無償化連絡会・大阪

〜 子どもたちの笑顔と希望のために 〜

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福岡判決

既報の通り、去る3月14日、福岡地方裁判所小倉支部203号法廷で全国5つの「高校無償化」裁判のうち最後となる地裁判決が下されました。
2013年12月から始まったこの裁判は、大阪での「無償化」裁判、高裁判決の直前2018年9月20日までの5年3ヶ月、20回にも及ぶ口頭弁論を重ね闘われてきました。
不当判決。
68名の原告をはじめとする九州朝鮮高級学校に学ぶ生徒たち、保護者たちはもちろん、民族教育を守りたい一心で支援活動に勤しんできた同胞たちや日本人支援者たちの願いと希望をあまりにも無残に打ち砕く判決でした。
何人にも等しく認められるべき「学習権」についての審理が何ら真摯に行われた痕跡すら認められない判決文には、兼ねてから指摘されてきた「ハ条項削除」と「規程13条適合性」の矛盾に対する事実認定はおろか言及すらありませんでした。
320名にものぼる傍聴希望者たちで溢れかえった裁判所前は、開廷後ほんの数分で出てきた若手弁護士らの広げる「不当判決」の紙をしばし呆然と見つめるしかありませんでした。

  • 弁護団、学園関係者、オモニ会、支援団体の代表らを先頭に入廷行動

そして、あちらこちらから沸き起こる怒号。
「朝鮮学校を差別するな!」、「学ぶ権利を奪うな!」
生徒たちも溢れる涙を拭おうともせず叫び続けます。
「この子たちは日本と韓国・朝鮮を結ぶ希望の架け橋です。未来を担う子どもたちを差別することは許されません!!」オモニたちも叫びます。
止まない怒号の中にひときわ悲痛な響きがありました。高齢の同胞が一人、裁判所を正面に見据え絞り出すような声で叫びます。「お前ら筑豊を知らんのか!俺の兄貴たちの骨は未だに炭鉱の土の中に埋まっている。日本は謝罪も賠償もしない。俺たちも散々差別されてきた。ついには孫たちまで差別する。ええ加減にせえ!」そして、「裁かれたの俺たちじゃない、俺がお前らに判決を言い渡す!有罪じゃ!!」、「恥を知れ!そして覚悟せえよ!何があっても絶対に許さん!!」となりでは全国から集ったオモニ会の代表たちが、子どもらの平等な学習権を求める内容の横断幕を握りしめながら「アリラン」を歌いました。涙声の歌は徐々に重なり、やがて大合唱となりました。幼い生徒たちが、先生たちが、同胞たちが、そして日本人支援者たちが一緒に歌いました。合唱の合間に沈痛な、でも力強いシュプレヒコールが響きました。

午後の記者会見に続き、夕方からは「北九州私立商工貿易会館」に場所を移し、「九州朝鮮高級学校生『無償化』裁判判決報告集会」が行われました。
集会に先立ち、九州朝鮮高級学校の教務部長から緊急報告がありました。
判決言い渡し日を直前に控えた3月11日、九州朝高最寄の「折尾」駅前で在特会から派生した「日本第一党」なる右翼政党が通学時間帯に合わせてヘイトスピーチを行なったということでした。彼らはハッキョへと向かう生徒たちを指差しながら 「日本がこんなんだから朝鮮人に舐められている。みてください朝鮮人の子供たちはチマチョゴリ着てないでしょ 。朝鮮人はさっさと国に帰れ、朝鮮人は追い出さなければならない 」などと暴言を吐きました。
拡声器から吐き出される聞くに耐えない罵詈雑言におののきながら生徒たちは学校へと向かったそうです。教務部長は怒りに震える声で、生徒たちへの直接的なヘイトを決して許すことはできないと指弾しました。

  • 開会に先立ち、緊急報告をする九州朝高・教務部長

集会は、弁護団メンバーでもある清田弁護士の司会で始まりました。
司会者の開会宣言の後、まずは弁護団から金敏寛弁護士が登壇し、この度の裁判・判決報告をしました。金弁護士は、生徒たちの訴えの正当性と共に司法の判断の過ちを指摘し、何があろうと不当判決に屈することなく高裁へと立ち向かってゆこうと呼びかけました。
次いで朴憲浩弁護士が、判決文の分析報告を行いました。朴弁護士は、判決を一言で「不誠実で空虚」だと断じました。そして、高裁でも正しいことを地道に諦めず訴え続けると語りました。
続いて九州朝鮮高級学校・全晋成校長が福岡朝鮮学園の声明文を読み上げました。全校長は声明の中で「不当判決にひるむことなく、生徒たちを励ましながら、今後とも民族教育の普遍的価値を実証し、民族教育を受ける権利は法的保護に値する正当な権利であるということを訴え続け」ると誓いました。(声明文はこちら)
集会は連帯のあいさつへと移りました。
同じ「高校無償化」裁判を闘う東京・愛知・大阪・広島からそれぞれ学園関係者やオモニ会代表、支援者たちが一緒に登壇し、不当判決にめげず、共に力をあわせて最後まで闘おうと熱いエールを送りました。
連帯あいさつの次に、九州朝鮮高級学校・生徒たちが公演アピールを行いました。生徒たちは、無関心やむき出しの悪意に晒されながらも街頭に立ち「学ぶ権利」を訴え続けた運動の意義を問う小演劇の後、日本の高校生たちと肩を並べて学ぶ日が来ることを願う強い思いを込めた歌を歌いました。生徒たちの思いの丈は参加者たちに届き胸を打ちました。
その後、九州朝鮮中高級学校オモニ会の面々が登壇し、代表して梁会長がアピールを行いました。福岡県下にあるすべての朝鮮学校のオモニたちが祈りを込めて製作した「折り紙チマチョゴリ」が紹介され、必ず「等しく学ぶ権利」を勝ち取るまで諦めずに闘い続けると決意を披瀝しました。
続いて留学同に所属する大学生たちが登壇し、後輩たちのためにも民族教育の権利を守る活動を続けてゆくと決意表明しました。

  • 九州朝鮮中高級学校オモニ会のアピール

この日の集会には韓国から傍聴に駆けつけた支援者たちも多数参加しました。彼らは一様に今般の裁判を通じて露わになったのは朝鮮学校の不当性ではなく、むしろ日本社会のいびつさだと指摘し、それを確定させたのが今日の不当判決だと語りました。また、韓国で繰り広げられている様々な朝鮮学校支援活動にも触れ、「民族教育を守り続ける皆さんの活動が地道に理解と賛同を広めている」と指摘しました。アピールの最後に「モンダンヨンピル」の事務局長を務める金明俊監督が、裁判費用として寄付金を手渡しました。
その後、全国オモニ連絡会から各地の代表らが登壇し、京都朝鮮中高級学校オモニ会の朴会長がアピールを行いました。
その後、「朝鮮学校無償化実現・福岡連絡協議会」の中村元氣代表が声明文を共有しました。中村代表は、この日の「不当判決を決して認めるわけにはゆかない」と厳しく語り、民族教育権を勝ち取る勝利の日まで不断の努力を続けてゆくと誓いました。
集会の最後に、弁護団の服部弘昭弁護団長が今回の裁判闘争とこの日の判決を改めて振り返り、高裁での新たな法廷闘争に向けた決意を表明しました。
会の締めは参加者前での大合唱でした。毎週金曜日、文部科学省前で行われている「金曜行動」の歌「声よ集まれ、歌となれ」。この日、裁判傍聴と報告集会に詰めかけた参加者全員、これからも続く民族教育権利を守る闘いへの決意を込めて歌いました。

最後の地裁判決に向けて

九州の朝鮮高級学校在校生と卒業生ら67名が原告となり、「高校無償化」制度から朝鮮学校のみを除外したのは違法だとして国を訴えた国家賠償請求訴訟、「九州・高校無償化裁判」がついに3月14日、福岡地方裁判所小倉支部で判決を迎えます。
子どもたちの平等なる教育権を求めて争われた5年3ヶ月にわたる法廷闘争の地裁判決は、全国5カ所で最後となります。
本件の争いにおいて唯一の歴史的勝訴判決が覆された大阪高裁や東京、愛知、広島の不当判決を司法はどう判断するのでしょうか。
とりわけ注目しなければならない問題は、今回の判決が、去る2月7日に公表された国連「子どもの権利委員会」総括初見での日本政府に対する「勧告」後、初となる判決であるという点です。
度重なる国際社会からの厳しい非難に司法はどう答えるのでしょうか。
無償化連絡会・大阪の藤永壯共同代表が「九州・高校無償化裁判」の地裁判決に強い期待と願いを託して、韓国のインターネット新聞『PRESSian』2019年3月11日付に寄稿しました。
下記に日本語オリジナル原稿ページのLINKを貼り、ご紹介します。

3.24告知

来たる3月24日、ウリハッキョと子どもたちの「学ぶ権利」を守る闘いの新たなステージが幕をあける!!

「MOREフェスタ(祝祭)2019」出演者、決定!!
豪華キャストらによる夢の共演!!

国や行政、そしてついに司法までもが、子どもたちの「等しく学ぶ権利」を踏みにじった。
「大阪府・市補助金裁判」 において最高裁は、11月28日付で私たちの上告を棄却した。
それでも私たちは決してあきらめない。闘って勝ち取るしかない。
共に進む仲間たちがいる。だから、集まろう! 考えよう! 歌おう!
今日、新たなステージで子どもたちの学ぶ権利を求め響かせるその歌声は、全国の仲間たちにきっと届く!

中村いるそん
 講演:朝鮮学校裁判に見る「官製ヘイト」の正体
〜気鋭のルポライター中村いるそん氏が不当判決に潜む朝鮮学校差別の実態と官製ヘイトの正体を暴く!

川口真由美
 戦争と差別に抗い、平和を願う心の叫び
〜圧巻のステージ!反戦・平和、そして共生への祈りとメッセージを込めた魂の歌声をすべての人々に!

和歌山朝鮮初中級学校オモニ会
 チャンダン
〜愛校心の結晶で奏でる民族のビート!ウリハッキョと子ども達を愛する心を軽快なリズムに乗せて。

大阪朝鮮高級学校オモニ会
 歌とアピール
〜子どもたちの笑顔と希望のため、オモニたちのパワフルな歌とアピールで熱いメッセージを届ける!

大阪朝鮮高級学校/声楽部
 重唱
〜伝統と融合した新しい世代の感性が透き通るボーカルで民族を歌い上げる。響き渡れ!青春の歌声

「大阪朝高声楽部を応援する」男声重唱団
 重唱
〜重厚なハーモニーで民族の心を伝える。新進の男性ボーカルグループが胸に染みる歌声を響かせる!

大阪朝鮮高級学校/舞踊部
 重舞
〜時代を超えて受け継がれる民族の伝統、朝鮮の美を大阪朝高舞踊部の生徒たちが心をこめて舞う。

3月24日(日) 13:30開場 開演14:00〜16:30
クレオ大阪南(大ホール)

*資料代:500円(学生無料)

Osakaメトロ 谷町線「喜連瓜破」駅1号出口、北西へ徒歩5分

不当、不倒

🔷2018年9月27日、大阪での「高校無償化」裁判控訴審・判決報告集会のオープニングで上映した動画の制作者であるチェ・アラム監督の作品「終わらない植民の歴史、そして日本の朝鮮学校の話―不当、不倒」が、去る1月25日KBS(韓国放送公社)の「열린채널(開かれたチャンネル)」で放映されました。

🔷YouTubeで公開された動画についてチェ監督からリンクの許可をいただきましたので、ここにご紹介させていただきます。(「열린채널」の番組サイトにもアップされていますが、日本からは著作権の関係で表示できないようです。)

🔷以下、YouTubeにある制作者のコメントの翻訳です。
——————————
「歴史が人をつくり、人が歴史をつくり出す。」
解放後、日本に残ることになった在日朝鮮人がつくった「朝鮮学校」。
1948年、日本政府の朝鮮学校閉鎖令に抗い、命をかけて学校を守った在日朝鮮人
は、70年が過ぎた今も朝鮮学校差別に向き合い闘っている。
私たちは今、どのような時代を生きているのか。
——————————
取材は大阪が中心で、大阪の関係者が多数出てきます。ぜひご覧ください。

哀悼

日本軍「慰安婦」被害者の金福童ハルモニが2019年1月28日、永眠されました。
生前、金福童ハルモニは旧日本軍の「従軍慰安婦」問題に対する国際社会の関心を高め、戦時の性暴力が再び凄惨な被害をもたらすことのないよう、ご自身の痛ましい実体験を語り継ぐ事で国際世論を導いてこられました。
そして、その傍ら在日同胞たちの民族教育に多大な支援を惜しみなく送ってくださり、いつも慈愛に満ちた温かい眼差しでウリハッキョの子どもたちを見守ってくださいました。

金福童ハルモニと大阪ウリハッキョの子どもたちの出会いは2012年まで遡ります。当時の橋下徹大阪市長が旧日本軍の「従軍慰安婦」問題に関して「暴行、脅迫による強制連行はなかった」などと暴言を発した事に抗議し、発言の撤回と被害者への謝罪を求めて大阪での集会に参加し、生野朝鮮初級学校を訪問したのが始まりです。その際、児童たちに「日本の社会で差別があっても、萎縮することはない。堂々と生きなさい」と励ましてくださいました。そして全校児童にノートと鉛筆をプレゼントして下さいました。後日、児童たちから送られて来た手紙をハルモニは目を細めながら読まれたそうです。

それ以来、全国のウリハッキョを訪ねられ、子どもたちを励まし、支援を続けてこられたハルモニは、昨年9月27日には「高校無償化」裁判・高裁判決の言い渡しに合わせて再び大阪を訪れ、判決報告集会に参加した翌日、大阪朝鮮高級学校と台風被害のひときわ大きかった城北朝鮮初級学校を訪問されました。同じく旧日本軍「慰安婦」被害者である吉元玉ハルモニと共に城北ハッキョを訪問された金福童ハルモニは、幼稚班から初級部の児童まで子どもたち一人一人の手を温かく握り、優しく言葉をかけてくださいました。そして、真心のこもった義援金を校長先生に手渡されました。そればかりか、災害にも負けず健気に学ぶ子どもたちのことを気にかけ、11月にも市民団体である「金福童の希望」を通じて二度目の義援金を届けてくださいました。

昨年9月27日、「高校無償化」裁判。大阪高裁での不当判決を受け、憤懣に満ちた報告集会の壇上、金福童ハルモニは力強くこうおっしゃいました。
「私たちは10数年闘っているが、日本政府は全く身動きしていない。それでも私たちはいつか勝利する。だから学生さんたちもくじけないでください。どんなことがあってもあきらめてはいけない。朝鮮学校は生き残る。これから統一する。必ず勝利する日はやってくる!」
そして「ファイティン!」とこぶしを高く掲げました。
呼応する満場の参加者たちは、一緒になってこぶしを高く振り上げ、ハルモニたちの堂々とした姿に希望の光を見ました。そして、それぞれの胸に決意を新たにしました。

14歳から遠く異国の地で、たった一人の身寄りもなく、筆舌に尽くし難い苦痛に耐え生き抜いて来られたハルモニにとって、学校で学ぶことは「普通」のことではなく「叶わぬ願い」であり「夢」だったのでしょう。
だからこそ、戦時性暴力を撲滅し、二度と繰り返させないための運動に命がけでとりくむ傍ら、「学ぶ権利」を脅かされながらもウリハッキョで元気に学び民族の心を育んでいる子どもたちを心から愛おしんで支援してくださったに違いありません。病床でも最後の最後までウリハッキョの子どもたちを心配してくださったハルモニ。(Web版の『ハンギョレ新聞』に詳細記事)
「一生懸命勉強しなさい。」
ウリハッキョの子どもたちにいつもかけてくださった温かい言葉が、今も胸に深く響きます。
金福童ハルモニの気高い心、強い遺志は受け継がれてゆきます。
ハルモニの願った未来、ウリハッキョの子どもたちも差別なく平等に思い切り学べる社会が築かれるまで、私たちの闘いは続きます。

私たちのハルモニ、金福童ハルモニ、どうか安らかにお眠りください。

🔷インターネット新聞「민프러스」の関連記事

 

大村淳さんを偲ぶ

2018年11月23日、上本町のホテルアウィーナ大阪で「大村淳さんを偲ぶ会」が開かれました。
「城北ハッキョを支える会」の代表として、ひたすらに差別を許さず、子どもたちを愛し続けた大村さんの様々な活動と慈愛に満ちた人柄をふり返り、その功績を讃えるため、6名の実行委員たちが準備した会には多くの人が参加しました。
会では先ず、大村淳さんの遺影が飾られた献花台に参加者全員が一輪ずつ花を手向けました。深く一礼し、写真に写った笑顔の淳さんを見つめ涙する人、何かを語りかける人、皆それぞれ淳さんとの思い出をたどるように献花をしました。
そして、「火曜日行動」を通じて親交の深かった許玉汝さんが自作の追悼詩を朗読されました。語りかけるように詠まれた詩には、淳さんへの深い敬愛と早すぎる死を悼む心情が込められていました。
その後、実行委員会からの挨拶やスピーチがありました。生前の淳さんと深く関わった方々のスピーチからは、淳さんの温かい人柄が偲ばれ、差別と闘い続けた淳さんの思いが改めて深く感じられました。
ある人は、枚方市内の公立中学校で淳さんが社会科教員として教壇に立たれた頃の心温まるエピソードを語りました。何よりも生徒たちを大切にした淳さんの教育にかける思いが、後の朝鮮学校支援活動に引き継がれたのだということがよくわかる逸話の数々でした。また、ある人は、退職後に様々な市民運動、社会活動に取り組まれた淳さんの行動力と熱い心をふり返りました。権力者の傲慢、無知から来る心ない偏見や差別を決して許さない毅然とした淳さんの強さ、誰にでも笑顔で接し、優しい言葉をかけてくれた淳さんの温かさが全ての参加者たちに染み渡るようでした。
淳さんとのかけがえのない思い出が語られた後、城北朝鮮初級学校の児童たちが歌を歌いました。同校・高暢佑校長と許玉汝さんが作詞、金文淑さんが作曲した淳さんの歌です。曲目は「大村すなお先生」。淳さんの優しさに触れた子どもたちの素朴な心情で「城北のハラボジ(おじいさん)すなお先生コマプスムニダ(ありがとうございます)」と歌いました。
その後、城北朝鮮初級学校の先生方が歌を披露し、参加者全員が歌い、踊りながら明るく賑やかに淳さんを送りました。
朝鮮学校の子どもたちをはじめとするすべての子どもたちが等しく学べる社会を築くための活動を通じて結ばれた私たちの心は、大村淳さんにより更に深く、更に強く結ばれました。
この日、私たちが新たな決意を淳さんに誓ったように、これからも淳さんの遺志は多くの人に受け継がれてゆくでしょう。

国連が日本政府に勧告

◇去る8月16〜17日にかけてスイス・ジュネーブで開かれた国連人種差別撤廃委員会において4年ぶり行われた対日審査を経て、8月30日、朝鮮学校に「高校無償化」制度適用を求める勧告が国連・人種差別撤廃委員会より再度出されました。
◇審査では、委員たちからの質問やコメントを受けて、日本政府代表団が日本の取り組みや立場を説明するなど2日間の対話が行われました。そして、今会期の最終日である8月30日に日本政府への勧告などを含む総括所見(最終見解)を採択しました。
◇委員会が出した今回の総括所見では、「ヘイトスピーチとヘイトクライム」の問題、「アイヌ」や「琉球・沖縄の状況」、「慰安婦」や「難民」問題、「外国人技能実習制度」のあり方など多岐にわたる人権問題に加え、「在日コリアンの状況」に関する内容の中で「
朝鮮学校(Korean schools)』が高校就学支援金制度の支援から除外され続けているという報告をさらに懸念する」と言及しました。
そして、「委員会は、コリアンの生徒たちが差別なく平等な教育機会を持つことを確保するために、高校就学支援金制度の支援金支給において「朝鮮学校」が差別されないことを締約国が確保するという前回の勧告(CERD/C/JPN/CO/7-9, para. 19)を再度表明する」と勧告しました。

◇今回も、ジュネーブには日本から在日コリアンの子どもたちの「学ぶ権利」を強く訴えようと、在日本朝鮮人人権協会からの代表や朝鮮大学校在学生、朝鮮学校教員、在阪の同胞らが傍聴に参加しました。
◇そして、この度の審査内容と総括所見を一人でも多くの人に広めようと、9月5日に東京、9月8日に大阪で、日本の人種差別問題に取り組んでいる「人種差別撤廃NGOネットワーク」主催の報告会が行われました。会には、70〜80名が参加し、審査でのやり取りや総括所見などについて詳しく報告されました。

◇メディアが報じた記事を以下に紹介します。

ウリハッキョの納涼だより

🔷「納涼大会」の季節がやってきた!

朝鮮学校は、子どもたちに民族のアイデンティティーを教え育む「民族教育機関」であると同時に、同胞コミュニティーの場、地域社会交流の場として各地で親しまれてきました。
その最も代表的なイベントの一つが「納涼大会」です。
毎年、保護者や卒業生のみならず、同胞たちや日本の方々もウリハッキョに集い、民族教育への理解と親睦を深めています。
そんな、誰もが気軽に参加できる朝鮮学校の「納涼大会」には、三つの大きな楽しみがあります。

1.朝鮮学校の教育成果を肌で感じることができます。
〜各学校では、趣向を凝らした児童、園児たちの歌や踊りの公演が必ず舞台に上がります。幼稚班3歳児も朝鮮語の歌をしっかりと歌います。
2.オモニたちが腕を振るった本格的な「朝鮮料理」が楽しめます。
〜プルコギ、チヂミ、チャプチェにフェ、親しみのあるポピュラーな料理はもちろん、町の韓国料理屋ではちょっと味わえない「通好み」の酒肴も提供されます。
3.「納涼」と言えば、やっぱり親睦と交流!
〜冷えたビールと美味しい料理に舌鼓を打ちながら、楽しく地域交流をはかれます。「近所に朝鮮学校があることは知っていたが、まったく関わりのないものとして普段は通り過ぎていた。来てみると日本の学校となんら変わらないと感じるし、保護者や韓国・朝鮮の人たちとも親しくなれた。自分にとって朝鮮学校が身近な存在になった。」初めて「納涼大会」に訪れた日本の方々が抱く感想の多くは、まさにこの「百聞は一見に如かず」に尽きます。

この機会にぜひ朝鮮学校を訪れて下さい!!
朝鮮学校は、みなさんのお越しをお待ちしております!!

※詳細は各学校に直接お問い合わせください。Link

日本政府に向けた国際宣言

韓国からいつも朝鮮学校への温かい支援を送ってくれる「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」が、「在日同胞と朝鮮学校を差別する日本政府を糾弾する」と題して、支持者を募り国際宣言を出そうとしています。
Webに掲載された宣言文の翻訳は以下の通りです。

〜安倍政権糾弾国際宣言〜
「在日同胞と朝鮮学校を差別する日本政府を糾弾する」

1948年、日本政府が在日同胞たちの民族教育を大々的に弾圧し、ついには一人の少年を死に至らしめた「阪神教育闘争」発生から70年が過ぎた今日まで、日本政府による在日同胞弾圧は続いています。
日本政府は自国内すべての高等学校に適用する「高校無償化」制度から唯一朝鮮学校のみを排除し、平等に教育を受ける権利がある子どもたちを対象に差別的措置を強行しました。それにより一部の自治体はこれまで支給してきた教育補助金すら停止し、初級、中級学校までも財政的圧迫を加えています。
朝鮮学校は、日本による植民地支配の時代、強制的に日本に連行され定住する様になった同胞たちが「朝鮮人は朝鮮語を学ばなければならない」という当然の理由から設立した民族教育機関であり、在日同胞たちは日本政府から保護を受ける権利がある日本社会の構成員です。
しかし、日本政府が加えている露骨な差別政策は、右翼団体のヘイトスピーチや在日同胞機関の建物への銃乱射など、衝撃的な暴力行為につながり、在日同胞たちを憎悪犯罪(ヘイトクライム)の標的に追いやっています。
植民地支配に対する謝罪はおろか、在日同胞と朝鮮学校を露骨に弾圧する日本政府を強く糾弾します。
私たちは、同胞たちの正当な権利のために最後まで連帯し、闘うことを宣言するとともに以下のとおり要求する。

1.日本政府は植民地支配を謝罪し、朝・日関係を正常化せよ!
1.在日同胞に対する弾圧を即刻中止せよ!
1.朝鮮学校にも「高校無償化」制度を適用せよ!

「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会」

そして、特設サイトで支援者を募っています。残念ながらハングルのみの表記ですが、ぜひご覧ください。
上から、お名前、ご住所、連絡先、日本政府へのメッセージを順に書き込める様になっています。
より多くの賛同を送り、国際宣言を盛り上げましょう!

国際宣言のサイト → https://goo.gl/forms/f2zZKzR2zfJ8lVmQ2

因果応報

2017年10月12日付、本サイトに投稿した「筋違いの懲戒請求 〜各地の弁護士会へ〜」に関連する興味深い事実が、このほど毎日新聞の取材でわかりました。
「大量『懲戒請求』返り討ち 賠償請求や刑事告訴も」のタイトルで5月10日にアップされたデジタル毎日新聞の記事によると、「朝鮮学校への補助金交付は利敵行為だ」などとするネット上での扇動を背景に、朝鮮学校・高校無償化適用や補助金交付などを求める声明を出した全国の弁護士会に対して大量の懲戒請求が送られる事態が昨年6月頃から頻発しました。ネット上に「テンプレート=雛形」が出回り「コピペ」の書面が大量に送りつけられる悪質なケースも数多くありました。昨年末の日弁連会長談話によると、昨年だけで全国の21弁護士会に約1000人から約13万件の懲戒請求があったそうです。これを受け、当該弁護士たちが懲戒請求者に対し、損害賠償請求や刑事告訴など法的措置をとる動きが広がっているということです。「不当懲戒請求」であり「本業への物理的な支障、精神的な苦痛」があったとして、全請求者に損賠賠償請求訴訟を起こし、虚偽告訴罪や業務妨害罪での刑事告訴も検討している2名の弁護士が記者会見を開き提訴の内容を公表しました。また、募った提訴資金のカンパは500万円近く集まりました。彼らが投稿したツイッターを機にネット上で波紋が広がり、法的措置をとる動きが弁護士たちの間で広がっています。
弁護士に対する懲戒請求は、「弁護士法」に基づいて誰でもできる反面、請求者の実名や住所が当該弁護士に伝えられます。それを知らず、ネット空間の無責任な言説にあおられた軽率な行動が、実社会で法的制裁を受けることになりました。
すでに訴訟を恐れ、示談金を準備して和解を申し出ている請求者も多いとのことです。「しっぺ返し」で済まされるほど軽い問題ではありません。回ってきたツケはあまりにも大きかったようです。
匿名性をカサにきてネット上を跋扈する「ネトウヨ」。彼らが最大の弱点とする実名が思わぬところから晒される事態となった今回の一件。前述の本サイト投稿記事でも指摘している通り、極めて稚拙なヘイトで「いたちごっこ」の側面もありますが決して放置しない事が重要です。悪質なヘイトクライムには断固「NO!」を突きつけ、泣き寝入りせず闘いましょう!!

朝鮮学校への差別、司法で救済を

昨年末の12月26日、文部科学省で高校授業料無償化の制度設計に携わった前川喜平・前文科事務次官が時事通信社との取材で、「高校無償化」制度の対象から朝鮮高級学校を除外した国の対応を「乱暴で理不尽極まる」と批判し、司法が是正すべきだとの考えを示しました。前川前次官は同法が施行された2010年の夏、東京、神奈川、茨城、愛知、大阪、神戸、京都、広島、九州の朝高生代表たちの訪問を受け、同法適用を求め全国で集められた11万7722筆もの署名を受け取りました。前川前次官はその際、「学びの権利を奪うことは、人権侵害であり差別」だと訴えた生徒らの切実な心情を聞き「『無償化』問題が浮上した後、数校の朝鮮学校を訪問したが、生徒たちはまじめに勉強していた」としながら、「適用可否がはっきりしない状態が続き、生徒たちを不安な気持ちにさせて申し訳ないと思っている。生徒たちの力でこんなに多くの署名を集めたことを評価したい。日本人にも理解が広がっているということは良いこと。生徒たちの気持ちと署名は、必ず文科大臣に伝える」と話しました。それから7年後、国の制度差別と司法の場で闘ってきた朝鮮学園の呼びかけに応じて前川氏は原告側から陳述書を出してくれました。その中で前川氏は、「規定ハ」の削除が文科省内でかねてからの懸案事項であったと主張した国側の陳述を真っ向から否定し、「高校無償化法制定当時、文部科学省内には朝鮮学校を対象として指定しないとする議論は存在せず、指定対象になるということは関係者の共通認識であった」と明確に示しました。
2018年1月7日付、共同通信の記事は以下のように綴っています。

 無償化の是非をめぐって卒業生や学校運営法人による訴訟が起こされており、2017年は広島、東京両地裁で原告敗訴、大阪地裁では勝訴の判決が出た。今年4月には名古屋地裁で判決が予定されているほか、福岡地裁小倉支部や東京、大阪、広島の各高裁でも年内に判断が示される可能性があり、再び注目が集まりそうだ。
安倍政権発足後の13年2月、国は朝鮮学校生を制度の対象から除外した。世帯年収で一定額未満となる家庭の生徒はその額に応じた国からの就学支援金を授業料に充当できる制度だが、「朝鮮学校が北朝鮮や朝鮮総連の影響下にあり、支援金が授業料に充てられない懸念がある」と見なした。
前川氏は「対象に含める前提で、朝鮮学校から申請を受け付け、審査もしていた」と経緯を説明。「支援金が授業料に充てられないと言うなら、その挙証責任は国にある」と述べた上で、「支給すれば授業料に充てたかどうかは直ちに分かることだ」と指摘した。
また、北朝鮮による拉致問題などと関連付けて除外を正当化することに対して「拉致は許されない犯罪行為だが、朝鮮学校生と北朝鮮の支配者層は別だ。差別や偏見をあおっている」と強調。「生徒たちは日本社会で育ち、日本の文化になじむ普通の若者だ。北朝鮮を理想の国だなんて誰も思っていない」と話し、共生の必要性を訴えた。
「人の心は弱く、誰かを差別したいという気持ちは皆が持っている」と前川氏。「今の政権は差別感情をあおって増幅させ、権力を維持している。そういうネガティブな感情を制御するすべを身に付けさせるのが本来の教育だが、できていなかった」と教育行政に関わった過去を振り返り、じくじたる思いを吐露した。

昨年末、氏が福岡と大阪の「無償化」裁判において原告側から陳述書を提出して以来、政府は躍起になって内容に反論しています。ですが、事の経緯と事実関係を最もよく知る「当事者」からの告発を否定することは決してできません。新たな段階に差し掛かった法廷闘争を闘う我々に、前川氏は揺るぎない根拠と確信をもたらしてくれました。

筋違いの懲戒請求 〜各地の弁護士会へ〜

制度の乱用も甚だしい。
本来、弁護士個人の資質を問う目的で、弁護士会の「調査」と「処分(戒告、業務停止、退会命令、除名)」を求めるのがいわゆる「懲戒請求」だ。
ところが、広島、大阪、東京での訴訟判決を目前に控えた6月以降、朝鮮学校への高校授業料無償化の適用、補助金交付などを求める声明を出した全国の弁護士会に対し、弁護士会長らの懲戒を請求する文書が殺到していることが分かった。
以下は、この件を報じた2017.10.12付 毎日新聞からの引用。

 各地の弁護士によると、請求は今年6月以降に一斉に届いた。現時点で、東京約1万1000件▽山口、新潟各約6000件▽愛知約5600件▽京都約5000件▽岐阜約4900件▽茨城約4000件▽和歌山約3600件--などに達している。

 請求書では、当時の弁護士会長らを懲戒対象者とし、「違法である朝鮮人学校補助金支給要求声明に賛同し、活動を推進するのは犯罪行為」などと主張している。様式はほぼ同じで、不特定多数の賛同者がネット上のホームページに掲載されたひな型を複製し、各弁護士会に送られた可能性が高い。

 請求書に記された「声明」は、2010年に民主党政権が高校無償化を導入した際に各弁護士会が朝鮮学校を含めるよう求めた声明や、自民党政権下の16年に国が都道府県に通知を出して補助金縮小の動きを招いたことに対し、通知撤回や補助金交付を求めた声明を指すとみられる。

 各弁護士会は調査や処分の要否の検討を進めており、一部の弁護士会は「非行に当たらない」として請求を退けた。日本弁護士連合会は「各弁護士会が法と会規に基づいて判断する」としている。

 村岡啓一・白鴎大教授(法曹倫理)は「懲戒請求は弁護士であれば対象となるのは避けられない。ただ、今回は誰でも請求できるルールを逆手に取っている。声明は弁護士会が組織として出しているのだから、反論は弁護士会に行うべきだ。弁護士個人への請求は筋違いで制度の乱用だ」と指摘している。

そして、以下がその続報。

 朝鮮学校への支援を求める各弁護士会の声明に大量の懲戒請求が届いている問題。請求文書のひな型が掲載されるなどインターネットが引き金になっており、ネット上では声明を「利敵行為」「犯罪行為」と非難するなど排他的な空気がうかがえる。

「声明は明らかに紛争当事国への利敵行為」。あるサイトでは朝鮮学校への補助金は北朝鮮を利するとの主張を記し、賛同を求める書き込みもある。懲戒請求書のひな型には弁護士名などをあらかじめ記している。

 和歌山弁護士会は昨年9月、外交・政治問題を理由とした朝鮮学校への補助金停止は差別を禁じた憲法などに反するとして声明を発表した。その後、当時会長だった藤井幹雄弁護士らへの懲戒請求が約3600件届いた。藤井弁護士は「形を変えたヘイトスピーチで、弁護士会活動への圧力になりかねない」と訴える。

稚拙だが用意周到な扇動行為。ネットを介した朝鮮学校差別との闘いは「いたちごっこ」の側面もあるが、決して放置してはならない。

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