屈辱の地裁判決を糾す、新たな闘いの始まり

●台風の接近で荒れ模様となった8月7日、大阪高等裁判所において大阪府・市補助金裁判の控訴審が開かれました。1月26日に下された行政による制度差別を追認する内容の不当判決に対し未だ冷めやらぬ怒りと民族教育権を取り戻す固い決意を持っておよそ120名の傍聴希望者たちが詰めかけました。裁判では、原告から控訴状と控訴理由書が提出され、弁護団の原啓一郎、李承現、木下裕一弁護士らが理由書の要旨陳述を行いました。原弁護士は、地裁判決において裁判所が本件要綱の改訂内容を適法とした三つの根拠が三つともすべて誤っていると明確な論拠を示して指摘しました。李弁護士は、本件要綱の改訂(要件の付加)が裁量の逸脱・濫用であることを提示しました。木下弁護士は、自らの補助金が大阪府の補助金を補完したものに過ぎないとした大阪市の主張の矛盾を、事業の趣旨や対象の違いなどから的確に指摘し、市の対応が行政手続法上も著しく違反するものであると指摘しました。続いて原告から、大阪朝鮮学園の玄英昭理事長が控訴人代表意見陳述を行いました。
陳述の中で玄理事長は、去る7月28日に下された無償化裁判・全面勝訴判決について「戦後、私たちが歩んできた歴史をまっすぐに見つめ、一貫して民族教育を行ってきた朝鮮学校の意義を認めた」ものだと評価しました。翻って1月26日の本件地裁判決について「4年4ヶ月、20回にわたる裁判で、裁判官はいったい何を見ていたの」かと厳しく非難し、司法は行政による差別に対し「そんなことは許されないと宣明し、不当な措置を追認せず、その行き過ぎを諌め、子どもの権利や学習権を守ってくれなければならないはず」だと決然と訴えました。そして、控訴審において公正で平等な判断を強く願い陳述を締め括りました。
その後、裁判官と原告、被告双方により今後の進行に関する協議が行われました。まず、原告が先の無償化裁判判決文において朝鮮学校への補助金支給に関連する部分の記述内容を分析し、主張を補充するとし、教育学の専門家(駒込武京都大学大学院教授)による「私立学校振興助成法」に関する意見書を提出するとしました。そして再度、裁判官による検証を要請し、直接朝鮮学校を訪ね、子どもたちの学ぶ姿を見て判断して欲しいと強く訴えました。最後に、次回期日を12月6日午前11時と定め閉廷しました。
裁判後、大阪弁護士会館でミニ報告集会が行われました。集会では法廷で発言した弁護士らにより要旨の解説が行われました。集会の締め括りにマイクを握った丹羽雅雄弁護団長は、先の無償化裁判で勝ち取った全面勝訴判決の歴史的意義と各地の訴訟に及ぼす大きな影響について語り、今後も力強く展開される支援活動をテコに補助金裁判でも最後は勝訴判決を勝ち取ろうと強く呼び掛けました。100人を超える参加者たちの希望に満ちた万雷の拍手で集会を締めくくりました。(次回、第2回口頭弁論期日は12月6日です。)