「あたりまえの権利」を求めて
〜 あの日の歓喜を新しい希望の礎に 〜
朝鮮高級学校への「高校無償化」制度適用を求め全国5箇所で闘われたいわゆる「朝鮮高級学校無償化裁判」は2021年7月27日、最高裁第3小法廷が下した広島訴訟についての上告棄却決定をもってすべて終結しました。
司法による権力への盲従と迎合。罪深き官製差別を助長する司法の決定が奪ったものは、皮肉にも制度開始に伴い日本政府が謳った「すべての子どもたちが学ぶ権利」そのものでした。
それでも私たちの胸に刻まれ失われないものがあります。2017年7月28日に出された大阪地裁による原告勝訴判決。文部科学大臣が朝鮮学園に対して下した不指定処分を取り消し、法律施行規則の規定に基づき指定せよと命じる、まさに「歴史的全面勝訴」でした。当時、丹羽雅雄弁護団長は「戦後初めて司法が国の差別行政を糾(ただ)す判決」であり、「民族教育の重要性とその意義、役割について正しく判示した歴史的勝訴判決」であると評価しました。
愛知とともに大阪朝鮮学園が提訴に踏み切った2013年1月24日から10年の月日が流れました。
いま一度私たちはこの闘いが朝鮮学校に学ぶ子どもたちとそれを支える多くの人々にもたらした「確かなもの」を見つめ直すことが求められます。
この度、10年間の長きに及ぶ闘いの軌跡を収めた「大阪朝鮮学校裁判記録集」が出版されます。それを記念し来たる11月22日、東成区民センターにおいて集会が開かれます。
集会では裁判の経過報告や総括、共に闘った当事者たちのリレートークなどが予定されています。
あの日の歓喜を新しい希望の礎とするために、そしてこれからも続く子どもたちの学ぶ権利を守る闘いをより力強く推し進めてゆくために集まりましょう!