだけなのになぜ除外しようとするのか、なぜ認めてくれないのかと、やるせない気持ちでした。
正直、今日の裁判は不安でいっぱいでした。今私が着ているこのチョゴリは、通学の時は着れません。第二制服を着て通学します。街にあふれるヘイトスピーチや無償化裁判、補助金裁判と、堂々と生きることがこんなにも難しいのかと、また、純度100%じゃなければ、のけものにされるような最近のニュースを見て、余計に不安は大きくなるばかりでした。
判決を聞いて私たちは、手をつなぎあい、抱きあい、泣きました。やっと、やっと私たちの存在が認められたんだ。この社会にいていいんだよと言われたような思いでした。」
玄理事長は、民族のアイデンティティーを育む自分たちの存在が認められた生徒たちの喜びを紹介した後、「裁判官の皆様!この生徒のコメントを聞いてどのように思いますか?私は、これが日本社会の『今』を表していると思います。」と裁判官らをまっすぐ見据えて言いました。そして、朝鮮高級学校の生徒らは今も自分の夢を叶えるためひたむきに勉学に励んでいるとしながら、このまま裁判が長引けば、また就学支援金を受けられず辛く悔しい思いを抱えたまま卒業する生徒が増えてしまうと語り、迅速に公正で平等な判断をしてくれるよう強く訴えました。
生徒の発言をたどる場面で度々嗚咽をこらえる理事長の陳述が静まり返った法廷に静かに響きました。
◼️その後、裁判長が双方に向けて二度、更に付け加えることはないか問いましたが、学園側はもちろん国側からも追加する主張はありませんでした。裁判長が弁論の終結を宣言し、判決の言い渡しを9月27日、午後3時からと宣言して閉廷しました。
◼️裁判終了後、場所を弁護士会館に移し報告会を行いました。会には、傍聴した人々や生徒に加え、朝高生徒たちに当たりの傍聴券を譲ってくださった方々も裁判終了を待って参加してくれました。無償化連絡会・大阪の大村和子さんが司会をしました。
まず、丹羽雅雄弁護団長が発言しました。丹羽弁護士はこれまでの裁判経緯を含め今回の弁論期日を総括しました。その中で丹羽弁護士は玄理事長が行った代表意見陳述に触れ、その内容が裁判官に響いたはずだと言いました。そして、またしても不当判決が言い渡された名古屋での裁判について、名古屋朝鮮学園側が即日控訴を表明した今、判決結果を悲観し一喜一憂すべきでない、闘いはこれからも続くと力強く述べました。大阪もしかり。高裁でも訴えが届かなかった「大阪府・市補助金裁判」でも、原啓一郎弁護士をはじめとする弁護士たちが最高裁に向け現在も全力で臨んでいる。こんな時こそただ待つだけではなく、積極的な運動展開をもって世論を喚起すべきだと力強く呼びかけました。
◼️次に、要旨陳述を行なった金英哲弁護士が、法廷での発言内容を解説しました。金弁護士は、これまで積み重ねてきた我々の主張に国側は何ら効力ある反論ができなかったとし、最後にこちらの主張をまとめられた意義は大きかったと手応えをにじませました。続いて弁護団のメンバーたちが順に発言し、最後に代表陳述を行なった玄英昭理事長が発言しました。玄理事長は9月の判決言い渡しを何もせず待つばかりではなく、どんどん運動を盛り上げて行きたいと決意を表明しました。
◼️続いて大阪朝鮮高級学校の生徒代表がスピーチをしました。参加者たちの前に立った代表の女子生徒は、自分たちの見えないところで、朝鮮学校のため、自分たちのために闘ってくださる多くの方々がいらっしゃるからこそ笑ってウリハッキョに通うことができる。「4.24阪神教育闘争」があった70年前から今も続く民族教育への弾圧や差別と闘って来られた同胞たち、日本の方たちの存在を私たちが知らなければならない。これからも民族教育の歴史を深く知り、朝鮮人として堂々と学び生きてゆくと凛とした表情で誓いました。説明会の最後に「大阪オモニ連絡会」の代表たちが去る4月17日に主催したセミナーの際、物品販売で得た収益金を「高校無償化連絡会・大阪」藤永壯共同代表に手渡しました。オモニ連絡会を代表して発言した大阪朝鮮高級学校オモニ会の高己蓮副会長は、70年前と民族教育の置かれた厳しい状況は変わらないが、民族教育を守り抜いた先達の思いはしっかりと受け継いでいる。子どもたちのために私たちの代で決着をつけようと力強く呼びかけました。
参加者たちの大きな拍手と賛同で報告会を締めくくりました。

傍聴抽選場所が決まりました

4月27日(金)、「高校無償化」裁判控訴審第3回期日の傍聴抽選についてお知らせいたします。

・抽選券の配布場所:裁判所本館正面玄関前
・抽選券配布時間:午後2時から10分間のみ(午後2時10分に締め切られます。ご注意ください。)
・裁判の開始時刻:午後3時開

※入館時、金属探知機で「所持品検査」が行われます。
※裁判終了後、大阪弁護士会館10階で報告会を行います。抽選にもれた方々もお帰りにならず是非ご参加ください。

速やかに「結審」を!

「高校無償化」裁判控訴審第3回弁論期日

名古屋での「高校無償化」裁判で判決が下される4月27日(金)、高裁へと闘いの舞台を移した大阪「高校無償化」裁判控訴審が3回目の期日を迎えます。
審議は尽くされ、国の差別政策を補完する新たな主張はもはや一つもないことが明らかとなった前回期日でも、丹羽雅雄弁護団長は「いたずらに真理を引き伸ばさず速やかに結審」することを強く望みました。
それは、朝鮮高級学校に学ぶ生徒たちを1日でも早く制度の対象とし、日本の高校生たちと肩を並べさせてあげたいという切なる心情です。
法廷は一刻も早く至極真っ当で正義ある判決を下し、国は社会のあらゆるヘイトを助長した自らの差別を認め、不当な主張を取り下げるとともに一刻も早く朝高生たちを「高校無償化」制度の対象と認めるべきです。
私たちは、審理の終結とともに、すべての子どもたちに等しく学ぶ権利が認められる公正な判決が下されることを強く強く求めます。

🔸「高校無償化」裁判控訴審第3回弁論期日
🔸4月27日(金)午後3時開廷
(傍聴抽選は午後2時から10分間のみ)
🔸大阪高等裁判所202号法廷
※閉廷後、大阪弁護士会館10階で報告会を行います。

 

そして…

愛知では地裁判決が同じ日に下されます。強い気持ちで見守りましょう!!

またも不当判決

「主文。本件控訴をいずれも棄却する。」裁判長がたった一言、吐き捨てるように言いました。逃げ去るように退廷する裁判官らの背中に怒号が浴びせられました。「ふざけるな!」「忖度の判決だ!」判決の内容はおろか、請求の趣旨さえも話しませんでした。一体何を棄却するというのでしょうか。まるで、朝鮮学校の存在自体が退けられた様でした。

2018年3月20日。風雨に見舞われた裁判所に250名以上の学園関係者と朝高生26名、中級部や初級部の児童までも傍聴抽選に並びました。同胞や保護者、日本人支援者たちも大勢集まり、抽選券は243枚配布されました。金属探知機による物々しい所持品検査を受けた当選者78名が裁判所に入りました。

法廷の最前列を各メディアの記者たちが陣取っています。開廷後に2分間ニュース用映像の撮影が行われました。そして、裁判が始まると裁判長が冒頭の判決を言い渡したのです。時間にして数秒。瞬く間の出来事でした。5年以上の歳月を費やし、あらん限りの力を尽くして訴え続けた主張がいとも簡単に否定されました。
裁判所本館の正面玄関前には、抽選にもれた同胞、保護者、支援者たちが残り、裁判の結果を待っていました。駆けつけた任真赫、金京美弁護士たちが両手に広げた「不当判決!」、「行政の差別に司法が加担!」の手旗に、悲鳴にも似た嘆息、呻吟が広がりました。悔し涙を流しながら裁判所を睨みつける朝高生徒たち。肩を抱き合う日本人支援者らと同胞たち。これまでの闘いを互いに労いながらも、公正な判断を下さなかった司法を指弾する姿があちらこちらに見られました。

後に出された判決文には13の控訴趣旨と事案の概要が書かれてあり、それに続いて本件で争われた憲法や国際人権法、教育基本法などに関する控訴人・被控訴人双方の主張、そして最後に裁判所の判断が記されていました。
その内容は、補助金支給が「贈与」であり受給権はない、支給の判断は行政の裁量範囲であるとした地裁判決をそのまま維持したものであり、より具体的に学園側の主張を退ける最悪なものでした。

閉廷後、記者会見が行われました。
丹羽雅雄弁護団長、「無償化連絡会・大阪」長崎由美子事務局長、玄英昭大阪朝鮮学園理事長、そして東大阪中級学校の保護者が臨みました。
玄理事長は、声明文を読み上げ、「我々は民族教育の正当性を訴え続け、補助金を教育に対する政治干渉、圧力として利用し、児童生徒の人権、学習権を踏みにじる大阪府、大阪市の不当性を裁判所に、また社会に訴えてきました。今回の不当判決に対して激しい怒りをもって、強く抗議します。ただちに上告し、最高裁で最後まで、そして、勝利する日まで闘い続けます。朝鮮学校で学ぶ子どもたちの笑顔、明るい未来のために闘い抜きます。」と宣言しました。

夜、東成区民センター大ホールにて「判決報告集会」が行われました。500名を超す参加者たちは皆、子どもたちの学ぶ権利を無視した不当判決に対する憤りと、最後まで闘い抜く決意に満ち溢れていました。
集会の冒頭、司会の長崎由美子事務局長が挨拶の中で、去る3月12日にお亡くなりになった「城北ハッキョを支える会」大村淳(すなお)代表に哀悼の意を表し、長きにわたる朝鮮学校支援の活動と尊い功績を紹介しました。
大村さんがライフワークとして地道に続けてこられた「火曜日行動」で歌われている「勝利のその日まで」の歌唱指導を受け、集会が始まりました。
最初に、弁護団から原啓一郎弁護士が、今回の判決について解説しました。原弁護士は、地裁判決を踏襲し、大阪府と市の主張を相変わらず追認した高裁の判断を「ひどい判決」だと一言で厳しく批判しながら、その不当性を詳しく説明しました。そしてその後、弁護団メンバーも登壇し、一言ずつ感想を述べました。
続いて玄英昭理事長が大阪朝鮮学園の声明文を読み上げ、アピールへと続きました。最初に登壇したのは、大阪府内10校の朝鮮学校オモニ会代表たちです。オモニたちは各学校の素晴らしさ、民族教育の素晴らしさをアピールしながら、子どもたちのために最後まで諦めず闘い抜くと決意表明しました。続いて、大阪朝高在校生代表として2年生の男子生徒がアピールしました。生徒は、この度の判決が単に「お金」の問題ではなく民族教育の権利を侵害する暴挙だとしながら、アイデンティティーを継承する自分たちの存在が否定されたと悔しさを語りました。それでも差別に屈せず勉学に励み立派な朝鮮人として生きてゆく決意を表明しました。次いで卒業生が登壇しました。大阪朝高を卒業後、日本の大学に通いながら「留学同」活動に勤しむ自身も、母校である朝鮮学校の民族教育権を守るために闘い続けると固い決意を表しました。その後、東大阪朝鮮中級学校で教鞭を執る教員がアピールを行い、韓国から駆けつけ「火曜日行動」の後、傍聴にも参加した「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」孫美姫(ソン・ミフィ)代表が連帯の挨拶をしました。孫代表は、5年以上に及ぶ法廷闘争を続けてきた関係者と弁護団、すべての支援者たちに敬意を表するとともに、日本政府主導の差別政策の中、地方自治や司法すらも公正を見失ってしまった日本社会の現状を強く批判しました。そして、子どもたちの学ぶ権利を勝ち取るまで共に闘い続けると力強いエールを送ってくださいました。アピールの最後に「無償化連絡会・大阪」の藤永壯共同代表が登壇しました。藤永共同代表は、今年70周年を迎える「4.24阪神教育闘争」について語り、歴史を直視せず民族教育を抹殺しようとする忌まわしい差別が繰り返されていると指摘しました。そして、亡くなられた大村淳さんの遺志を継ぎ、朝鮮学校の民族教育権を守る闘いを、日本人の問題として捉え最後まで闘い抜くと宣言されました。
アピールの後、宇野田尚哉共同代表が「無償化連絡会・大阪」の声明文を読み上げました。
集会の最後に弁護団の丹羽雅雄団長が閉会の辞を述べられました。
丹羽弁護士は、今回の不当判決に屈することなく最高裁に向けて全力を注ぐ決意を披瀝しながら、マイノリティーの権利問題を個別に訴えるのではなく、一つの大きなうねりを形成し社会全般に広くアピールしてゆくことが大事だと語りました。そのためにも、まずは朝鮮学校の民族教育権に関する問題をより広範な同胞、市民たちに訴え、力を結集して行こうと力強く呼びかけました。
集会は、参加者全員の合唱と最終勝利に向けた大きなシュプレヒコールで幕を下ろしました。
学校法人 大阪朝鮮学園は直ちに上告し、最高裁で最後まで闘い抜くと表明しました。

週明けに判決下る

来週火曜日、補助金裁判控訴審の判決が下されます

当サイトでも、度々お知らせしましたが、ついに来週火曜日(3/20)、大阪府と大阪市の補助金支給再開を求める裁判の控訴審判決言い渡しを迎えます。
全国的に「高校無償化」裁判が大事な局面を迎えつつある今、行政による民族教育差別の構造や主張の不当性において軌を一にするこの裁判が、朝鮮学校の民族教育権を守る闘いにとって大事なのは言うまでもありません。
内外の関心も高く、当日は韓国から支援団体代表も参加し、開廷に先立ってメディアを迎えての入廷行進も行われます。
「子どもたちの学ぶ権利」を求め、闘い続ける力を今こそひとつに結集し、私たちの訴え、願いの正当性を法廷に見せつけましょう !!

皆さん! 3月20日(火)午後1時15分、裁判所で会いましょう!!


「無償化連絡会・大阪」の藤永壯共同代表が、上記補助金裁判控訴審判決を前に、韓国のインターネット新聞『プレシアン』に寄稿しました。
裁判の経緯や主旨、内容を深く理解して判決言い渡しに臨むためにも、是非お読みください。

「ヘイトクライムを誘発する日本国家の排外主義的主張:大阪朝鮮学園の補助金
裁判控訴審、そして「高校無償化」裁判」

高裁判決

2012年9月20日に始まった「大阪府・大阪市補助金裁判」。
昨年1月26日に下された屈辱の大阪地裁判決から早1年が過ぎました。
行政による「教育助成」は「贈与」でしょうか?
「出す」「出さない」の判断を首長ひとりが下していいのでしょうか?
朝鮮学校に学ぶ子どもたちや保護者たちだけの学習環境が悪化し、経済的負担が増大するのは、やむを得ないことなのでしょうか?
裁判闘争の舞台は高裁へと移り、いよいよ判決が下されます。
繰り返し訴え続けた子どもたちの「等しく学ぶ権利」と共に、私たちは今一度、胸に刻まなければなりません。
この法廷で裁かれるのは「子どもたちの振る舞い」ではなく「社会の在り方」だということを。


「大阪府・大阪市補助金」裁判控訴審判決言い渡し

*集  合→午後1時15分:別館横の東門
*入廷行進→午後1時30分〜 :裁判所東南角から正門を入って本館玄関前まで
*傍聴抽選→午後2時〜2時10分  ※傍聴券の配布は10分間のみで締め切り
(時間厳守でお集まりください。)
*入  館→金属探知機で所持品検査が行われます。
*裁  判→午後3時開廷
*報告集会→午後6時開場、6時30分開始:東成区民センター大ホール

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