日朝学生交流のさきがけ

日本体育大学のいわゆる「文化祭」である「第51回日体フェスティバル2017」が、2017年11月3日〜5日の三日間、横浜にある健志台キャンパスで行われています。
ここに、2013年から毎年、東京小平の朝鮮大学校・舞踊部が出演しています。同舞踊部のFacebookにアップされている以下の記事を引用します。

アンニョンハシンミカ!!

2014年度の様子。後列中央に松浪健四郎理事長。後列左から6番目に朝鮮大学校・チャンビョンテ学長。

日曜日も、祝日も朝大舞踊部は朝から元気に練習に励んでます!!
明日は日体大の学園祭で1.2年生が農楽《 豊年の喜び》を披露します。

2013年から始まり、朝大舞踊部の出演は今回で四回目となります

この期間実習等で忙しい中、2年生を筆頭に準備してきました!!
1年生としては今回が朝大に来ての、初の舞台となります
応援よろしくお願いします!

2013年から始まった出演は偶然ではありません。
元衆議院議員である松浪健四郎氏が理事長を務める日本体育大学が、朝鮮体育大学とのスポーツ交流を目的とした「朝鮮民主主義人民共和国 第一次遠征」を行なったのが2012年11月11日〜17日でした。「スポーツの力を基軸に、国際平和の実現に寄与する」と謳われた同大学の「使命」を全うする覚悟で松波理事長が臨んだ訪朝およびスポーツ交流は大成功を収めました。ひとえに同理事長の情熱が「国交がないゆえにスポーツ交流すらも許されていない」(朝鮮民主主義人民共和国第一次遠征報告書〜訪朝団団長・松浪健四郎 巻頭言より引用。※実際にはスポーツ交流の前例が数件ある。)とされた朝鮮民主主義人民共和国との親善交流を実現させたのは言うまでもありません。以下に、報告書〜巻頭言を引用します。

 私や学長をはじめ役員は自己負担とし、学生やドクター、トレーナー等の費用は寄付金からの支出とした。……4泊5日の滞在だったが、朝鮮政府は大歓迎してくれた。学生たちにとっては新鮮な国際交流を体験したばかりか、「世界平和」を痛烈に感じたにちがいない。きわめて意義深い「スポーツ交流」であった。私どもは、「国交樹立」まで、この交流を継続すべきだと考える。……

朝鮮中央テレビは、連日、試合中継とニュースで「日本体育大学」を伝えた。友好の始まりである。
そもそも、東京オリンピックを招致しようとするわが国が、近隣の国とスポーツ交流ができないなんて不自然すぎる。その壁を日本のスポーツ界をリードする日体大が打破する必然性もあった。JOC(日本オリンピック委員会)からも、招致活動の依頼もあり、私と学長はその協力を朝鮮政府から得たのである。
私たちは、マスコミを通じて本当の実態も識らないのに、イメージを構築して「偏見」を脳裏に宿らせる。「百聞は一見にしかず」であり、自分の足と眼で確認する必要がある。言うまでもなく「内政不干渉」が原則であり、朝鮮の国家体制については朝鮮国民が決めるべきもので、私たちの目的は親善のみだ。相互の理解を深め、信頼関係を築くことが大切、それは交流からスタートする。

スポーツを通じて善隣友好をはかる。純粋な願いが実を結び、多くの成果をもたらしました。日体大と朝鮮体育大学のスポーツ交流は2012、2013年に続いて2015年にも実現しています。3度目となった2015年には、恒例の朝鮮体育大学(以下、朝鮮体育大)との交流試合を行ったほか、朝鮮体育大との学術・スポーツ交流に関する協定に調印しました。
スポーツから始まった交流を文化芸術のジャンルでも。朝鮮大学校・舞踊部の出演は毎年、たいへん好評を博しているそうです。若い世代を中心に親善交流の萌芽が着実に拡散してゆくでしょう。

以下に、上記「第一次遠征報告書」に掲載された学生の報告を紹介いたします。

 

サッカー選手団報告

日朝スポーツ交流に乾杯 ー両国の友好関係の進展を願ってー

◯◯ ◯ (4年)

2013年11月の第2次遠征。朝鮮体育大学とのサッカー親善試合。

朝鮮遠征を通して強く感じたことは、まさに、「百聞は一見に如かず」ということです。朝鮮へ行く前は、日本での報道などから得た情報やイメージで自分の中での印象はあまりよいものではありませんでした。しかし、実際に5日間滞在してみると、人々は優しく、自分たちを温かく受け入れてくれました。
サッカーの交流試合では、4万人の観客は試合中も試合後も大きな声援を送ってくれ、サッカーを心から楽しんでいるように見えました。また、試合後、握手した観客の子どもたちの笑顔は一生忘れられません。
答礼宴では朝鮮体育大学の監督さんとたくさんサッカーの話をし、また必ず試合をしようと約束もしました。  サッカーを通して交流し、少しですがわかりあえたような、朝鮮の人々に対してとても良い印象を持ちました。
当然ながら日本との違いやお互いの国の距離を感じる出来事もありました。
午前中の練習を終えて金日成競技場から高麗ホテルへ帰る際に、車も人影もなにもない日がありました。通訳の方になぜかと聞いたら、韓国でアメリカと韓国が合同軍事演習をしているのでいつ攻めてきてもいいように備えている、日本とアメリカが軍事演習をしているときも同様であると聞き、自分にはとても悲しく衝撃的でした。
今回のような交流をきっかけに、両国の関係が良い状況になっていけたらいいなと思います。
とても貴重な経験をさせていただきありがとうございました。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です