すべての子どもたちが不自由なく学べるように
「こども基本法」施行から1年、同法が謳う「すべてのこどもが将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会」は実現されているでしょうか。
朝鮮学校をはじめとするすべての子どもたちが自由に学び、健やかに成長することのできる社会の実現を目指し、朝鮮学校への補助金支給再開を求めて毎週火曜日に大阪府庁前で行われている「火曜日行動」が576回目を迎えた7月16日、大阪府内の朝鮮学校に子どもを通わせている保護者代表ら5名をはじめ関係者、支援者たちが大阪府庁を訪れ、補助金支給再開と、今後具体的な施策が期待される「大阪府子ども条例」から朝鮮学校や外国人学校の子どもたちが決して取り残されることのないよう当事者としての心情を強く訴えました。
要請には大阪府・福祉部「子ども家庭局 子ども青少年課」の役職者たち3名が参加しました。まず全国の朝鮮学校「オモニ会」が中心となり集めた署名62,794筆を前に「こども基本法」施行を受けての署名活動と朝鮮学校をめぐる状況について説明されました。そして、朝鮮学校に子どもたちを送っている保護者らの心情を学校「オモニ会」代表たちが一人ずつ訴えました。また、要請を応援するために駆けつけた日本人支援者たちからも要望が出されました。最後に要請書が朗読され手渡されました。
日本国憲法および児童の権利に関する条約の精神にのっとって「全てのこども」を対象としていることが条文で明確に定められている「こども基本法」。
国籍や人種、信条、性別、障害の有無、家庭の形態はもちろん、通う学校の法的区分に関わりなく、すべての子どもたちに差別なく施されなくてはならない「法」のはずです。
しかし、残念ながら現在、民族教育を行っている外国人学校は様々な支援的制度から取り残されているのが現状であり、そこに学ぶ子どもたちは差別的な扱いを被っています。
2017年度に制定された「大阪府子ども条例」と新たに施行された「こども基本法」においては必ずすべての子どもたちが等しく学び、成長できるよう平等に取り扱ってほしいと保護者らは強く訴えかけました。
なお、この日大阪府に対する要請の様子を取材するため、新聞社2社が取材を行い「火曜日行動」の模様と保護者らの姿を記事として取り上げました。