今日に抗う 過ぎ去らぬ人々
12月13日(金)、 PLP会館にて「中村一成・新刊出版記念講演会」が催されました。
会場には、中村一成さんが語る出会った人々と交わした温かな言葉、そして彼らの置かれた厳しく理不尽な現実をえぐり出す鋭い言葉、それら数々の言葉を聞こうとたくさんの聴衆が集まりました。
雑誌「イオ」に連載された6年にも及ぶエッセイ「在日朝鮮人を見つめて」「今、この時代を生きる」に綴られた様々な人々との出会いを収めた本「今日に抗う 過ぎ去らぬ人々」の刊行を記念して行われた講演会は、一成さんゆかりの地、京都「ウトロ平和祈念館」での開催に次ぎ2回目となりました。
言葉を大切にし、言葉の持つ力で「いまとは違う未来」「生きるに値する世界」を求める人々の声を大切に紡いできた取材の軌跡を、人々と心を通わせた様々なエピソードと共に振り返った一成さんのお話が参加者たちの心を惹きつけてやみませんでした。
無知と偏見にまみれた差別、血の通わない行政による不条理。痛みと苦しみを抱えてもなおそれらに抗い生きている当事者たちに寄り添い、耳を傾け、声を拾い集めて放たれる一成さんの言葉は、今この時代を生きるための道標となって、きっと私たちの進む先を示してくれるはずです。