無償化連絡会・大阪

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カテゴリー: 裁判 (Page 1 of 3)

不都合な証人

◼️去る5月10日、福岡地方裁判所小倉支部は、九州朝鮮中高級学校卒業生ら68名が原告となり国を相手に起こしている「高校無償化」裁判において、原告の証人尋問申請を却下しました。
その証人とは、文部科学省前事務次官の前川喜平氏。当時の民主党が政権与党になった2009年、大臣官房審議官として高校無償化の制度設計に携わった責任者です。
申請に対し国側は「事務方個人の意見に過ぎず、必要はない」と反論し、鈴木博裁判長は証人を認めない理由として「必要ない」とだけ語っています。
果たして前川氏の証人尋問が本当に必要ないのでしょうか。
福岡地裁小倉支部はさらに、当時の下村博文元文科相の証人採用申請も「必要性がない」として同様に却下しました。
政治的・外交的理由で朝鮮高級学校を同法不指定とした文科相の判断が、裁量権を逸脱していたかが主な争点であるこの裁判において、また、行政手続法などに照らし制度除外の違法性を問うこの裁判で、これ以上の当事者が他にいるでしょうか?
とりわけ、前川氏は様々なメディアの取材に対し、当時の経緯を克明にたどりながら「(『高校無償化』の)対象に含める前提で、朝鮮学校から申請を受け付け、審査もしていた」と説明しています。また、「支援金が授業料に充てられないと言うなら、その挙証責任は国にある」と述べた上で、「支給すれば授業料に充てたかどうかは直ちに分かることだ」と指摘しています。
文科大臣に就任するやいなや露骨な政治外交的発言で朝鮮学校のみの適用除外を示唆した下村氏の真意も、適用対象であった当初の予定を覆された審査の経緯を担当責任者として間近で見ていた前川氏の意見も、当人たちの口から聞く以外に知りうる手立てはありません。翻すと、この二人が証言台に立てば、最も重要な争点に関する問題が詳らかになるということです。
下村氏と前川氏の証人尋問は「不必要」なのではなく、「不都合」だったのではないでしょうか?
もし証人尋問の申請が叶えば、本人の口から語られていたであろう内容が掲載された過去の新聞記事をご紹介します。


「高校無償化」裁判は全国で五つ闘われています。
法廷闘争はまだ続きます。

愛知裁判敗訴の本質

大阪で「高校無償化」裁判控訴審が結審した4月27日、愛知では同じ「高校無償化」裁判の判決が下されました。結果は既報の通り明らかな「不当判決」でした。
大阪で裁判傍聴の後、愛知の報告会に駆けつけた「無償化連絡会・大阪」共同代表・藤永壯教授が、韓国のNetメディア『プレシアン』(PRESSIANに寄稿されましたので下記にご紹介します。

リベラルを装った愛知・朝鮮学校への不当判決
~民族教育の矜持のために、高校無償化裁判闘争は続く~

2018年4月27日、愛知朝鮮中高級学校の高級部生徒・卒業生が「高校無償化」制度不適用に抗議し、国に対して国家賠償を請求した裁判において、名古屋地方裁判所は原告の請求をすべて棄却する不当判決を言い渡した。南北首脳会談の成功によって、朝鮮半島が、世界が、大きく和解と平和の進路へと歩み出した歴史的な日に宣告された、日本政府の差別政策を正当化する判決内容であった。まさしく、日本という国家の固陋頑迷さを際立たせるタイミングでの判決となった。

あっけなく言い渡された不当判決

日本に存在する高等学校に相当する教育施設の中で、全国に10校ある朝鮮高級学校の生徒だけが「高校無償化」制度から排除されてから、はや5年余りが経過した。この露骨な差別政策に対して、大阪、愛知、広島、九州(福岡)、東京の5つの朝鮮高級学校の生徒あるいは学校法人が国を相手に訴訟を起こし、長く苦しい裁判闘争を繰り広げている。
このうち2017年7月28日に宣告された大阪地裁判決では、原告が全面勝訴する画期的な成果を収めたものの、同年7月19日の広島地裁と9月13日の東京地裁では原告敗訴という正反対の結果となった。4校目の判断となった今回の名古屋地裁判決には、地元愛知だけでなく、日本全国から朝鮮学校関係者や支援者が駆けつけ、韓国から来た支援者も含めて約500名が裁判の傍聴を求めて列をなした。
しかし提訴から5年以上の歳月を費やした判決の言い渡しはあっけなく終わった。裁判官は「原告らの請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする」と主文だけ読み上げると、直ちに立ち去ったのである。閉廷後の法廷内では怒号が飛び交い、傍聴席に入れず地裁前で判決を待っていた人々は、抗議のシュプレヒコールを繰り返した。

名古屋判決の特徴

名古屋地裁の判決要旨を読むと、広島や東京の不当判決とは、また別の問題点を抱えた、ある意味では一層悪質な判決だと感じる。
広島、東京の判決は、朝鮮学校が朝鮮総聯の「不当な支配」を受けている疑いがあり、朝鮮高級学校に「高校無償化」制度を適用すれば、学校に代理交付される就学支援金が流用される疑いがあるので不指定にした、という国の主張を支持するものだった。名古屋の判決内容は、広島、東京よりさらに踏み込んで、「不当な支配」の疑いを認定するものとなっている。その根拠には、国側が大阪裁判での敗訴を受けて新たに証拠として追加した朝鮮高級学校教科書の記述なども含まれている。
名古屋判決の特徴として、まず生徒・保護者が「民族教育が受けられる点を重視して朝鮮高校を進学先に選択していること」を認めながらも、「民族教育の価値を尊重すべきことと、「不当な支配」が疑われることは別個の問題」と断じている点を指摘できる。「民族教育の価値」は認めても、その「民族教育」は「不当な支配」を受けながら実施されていると、朝鮮学校の教育内容はおとしめられている。
もう一点、判決では、朝鮮高級学校への不指定処分が「拉致問題などの政治外交上の理由に基づくもの」という原告の主張を受け入れ、「拉致問題が不指定の理由にならないことは、原告らの主張のとおりである」と、政治的・外交的理由による不指定処分の不当さを認めるような態度を示している。にもかかわらず、朝鮮学校には朝鮮総聯の「不当な支配」が疑われるのだから「いずれにしても文部科学大臣としては不指定処分をせざるを得なかった」と、結局はその違法性を認定しなかった。
すなわち、原告側の主張をほとんど無視した広島・東京判決と比較して、名古屋判決は一見、主張を受け入れるポーズを示しながら、最終的には論点を「不当な支配」に落とし込んで、朝鮮学校側の主張を退けるという筋立てになっているのだ。

リベラルを装った傲慢な判決

しかし「不当な支配」については、判決においてでさえ「合理的疑念が存在した」程度にしか認められていない。「疑いがある」というだけで朝鮮高級学校を不指定処分にしたことが、「教育の機会均等に寄与すること」を目的とする高校無償化法の理念に反するのではないかという本質的な問いに、名古屋判決は答えていない。
そもそも「不当な支配」云々が、後付けの理屈に過ぎないことは、動かしようのない明白な事実である。安倍晋三政権は政治的・外交的理由をもって、朝鮮学校を「高校無償化」制度から排除するため、その根拠となる規定を削除するという横紙破りの手段を使ったのであり、このことの違法性がまず問われなければならない。「不当な支配」論は、国側が規定削除の違法性を十分に認識していたからこそ持ち出してきた虚構の根拠である。
判決は、民族教育について「自己の民族的アイデンティティを確立することが、その人格形成に当たって極めて重要なものであることも十分首肯し得る」として、その価値を認めている。ところが一方で、「無償化」制度不適用は「愛知朝鮮高校において民族教育を行う自由」や「原告らが愛知朝鮮高校にて学ぶ自由」を法的に規制するわけではないという。「無償化」制度からの排除は、植民地主義に根差す差別であるという朝鮮学校側の異議申し立てに対して、名古屋地裁は、国が民族教育を妨害しているわけではないという形式論をたてに、応じようとはしなかったのだ。
つまり名古屋地裁は、民族教育の価値を認める「多様性」への理解や、朝鮮学校の主張を受け入れる「理性」を示し、いかにもリベラルな立場を装いつつも、実のところ朝鮮学校では朝鮮総聯による「洗脳教育」が行われているという固定観念のもとに、「無償化」制度からの排除を是認したのである。昨今「慰安婦」問題などをめぐって、日本のリベラル論壇では、韓国の民族主義をやり玉に挙げる一方で、植民地主義批判の甘さが目につくが、これに通じるような傲慢な思考回路がこの判決からも感じられる。

決意を新たにした報告集会

判決日の夕方に開かれた報告集会では、まず弁護団から判決の内容とその問題点について解説があり、続いて朝鮮学園、原告、支援団体などから抗議声明が読み上げられた。また東京、大阪、広島、福岡、京都、静岡など日本の各地域の代表や、韓国の「〈ウリハッキョ〉と子どもたちを守る市民の会」の孫美姫代表が連帯のアピールを述べた。そして集会に参加していた愛知朝鮮中高級学校の生徒たちがステージに上がり、代表の生徒が最後まで闘い続ける決意を表明したうえで、みなが「金曜行動」の歌「声よ集まれ、歌となれ」を歌った。毎週金曜日、東京の文部科学省前では朝鮮大学校の学生を中心に抗議行動が続けられており、韓国でも日本大使館前で連帯の行動が実施されている。
今回の敗訴が、「高校無償化」制度適用に向けての展望をより厳しくしたことは間違いない。しかし一方で、理路整然に見える名古屋判決の内容の空虚さには、粘り強く続く民族教育の矜持を守る営み、ひいては在日朝鮮人による植民地主義克服のための営みの本質に思いを及ぼすことのできない「哀れさ」を感じる。東アジアの平和構築が現実味を帯びるなか、長期的に見ていずれが勝利するのか。板門店での南北首脳会談の成果に感じ入りながら、歴史の審判が正当に下されることを信じたいと思う。
なお同じ日に第1審で勝訴した大阪では「無償化」裁判控訴審の第3回弁論が開かれ、大阪朝鮮学園理事長の代表意見陳述を最後に結審した。大阪高裁での判決言い渡しは、9月27日15時からと決まった。

結審


◼️4月27日。3回目となる「高校無償化」裁判控訴審口頭弁論が大阪高裁で開かれました。数日前、民族教育を守り抜いた先達の思いを引き継いで行われた「4.24阪神教育闘争70周年記念・火曜日行動」の熱気そのままに、この日も135名もの人が傍聴に駆けつけました。参加者たちの多くが午前中に行われた歴史的な南北首脳会談を感激と大きな賞賛で見守り裁判所に集いました。そして今回も大阪朝鮮高級学校の3年生代表20名が傍聴に訪れました。
抽選券が配布され結果を待つ間、同じ日の午後2時から名古屋地方裁判所で行われる「愛知高校無償化」裁判判決言い渡しを傍聴しに行った無償化連絡会・大阪の長崎由美子事務局長から判決の連絡が届きました。結果は広島、東京に次ぐ不当判決。知らされた大阪の参加者たちから落胆と怒りのため息がもれました。
抽選後、記者席9席を除く当選者82名が所持品検査を経て裁判所へと入りました。
◼️午後3時、裁判が開始されました。
冒頭、裁判長が双方から提出された主張書面と証拠を確認しました。
続いて、被控訴人側の代理人、および代表意見陳述が行われました。
まず、弁護団から金英哲弁護士が、今回提出した準備書面の要旨陳述を行いました。
金弁護士が行なった陳述の要旨は、本件規定13条に「適合すると認めるに至らない」とした文部科学大臣の判断と不指定処分が違法であることを改めて整理したものでした。
金弁護士は本件規定13条適合性に関する文科大臣の裁量権について述べました。「行政裁量」そのもの自体が法律に基づかなければならない「法律上の根拠がなければ」認められないものだという大前提をまず明らかにした後、金弁護士は「高校無償化法」の規定が「高等学校」や「専修学校」及び「各種学校」を全て支給の対象に含んでおり、文科大臣に支給対象校を選別する裁量がないと指摘しました。
すなわち、法律を実行する立場にある大臣が、その法律の規定により許される範疇を逸脱して自ら裁量を生み出すことはできないと断じました。
また、国側が前回期日で自らの主張を無理やり通すため唐突に持ち出した「教育基本法16条1項」による「不当な支配」について述べました。
金弁護士は、そもそも「教育基本法」が国家による強い支配のもとで教育が形式的、画一的に流れ、時に軍国主義的、国家主義的傾向を帯びてしまった戦前に対する反省に基づき制定された事実を紹介し、同法16条1項が教育に対する行政権力による介入を警戒し抑制するために定められたと指摘しました。言わば、この裁判で度々持ち出された「不当な支配」云々は、国と文部科学大臣にこそ向けられるべき問題であることを再び明確に示しました。そして仮に百歩譲って極めて限定的に裁量権があったとしても文科大臣の不指定処分が事実誤認であり、信義則、平等原則に違反し、判断過程の過誤、手続違背だとして裁量権の逸脱であると確言しました。
金弁護士は最後に、速やかに控訴が棄却され、大阪朝鮮高級学校生徒に就学支援金が支給されることによってのみ、この法の趣旨である「教育の機会均等」が実現されると述べました。
◼️続いて玄英昭理事長が被控訴人を代表して意見陳述を行いました。玄理事長は、4年6ヶ月、16回の口頭弁論に及ぶ法廷闘争を経て歴史的な勝訴判決を得た経緯を辿りながら、改めて「高校無償化」制度から朝鮮高級学校のみが除外された差別的な現実が、いかに子どもたちの心に癒えることのない深い傷を残したかを語りました。そして昨年7月28日、歴史的な勝訴判決を受けて開かれた報告集会で登壇した生徒の発言を引用しました。「この数年間私は、大阪から出て行け、嫌なら日本学校に行けばいい、日本人として生きればいいと言われている気持ちでした。私たちはただ、ウリハッキョで自分の国の言葉や歴史を学んで朝鮮人として堂々と生きていきたいだけなのになぜ除外しようとするのか、なぜ認めてくれないのかと、やるせない気持ちでした。
正直、今日の裁判は不安でいっぱいでした。今私が着ているこのチョゴリは、通学の時は着れません。第二制服を着て通学します。街にあふれるヘイトスピーチや無償化裁判、補助金裁判と、堂々と生きることがこんなにも難しいのかと、また、純度100%じゃなければ、のけものにされるような最近のニュースを見て、余計に不安は大きくなるばかりでした。
判決を聞いて私たちは、手をつなぎあい、抱きあい、泣きました。やっと、やっと私たちの存在が認められたんだ。この社会にいていいんだよと言われたような思いでした。」
玄理事長は、民族のアイデンティティーを育む自分たちの存在が認められた生徒たちの喜びを紹介した後、「裁判官の皆様!この生徒のコメントを聞いてどのように思いますか?私は、これが日本社会の『今』を表していると思います。」と裁判官らをまっすぐ見据えて言いました。そして、朝鮮高級学校の生徒らは今も自分の夢を叶えるためひたむきに勉学に励んでいるとしながら、このまま裁判が長引けば、また就学支援金を受けられず辛く悔しい思いを抱えたまま卒業する生徒が増えてしまうと語り、迅速に公正で平等な判断をしてくれるよう強く訴えました。
生徒の発言をたどる場面で度々嗚咽をこらえる理事長の陳述が静まり返った法廷に静かに響きました。
◼️その後、裁判長が双方に向けて二度、更に付け加えることはないか問いましたが、学園側はもちろん国側からも追加する主張はありませんでした。裁判長が弁論の終結を宣言し、判決の言い渡しを9月27日、午後3時からと宣言して閉廷しました。
◼️裁判終了後、場所を弁護士会館に移し報告会を行いました。会には、傍聴した人々や生徒に加え、朝高生徒たちに当たりの傍聴券を譲ってくださった方々も裁判終了を待って参加してくれました。無償化連絡会・大阪の大村和子さんが司会をしました。
まず、丹羽雅雄弁護団長が発言しました。丹羽弁護士はこれまでの裁判経緯を含め今回の弁論期日を総括しました。その中で丹羽弁護士は玄理事長が行った代表意見陳述に触れ、その内容が裁判官に響いたはずだと言いました。そして、またしても不当判決が言い渡された名古屋での裁判について、名古屋朝鮮学園側が即日控訴を表明した今、判決結果を悲観し一喜一憂すべきでない、闘いはこれからも続くと力強く述べました。大阪もしかり。高裁でも訴えが届かなかった「大阪府・市補助金裁判」でも、原啓一郎弁護士をはじめとする弁護士たちが最高裁に向け現在も全力で臨んでいる。こんな時こそただ待つだけではなく、積極的な運動展開をもって世論を喚起すべきだと力強く呼びかけました。
◼️次に、要旨陳述を行なった金英哲弁護士が、法廷での発言内容を解説しました。金弁護士は、これまで積み重ねてきた我々の主張に国側は何ら効力ある反論ができなかったとし、最後にこちらの主張をまとめられた意義は大きかったと手応えをにじませました。続いて弁護団のメンバーたちが順に発言し、最後に代表陳述を行なった玄英昭理事長が発言しました。玄理事長は9月の判決言い渡しを何もせず待つばかりではなく、どんどん運動を盛り上げて行きたいと決意を表明しました。
◼️続いて大阪朝鮮高級学校の生徒代表がスピーチをしました。参加者たちの前に立った代表の女子生徒は、自分たちの見えないところで、朝鮮学校のため、自分たちのために闘ってくださる多くの方々がいらっしゃるからこそ笑ってウリハッキョに通うことができる。「4.24阪神教育闘争」があった70年前から今も続く民族教育への弾圧や差別と闘って来られた同胞たち、日本の方たちの存在を私たちが知らなければならない。これからも民族教育の歴史を深く知り、朝鮮人として堂々と学び生きてゆくと凛とした表情で誓いました。説明会の最後に「大阪オモニ連絡会」の代表たちが去る4月17日に主催したセミナーの際、物品販売で得た収益金を「高校無償化連絡会・大阪」藤永壯共同代表に手渡しました。オモニ連絡会を代表して発言した大阪朝鮮高級学校オモニ会の高己蓮副会長は、70年前と民族教育の置かれた厳しい状況は変わらないが、民族教育を守り抜いた先達の思いはしっかりと受け継いでいる。子どもたちのために私たちの代で決着をつけようと力強く呼びかけました。
参加者たちの大きな拍手と賛同で報告会を締めくくりました。

傍聴抽選場所が決まりました

4月27日(金)、「高校無償化」裁判控訴審第3回期日の傍聴抽選についてお知らせいたします。

・抽選券の配布場所:裁判所本館正面玄関前
・抽選券配布時間:午後2時から10分間のみ(午後2時10分に締め切られます。ご注意ください。)
・裁判の開始時刻:午後3時開

※入館時、金属探知機で「所持品検査」が行われます。
※裁判終了後、大阪弁護士会館10階で報告会を行います。抽選にもれた方々もお帰りにならず是非ご参加ください。

速やかに「結審」を!

「高校無償化」裁判控訴審第3回弁論期日

名古屋での「高校無償化」裁判で判決が下される4月27日(金)、高裁へと闘いの舞台を移した大阪「高校無償化」裁判控訴審が3回目の期日を迎えます。
審議は尽くされ、国の差別政策を補完する新たな主張はもはや一つもないことが明らかとなった前回期日でも、丹羽雅雄弁護団長は「いたずらに真理を引き伸ばさず速やかに結審」することを強く望みました。
それは、朝鮮高級学校に学ぶ生徒たちを1日でも早く制度の対象とし、日本の高校生たちと肩を並べさせてあげたいという切なる心情です。
法廷は一刻も早く至極真っ当で正義ある判決を下し、国は社会のあらゆるヘイトを助長した自らの差別を認め、不当な主張を取り下げるとともに一刻も早く朝高生たちを「高校無償化」制度の対象と認めるべきです。
私たちは、審理の終結とともに、すべての子どもたちに等しく学ぶ権利が認められる公正な判決が下されることを強く強く求めます。

🔸「高校無償化」裁判控訴審第3回弁論期日
🔸4月27日(金)午後3時開廷
(傍聴抽選は午後2時から10分間のみ)
🔸大阪高等裁判所202号法廷
※閉廷後、大阪弁護士会館10階で報告会を行います。

 

そして…

愛知では地裁判決が同じ日に下されます。強い気持ちで見守りましょう!!

またも不当判決

「主文。本件控訴をいずれも棄却する。」裁判長がたった一言、吐き捨てるように言いました。逃げ去るように退廷する裁判官らの背中に怒号が浴びせられました。「ふざけるな!」「忖度の判決だ!」判決の内容はおろか、請求の趣旨さえも話しませんでした。一体何を棄却するというのでしょうか。まるで、朝鮮学校の存在自体が退けられた様でした。

2018年3月20日。風雨に見舞われた裁判所に250名以上の学園関係者と朝高生26名、中級部や初級部の児童までも傍聴抽選に並びました。同胞や保護者、日本人支援者たちも大勢集まり、抽選券は243枚配布されました。金属探知機による物々しい所持品検査を受けた当選者78名が裁判所に入りました。

法廷の最前列を各メディアの記者たちが陣取っています。開廷後に2分間ニュース用映像の撮影が行われました。そして、裁判が始まると裁判長が冒頭の判決を言い渡したのです。時間にして数秒。瞬く間の出来事でした。5年以上の歳月を費やし、あらん限りの力を尽くして訴え続けた主張がいとも簡単に否定されました。
裁判所本館の正面玄関前には、抽選にもれた同胞、保護者、支援者たちが残り、裁判の結果を待っていました。駆けつけた任真赫、金京美弁護士たちが両手に広げた「不当判決!」、「行政の差別に司法が加担!」の手旗に、悲鳴にも似た嘆息、呻吟が広がりました。悔し涙を流しながら裁判所を睨みつける朝高生徒たち。肩を抱き合う日本人支援者らと同胞たち。これまでの闘いを互いに労いながらも、公正な判断を下さなかった司法を指弾する姿があちらこちらに見られました。

後に出された判決文には13の控訴趣旨と事案の概要が書かれてあり、それに続いて本件で争われた憲法や国際人権法、教育基本法などに関する控訴人・被控訴人双方の主張、そして最後に裁判所の判断が記されていました。
その内容は、補助金支給が「贈与」であり受給権はない、支給の判断は行政の裁量範囲であるとした地裁判決をそのまま維持したものであり、より具体的に学園側の主張を退ける最悪なものでした。

閉廷後、記者会見が行われました。
丹羽雅雄弁護団長、「無償化連絡会・大阪」長崎由美子事務局長、玄英昭大阪朝鮮学園理事長、そして東大阪中級学校の保護者が臨みました。
玄理事長は、声明文を読み上げ、「我々は民族教育の正当性を訴え続け、補助金を教育に対する政治干渉、圧力として利用し、児童生徒の人権、学習権を踏みにじる大阪府、大阪市の不当性を裁判所に、また社会に訴えてきました。今回の不当判決に対して激しい怒りをもって、強く抗議します。ただちに上告し、最高裁で最後まで、そして、勝利する日まで闘い続けます。朝鮮学校で学ぶ子どもたちの笑顔、明るい未来のために闘い抜きます。」と宣言しました。

夜、東成区民センター大ホールにて「判決報告集会」が行われました。500名を超す参加者たちは皆、子どもたちの学ぶ権利を無視した不当判決に対する憤りと、最後まで闘い抜く決意に満ち溢れていました。
集会の冒頭、司会の長崎由美子事務局長が挨拶の中で、去る3月12日にお亡くなりになった「城北ハッキョを支える会」大村淳(すなお)代表に哀悼の意を表し、長きにわたる朝鮮学校支援の活動と尊い功績を紹介しました。
大村さんがライフワークとして地道に続けてこられた「火曜日行動」で歌われている「勝利のその日まで」の歌唱指導を受け、集会が始まりました。
最初に、弁護団から原啓一郎弁護士が、今回の判決について解説しました。原弁護士は、地裁判決を踏襲し、大阪府と市の主張を相変わらず追認した高裁の判断を「ひどい判決」だと一言で厳しく批判しながら、その不当性を詳しく説明しました。そしてその後、弁護団メンバーも登壇し、一言ずつ感想を述べました。
続いて玄英昭理事長が大阪朝鮮学園の声明文を読み上げ、アピールへと続きました。最初に登壇したのは、大阪府内10校の朝鮮学校オモニ会代表たちです。オモニたちは各学校の素晴らしさ、民族教育の素晴らしさをアピールしながら、子どもたちのために最後まで諦めず闘い抜くと決意表明しました。続いて、大阪朝高在校生代表として2年生の男子生徒がアピールしました。生徒は、この度の判決が単に「お金」の問題ではなく民族教育の権利を侵害する暴挙だとしながら、アイデンティティーを継承する自分たちの存在が否定されたと悔しさを語りました。それでも差別に屈せず勉学に励み立派な朝鮮人として生きてゆく決意を表明しました。次いで卒業生が登壇しました。大阪朝高を卒業後、日本の大学に通いながら「留学同」活動に勤しむ自身も、母校である朝鮮学校の民族教育権を守るために闘い続けると固い決意を表しました。その後、東大阪朝鮮中級学校で教鞭を執る教員がアピールを行い、韓国から駆けつけ「火曜日行動」の後、傍聴にも参加した「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」孫美姫(ソン・ミフィ)代表が連帯の挨拶をしました。孫代表は、5年以上に及ぶ法廷闘争を続けてきた関係者と弁護団、すべての支援者たちに敬意を表するとともに、日本政府主導の差別政策の中、地方自治や司法すらも公正を見失ってしまった日本社会の現状を強く批判しました。そして、子どもたちの学ぶ権利を勝ち取るまで共に闘い続けると力強いエールを送ってくださいました。アピールの最後に「無償化連絡会・大阪」の藤永壯共同代表が登壇しました。藤永共同代表は、今年70周年を迎える「4.24阪神教育闘争」について語り、歴史を直視せず民族教育を抹殺しようとする忌まわしい差別が繰り返されていると指摘しました。そして、亡くなられた大村淳さんの遺志を継ぎ、朝鮮学校の民族教育権を守る闘いを、日本人の問題として捉え最後まで闘い抜くと宣言されました。
アピールの後、宇野田尚哉共同代表が「無償化連絡会・大阪」の声明文を読み上げました。
集会の最後に弁護団の丹羽雅雄団長が閉会の辞を述べられました。
丹羽弁護士は、今回の不当判決に屈することなく最高裁に向けて全力を注ぐ決意を披瀝しながら、マイノリティーの権利問題を個別に訴えるのではなく、一つの大きなうねりを形成し社会全般に広くアピールしてゆくことが大事だと語りました。そのためにも、まずは朝鮮学校の民族教育権に関する問題をより広範な同胞、市民たちに訴え、力を結集して行こうと力強く呼びかけました。
集会は、参加者全員の合唱と最終勝利に向けた大きなシュプレヒコールで幕を下ろしました。
学校法人 大阪朝鮮学園は直ちに上告し、最高裁で最後まで闘い抜くと表明しました。

週明けに判決下る

来週火曜日、補助金裁判控訴審の判決が下されます

当サイトでも、度々お知らせしましたが、ついに来週火曜日(3/20)、大阪府と大阪市の補助金支給再開を求める裁判の控訴審判決言い渡しを迎えます。
全国的に「高校無償化」裁判が大事な局面を迎えつつある今、行政による民族教育差別の構造や主張の不当性において軌を一にするこの裁判が、朝鮮学校の民族教育権を守る闘いにとって大事なのは言うまでもありません。
内外の関心も高く、当日は韓国から支援団体代表も参加し、開廷に先立ってメディアを迎えての入廷行進も行われます。
「子どもたちの学ぶ権利」を求め、闘い続ける力を今こそひとつに結集し、私たちの訴え、願いの正当性を法廷に見せつけましょう !!

皆さん! 3月20日(火)午後1時15分、裁判所で会いましょう!!


「無償化連絡会・大阪」の藤永壯共同代表が、上記補助金裁判控訴審判決を前に、韓国のインターネット新聞『プレシアン』に寄稿しました。
裁判の経緯や主旨、内容を深く理解して判決言い渡しに臨むためにも、是非お読みください。

「ヘイトクライムを誘発する日本国家の排外主義的主張:大阪朝鮮学園の補助金
裁判控訴審、そして「高校無償化」裁判」

高裁判決

2012年9月20日に始まった「大阪府・大阪市補助金裁判」。
昨年1月26日に下された屈辱の大阪地裁判決から早1年が過ぎました。
行政による「教育助成」は「贈与」でしょうか?
「出す」「出さない」の判断を首長ひとりが下していいのでしょうか?
朝鮮学校に学ぶ子どもたちや保護者たちだけの学習環境が悪化し、経済的負担が増大するのは、やむを得ないことなのでしょうか?
裁判闘争の舞台は高裁へと移り、いよいよ判決が下されます。
繰り返し訴え続けた子どもたちの「等しく学ぶ権利」と共に、私たちは今一度、胸に刻まなければなりません。
この法廷で裁かれるのは「子どもたちの振る舞い」ではなく「社会の在り方」だということを。


「大阪府・大阪市補助金」裁判控訴審判決言い渡し

*集  合→午後1時15分:別館横の東門
*入廷行進→午後1時30分〜 :裁判所東南角から正門を入って本館玄関前まで
*傍聴抽選→午後2時〜2時10分  ※傍聴券の配布は10分間のみで締め切り
(時間厳守でお集まりください。)
*入  館→金属探知機で所持品検査が行われます。
*裁  判→午後3時開廷
*報告集会→午後6時開場、6時30分開始:東成区民センター大ホール

無償化裁判控訴審、結審せず

2018年、最初の裁判期日は2月14日(木)の「高校無償化」裁判控訴審第二回口頭弁論でした。
昨年12月14日の控訴審第一回口頭弁論からちょうど2ヶ月が経ちました。民族教育権が大きく認められ、国による「高校無償化」制度除外の違法性が厳しく糾された先の地裁判決が支持され結審することが期待された今回も134名に登る傍聴希望者が裁判所に詰めかけました。今年から全ての入館者に対し、金属探知機による「所持品検査」が義務付けられ、裁判所はこれまでと違い物々しい雰囲気に包まれていました。朝鮮学園関係者と学校保護者、卒業生たちや活動家、日本人支援者たちは午後2時からわずか10分間の「傍聴抽選券」配布に合わせ裁判所本館の正面玄関前に集まりました。この日、大阪朝鮮高級学校から15名の3年生たちが参加しました。女子9名はチマチョゴリの制服姿です。朝鮮学校で民族的アイデンティティーを学び育んでいる自分たちの真の姿を見てもらい、知ってもらいたい。その上で差別や偏見なく審理してほしいとの願いが伝わってきます。生徒たちは緊張した真剣な面持ちで法廷に入りました。
午後3時、裁判が始まりました。裁判長はまず書面の確認をしました。控訴人側からは2月14日付で「第1準備書面」が、被控訴人側からは2月9日付で「準備書面」がそれぞれ提出されました。続いて裁判長は、今後の裁判進行について意見を求めました。控訴人側の弁護士は、裁判そのものを引き延ばしたい意図から次回期日を設けることが望みでしょうが、明確に示す主張も証拠ももはやありません。裁判長の問いかけに対し「特にありません。」としか答えられませんでした。被控訴人側からは丹羽雅雄弁護団長がきっぱりと「速やかな」結審を求めました。ところが、裁判長は自ら「裁判所から控訴人と被控訴人に提起する形で」と次回期日について持ちかけました。
曰く「規定13条の適合性、その判断に当たって文部科学大臣の裁量があるのか、ないのか。特に教育基本法16条に関わるところの『不当な支配』、その点について裁量の有無、裁量があるとすればその範囲についての議論。意見に補充するところがあれば提出してほしい。」として双方の主張を求めました。しかし、これらの問題点については、一審において尽くされた議論であるばかりでなく、判決文によって明確に判断が下されたはずです。意図的に結審を避け、裁判を引き延ばそうとしているかのようです。裁判長の提案を歓迎する国側と、速やかな結審を望む学園側の意向は対立しました。そこで裁判長は合議を告げ、裁判官たち3人が退席しました。およそ5分間、場所を移して合議が行われたのち再び法廷に戻った裁判長は、前述の問題をさらに深く審議するため、次回期日を設けると宣言しました。これを受け丹羽弁護団長は、「主張に対する反論」への「再反論」が出され、不毛なやり取りで徒らに裁判を長引かせることのないよう、書面の提出期限を早めに設定するなど対策を講じるよう裁判所に促しました。裁判長は、主張をまとめ書面として提出するのに必要な期間などを勘案し、次回期日を4月27日にすると決めて裁判の終了を告げました。
閉廷後、弁護士会館の2階で報告会が行われました。報告会ではまず丹羽雅雄弁護団長が、結審せず不本意な結果となった今回の裁判を振り返り総括しました。丹羽弁護団長は「無償化」制度からの除外を是が非でも正当化しようとする国の態度を指摘し、歴史的勝利を収めた地裁判決を高裁で維持することの難しさ、この裁判闘争を勝ちきることの厳しさを語りました。それでも丹羽弁護団長は、改めてこの裁判が持つ意義を確認しました。この法廷で裁かれるのは朝鮮学校の教育内容や本国、総聯組織との関係性などではない。ましてや朝鮮学校に学ぶ子どもたちのふるまいなどでは決してない。裁かれるのはこの社会の在り方、日本の民主主義だ。だからこそ我々日本人も当事者と言える。最後の最後まで共に闘い抜こうと力強く語りかけました。
そして、この「高校無償化」裁判と、「大阪府・市補助金裁判」に携わる弁護団のメンバーたちが紹介され、ひと言ずつ発言しました。
弁護士たちは、この日の裁判に対する感想を述べるとともに完全勝訴への決意を表明しました。また、玄英昭理事長が最後に発言し、弁護団に寄せる全幅の信頼が勝訴への信念へとつながっている、子どもたちの「学ぶ権利」を守るため最後まで闘い抜くと力強く訴えました。
続いて、今回の裁判が2月14日に行われたことにちなんで大阪朝鮮高級学校オモニ会の役員たちが、弁護団の先生方に「バレンタイン・チョコ」を手渡しました。
最後に、無償化連絡会・大阪の長崎由美子事務局長が今後の活動予定を伝え、闘い続ける弁護団を引き続き支えて行こうと訴えかけました。
次回、第三階口頭弁論は4月27日(金)、午後3時からです。

「高校無償化」裁判控訴審第2回弁論期日

このWebサイトやチラシなどでお知らせいている「高校無償化」裁判控訴審第2回口頭弁論について詳しくご案内いたします。

◾️2018年2月14日(水) 午後3時開廷
※今年から裁判所では金属探知機を使用した「所持品検査」を行なっております。
傍聴者の入館に時間を要するため、傍聴抽選時間が下記の通りに決まりました。
以前のご案内と時間が異なりますのでご注意ください。

◾️抽選場所:大阪高等裁判所・本館正面玄関前

◾️裁判:202号大法廷

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆抽選券の配布は午後2時から10分間のみです。2時10分に締め切られますのでご注意ください!!
☆2時10分から、当選者のみ順次「所持品検査」を受けて入館できます。
☆裁判後、「大阪弁護士会館」で報告会を開きますので、抽選にもれた方もお帰りにならず、お待ち下さい。

法廷闘争は続く

昨年2017年は、1月の「補助金裁判」不当判決に始まり、7月の歴史的な「高校無償化裁判」完全勝訴判決を経て、12月の両裁判控訴審で幕を閉じました。子どもたちの「等しく学ぶ権利」を勝ち取るための長い闘いの中でも激動の一年でした。
教育の場に政治的・外交的理由を持ち込み、子どもたちを差別する行政の在り方を司法の場で糾すための闘いはこれからも続きます。
日本社会で「教育の機会均等」が真に実現し、子どもたちの笑顔と希望を取り戻すまで私たちは闘い続けます。

◼️当面の裁判期日◼️

◯「高校無償化」裁判控訴審第2回口頭弁論
・2月14日(水) 午後3時開廷 ・傍聴抽選場所→本館正面玄関前
※「傍聴抽選権」の配布は午後2:20からの10分間のみです。2:30を過ぎますと受け付けられませんのでご注意ください!
※裁判終了後、大阪弁護士会館で報告会を行いますので、抽選に外れた方もご参加ください。

◯「大阪府・大阪市補助金」裁判控訴審・判決言い渡し
・3月20日(火) 午後3時開廷 ・傍聴抽選場所→本館裏駐車場
※「傍聴抽選権」の配布は午後2:20からの10分間のみです。2:30を過ぎますと受け付けられませんのでご注意ください!
※裁判終了後、東成区民センター大ホールにて午後6時から「大阪府・大阪市補助金裁判控訴審判決言い渡し報告集会」を行います。

みなさん、こぞってご参加下さい!!

「無償化」裁判控訴審はじまる

全国5カ所で行われている「高校無償化」裁判。その中でも一歩先に進んでいる大阪で法廷闘争が第二審を迎えました。
12月14日。夏の日の歓喜が遠く感じられるほどの身を切る寒さの中、大阪高等裁判所に108名の傍聴希望者たちが集まりしました。
唯一、地裁判決で勝訴を勝ち取った大阪には全国から注目が集まっています。この日も、傍聴席の最前列13席を「記者席」として取られ、裁判に臨めたのは78名に限られました。
裁判は11時に始まりました。「無償化」と「補助金」あわせて40回を数える裁判期日を経て、この日はじめて我が弁護団が傍聴席から見て右側、すなわち被告席に陣取りました。上告した国の訴えを迎え撃つ立場です。
まず、弁論事項として裁判長が書証の確認をしました。続いて、それぞれの代理人が控訴理由と答弁書の内容について要旨陳述を行いました。
この日、控訴人(国側)からは控訴状と控訴理由書が提出され、被控訴人(学園側)からは答弁書が提出されました。
先に、控訴人(国側弁護士)が控訴理由書の要旨について意見陳述しました。
国側弁護士は「大阪朝鮮高級学校が就学支援金に関する指定の要件を満たすとは認められないとした文科大臣の判断が『裁量権の逸脱』または『濫用』したものだとし、またいわゆる『ハの規定』を削除したことが制度の趣旨を逸脱して無効だとした原判決の判断が誤りである」として「根拠」を主張しました。
驚くことに彼らは自らの都合に沿うよう、より抽象的な規定を多く持ち込み、控訴審のために独自の枠組みを新たに設定し主張を展開しました。それは、後付けの理屈である「不当な支配」が第一審で論破されたからに他なりません。国側はまず第一に、大阪朝鮮高級学校が指定の要件を満たすとは認められないとした文科大臣の判断に誤りがないと主張しました。いわく、「教育内容はもちろん金銭の出納を含めた学校運営全般について、教育基本法に定める教育の理念や基本原則に適合するものであることが当然に求められる。」このような規定の「拡大解釈」が他の外国人学校に対する適用との比較において矛盾を肥大化させるだけだという事実を顧みようともしない暴論です。呆れたことに国側弁護士は、原判決の朝鮮学校に対する認識と評価について「一般社会における健全な常識を大きく逸脱する認識の誤り」が、本件規定13条適合性が認められるとした「誤った判断」に「直接的に影響を及ぼした」と主張しました。そればかりか、規定「ハ」の削除について、「削除するに至る基本的な事実経過に照らしても、ハ規定の削除は文部科学省内でもかねてからの懸案事項でしたから、いずれにせよ文科大臣の外交的、政治的意見によるものでないことは明らか」だと断言しました。
地裁判決を覆そうと、満を持して行われた意見陳述でしたが、極めて客観性に乏しい浅薄な主張と言わざるを得ません。皮肉にも、その直後に行われた朝鮮学園弁護団の陳述により、主観に満ちた希薄な論拠ばかりか内容に虚偽があった事実をあらわにする結果となりました。
その後に続いた朝鮮学園側弁護団による陳述は、全6章からなる重厚な内容で、まさに「高校無償化」制度の趣旨に徹底して立脚した客観的主張をもって国の言い分をことごとく論破するものでした。

まず初めに、金英哲弁護士が陳述しました。金弁護士は、国際人権法や教育基本法の理念に照らし、規定13条適合性を都合よく解釈、適用している国の誤りを指摘しました。また、国が要件としてあげた「(支給した就学支援金が)流出する恐れがないこと」について、「財務諸表」の提出のみで「確実な充当」が認められている他の外国人学校を例に、法の差別的な適用(ダブルスタンダード)を指摘しました。そして、いわゆる「不当な支配」に関して、国が抽象的な文言に終始し、偏った情報ばかりをもとに恣意的に「反社会的な活動」や「密接な関連」などを作り上げていると断じ、具体的な実例を列挙しました。その中でも、国が証拠として採用した新聞報道が、拉致担当大臣が朝鮮学校を就学支援金支給対象から外すことを求めた時期に「朝鮮学校を除外するための知恵を絞れ」と題した社説を掲載した事実を紹介し、事実に反する露骨で一方的な偏向報道が「信用されないのは当然」だと指摘しました。また、公安調査庁による情報が「破防法に基づいて収集された」ものである以上、「教育的観点が必要な就学支援金の支給対象校の審査に利用することは到底許されない」と断じました。
金弁護士は最後に、国の主張が憲法や国際人権法、教育基本法を捻じ曲げて解釈し、朝鮮学校に対して予断と偏見の目で見ている。法の趣旨である「教育の機会均等」という最も重要な視点が欠けていると厳しく指摘しました。金弁護士の陳述が終わると傍聴席から大きな拍手が沸き起こりました。厳粛な法廷では許される行為ではないのかもしれません。しかし、気持ちを代弁してくれた陳述に皆、胸のすく思いで無心に拍手を続けました。
続いて李承現弁護士が陳述を行いました。李弁護士は「規定ハ削除が違法・無効であること」を時系列に沿った「不指定に至る流れの概略」を示すことで見事に論証しました。当時の中井拉致担当大臣による(朝鮮高級学校『無償化』除外)要請に端を発する一連の流れは、下村博文大臣はじめ自民党が拉致問題の停滞など政治的、外交的問題を理由に一貫して朝鮮高級学校「除外」を表明し、「規定ハ」の削除を断行した事実を有無を言わさぬ説得力で痛快に見せつけました。そして、国側弁護人が「規定ハ」の削除が文科省内でかねてからの懸案事項であったと主張した陳述の内容を根底から覆す決定的な事実を突きつけました。元文部科学事務次官・前川喜平氏の陳述書です。法廷に提出されたこの陳述書では大きく八つの事実が語られています。その中に、「高校無償化法制定当時、文部科学省内には朝鮮学校を対象として指定しないとする議論は存在せず、指定対象になるということは関係者の共通認識であった」と明確に示されています。また、「検討会議において『適正な学校運営』を議論する中で教育基本法の条項への抵触が問題とされたことは一度もなかった」ことや、「審査の継続中、高校教育改革プロジェクトチーム内において規定ハを削除する『省令改正』の準備を進めていたと望月氏が述べているが、当時の上司である自分の記憶にそのような議論などなかった」と明確に否定しています。最後に李弁護士は、「教育の機会均等」とは無関係な外交的、政治的判断に基づいて省令を制定し、削除した違法性を認め無効とした原判決判断に誤りはないと断言しました。陳述が終わると、法廷がまた拍手に包まれました。
最後に、丹羽雅雄弁護団長が総括的な陳述を行いました。「本件控訴審において十分に理解されるべき本質的事項」と題して、丹羽弁護団長は五つの重要な問題を裁判官に提起しました。第1に、この裁判が日本国家による「植民地支配」という歴史的事実への深い洞察なしに判断されるべきでないこと。第2に、朝鮮学校で学ぶ子どもたちの教育への権利に関わる裁判であるということ。第3に、この裁判が「高校無償化」法の立法趣旨に則って判断されべきであること。第4に、第二次安倍政権後、朝鮮学校で学ぶ生徒たちに対して「高校無償化」制度から排除する意図をもって不指定処分に至った経緯を十分に理解する必要があること、第5に、不指定処分によって、朝鮮学校で学ぶ子どもたちの等しく教育を受ける権利が侵害され、差別を生起させ、人種的憎悪によるヘイトスピーチ、ヘイトクライムを引き起こす原因となっている事実です。
その後、丹羽弁護団長は、歴史的勝訴を勝ち取った7月28日の「裁判報告集会」で登壇した大阪朝鮮高級学校在学生のスピーチを引用し、陳述を締めくくりました。そして最後にもう一度、この裁判が「植民地支配という歴史的背景を有した朝鮮半島にルーツを持つ民族的マイノリティーの権利に関する訴訟であ」ることを指摘し、裁判官に向かって「毅然として司法としての本質的役割を果たされ、歴史の法廷にも耐えうる適正かつ公正なる判断を求めるものである。」と力強く訴えました。
ひと際大きな拍手が三たび法廷を包みました。しかし不思議なことに、三度とも裁判官に咎められることはありませんでした。
この日、双方の主張が見せた対比は、子どもたちの教育権とは無縁の公権力による政治的企図を浮き彫りにし、すべての子どもたちが「等しく学ぶ権利」を求める朝鮮学園の主張の正当性を際立たせました。

その後、裁判長から今後の予定について双方に質問がありました。国側弁護士は「答弁書に対する反論をする」と息巻いて発言しましたが、裁判長から書証(証拠となる資料)の提出があるのかどうかと問われると、とたんにしどろもどろとなり長い沈黙の後、「…新たなものを出させて頂きたいと思いますが、具体的にこのようなものですと出せる状況にございません。」と口ごもるばかりでした。
一方、丹羽弁護団長は、頑固たる口調で「速やかに結審して頂きたい」と発言しました。
が、残念ながら結審には至らず、次回弁論期日を来年2月14日と定め、1時間に及ぶ裁判は閉廷しました。

裁判終了後は、いつもの通り大阪弁護士会館前で報告会が行われました。
まず、丹羽弁護団長が今回の弁論を総括しました。丹羽弁護団長は、自身の長い弁護士経験の中でも「国側が法廷で意見陳述を行うことは大変まれだ」と感想を述べました。「それだけ国はこの件に関して力を注いでいる証拠だ。」「決して負ける訳にはゆかない。」と力を込めて語りました。次いで要旨陳述を行なった金英哲弁護士が、「初めて右側に座ることになり戸惑ったが、1審で勝った側であることを実感した。」と述べ、最後まで勝ち切ると発言しました。続いて李承現弁護士が発言しました。李弁護士は今回提出した前川元文部科学事務次官の陳述書が大きな効果を発揮したと評価し、あらためて国側の矛盾を強く指摘しました。そして、完全勝利に向けて闘い抜くと決意を表明しました。
弁護団からの報告後、玄英昭学園理事長が発言しました。玄理事長は、1月26日の屈辱的な「補助金」裁判敗訴判決に始まった今年を振り返り、7月28日の「無償化」裁判で歴史的勝訴判決を勝ち取った喜びを今一度噛みしめました。そして、来年2月の「無償化」裁判控訴審第2回口頭弁論を闘い抜き、3月20日に迎える「補助金」裁判控訴審・判決言い渡しにおいて必ずや勝訴判決を勝ちとろうと参加者たちへ高らかに呼びかけました。
「高校無償化」裁判控訴審第2回口頭弁論は、来たる2018年2月14日(水)、午後3時から202号法廷で行われます。

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