無償化連絡会・大阪

〜 子どもたちの笑顔と希望のために 〜

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無償化裁判控訴審、結審せず

2018年、最初の裁判期日は2月14日(木)の「高校無償化」裁判控訴審第二回口頭弁論でした。
昨年12月14日の控訴審第一回口頭弁論からちょうど2ヶ月が経ちました。民族教育権が大きく認められ、国による「高校無償化」制度除外の違法性が厳しく糾された先の地裁判決が支持され結審することが期待された今回も134名に登る傍聴希望者が裁判所に詰めかけました。今年から全ての入館者に対し、金属探知機による「所持品検査」が義務付けられ、裁判所はこれまでと違い物々しい雰囲気に包まれていました。朝鮮学園関係者と学校保護者、卒業生たちや活動家、日本人支援者たちは午後2時からわずか10分間の「傍聴抽選券」配布に合わせ裁判所本館の正面玄関前に集まりました。この日、大阪朝鮮高級学校から15名の3年生たちが参加しました。女子9名はチマチョゴリの制服姿です。朝鮮学校で民族的アイデンティティーを学び育んでいる自分たちの真の姿を見てもらい、知ってもらいたい。その上で差別や偏見なく審理してほしいとの願いが伝わってきます。生徒たちは緊張した真剣な面持ちで法廷に入りました。
午後3時、裁判が始まりました。裁判長はまず書面の確認をしました。控訴人側からは2月14日付で「第1準備書面」が、被控訴人側からは2月9日付で「準備書面」がそれぞれ提出されました。続いて裁判長は、今後の裁判進行について意見を求めました。控訴人側の弁護士は、裁判そのものを引き延ばしたい意図から次回期日を設けることが望みでしょうが、明確に示す主張も証拠ももはやありません。裁判長の問いかけに対し「特にありません。」としか答えられませんでした。被控訴人側からは丹羽雅雄弁護団長がきっぱりと「速やかな」結審を求めました。ところが、裁判長は自ら「裁判所から控訴人と被控訴人に提起する形で」と次回期日について持ちかけました。
曰く「規定13条の適合性、その判断に当たって文部科学大臣の裁量があるのか、ないのか。特に教育基本法16条に関わるところの『不当な支配』、その点について裁量の有無、裁量があるとすればその範囲についての議論。意見に補充するところがあれば提出してほしい。」として双方の主張を求めました。しかし、これらの問題点については、一審において尽くされた議論であるばかりでなく、判決文によって明確に判断が下されたはずです。意図的に結審を避け、裁判を引き延ばそうとしているかのようです。裁判長の提案を歓迎する国側と、速やかな結審を望む学園側の意向は対立しました。そこで裁判長は合議を告げ、裁判官たち3人が退席しました。およそ5分間、場所を移して合議が行われたのち再び法廷に戻った裁判長は、前述の問題をさらに深く審議するため、次回期日を設けると宣言しました。これを受け丹羽弁護団長は、「主張に対する反論」への「再反論」が出され、不毛なやり取りで徒らに裁判を長引かせることのないよう、書面の提出期限を早めに設定するなど対策を講じるよう裁判所に促しました。裁判長は、主張をまとめ書面として提出するのに必要な期間などを勘案し、次回期日を4月27日にすると決めて裁判の終了を告げました。
閉廷後、弁護士会館の2階で報告会が行われました。報告会ではまず丹羽雅雄弁護団長が、結審せず不本意な結果となった今回の裁判を振り返り総括しました。丹羽弁護団長は「無償化」制度からの除外を是が非でも正当化しようとする国の態度を指摘し、歴史的勝利を収めた地裁判決を高裁で維持することの難しさ、この裁判闘争を勝ちきることの厳しさを語りました。それでも丹羽弁護団長は、改めてこの裁判が持つ意義を確認しました。この法廷で裁かれるのは朝鮮学校の教育内容や本国、総聯組織との関係性などではない。ましてや朝鮮学校に学ぶ子どもたちのふるまいなどでは決してない。裁かれるのはこの社会の在り方、日本の民主主義だ。だからこそ我々日本人も当事者と言える。最後の最後まで共に闘い抜こうと力強く語りかけました。
そして、この「高校無償化」裁判と、「大阪府・市補助金裁判」に携わる弁護団のメンバーたちが紹介され、ひと言ずつ発言しました。
弁護士たちは、この日の裁判に対する感想を述べるとともに完全勝訴への決意を表明しました。また、玄英昭理事長が最後に発言し、弁護団に寄せる全幅の信頼が勝訴への信念へとつながっている、子どもたちの「学ぶ権利」を守るため最後まで闘い抜くと力強く訴えました。
続いて、今回の裁判が2月14日に行われたことにちなんで大阪朝鮮高級学校オモニ会の役員たちが、弁護団の先生方に「バレンタイン・チョコ」を手渡しました。
最後に、無償化連絡会・大阪の長崎由美子事務局長が今後の活動予定を伝え、闘い続ける弁護団を引き続き支えて行こうと訴えかけました。
次回、第三階口頭弁論は4月27日(金)、午後3時からです。

トライし続ける!

去る2月4日、東大阪グランドで「第69回近畿高等学校ラグビーフットボール大会(新人戦)」大阪府予選の決勝戦が行われました。
大阪朝鮮高級学校 VS 大阪産業大附属高校 。決勝にふさわしく大阪屈指の強豪校同士が対決する好カードでした。
結果は31:28で、大阪朝鮮高級学校が見事優勝を飾りました。
前半に許した2点のビハインドを後半に逆転する粘り強さで接戦をものにしました。
1、2年生たちの新人チームは部員数も多くありません。引退した3年生たちが進んでドリンクの準備や用具運びなど後輩選手たちのサポートを買って出ました。応援に駆けつけた保護者や同胞たちも新チームの快挙に喝采を送りました。4年ぶり10度目の「花園」へ俄然期待が膨らみます。

全国でも名だたる強豪と呼ばれて久しい大阪朝高ですが、彼らを7〜8年も前から追いかけ続け、応援し続けた人がいます。
ドキュメンタリー映画「60万回のトライ」の監督、朴敦史(パクトンサ)さんと朴思柔(パクサユ)さんの二人です。
大阪朝高ラグビー部員たちの姿をまっすぐ捉えた同映画は、日本全国の在日同胞と日本人たちにとどまらず韓国でも非常に大きな反響を呼んだ作品。繰り返し各地で上映会が催され、愛されてきた映画です。

先日、埼玉県さいたま市浦和区で開かれた上映会が、2月8日付の毎日新聞に取り上げられました。
以下に記事を紹介します。

映画「60万回のトライ」上映会 朝鮮学校の現状知って 県補助金求め さいたま /埼玉

高校ラグビーの強豪、大阪朝鮮高級学校(東大阪市)のラグビー部を追ったドキュメンタリー映画「60万回のトライ」の上映会がこのほど、さいたま市浦和区で開かれた。県が朝鮮学校へ補助金の支給を停止しているのを受け、支給再開を求めて朝鮮学校の現状を知ってもらおうと埼玉弁護士会が主催し、約250人が観賞した。

映画は、東大阪市花園ラグビー場で開かれる全国高校ラグビー選手権大会で、同校が初めて準決勝に進出した2010年から3年間にわたり密着取材した内容。タイトルは戦後の在日朝鮮人の人口約60万人にちなんだ。高校授業料の無償化の対象から外され、抗議の声を上げた生徒たちの姿もとらえている。

 上映後は共同監督2人の講演があり、在日コリアン3世の朴敦史(パクトンサ)さんは「朝鮮学校の子供たちが直面している補助金、(高校授業料)無償化の問題で、子供たちは社会の亀裂に立たされ、痛みを感じている。どうにか是正していく声を高めてもらいたい」と訴えた。ソウル出身の朴思柔(パクサユ)さんは「これからも一歩一歩、同じ方向を向いてスクラムを組み、タックルしていきたい」と呼び掛けた。

 さいたま市大宮区で埼玉朝鮮初中級学校・幼稚部を運営する学校法人「埼玉朝鮮学園」に対し、県は1982~2009年度に運営費補助金(09年度は約900万円)を支給。だが、財務の健全性などを問題視し、10~12年度に予算を凍結。13年度からは予算にも計上しなくなった。同学園は問題視された借入金8200万円を14年までに完済したとしているが、県は「財務の健全性を最終確認できていない」との姿勢だ。県議会予算特別委員会は12年に「拉致問題等が解決されるまでは予算の執行を留保すべきだ」との付帯決議を可決している。

 県に補助金の支給を求める警告などを出してきた埼玉弁護士会の山下茂会長は上映会で「朝鮮学校の現在の姿を知り、補助金の不交付がいかに不当かを多くの人に訴えてほしい」と述べた。

ウリハッキョに学ぶ子どもたちの笑顔と希望を取り戻すための闘いは、法廷で、学校で、街角で、あらゆる形で行われています。
朴思柔監督の言うように、そこへ集まった人たちの心と力をひとつにして、同じ方向を向き、強く組んだスクラムで一歩一歩進んで行けば、きっとトライできるのだと感じます。

在日朝鮮人と朝鮮学校

この度、韓国の「図書出版ソニン」から「在日朝鮮人と朝鮮学校」と言うタイトルの書籍が出版されます。
以下は、この本に寄稿された「無償化連絡会・大阪」共同代表の藤永壯先生のコメントです。

韓国で朝鮮学校をさまざまな面から紹介する書籍が出版されます。やっと出版されるようでほっとしています。

ペ・ジウォン、チョ・キョンヒ編『在日朝鮮人と朝鮮学校:闘争の時間、生の空間』図書出版ソニン

私も高校無償化制度からの朝鮮学校排除について執筆しました。韓国で朝鮮学校についての理解が広がる一助になればと期待しています。

そして、以下はWebサイトの紹介文です。 ぜひ皆さん読んでみてください。

在日朝鮮人と朝鮮学校
~闘争の時間、生の空間~

本の紹介

朝鮮学校。韓国社会でこの名はどんな響きを持つだろうか。依然として「北朝鮮の学校」や「朝鮮時代の書堂(寺小屋)」と誤解する人々がいる一方、すでに韓国でも在日朝鮮人たちによる民族教育機関としての「朝鮮学校」と広く知れ渡っている。最近では日本の「高校無償化」制度から除外された朝鮮学校関係者らが日本政府を相手に起こした訴訟の判決が韓国メディアの注目を集めたりもした。2013年から日本全国各地で行われた「高校無償化」裁判は、大阪では勝訴を収めたが、広島と東京では敗訴するなど地域ごとに悲喜こもごもの厳しい状況となった。日・朝関係悪化と日本政府による「対北制裁」は朝鮮学校の子どもたちに直接的な影響を及ぼしている。「外交的配慮よりも教育的観点から客観的に判断する」と民主党政権時代の日本政府の見解は現安倍政権では無かったことにされてしまった。

「高校無償化」裁判闘争は、現在の日本政府の態度と、日本社会における朝鮮学校の歴史的位置を集約的に見せてくれる。しかし、「日本社会の差別」は朝鮮学校を表現する重要なキーワードであることは間違いないが、それだけで朝鮮学校の性格を特徴付けることはできない。さらに日本社会で阻害された「かわいそうな人たち」とだけ考えることも極めて表層的である。解放後、朝鮮学校が歩んで来た道は朝鮮半島激動の歴史と深く関わっており、その過程で成し遂げた民族教育の場は、在日同胞コミュニティーとしては珍しい豊富な事例を見せてくれる。植民と分断。帰国と定住、文化的継承と翻案、全国的組織化と現地化、など朝鮮学校のダイナミックな実践を重厚な歴史として叙述し、記憶することは在日朝鮮人に対する客観的理解を助けるばかりでなく、過去を克服し統一時代を再び開く韓国社会の課題でもある。

本書の出版が、このような韓国学会と市民社会が傾けてきた努力の延長線上にあることは言うまでもない。

著者の紹介
* ペ・ジウォン、チョ・ギョンフィ、オ・ヨンホ、ユ・スンチャン、キム・テギ、田中 宏、イ・ソン、板垣 竜太、ハンドンヒョン、藤永 壯

「高校無償化」裁判控訴審第2回弁論期日

このWebサイトやチラシなどでお知らせいている「高校無償化」裁判控訴審第2回口頭弁論について詳しくご案内いたします。

◾️2018年2月14日(水) 午後3時開廷
※今年から裁判所では金属探知機を使用した「所持品検査」を行なっております。
傍聴者の入館に時間を要するため、傍聴抽選時間が下記の通りに決まりました。
以前のご案内と時間が異なりますのでご注意ください。

◾️抽選場所:大阪高等裁判所・本館正面玄関前

◾️裁判:202号大法廷

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆抽選券の配布は午後2時から10分間のみです。2時10分に締め切られますのでご注意ください!!
☆2時10分から、当選者のみ順次「所持品検査」を受けて入館できます。
☆裁判後、「大阪弁護士会館」で報告会を開きますので、抽選にもれた方もお帰りにならず、お待ち下さい。

法廷闘争は続く

昨年2017年は、1月の「補助金裁判」不当判決に始まり、7月の歴史的な「高校無償化裁判」完全勝訴判決を経て、12月の両裁判控訴審で幕を閉じました。子どもたちの「等しく学ぶ権利」を勝ち取るための長い闘いの中でも激動の一年でした。
教育の場に政治的・外交的理由を持ち込み、子どもたちを差別する行政の在り方を司法の場で糾すための闘いはこれからも続きます。
日本社会で「教育の機会均等」が真に実現し、子どもたちの笑顔と希望を取り戻すまで私たちは闘い続けます。

◼️当面の裁判期日◼️

◯「高校無償化」裁判控訴審第2回口頭弁論
・2月14日(水) 午後3時開廷 ・傍聴抽選場所→本館正面玄関前
※「傍聴抽選権」の配布は午後2:20からの10分間のみです。2:30を過ぎますと受け付けられませんのでご注意ください!
※裁判終了後、大阪弁護士会館で報告会を行いますので、抽選に外れた方もご参加ください。

◯「大阪府・大阪市補助金」裁判控訴審・判決言い渡し
・3月20日(火) 午後3時開廷 ・傍聴抽選場所→本館裏駐車場
※「傍聴抽選権」の配布は午後2:20からの10分間のみです。2:30を過ぎますと受け付けられませんのでご注意ください!
※裁判終了後、東成区民センター大ホールにて午後6時から「大阪府・大阪市補助金裁判控訴審判決言い渡し報告集会」を行います。

みなさん、こぞってご参加下さい!!

冬の朝鮮学校イベント

 

 

 

 

 

◾️2月、各学校で学芸会などのイベントが行われます。(学芸会は全て入場、および観覧無料です)

・2月12日(月)

大阪福島朝鮮初級学校・学芸会(西淀川区民会館<エルモ西淀川> 開場13:30 開演14:00〜)

☆2月14日(水)

「高校無償化」裁判控訴審・第2回口頭弁論(15:00〜 大阪高裁 202号法廷)

・2月17日(土)

大阪朝鮮第4初級学校・学芸会(クレオ大阪・東 開場17:00 開演17:30〜)

・2月18日(日)

生野朝鮮初級学校・学芸会(八尾プリズムホール 開場13:00 開演13:30〜)
北大阪朝鮮初中級学校・学芸会(守口文化センター<エナジーホール> 開場13:45 開演14:15〜)
南大阪朝鮮初級学校・学芸会(住之江区民ホール 開場13:00 開演13:30〜)

・2月23日(金)

東大阪朝鮮中級学校・学芸会(八尾プリズムホール 開場17:00 開演17:30〜)

・2月25日(日)

東大阪朝鮮初級学校・学芸会(八尾プリズムホール 開場14:30 開演14:50〜)
城北朝鮮初級学校・学芸会(旭区民センター 開場14:00 開演14:30〜)
中大阪朝鮮初級学校・学芸会(クレオ大阪・東 開場14:00 開演14:30〜)

朝鮮学校への差別、司法で救済を

昨年末の12月26日、文部科学省で高校授業料無償化の制度設計に携わった前川喜平・前文科事務次官が時事通信社との取材で、「高校無償化」制度の対象から朝鮮高級学校を除外した国の対応を「乱暴で理不尽極まる」と批判し、司法が是正すべきだとの考えを示しました。前川前次官は同法が施行された2010年の夏、東京、神奈川、茨城、愛知、大阪、神戸、京都、広島、九州の朝高生代表たちの訪問を受け、同法適用を求め全国で集められた11万7722筆もの署名を受け取りました。前川前次官はその際、「学びの権利を奪うことは、人権侵害であり差別」だと訴えた生徒らの切実な心情を聞き「『無償化』問題が浮上した後、数校の朝鮮学校を訪問したが、生徒たちはまじめに勉強していた」としながら、「適用可否がはっきりしない状態が続き、生徒たちを不安な気持ちにさせて申し訳ないと思っている。生徒たちの力でこんなに多くの署名を集めたことを評価したい。日本人にも理解が広がっているということは良いこと。生徒たちの気持ちと署名は、必ず文科大臣に伝える」と話しました。それから7年後、国の制度差別と司法の場で闘ってきた朝鮮学園の呼びかけに応じて前川氏は原告側から陳述書を出してくれました。その中で前川氏は、「規定ハ」の削除が文科省内でかねてからの懸案事項であったと主張した国側の陳述を真っ向から否定し、「高校無償化法制定当時、文部科学省内には朝鮮学校を対象として指定しないとする議論は存在せず、指定対象になるということは関係者の共通認識であった」と明確に示しました。
2018年1月7日付、共同通信の記事は以下のように綴っています。

 無償化の是非をめぐって卒業生や学校運営法人による訴訟が起こされており、2017年は広島、東京両地裁で原告敗訴、大阪地裁では勝訴の判決が出た。今年4月には名古屋地裁で判決が予定されているほか、福岡地裁小倉支部や東京、大阪、広島の各高裁でも年内に判断が示される可能性があり、再び注目が集まりそうだ。
安倍政権発足後の13年2月、国は朝鮮学校生を制度の対象から除外した。世帯年収で一定額未満となる家庭の生徒はその額に応じた国からの就学支援金を授業料に充当できる制度だが、「朝鮮学校が北朝鮮や朝鮮総連の影響下にあり、支援金が授業料に充てられない懸念がある」と見なした。
前川氏は「対象に含める前提で、朝鮮学校から申請を受け付け、審査もしていた」と経緯を説明。「支援金が授業料に充てられないと言うなら、その挙証責任は国にある」と述べた上で、「支給すれば授業料に充てたかどうかは直ちに分かることだ」と指摘した。
また、北朝鮮による拉致問題などと関連付けて除外を正当化することに対して「拉致は許されない犯罪行為だが、朝鮮学校生と北朝鮮の支配者層は別だ。差別や偏見をあおっている」と強調。「生徒たちは日本社会で育ち、日本の文化になじむ普通の若者だ。北朝鮮を理想の国だなんて誰も思っていない」と話し、共生の必要性を訴えた。
「人の心は弱く、誰かを差別したいという気持ちは皆が持っている」と前川氏。「今の政権は差別感情をあおって増幅させ、権力を維持している。そういうネガティブな感情を制御するすべを身に付けさせるのが本来の教育だが、できていなかった」と教育行政に関わった過去を振り返り、じくじたる思いを吐露した。

昨年末、氏が福岡と大阪の「無償化」裁判において原告側から陳述書を提出して以来、政府は躍起になって内容に反論しています。ですが、事の経緯と事実関係を最もよく知る「当事者」からの告発を否定することは決してできません。新たな段階に差し掛かった法廷闘争を闘う我々に、前川氏は揺るぎない根拠と確信をもたらしてくれました。

「無償化」裁判控訴審はじまる

全国5カ所で行われている「高校無償化」裁判。その中でも一歩先に進んでいる大阪で法廷闘争が第二審を迎えました。
12月14日。夏の日の歓喜が遠く感じられるほどの身を切る寒さの中、大阪高等裁判所に108名の傍聴希望者たちが集まりしました。
唯一、地裁判決で勝訴を勝ち取った大阪には全国から注目が集まっています。この日も、傍聴席の最前列13席を「記者席」として取られ、裁判に臨めたのは78名に限られました。
裁判は11時に始まりました。「無償化」と「補助金」あわせて40回を数える裁判期日を経て、この日はじめて我が弁護団が傍聴席から見て右側、すなわち被告席に陣取りました。上告した国の訴えを迎え撃つ立場です。
まず、弁論事項として裁判長が書証の確認をしました。続いて、それぞれの代理人が控訴理由と答弁書の内容について要旨陳述を行いました。
この日、控訴人(国側)からは控訴状と控訴理由書が提出され、被控訴人(学園側)からは答弁書が提出されました。
先に、控訴人(国側弁護士)が控訴理由書の要旨について意見陳述しました。
国側弁護士は「大阪朝鮮高級学校が就学支援金に関する指定の要件を満たすとは認められないとした文科大臣の判断が『裁量権の逸脱』または『濫用』したものだとし、またいわゆる『ハの規定』を削除したことが制度の趣旨を逸脱して無効だとした原判決の判断が誤りである」として「根拠」を主張しました。
驚くことに彼らは自らの都合に沿うよう、より抽象的な規定を多く持ち込み、控訴審のために独自の枠組みを新たに設定し主張を展開しました。それは、後付けの理屈である「不当な支配」が第一審で論破されたからに他なりません。国側はまず第一に、大阪朝鮮高級学校が指定の要件を満たすとは認められないとした文科大臣の判断に誤りがないと主張しました。いわく、「教育内容はもちろん金銭の出納を含めた学校運営全般について、教育基本法に定める教育の理念や基本原則に適合するものであることが当然に求められる。」このような規定の「拡大解釈」が他の外国人学校に対する適用との比較において矛盾を肥大化させるだけだという事実を顧みようともしない暴論です。呆れたことに国側弁護士は、原判決の朝鮮学校に対する認識と評価について「一般社会における健全な常識を大きく逸脱する認識の誤り」が、本件規定13条適合性が認められるとした「誤った判断」に「直接的に影響を及ぼした」と主張しました。そればかりか、規定「ハ」の削除について、「削除するに至る基本的な事実経過に照らしても、ハ規定の削除は文部科学省内でもかねてからの懸案事項でしたから、いずれにせよ文科大臣の外交的、政治的意見によるものでないことは明らか」だと断言しました。
地裁判決を覆そうと、満を持して行われた意見陳述でしたが、極めて客観性に乏しい浅薄な主張と言わざるを得ません。皮肉にも、その直後に行われた朝鮮学園弁護団の陳述により、主観に満ちた希薄な論拠ばかりか内容に虚偽があった事実をあらわにする結果となりました。
その後に続いた朝鮮学園側弁護団による陳述は、全6章からなる重厚な内容で、まさに「高校無償化」制度の趣旨に徹底して立脚した客観的主張をもって国の言い分をことごとく論破するものでした。

まず初めに、金英哲弁護士が陳述しました。金弁護士は、国際人権法や教育基本法の理念に照らし、規定13条適合性を都合よく解釈、適用している国の誤りを指摘しました。また、国が要件としてあげた「(支給した就学支援金が)流出する恐れがないこと」について、「財務諸表」の提出のみで「確実な充当」が認められている他の外国人学校を例に、法の差別的な適用(ダブルスタンダード)を指摘しました。そして、いわゆる「不当な支配」に関して、国が抽象的な文言に終始し、偏った情報ばかりをもとに恣意的に「反社会的な活動」や「密接な関連」などを作り上げていると断じ、具体的な実例を列挙しました。その中でも、国が証拠として採用した新聞報道が、拉致担当大臣が朝鮮学校を就学支援金支給対象から外すことを求めた時期に「朝鮮学校を除外するための知恵を絞れ」と題した社説を掲載した事実を紹介し、事実に反する露骨で一方的な偏向報道が「信用されないのは当然」だと指摘しました。また、公安調査庁による情報が「破防法に基づいて収集された」ものである以上、「教育的観点が必要な就学支援金の支給対象校の審査に利用することは到底許されない」と断じました。
金弁護士は最後に、国の主張が憲法や国際人権法、教育基本法を捻じ曲げて解釈し、朝鮮学校に対して予断と偏見の目で見ている。法の趣旨である「教育の機会均等」という最も重要な視点が欠けていると厳しく指摘しました。金弁護士の陳述が終わると傍聴席から大きな拍手が沸き起こりました。厳粛な法廷では許される行為ではないのかもしれません。しかし、気持ちを代弁してくれた陳述に皆、胸のすく思いで無心に拍手を続けました。
続いて李承現弁護士が陳述を行いました。李弁護士は「規定ハ削除が違法・無効であること」を時系列に沿った「不指定に至る流れの概略」を示すことで見事に論証しました。当時の中井拉致担当大臣による(朝鮮高級学校『無償化』除外)要請に端を発する一連の流れは、下村博文大臣はじめ自民党が拉致問題の停滞など政治的、外交的問題を理由に一貫して朝鮮高級学校「除外」を表明し、「規定ハ」の削除を断行した事実を有無を言わさぬ説得力で痛快に見せつけました。そして、国側弁護人が「規定ハ」の削除が文科省内でかねてからの懸案事項であったと主張した陳述の内容を根底から覆す決定的な事実を突きつけました。元文部科学事務次官・前川喜平氏の陳述書です。法廷に提出されたこの陳述書では大きく八つの事実が語られています。その中に、「高校無償化法制定当時、文部科学省内には朝鮮学校を対象として指定しないとする議論は存在せず、指定対象になるということは関係者の共通認識であった」と明確に示されています。また、「検討会議において『適正な学校運営』を議論する中で教育基本法の条項への抵触が問題とされたことは一度もなかった」ことや、「審査の継続中、高校教育改革プロジェクトチーム内において規定ハを削除する『省令改正』の準備を進めていたと望月氏が述べているが、当時の上司である自分の記憶にそのような議論などなかった」と明確に否定しています。最後に李弁護士は、「教育の機会均等」とは無関係な外交的、政治的判断に基づいて省令を制定し、削除した違法性を認め無効とした原判決判断に誤りはないと断言しました。陳述が終わると、法廷がまた拍手に包まれました。
最後に、丹羽雅雄弁護団長が総括的な陳述を行いました。「本件控訴審において十分に理解されるべき本質的事項」と題して、丹羽弁護団長は五つの重要な問題を裁判官に提起しました。第1に、この裁判が日本国家による「植民地支配」という歴史的事実への深い洞察なしに判断されるべきでないこと。第2に、朝鮮学校で学ぶ子どもたちの教育への権利に関わる裁判であるということ。第3に、この裁判が「高校無償化」法の立法趣旨に則って判断されべきであること。第4に、第二次安倍政権後、朝鮮学校で学ぶ生徒たちに対して「高校無償化」制度から排除する意図をもって不指定処分に至った経緯を十分に理解する必要があること、第5に、不指定処分によって、朝鮮学校で学ぶ子どもたちの等しく教育を受ける権利が侵害され、差別を生起させ、人種的憎悪によるヘイトスピーチ、ヘイトクライムを引き起こす原因となっている事実です。
その後、丹羽弁護団長は、歴史的勝訴を勝ち取った7月28日の「裁判報告集会」で登壇した大阪朝鮮高級学校在学生のスピーチを引用し、陳述を締めくくりました。そして最後にもう一度、この裁判が「植民地支配という歴史的背景を有した朝鮮半島にルーツを持つ民族的マイノリティーの権利に関する訴訟であ」ることを指摘し、裁判官に向かって「毅然として司法としての本質的役割を果たされ、歴史の法廷にも耐えうる適正かつ公正なる判断を求めるものである。」と力強く訴えました。
ひと際大きな拍手が三たび法廷を包みました。しかし不思議なことに、三度とも裁判官に咎められることはありませんでした。
この日、双方の主張が見せた対比は、子どもたちの教育権とは無縁の公権力による政治的企図を浮き彫りにし、すべての子どもたちが「等しく学ぶ権利」を求める朝鮮学園の主張の正当性を際立たせました。

その後、裁判長から今後の予定について双方に質問がありました。国側弁護士は「答弁書に対する反論をする」と息巻いて発言しましたが、裁判長から書証(証拠となる資料)の提出があるのかどうかと問われると、とたんにしどろもどろとなり長い沈黙の後、「…新たなものを出させて頂きたいと思いますが、具体的にこのようなものですと出せる状況にございません。」と口ごもるばかりでした。
一方、丹羽弁護団長は、頑固たる口調で「速やかに結審して頂きたい」と発言しました。
が、残念ながら結審には至らず、次回弁論期日を来年2月14日と定め、1時間に及ぶ裁判は閉廷しました。

裁判終了後は、いつもの通り大阪弁護士会館前で報告会が行われました。
まず、丹羽弁護団長が今回の弁論を総括しました。丹羽弁護団長は、自身の長い弁護士経験の中でも「国側が法廷で意見陳述を行うことは大変まれだ」と感想を述べました。「それだけ国はこの件に関して力を注いでいる証拠だ。」「決して負ける訳にはゆかない。」と力を込めて語りました。次いで要旨陳述を行なった金英哲弁護士が、「初めて右側に座ることになり戸惑ったが、1審で勝った側であることを実感した。」と述べ、最後まで勝ち切ると発言しました。続いて李承現弁護士が発言しました。李弁護士は今回提出した前川元文部科学事務次官の陳述書が大きな効果を発揮したと評価し、あらためて国側の矛盾を強く指摘しました。そして、完全勝利に向けて闘い抜くと決意を表明しました。
弁護団からの報告後、玄英昭学園理事長が発言しました。玄理事長は、1月26日の屈辱的な「補助金」裁判敗訴判決に始まった今年を振り返り、7月28日の「無償化」裁判で歴史的勝訴判決を勝ち取った喜びを今一度噛みしめました。そして、来年2月の「無償化」裁判控訴審第2回口頭弁論を闘い抜き、3月20日に迎える「補助金」裁判控訴審・判決言い渡しにおいて必ずや勝訴判決を勝ちとろうと参加者たちへ高らかに呼びかけました。
「高校無償化」裁判控訴審第2回口頭弁論は、来たる2018年2月14日(水)、午後3時から202号法廷で行われます。

2万人へのアピール

名のある在日の社会学者がかつてこう言いました。「在日コリアンについて理解のある人は1割、けしからんという人も1割。残りの8割はまったく知らないか無関心な人だ。」
朝鮮学校の民族教育と子ども達の「学ぶ権利」を守るための活動は、まず第1に「知ってもらうこと」、第2に「関心を持ってもらうこと」、第3にそれら「理解」と「関心」を束ねて「世論を喚起すること」が大事だと言えます。だとすると、去る11月3日の祝日に行われた「9条改憲を許さない!11.3おおさか総がかり集会」でのアピールは絶大なちからと意義を持っています。何しろ参加者が2万人です。とても多くの人に朝鮮学校のことを「知って」もらい、「関心を持って」もらえたことと思います。
今後も、多くの人々が集う様々なシーンで、朝鮮学校に学ぶ子ども達の権利について声を上げ続けなければならないでしょう。

以下に壇上でアピールをした大阪朝鮮高級学校の保護者で同校オモニ会副会長・高己蓮さんの感想を載せます。

 去る11月3日、中之島公園芝生広場で開催された《9条改憲を許さない!11.3おおさか総がかり集会》に、朝鮮学校問題の当事者として、大阪朝鮮高級学校の保護者である私(高己蓮)と東大阪朝鮮中級学校の保護者である申麗順オモニで発言させていただくことなりました。
 私の座右の銘は、「一期一会」です。「今」という時間に全力を使う、一瞬一瞬を常に大切に、行動するなら常に今!オモニ連絡会から依頼がきた時、こんな機会はまたとないチャンス、短い5分という限られた時間に、ウリハッキョの現状、ウリハッキョに通う子ども達のこと、オモニ達の心情を良識ある日本の方々に訴えたいと思い、迷うことなく挙手しました。
 当日、この集会には、2万人の方が参加され、壇上では、『9条改憲を許さない』、『アベ政治を終わらせよう!』、『戦争も、核兵器も、辺野古新基地もいらない』等の力強いアピール、中でも私が個人的に好きな政治家である立憲民主党の辻元清美さんの挨拶で、『1ヶ月前には、存在しなかった立憲民主党を、ゼロから作り上げ、市民の皆さんと草の根でつながりながら闘った今回の選挙について』話されたことが、とても印象深く、勇気づけられるものがありました。又、《朝まで生テレビ》や《サンデーモーニング》でおなじみの佐高信さんのゲストスピーチ等、今のヘイト化した日本社会に真っ向から異を唱える人がこんなにいるんだという事に、正直ほっとしました。でも、この2万人の人々の中には、ウリハッキョ、ウリハッキョに通う子ども達の真の姿を知らない人、中には、否定的に捉える人もいるかもしれないと思うと、来たからには、ウリハッキョの実情、日本政府の朝鮮学校に対する露骨な差別、強大な国家権力を相手に挑んでいる数々の裁判、学校に通わせる親たちの負担、その中でも真っ直ぐに素直に育っている子ども達の事…、伝えたいことは、きりがありませんでした。
 最後に、私達、在日朝鮮人もここにいらっしゃるみなさんと同じで、戦争もいらない、核兵器もいらない、差別や偏見のない社会を一緒に作りあげていきましょう!そのためにも、朝鮮学校への支援よろしくお願いします!!と、締めくくりました。
 現在日本社会の中で、朝鮮学校に対する差別は、当然だという雰囲気が蔓延している中、7月28日の大阪「無償化」裁判勝訴判決は、日本社会にもまだ正義は生きているんだという希望を与えてくれるものでした。
 来年3月20日には、補助金裁判控訴審の判決が言い渡されます。
 まだまだ険しい勝利への道のりですが、私はこれからもこのような集会があれば、どんどん参加し、ウリハッキョの素晴らしさ、ウリハッキョに通う子ども達の素晴らしさをアピールするつもりです
 全ては、子ども達の本当の笑顔と未来のために!!
 支援してくださる良識ある日本の皆様と共に前へ前へ進み、必ずやゴールにたどり着きます。

勝ち抜こう!!

「高校無償化」裁判控訴審 第1回口頭弁論

来週木曜日、「無償化」裁判の控訴審第1回口頭弁論が大阪高裁で開かれます。
今回の傍聴抽選も、整理券の配布が10:20から10分間のみと大変短くなっております。また、抽選場所も「本館」中央の正面玄関前に変更されました。
集合場所と時刻にご注意ください。

去る7月28日、大阪地裁を包み込んだ歓喜の輪は、瞬く間に全国へと広がり各地の朝鮮学校関係者や保護者、同胞たちと支援者らにとてつもなく大きな勇気と希望を与えました。連鎖する差別が社会を覆う排他的状況のなか、あの日確かに司法が「等しく学ぶ権利」を認め、差別政策を断罪しました。
司法により示された正当な判決の意義を、より確かなものとして社会全体に広めるためにも、この闘いを勝ち切らなければなりません。
より多くの方々が関心を寄せ傍聴に集まることが何よりも力強い後押しとなります。
すべての子どもたちが「等しく学ぶ権利」を、ごく当然のこととして強く望む多くの良識が在ることを法廷に示しましょう!!
12月14日、裁判所で会いましょう!!

補助金裁判控訴審が結審

補助金裁判、大阪高裁で結審。判決は来年3月20日

・12月6日(水)午前11時。2回目となる「補助金裁判」控訴審の口頭弁論が202号大法廷で行われました。この日、裁判所には8月7日に行われた第1回口頭弁論を上回る148名の傍聴希望者が集まりました。そして、今回は東大阪朝鮮中級学校と北大阪朝鮮初中級学校から中学3年生の生徒たち20名が課外活動の一環として参加しました。10時20分から10分間、整理券の代わりとなるリストバンドが配布され、その後抽選が行われました。朝鮮学校に係る裁判は全国的にも内外の関心が非常に高く、大阪でも常に「大法廷」が用いられます。これまでの4年間、いつも大法廷の91席を上回る傍聴希望者が駆けつけ繰り返し抽選が行われてきました。9月の東京「無償化裁判」で不当判決が言い渡された後ということもありメディアの関心も高く13席が「記者席」にあてられました。11時ちょうどに始まった裁判では、裁判長から原告側が提出した控訴理由書(4)と10月20日付で提出された第1準備書面、12月4日付で提出された第2準備書面が確認されました。そして原告の申請により書面の要旨陳述が二人の弁護士によって行われました。
まず原啓一郎弁護士が陳述しました。原弁護士はまず「高等裁判所からの問題意識があった点、及び地方裁判所では十分な検討が行われなかった重大な点について今回主張し提出した証拠の概要について述べる」として、四つの問題を指摘しました。第1に、別件のである「無償化裁判」で下された判決と本件との間に存在する共通点について述べました。原弁護士は「教育費の負担軽減を図り、教育の機会均等を確保すること」に趣旨を置くという本質において「補助金」を対象とする本件においても変わるところはないと指摘しました。第2に、その要綱を行政庁が変えられるとした一定の「裁量権」は法律の趣旨により拘束されると指摘し、無限定ではないと断じました。そして、今回提出した書面に整理された内容を解説しました。第3に、公安調査庁が作成した文書に掲載されたことを不交付の理由とした不当性を指摘しました。第4として原弁護士は最後に、本件の不交付が憲法13条や教育基本法、私立学校法、国際人権法などの様々な法律及び上位法に違反すると改めて明確に主張しました。
次に李承現弁護士が陳述しました。李弁護士は、今回提出した駒込武京都大学教授の鑑定意見書をもとに陳述しました。鑑定意見書は大阪府が学園に示した「4要件」がいかに不当であり違法なものであるかを私立学校法や私立学校振興助成法に照らし分析しながら「…行政として超えてはならない一線を踏み越え」、「歴史の歯車を70年以上も前に引き戻そうとする暴挙である」と厳しく指摘しました。李弁護士は陳述の最後に、本件の現場である朝鮮学校を裁判官自らが訪れ、子ども達の教育の実際を直接確かめる「検証の申出」を繰り返し強く要請しました。

・陳述が終わり、裁判長が被告大阪府と大阪市の代理人に口頭による意見陳述の有無を確認しましたが、両代理人らはいずれも意見陳述しない旨を伝えました。最後に、裁判長は度々原告弁護団から申請されて来た「検証の申出」を却下するとして、本件弁論の終結を宣言し結審しました。そして判決の言い渡しを来年3月20日の午後3時と宣言し閉廷しました。

・裁判後、大阪弁護士会館前で報告会が行われました。まずは丹羽弁護団長とともに弁護団のメンバー達が自己紹介をし、それぞれ感想を述べました。丹羽弁護団長は、長きに渡り続けられて来た法廷闘争も残すところわずかとなったが最後まで闘い抜くと、判決を前に決意を新たにしました。また、来週12月14日(木)に行われる「高校無償化」裁判控訴審第1回口頭弁論にも関心を持って臨み、より多くの人たちが傍聴するよう力強く呼びかけました。その後、東大阪朝鮮中級学校と北大阪朝鮮初中級学校の生徒代表が傍聴の感想を述べました。二人とも自分たちの「学ぶ権利」を争う法廷での闘いを間近に見ることができたのを貴重な体験だったと述べ、たくさんの支援者たちに支えられていることを実感できたと言いました。そして民族の言葉や文化、歴史をしっかり学ぶことで報いたいと決意を表明しました。
最後に、無償化連絡会・大阪の長崎由美子事務局長が、法廷闘争の最終段階を力を合わせて勝ち抜こうと訴えかけ、参加者全員の拍手をもって報告会を終えました。
補助金裁判控訴審の判決言い渡しは2018年3月20日、午後3時から202号大法廷で行われます。

朝鮮学校に教育機材を

◆ 韓国のWebサイト「統一ニュース」が2017.11.22に配信した記事の概要を下記に紹介します。

〜 朝鮮学校に教育機材を送るため「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会・支援の夕べ」を開催 〜

日本政府による「高校無償化」除外や補助金の支給停止など朝鮮学校の運営が厳しい状況にあるなか、韓国の市民団体が朝鮮学校に学ぶ子どもたちのために教育機材の支援を呼びかけた。

「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会は22日、「ソウル中央ホール」で「ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会・支援の夕べ」を開いた。
ソン・ミフィ共同代表は、応援のために訪れた朝鮮学校で「小さな旧式画面のテレビで一生懸命に字を学ぶ子どもたちを見た。この子たちに大きな液晶画面を送りたいと思った。」と言い、昨年から教育機材を送る取り組みを始めた趣旨を説明した。
そして、「ささやかな真心ではあるが、子どもたちと共にある私たちの気持ちを送りたい。少しでも子どもたちの力になれれば。」「私たちはこの子たちの『悲しい闘い』が決して孤独なものとならないよう最後まで一緒に闘いたい。南の地でもあの子たちが自尊心を守り、堂々と生きて行けるよう手を携えて行きたいと思う。」と教育機材購入のための支援を呼びかけた。

チョン・テヒョ共同代表は「私たちの集まりを今、日本にいる朝鮮学校の子どもたちとその親御さんたちが一番喜んでくれるだろう」と言い「この様な小さな集まりをもっとたくさん企画し、機材を買うための惜しみない支援を通じて少しでも役立てたという喜びを味わいましょう。」と語った。

キム・サムヨル独立有功者遺族会会長もこの取り組みが『重要な民族運動の種子』だとして「私たちがささやかだが手を差し伸べ、大きな希望を与えられるとするならば『嗚呼、私たちの祖国がある、祖国が私たちを思ってくれるのだな。』と思える熱い情を届ければ我が同胞たちにとって大きな事となるだろう」と述べた。

そして、この日の催しに日本から「関西ネットワーク」のイ・チョル運営委員が参加し、教育機材支援と朝鮮学校への支持応援に感謝の意を述べた。
イ・チョル運営委員は「朝鮮学校では『反日教育』をすると取り沙汰されている。朝鮮学校では植民地支配により日本に引き連れられてきた在日同胞の歴史、我が国、我が民族の歴史と言葉を教えている。それを『反日教育』と言う。話にならない。」と言い、「私たちが民族の言葉を学び、歴史を学ぶのは安倍政権に対する抵抗であり、抗議の意味も持つ」語った。そして、「私たちは未だ植民地統治に対する解放運動、解放闘争の延長線上にいる存在だ」として「我ら同胞たちが持っているものは何もない。しかし今は、この闘いを日本人らが進んで行っている。新たな連帯の文化が生まている。皆さんも一緒に闘ってくれて感謝します。」と述べた。

「6.15合唱団」による歌の公演、朝鮮学校の子どもたちが歌う映像などが上映されたこの日の催しには100余名が参加し、「朝鮮学校教育機材支援・約定書」の伝達式が行われた。

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