無償化連絡会 大阪事務局長・長崎由美子さんの力強いスタートコールで街宣行動は始まりました。アピールの最後に、大阪朝鮮高級学校の卒業生・高熹成(コウ・フィソン)さんが、登壇しました。彼は在日コリアン学生の自分たちにとって「かけがえのない場所」である朝鮮学校を守る闘いを最後まで続けると誓いました。大阪朝鮮学園に係る二つの裁判に携わっている弁護団から、自身も朝鮮学校出身者である李承現(リ・スンヒョン)弁護士が駆け付け、裁判の中心内容と争点、今後の裁判予定について説明しました。「子どもたちに渡すな!あぶない教科書 大阪の会」の伊賀正浩さんは、育鵬社の教科書採択問題を取り上げ、現在の教育現場に支配する閉塞感の原因は差別是認を恥じることも知らない政府にあると断じ、朝鮮学校差別と同根であると指摘しました。大阪朝鮮高級学校オモニ会の沈美福(シム・ミボク)会長は、二人の子供に民族教育を受けさせている母親の立場から朝鮮学校が素晴らしいアイデンティティー育成の場であると自身の経験をもとに発言しました。ヘイトスピーチ裁判で勝訴を勝ち取ったライターの李信恵(リ・シネ)さんは、全国大会で名を馳せる大阪朝高ラグビー部の活躍にふれ、民族教育の素晴らしさや大切さをアピールしました。司会を務めた大椿裕子さんは、多くの通行人で賑わうヨドバシカメラ・梅田前の宣伝カーから、朝鮮学校差別の是正を求めるアピールに耳を傾けるよう力強く呼び掛けました。「日本軍『慰安婦』問題ネットワーク関西」の松村徳子さんが、被害者である韓国のハルモニとの面会を通して朝鮮学校の子どもたちを思う温かい気持ちに触れたエピソードを語りました。無償化連絡会・大阪の共同代表、藤永壯さんが、朝鮮学校に対する国や地方自治体による差別政策のため裁判に至った経緯と、今日行われる街宣行動の趣旨、意義について話されました。400人を越える人が集まり、大阪駅周辺は「すべての子どもたちが等しく学ぶ権利」を求める朝鮮学校関係者や保護者、支援者らの熱気に包まれました。





2016年11月10日、夜の大阪駅前に「すべての子どもたちが等しく学べる権利」を求める400もの声が響きました。

それぞれ証人尋問を終え、大詰めを迎えた「高校無償化裁判」と「大阪府・市補助金裁判」において裁判所の公正な判決を求める「大阪一斉街頭宣伝行動」が行われました。

初冬の訪れを感じさせる寒さの中、この日集合場所の「梅田ヨドバシカメラ」前に集まったのは裁判を闘う大阪朝鮮学園関係者と弁護団、朝鮮学校関係者や保護者、卒業生、日頃から朝鮮学校を支える同胞たちと日本人支援者、約400名でした。皆、朝鮮学校に学ぶ子どもたちの笑顔と希望のために力を合わせようとの一心で、この日まで様々な活動を共にしてきた大切な仲間です。政府や地方自治体の理不尽な差別により学習権を著しく侵害され、多大な損害と精神的苦痛を強いられている朝鮮学校児童・生徒らと保護者、教職員らの実状を、少しでも多くの人々に知ってもらおうと、参加者らは「子どもたちの笑顔を奪わないで」、「朝鮮学校への補助金復活を強く求む!」など差別是正や共生を願うメッセージが書かれたゼッケンを身に付け、チラシやメッセージカードを手に街頭に出ました。

午後6時30分に始まった街宣活動に合わせて、宣伝カーの上からは7名の方たちがアピールを行いました。
壇上からは一様に、日本政府と地方自治体の旧態依然とした民族差別の構造を強く非難し、民族教育の権利がいかに侵害されているかが強く訴えられました。そして、常に被害を受けているのは何の罪もない子どもたちであること、遠からぬ将来、同じ大阪府民として地域社会を担って行く仲間であることが語られました。

また、季節がら「秋祭り」や「バザー」など様々な催し物と一般公開授業を通して、地域の市民に民族教育の実像を知ってもらうための取り組みが学校毎に盛んに行われている現実が紹介され、国による「高校無償化」除外と大阪府・市による「補助金」不支給の口実となっている「反日教育」がいかにナンセンスで現実とかけ離れたこじつけであるかが訴えられました。また、朝鮮学校と関わってきた自身の経験から、何よりも子どもたちの活き活きとした姿を通して民族教育の正当性を知って欲しいと呼び掛けられました。

右傾化の度合いを強め閉塞感が増すばかりの今日にあって、マイノリティーの権利がひとつひとつ奪われ行く現実。朝鮮学校に対する制度差別の問題は単なる外国人学校の金銭的問題ではなく、「多様性」や「共生」を拒絶し、ヘイトスピーチやレイシズムの蔓延を黙認する日本社会が抱えた深刻な問題と通底していると登壇した方々は語気を強めて訴えました。
それでもなお、希望を失わずに力を合わせて朝鮮学校に学ぶこどもたちの笑顔を守ろうと語りかけるアピールに、参加者らは心からの拍手と声援を送りました。

司会者の呼びかけで活動の最後にシュプレヒコールを唱和しました。
「子どもへの差別をやめよう!」「一緒にこの町で生きよう!」
民族教育権を守るためにおこなわれるすべての運動に共通する思いが凝縮された言葉です。
参加者らは声と気持ちを一つに合わせて力強くコールしました。

この日、朝鮮学校で学ぶ子どもたちに笑顔を取り戻そうと集まった人々の手により、裁判所に宛てた公正な判決を求める要請ハガキとチラシ、リーフレットなどおよそ1,900枚が配られました。