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会場を埋め尽くした参加者たち

不当判決で幕を閉じた裁判当日、午後6時30分より大阪市立中央区民センターにおいて「補助金裁判判決言い渡し報告集会」が行われました。会場には行政を救済するかの様な判断を下した司法に対する強い怒りをもって500名を超える人々が集いました。司会を務めた無償化連絡会・大阪の長崎由美子事務局長は、集会の冒頭で「これは人としての誇りを取り戻す闘い、人間の尊厳をかけた闘いです。不当判決に屈することなく、今から始まる次の闘いに皆で手をつなぎ立ち上がりましょう!」と参加者たちを鼓舞しました。会場は闘いの決意に満ちた万雷の拍手に包まれました。

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判決文の不当性と矛盾点を指摘

弁護団の原啓一郎弁護士が、今回の判決に対する分析評価の内容を解説しました。原弁護士は先ず今回の不当判決を受け、朝鮮学校に携わるすべての人たちが噛みしめている悲しみと怒りについて自分も全く同じ気持ちであると述べました。判決内容の説明では、本件補助金がなぜ「贈与」と言えるのか、また、「一条校に準ずる学校に交付するもの」だと結論だけが書いてあるが理由は述べられていないと指摘しました。更には、あろうことか被告も言及していない「裁量権」を認めている等、被告である行政を「救済する判決」だと断じ、次のステージに備え裁判準備を整えると述べました。

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怒りをもって闘い続ける

大阪朝鮮学園・玄英昭理事長が声明文を朗読しました。玄理事長は登壇後、先ず声明文の副題に記された文言について触れ「『慟哭、天に達す!』とありますが、今は悲しんで泣き崩れている場合ではありません。私はこれを『憤慨、憤り、天に達す!怒りをもって闘い続ける』と直して臨みたいと思います。」と述べました。そして、朝鮮学校に学ぶすべての子どもたち、保護者や関係者、同胞と支援者たちの義憤を込めて声明文を読み上げました。最後に、不当判決に屈することなく勝利の日まで闘い抜く意志を持って控訴する意向を表明すると会場から大きな拍手が送られました。

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ターンオーバーの精神で!

大阪朝鮮高級学校卒業生の高熹成さんがアピールをしました。現在、朝鮮大学校に在籍する彼が「高校無償化適用除外」や「補助金支給停止」の悲報を初めて耳にしたのはまだ中学生の頃です。苦しい家計の中、自分を朝鮮学校に送ってくれた両親の苦労を慮り、また、弟や妹たちには同じ思いをさせたくないと幾度となく自らも街頭に立ち署名や宣伝活動をやってきた彼は強く問いかけます。「民族の言葉や文化を学び、クラブ活動で心身を鍛え、友人たちと楽しく過ごす朝鮮学校がなぜ差別されるのか」と。そして、決して立ち止まらず、これからも「ターンオーバー」の精神で闘うと誓いました。

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子どもたちに絶望は似合わない

保護者を代表し、現役のオモニ会長も登壇しました。東大阪朝鮮初級学校オモニ会の高己蓮会長は、不当判決から受けた衝撃と共に、これまで民族教育権利獲得のために奔走した闘いの日々を思い返しながら、1世、2世の先達から「まだ頑張れ!もっと歯を食いしばって立ち向かえ!」と叱咤激励を受けているようだと述べました。敗訴判決に落胆する自分に新しい力と勇気をくれたのは子どもたちの屈託のない明るい笑顔と前向きな姿だったと語ります。「次は私たち3世、4世が子どもたちに背中を見せる番。かっこいい背中を見せようじゃありませんか!」会場からは万雷の拍手が送られました。

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裁かれたのは日本社会の良識

「日本の司法はここまで国家権力にすり寄る判決を下すのか!」無償化連絡会・大阪の共同代表:藤永壯教授は開口一番、不当判決を下した裁判所を喝破し、怒りの感情しかわいてこないと述べました。続けて「ウリハッキョの皆さん、どうぞ、胸を張って下さい。今回の裁判で敗れたのは朝鮮学校ではありません!日本社会の良識です!日本の民主主義であり、人権意識であり、そして植民地主義を克服しようとする意志が敗れたのです!」、「怒りを力に変えて最後まで共に闘い抜こう」と力強く訴え声明文を読み上げました。また、韓国の支援者たちから送られてきたメッセージも紹介されました。

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控訴審に向けたシュプレヒコール

丹羽雅雄弁護団長率いる弁護団のメンバーが登壇しました。順に自己紹介がされた後、丹羽弁護士は昨年8月9日に行われた最終弁論期日に触れ「今日までの5ヶ月半、裁判官は一体何を考えて来たのか!」と叱責し、最終意見書の結語に記したこの裁判の本質について述懐しました。歴史認識、国際人権規約、行政と培ってきた信頼関係…。公正な判断を促すために提起した三つの問題はことごとく黙殺されました。丹羽弁護士は続けます。「何よりも不交付で直接被害を被るのは子どもたちだ!」最後に「行政救済判決」に裏切られた怒りと次なる闘いへの意志を込めてシュプレヒコールをあげました。

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子どもたちに笑顔と希望を!

集会の最後に「ホンギルトン基金」の贈呈が行われました。これまで補助金支給停止による厳しい運営状況の中、民族教育存続のために多くの温かい支援金が集められ朝鮮学校の運営に充てられてきました。無償化連絡会・大阪事務局・会計担当の大村和子さんがプレゼンターを務め、大阪朝鮮学園の玄英昭理事長に貴重な基金が手渡されました。目録を受け取った玄理事長が謝意を述べました。集会の最後に司会の長崎由美子さんが行動提起をしました。子どもたちの学ぶ権利のため、控訴を決めた朝鮮学園を支え最後まで共に闘い抜く決意を、満場の拍手をもって参加者たちと共有し閉会しました。