差別を糾す

日本共産党・倉林明子議員が政府の差別政策是正を訴える

2025年5月12日、参議院行政監視委員会。
日本共産党の倉林明子議員が「高校授業料無償化」制度についての質問に立ち、朝鮮学校のみを枠外に置き続ける政府の差別的な態度を厳しく糾弾しました。そして朝鮮高級学校のみを除外し続ける根拠の矛盾点を鋭く指摘しました。
倉林議員は先ず、「高校授業料無償化」制度における外国人学校やインターナショナルスクールに対する文科省の認識について問いただした上で、朝鮮高級学校のみを除外した理由を尋ねました。答弁に立った担当者は「法令に基づいて定められた審査基準に適合すると認めるに至らなかった」という、法廷でも繰り返された詭弁を弄するのみでした。
倉林議員は裁判を振り返り、「朝鮮総聯による『不当な支配』」を理由に制度からの除外を正当化した文科省の矛盾を指摘しました。そもそも教育基本法第16条による「不当な支配」とは「国による教育への不当な介入」のことを指し、「二度と戦争を起こしてはならない」という平和憲法の趣旨に沿った法であると指摘しました。そして、朝鮮学校のみを除外するという行為は「すべての意思ある生徒たちの『学び』を保障する」という無償化制度の趣旨に反するばかりでなく、「高校生が受けられる教育の機会均等の権利」を侵害していると非難しました。
また、倉林議員は国連のあらゆる委員会より度重なる是正勧告が出されているにも関わらず朝鮮学校のみを排除している差別政策を全く改めようとしない日本政府の態度を厳しく指摘しました。これに対し「適切に対処」すると繰り返すばかりの三原じゅん子・内閣府特命担当大臣の木で鼻を括った答弁に「適切に対処」できていないから国連から7度も是正勧告が出されているんだと喝破し、子どもの権利侵害に対しての見解を問いただしました。そして国連からの勧告を正面から真摯に受け止めなければならないと訴えました。
さらに倉林議員は、政府の措置とは異なって独自に朝鮮学校への補助金支給を継続している自治体の数と予算が大幅に縮小している現実を明かし、2016年3月、朝鮮学校を擁する28の都道府県知事宛に政府が出した「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点にあたって」という通知が、京都府においてすでに決まっていた補助金交付を留保する事態まで引き起こしたと指摘しながら、自治体を萎縮させる国の圧力に他ならないと非難し、速やかに撤回するよう求めました。
倉林議員は、あべ俊子・文部科学大臣の無機質な答弁内容と態度に対して怒りを露わにし、自治権の侵害をやめて自治体独自の判断を尊重せよ、通知を撤回せよ。と再び厳しく迫りました。そして、「高校教育の効果」が広く社会に還元されていると認識しているからこそ文科省は国籍を問わず外国人学校に対しても「無償化」を適用しているのではないか。にも関わらず15年もの間、除外され続けている朝鮮学校の子どもたちは全国で声を上げ続けていると紹介して、差別の固定化はあってはならない、朝鮮学校にも制度を適用せよ。と強く求めました。
「法令に基づき適切に対処する」と繰り返す政府の態度が差別政策に他ならないと、極めて明哲な論旨で指摘した倉林議員は最後に「改めて、朝鮮学校通う子どもたちにも差別なく『無償化の春』が迎えられるよう力を尽くしてほしい」と強く要望して質問を締め括りました。
すべての子どもたちが等しく学べるよう活動を続ける私たちを後押ししてくれる力がここにもあります。

委員会の様子を下のリンクからご覧いただけます。

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